西暦2100年、二十二世紀に入ったと同時に世界は三度目の世界大戦を行った。
しかし、その内容は驚きの物だった。戦争の構図は、世界対日本。
小さな島国でしかない日本が、世界を相手取った。
一年も要らないと予想された戦争の終結は、十五年後に日本の降伏により幕を閉じた。
戦争の爪跡は大きく、世界は二分されてしまった。新たな資源の為に宇宙に進出すべきだという宇宙開発同盟。
宇宙進出で宇宙からの防ぎようのない攻撃を恐れた世界地球主義連邦。
第三次世界大戦から九年後、西暦2124年。第四次世界大戦は幕を開けた。
しかし、その内容は驚きの物だった。戦争の構図は、世界対日本。
小さな島国でしかない日本が、世界を相手取った。
一年も要らないと予想された戦争の終結は、十五年後に日本の降伏により幕を閉じた。
戦争の爪跡は大きく、世界は二分されてしまった。新たな資源の為に宇宙に進出すべきだという宇宙開発同盟。
宇宙進出で宇宙からの防ぎようのない攻撃を恐れた世界地球主義連邦。
第三次世界大戦から九年後、西暦2124年。第四次世界大戦は幕を開けた。
外から響く銃声、怒号、破壊音。それから逃げるように、隠れながら進む人影。
影は三つ、一人は初老の男性、残りの二人は青年である。全員一様に研究者の様な白衣を着ており、男性の手には銃、青年達はアタッシュケースを持っている。
「先生、この部隊いったい何なんでしょう?心当たりありますか?」
「いや、心当たりがないわけではないが・・・こいつらは私の予想していた連中とは違うようだ」
青年―リクと男性の会話にもう一人の青年、クーリが加わる。外ではいまだに人型兵器、HB―――ヒューマン・バトロイドの戦闘が繰り広げられている。
「だがこれだけ大掛かりになるとやはり、心当たりが無いほうが不自然ですね」
「でもこいつらは多分、私設軍だしやっぱり心当たりは無くて当たり前じゃないかな」
「君達は奴らが私設軍だと思うのかい?」
男性がきくと青年達は頷く。
「恐らくそうかと」
「動きが素人くさいです。施設の占領も手際が悪いですし」
男性は少し考えると、敵について考えだした。
「なるほど、やはり研究結果を持って逃げだして正解か」
「なぜです?」
男性の結論に疑問を持つクーリ。
「恐らく奴らは施設ではなくデータを狙っているはずだ。理由は軍備増強の為だろう」
「しかしここでの研究を軍備に活かすのは難しいでしょう」
クーリが反論するも男性は遮って言う。
「何かを作るならそれが及ぼすであろう結果も考えなければいけないよ」
諭すように言われ閉口するクーリ。そしてリクが言う。
「なら先生はこの技術が軍事転用可能だと?」
「ああ、新兵器の開発に必要なのだろう」
質問しておきながらリクは顔を歪める。
リクは戦争が嫌いだった。幼いころの記憶が原因だ。その記憶をどうにかして塞ごうとしているがそれは叶わない事だと分っている。
「さてそろそろ出口だ。すぐに脱出艇に乗り込むぞ」
男性が言った事に気付き、すぐに走り出す。二人はこの男性に救われた。自分の過去の境遇から抜け出せたのは、彼が自分たちを引き取ってくれたからだ。だからこそリクは彼を慕い、助けになるようにしてきた。クーリもまたそうだと信じていたのに。
パン、と何かが破裂する音がし、男性が倒れる。
「先生!」
ケースを放り投げて男性に駆け寄りリクは自分の仲間を呆然と眺めた。
「なんで・・・」
男性を撃ったクーリは口の端を釣り上げながらいった。
「べつに、いまどき銃を持っている事なんて別に不思議なことでもなんでもない」
