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Episode 04:激突、黒騎士vs白ウサギ~乱入してくるとはとんでもないやつだ~

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<マスター、これは不得手なフィールドです>
 リヒトを肩に乗せて疾走するハーシェンが呟いた。
 無理も無い。確かにこの遺跡の中はある程度の広さはあるが、彼女が暴れるにはいささか狭すぎる。機動力が殺されては、防御力に乏しい彼女の勝算は少ない。
「やれ連戦だの不得意なフィールドだの、神様も随分と意地悪してくれるな。……そういえばお前、レーダーは使えるか?」
<本来の半分以下の性能ですが、なんとか>
 きっぱり即答。わかりやすくてよろしい。
「そうか、キツいな。バリアにマナを多めに回しておけ」
<イエス、マイマスター>
 マナの壁が厚みを増す。これなら強力な攻撃も一発なら止められるだろう。
<ところでマスター。早速ですが前方に反応、確認しました。降りてください>
「あいよ」
 飛び降り、そして華麗に着地。
「俺は三つ編み娘の確保を優先する。……支援ができるのははその後だ」
<イエス・マイマスター。勿論危なくなったら助けてくれますよね、期待してます>
 早口で言ってさっさと行ってしまう。
 ――――抑揚は無い。が、その声は緊張を孕んでいて。
「……可能ならな」
 あいよと笑って、リヒトもその場を走り去った。


パラベラム!
Episode 04:激突、黒騎士vs白ウサギ~乱入してくるとはとんでもないやつだ~



<反応、急接近。エンゲージ>
 疾風。
 鋭い回し蹴りが一閃。騎士がそれを受け止める。先程の野良とは明らかに違う圧倒的なプレッシャーが、物影の遥にもはっきりと伝わって来た。
 いや、それよりも――――
「え……?」
 視界に飛び込んだ白い閃光に、遥は驚きを隠せない。
「あれ、さっきの――――」
 耳のように見えるレーダーと長い足、バイザー状の赤いカメラ・アイ。それは先程遥を助けた白いウサギに他ならなかった。
 白と黒、互いに距離を離す。
<あなたですか、キングは>
 唐突に口を開く。内容は意味不明。
<キング……何の>
 ウサギが低い体勢から繰り出した、不意打ちの貫手。このままでは避けられない――――!
 遥が息をのんだ、その時だった。
「君、大丈夫か?」
 突然現れた男に話し掛けられたのは。
 髪は赤く、顔立ちは精悍。年齢は一見すると十代後半から二十代前半だが――――油断の無い物腰と鋭い目つきのせいだろうか――――見ようによってはそれ以上にも見える。
「……はえ?」
 次から次へと襲い掛かる非日常に、遥の頭はパンク寸前。まともな返事を返す事ができず、首を傾げた。
「大丈夫じゃあなさそうだな……」
「あ、いえ、大丈夫です!」
 慌てて表情を取り繕う。
「……とにかく、ここは危ない。彼女がアイツを食い止めている間に逃げよう」
 男が手を差し延べる。
「彼女……?」
 一体誰の事だろうか、と混乱する頭で考える。彼女とはおそらく、あの白い――――
「ま、待ってください!」
 差し延べられた手をがしりと掴む。
「あなたの」
「名前はリヒト・エンフィールド」
「あ、失礼しました」
 突然名を名乗る男。何故このタイミング……?
「リヒトさんは、あの白」
「そう、正解だ」
 何故このタイミング……!? いや、そんな事より、今は、
「ならお願いです、今すぐ戦闘を止めさせてください!」


 ♪  ♪  ♪


 繰り出された、不意打ちの貫手。これは……直撃コースか。
 黒い騎士――――M-12は素早く、そして冷静な判断ですぐさま左の肘と膝で相手の腕を挟み込む。そしてそのまま首を掴み、白いオートマタを壁に叩き付けた。
<ぐむっ……!>
<キングとは……何の事だ>
 空いている右手にマナを集め、それを相手の下腹部に突き付ける。
<あなたの事じゃないですか。手下を使って女の子を襲うとは、神経腐ってますね>
 ウサギは気丈だった。生殺与奪の権を握られているというのに。
<何の事だ……>
<壊れかけのレディオですかあなたは>
 ウサギは気丈だった。しかしそれは無感情な機械的なものではなく、意地だとか、覚悟だとかいう類の人間的なもののように感じられた。
<わかりました、ならこちらから質問させていただきます>
 やれやれ、と呆れた声で質問する白いオートマタ。何故この状況で。

<それは許可できな>
<あなたの目的は何ですか>
 ……何故この状況で?
<私の目的は>
「そこまでだ、ヘーシェン。戦闘行動を中止しろ。彼は敵ではないそうだ」
 いつの間にここにいたのだろう、おそらくはこの白いオートマタのマスターであろう男が割り込みを入れてきた。タイミングが最悪だ。
<あの穀潰し、タイミングが最悪ですね……。構いません、続けてください>
 間が悪いのはそちらも同じだと思うのだが……口には出さない。
<私の目的は、彼女の>
「お願い、手を離して!」
 今度は女性の声。マスターだ。ああ、間が悪い。
<イエス・マイマスター>
 しかし素直に従い、手を離す。そしてしばらくの間を置き、改めて、
<私の目的は>
<あ、いいです。今ので大体わかりました>
 おお、なんと間が悪――――
<……これは>
 アラーム。
 敵だ、それも近い。
 黒い騎士は主の前に素早く移動し、マナの防壁を展開した。
「え、な、何!?」
<敵です、マスター>
 閃光が瞬く。
 その閃光は防壁を突破して黒騎士の装甲の一部を溶かし、変形させた。防壁によって威力は減衰していたが、これは、
<荷電粒子砲……>
 マナを加速し、撃ち出す兵器だ。その威力は絶大で、防壁、装甲を易々と貫通し、目標を溶解させる。
 どうやら今のは威力を加減して撃ったようだが……一体どこから。
<乱入してくるとはとんでもないやつだ。……高額な光学兵器を装備しているとは、とんだブルジョアジーですね。死ねばいいのに>
「まったくだ」
 無駄口を叩きながら戦闘態勢に以降する白いオートマタと、赤髪の男。
「ええ!? まだ来るの!?」
 べそをかきながら辺りを見回す三つ編みの少女。
 そして――――
<まさか、こんなに早く君が現れるとはね。リヒター……リヒター・ペネトレイター>
 先程の機体よりも遥かにクリアな声、流暢な言葉。
 ゴーグル状のカメラ・アイをオレンジ色に光らせながら、蒼いそいつは現れた。


 次回へ続く!

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