「そうじゃない!なんで先生を撃った!」
怒りに震えながら裏切者の目を見据える。
「簡単だ。連中が俺を必要としたからだ」
「何で私設軍なんかに協力しようとするんだ」
「それも簡単、俺らの本来の居場所は戦場だからだ」
「違う!」
「いいや!違わない!少なくとも俺はこの平和ボケした現状が嫌で嫌で仕方なかった!」
クーリの叫びは、本心からの物と分かったが割り切れる物ではない。
「それが先生を撃っていい理由になるのかよ」
「ああ、なる」
「先生に対しての情は全く無かったのかよ!」
「ない」
非情にも言いきるクーリに怒りよりも、悲しみが溢れる。次の瞬間にはクーリが近ずいており、
「おまえにも選択の権利をやる。牢獄の中でよく考えろ」
という声が響き、意識を奪われた。
どことも知れない施設に連れて行かれ、そして地下の牢獄に投獄されてから三ヶ月がたった。
牢番と親しくなり、話を聞いて分かった事がいくつかある。
曰く、ここはある新興宗教の本部である事。
曰く、その宗教の信徒は教祖に絶対の忠誠を誓っている奴がほとんどという事。
曰く、その教祖は今の政府に戦争を仕掛けようとしている事。
今は宇宙開発同盟と世界地球主義連邦に世界が分断され、第四次世界大戦に突入しているというのになぜそんな事を?と思っていた時、他の情報が入った。
曰く、この宗教の軍備には宇宙開発推進派の兵器を一手に担当するジャパン・テクノロジー・コーポレーションが協力している事。
ジャパン・テクノロジー・コーポレーション。
JTCと呼ばれるその企業は十一年前にあった第三次世界大戦で平和を提唱する憲法を翻し世界に単身戦争を挑んだ国、日本の技術者が集まってできた企業だったはずだ。
日本の技術力は著しく、脳に埋め込むブレインチップ、人型汎用兵器HBの開発、しまいには宇宙に巨大建造物を作りそこから攻撃し始めた。(ちなみにそのせいで宇宙開発の反対派が生まれてきた)
世界はそのまま日本の手に落ちようとしていたが必死の抵抗と圧倒的な物量に精鋭だけでは勝つ事が出来ず、敗戦。
その後、国家が解体され技術者がJTCを作り上げて世界に貢献する事で元日本国民は肩身の狭い思いをせずに済んでいるという話だ。
そのJTCが戦争に関わるというだけで世界中が抗議したものの、味方になる分には歓迎されており今では二年続いているこの戦争で重要な役目を背負っている。そんな企業がこの宗教の軍備に関わっている。これは偶然か?
しかし情報も、ここを訪れた男の特徴が自分が見た事あるJTCの技術者に酷似していたというだけだ。核心には全く遠い。
「なにぼーっとしてんだ?リク」
看守に話しかけられる。思考から抜け出し答える。
「いや、少し考え事してたんだ」
看守―リキにそう答える。
「はぁーあ、全く監視なんか無けりゃ今頃集会に参加できたんだけどなー」
「ん?集会?」
リキとは馬が合い、良く暇つぶしに会話をする。そこから得る事も多いのだが。
「そ、集会。今上で新しい力のお披露目をやってるんだとさ」
「新しい力、ねぇ」
リクは少し考えるとリキに尋ねる。
「その力って言うのは、ひょっとして新型機?」
「何なら少し映像見るか?」
リキが手元のホロキーボードを操りこちらに画像が見えるように映される。
そこには見たこと無い白い機体とその前に立つ教祖、そして数千人の信徒の姿だ。得られたことと言えば新型機の姿程度だろう。
「あれ?こいつ・・・」
教祖の後ろ舞台の端にいる男がふと気になった。そこにいたのはJTCの技術者、キセノ・アサギだ。こいつがいるという事は・・・。
少しずつ考えを深めていく。恐らくこいつがこの宗教を利用して新型機を製作した。
恐らく各所の研究所のデータが必要だからすぐに集められるようにここに襲わせて、そのあと回収する気だろう。
そしてこいつならリクが牢獄にいる事にも気付いているはずだ。奴は僕を殺したがっていた。なら如何にかして僕を殺すだろう。
その時、流れていた音声が気になった教祖の演説だ。
『―――我々は選ばれた人民として、今日この日よりこの新たな力「グラビレイト」とこの要塞を改修して作り出した空中要塞、「ドラゴン」と共に世界を正すのだ!』
演説の内容に興味はなかったがただ一つ気になる事が・・・
「空中要塞だって?」
もしかしたらそれは・・・
「悪い、リキ。この施設の見取り図を見してくれ!」
「いくらなんでもそれは無理だ」
「なら牢獄と地上の間のでいいから!」
「まぁ・・・そんくらいなら・・・」
見せてもらった見取り図。地下一階から牢獄となっており、地上とは結構な隔たりがある。
「もうちょい詳しくみたい。設計図はない?」
「なんでだよ?何かあったのか?」
リキはさすがに不安げになる。
「俺の予想が正しければ、この地下牢獄で俺達生き埋めになるよ」
「なんでそう言い切れる?」
「話してる暇はないんだ!」
半ば脅すように建設時の設計データを見る。特に柱を。
やっぱり・・・」
「沈むのか?ここ」
設計図を見せながら言う。
「柱の連結が他の階と少し違う。普通にさえしてれば問題ないが、浮かぶとなると落ちるな」
「おい、それって・・・」
「おまえら看守は捨て駒にされたらしいよ」
真実を告げる。周りで少し話を聞いていた奴らも慌てだした。
「畜生ふざけてやがる・・・俺他の看守を説得してくる!」
リキはそう言って他の看守に話しに行った。しばらくすると看守らがカギを持ってこちらに来た。
「あんたの話、信じられないが・・・死んでからじゃ遅いからな」
看守の行動によって投獄されていた奴らが解放されていく。リクは全員に向かって言う。
「今から皆に協力してもらいたい。全員一丸となってここから逃げ出そう!」
看守室の武器が回され、看守と囚人による脱出が始まる。
影は三つ、一人は初老の男性、残りの二人は青年である。全員一様に研究者の様な白衣を着ており、男性の手には銃、青年達はアタッシュケースを持っている。
「先生、この部隊いったい何なんでしょう?心当たりありますか?」
「いや、心当たりがないわけではないが・・・こいつらは私の予想していた連中とは違うようだ」
青年―リクと男性の会話にもう一人の青年、クーリが加わる。外ではいまだに人型兵器、HB―――ヒューマン・バトロイドの戦闘が繰り広げられている。
「だがこれだけ大掛かりになるとやはり、心当たりが無いほうが不自然ですね」
「でもこいつらは多分、私設軍だしやっぱり心当たりは無くて当たり前じゃないかな」
「君達は奴らが私設軍だと思うのかい?」
男性がきくと青年達は頷く。
「恐らくそうかと」
「動きが素人くさいです。施設の占領も手際が悪いですし」
男性は少し考えると、敵について考えだした。
「なるほど、やはり研究結果を持って逃げだして正解か」
「なぜです?」
男性の結論に疑問を持つクーリ。
「恐らく奴らは施設ではなくデータを狙っているはずだ。理由は軍備増強の為だろう」
「しかしここでの研究を軍備に活かすのは難しいでしょう」
クーリが反論するも男性は遮って言う。
「何かを作るならそれが及ぼすであろう結果も考えなければいけないよ」
諭すように言われ閉口するクーリ。そしてリクが言う。
「なら先生はこの技術が軍事転用可能だと?」
「ああ、新兵器の開発に必要なのだろう」
質問しておきながらリクは顔を歪める。
リクは戦争が嫌いだった。幼いころの記憶が原因だ。その記憶をどうにかして塞ごうとしているがそれは叶わない事だと分っている。
「さてそろそろ出口だ。すぐに脱出艇に乗り込むぞ」
男性が言った事に気付き、すぐに走り出す。二人はこの男性に救われた。自分の過去の境遇から抜け出せたのは、彼が自分たちを引き取ってくれたからだ。だからこそリクは彼を慕い、助けになるようにしてきた。クーリもまたそうだと信じていたのに。
パン、と何かが破裂する音がし、男性が倒れる。
「先生!」
ケースを放り投げて男性に駆け寄りリクは自分の仲間を呆然と眺めた。
「なんで・・・」
男性を撃ったクーリは口の端を釣り上げながらいった。
「べつに、いまどき銃を持っている事なんて別に不思議なことでもなんでもない」
「そうじゃない!なんで先生を撃った!」
怒りに震えながら裏切者の目を見据える。
「簡単だ。連中が俺を必要としたからだ」
「何で私設軍なんかに協力しようとするんだ」
「それも簡単、俺らの本来の居場所は戦場だからだ」
「違う!」
「いいや!違わない!少なくとも俺はこの平和ボケした現状が嫌で嫌で仕方なかった!」
クーリの叫びは、本心からの物と分かったが割り切れる物ではない。
「それが先生を撃っていい理由になるのかよ」
「ああ、なる」
「先生に対しての情は全く無かったのかよ!」
「ない」
非情にも言いきるクーリに怒りよりも、悲しみが溢れる。次の瞬間にはクーリが近ずいており、
「おまえにも選択の権利をやる。牢獄の中でよく考えろ」
という声が響き、意識を奪われた。
どことも知れない施設に連れて行かれ、そして地下の牢獄に投獄されてから三ヶ月がたった。
牢番と親しくなり、話を聞いて分かった事がいくつかある。
曰く、ここはある新興宗教の本部である事。
曰く、その宗教の信徒は教祖に絶対の忠誠を誓っている奴がほとんどという事。
曰く、その教祖は今の政府に戦争を仕掛けようとしている事。
今は宇宙開発同盟と世界地球主義連邦に世界が分断され、第四次世界大戦に突入しているというのになぜそんな事を?と思っていた時、他の情報が入った。
曰く、この宗教の軍備には宇宙開発推進派の兵器を一手に担当するジャパン・テクノロジー・コーポレーションが協力している事。
ジャパン・テクノロジー・コーポレーション。
JTCと呼ばれるその企業は十一年前にあった第三次世界大戦で平和を提唱する憲法を翻し世界に単身戦争を挑んだ国、日本の技術者が集まってできた企業だったはずだ。
日本の技術力は著しく、脳に埋め込むブレインチップ、人型汎用兵器HBの開発、しまいには宇宙に巨大建造物を作りそこから攻撃し始めた。(ちなみにそのせいで宇宙開発の反対派が生まれてきた)
世界はそのまま日本の手に落ちようとしていたが必死の抵抗と圧倒的な物量に精鋭だけでは勝つ事が出来ず、敗戦。
その後、国家が解体され技術者がJTCを作り上げて世界に貢献する事で元日本国民は肩身の狭い思いをせずに済んでいるという話だ。
そのJTCが戦争に関わるというだけで世界中が抗議したものの、味方になる分には歓迎されており今では二年続いているこの戦争で重要な役目を背負っている。そんな企業がこの宗教の軍備に関わっている。これは偶然か?
しかし情報も、ここを訪れた男の特徴が自分が見た事あるJTCの技術者に酷似していたというだけだ。核心には全く遠い。
「なにぼーっとしてんだ?リク」
看守に話しかけられる。思考から抜け出し答える。
「いや、少し考え事してたんだ」
看守―リキにそう答える。
「はぁーあ、全く監視なんか無けりゃ今頃集会に参加できたんだけどなー」
「ん?集会?」
リキとは馬が合い、良く暇つぶしに会話をする。そこから得る事も多いのだが。
「そ、集会。今上で新しい力のお披露目をやってるんだとさ」
「新しい力、ねぇ」
リクは少し考えるとリキに尋ねる。
「その力って言うのは、ひょっとして新型機?」
「何なら少し映像見るか?」
リキが手元のホロキーボードを操りこちらに画像が見えるように映される。
そこには見たこと無い白い機体とその前に立つ教祖、そして数千人の信徒の姿だ。得られたことと言えば新型機の姿程度だろう。
「あれ?こいつ・・・」
教祖の後ろ舞台の端にいる男がふと気になった。そこにいたのはJTCの技術者、キセノ・アサギだ。こいつがいるという事は・・・。
少しずつ考えを深めていく。恐らくこいつがこの宗教を利用して新型機を製作した。
恐らく各所の研究所のデータが必要だからすぐに集められるようにここに襲わせて、そのあと回収する気だろう。
そしてこいつならリクが牢獄にいる事にも気付いているはずだ。奴は僕を殺したがっていた。なら如何にかして僕を殺すだろう。
その時、流れていた音声が気になった教祖の演説だ。
『―――我々は選ばれた人民として、今日この日よりこの新たな力「グラビレイト」とこの要塞を改修して作り出した空中要塞、「ドラゴン」と共に世界を正すのだ!』
演説の内容に興味はなかったがただ一つ気になる事が・・・
「空中要塞だって?」
もしかしたらそれは・・・
「悪い、リキ。この施設の見取り図を見してくれ!」
「いくらなんでもそれは無理だ」
「なら牢獄と地上の間のでいいから!」
「まぁ・・・そんくらいなら・・・」
見せてもらった見取り図。地下一階から牢獄となっており、地上とは結構な隔たりがある。
「もうちょい詳しくみたい。設計図はない?」
「なんでだよ?何かあったのか?」
リキはさすがに不安げになる。
「俺の予想が正しければ、この地下牢獄で俺達生き埋めになるよ」
「なんでそう言い切れる?」
「話してる暇はないんだ!」
半ば脅すように建設時の設計データを見る。特に柱を。
やっぱり・・・」
「沈むのか?ここ」
設計図を見せながら言う。
「柱の連結が他の階と少し違う。普通にさえしてれば問題ないが、浮かぶとなると落ちるな」
「おい、それって・・・」
「おまえら看守は捨て駒にされたらしいよ」
真実を告げる。周りで少し話を聞いていた奴らも慌てだした。
「畜生ふざけてやがる・・・俺他の看守を説得してくる!」
リキはそう言って他の看守に話しに行った。しばらくすると看守らがカギを持ってこちらに来た。
「あんたの話、信じられないが・・・死んでからじゃ遅いからな」
看守の行動によって投獄されていた奴らが解放されていく。リクは全員に向かって言う。
「今から皆に協力してもらいたい。全員一丸となってここから逃げ出そう!」
看守室の武器が回され、看守と囚人による脱出が始まる。
筈がいきなり躓いた。
「あかねぇ・・・」
鉄扉が地下と地上をつないでいてそれが完璧閉まっているらしい。シャッター式だから全く歯が立たない。打ち破ろうにも火力が足りない。どうするか悩んでいる中でリクが前に出る。
「僕がやるよ」
「どうやって?今ここで全弾撃ち尽くしても扉は開かないぞ?」
「そりゃぁ止まってればな」
武装の中からダッシュギアとレーザーライフルを取る。
「おまえ、まさか・・・」
リキが言う。
「そのまさか。ダッシュギアで加速つけながら撃ちこむ」
「無茶だ!扉にぶつかって終わる!」
「いいや出来るさ。僕は強化孤児―――チャイルドアーミーだし」
絶句する気配が後ろから伝わる。それと同時に納得も伝わる。離れてろと指示を出し自分も離れた所に移動して、ダッシュギアを高速で動かす。そこらの自動車並みのスピードで突っ込みながら、出力最大のショットガンを構えて引き金を引く。
バッガァアン、と轟音がして扉が吹き飛ぶ。
「いくぞ」
静かに囚人と看守が動き出す。
「あかねぇ・・・」
鉄扉が地下と地上をつないでいてそれが完璧閉まっているらしい。シャッター式だから全く歯が立たない。打ち破ろうにも火力が足りない。どうするか悩んでいる中でリクが前に出る。
「僕がやるよ」
「どうやって?今ここで全弾撃ち尽くしても扉は開かないぞ?」
「そりゃぁ止まってればな」
武装の中からダッシュギアとレーザーライフルを取る。
「おまえ、まさか・・・」
リキが言う。
「そのまさか。ダッシュギアで加速つけながら撃ちこむ」
「無茶だ!扉にぶつかって終わる!」
「いいや出来るさ。僕は強化孤児―――チャイルドアーミーだし」
絶句する気配が後ろから伝わる。それと同時に納得も伝わる。離れてろと指示を出し自分も離れた所に移動して、ダッシュギアを高速で動かす。そこらの自動車並みのスピードで突っ込みながら、出力最大のショットガンを構えて引き金を引く。
バッガァアン、と轟音がして扉が吹き飛ぶ。
「いくぞ」
静かに囚人と看守が動き出す。
リクは戦争が嫌いだった。強化孤児、チャイルドアーミーと呼ばれる生き方をしてきたのが原因だった。
戦災孤児を軍が子供のころから訓練して強力な兵士とする。前大戦で行われたその手法により、大量の感情を持たぬ子供が戦場に立った。リクもその一人だった。
一般的に強化孤児の訓練が始まるのは四歳からで、リクはセオリー通り四歳から一年間、第三次世界大戦が終わるまで強化され続けた。
終戦後、強化孤児は国連に保護されて精神面のケアの後、里親に預けられる事となった。
しかしリクは聡い子であったが故に、強いトラウマが残った。
あるいは戦場で戦い続けていたらそれも払拭できたかも知れない。慣れるよりも早く、そして抜けるには遅かったのだ。
しかし彼は前を向いて歩きだそうとしていた。
里親のもとで研究に身をいれ、そしていつか自分が強化孤児たちの道となれればいいと思っていた。
その矢先に起こった事件。研究所の襲撃、同じ強化孤児の裏切り、そして義父の死。
リクは再び戦場に引き戻されつつあった。
戦災孤児を軍が子供のころから訓練して強力な兵士とする。前大戦で行われたその手法により、大量の感情を持たぬ子供が戦場に立った。リクもその一人だった。
一般的に強化孤児の訓練が始まるのは四歳からで、リクはセオリー通り四歳から一年間、第三次世界大戦が終わるまで強化され続けた。
終戦後、強化孤児は国連に保護されて精神面のケアの後、里親に預けられる事となった。
しかしリクは聡い子であったが故に、強いトラウマが残った。
あるいは戦場で戦い続けていたらそれも払拭できたかも知れない。慣れるよりも早く、そして抜けるには遅かったのだ。
しかし彼は前を向いて歩きだそうとしていた。
里親のもとで研究に身をいれ、そしていつか自分が強化孤児たちの道となれればいいと思っていた。
その矢先に起こった事件。研究所の襲撃、同じ強化孤児の裏切り、そして義父の死。
リクは再び戦場に引き戻されつつあった。
地上に出たところで人が二つに分かれる。脱出艇を強奪して先に逃げたい奴らと、中に残りせめて教祖に一矢報いたい奴ら。
四分の三は脱出して残りは集会の場所へ近づく。リクはキセノを狙うため、この場に残る選択をした。
集会会場は異様な熱気に包まれていて、全員が教祖に忠誠を誓っているのは確かだった。
逆に看守をしていたのはそこまで忠誠心が強い奴がいる訳ではなく、だからこそ捨ててもかまわないと思われたのだろう。
見張りを手早く沈黙させて舞台に近づく。近くから見れば襲われる事など微塵も考えていない布陣である。
しかしすぐに飛び出して教祖を殺してもすぐに信徒による暴動がおこる。
別動隊がHBを強奪するのを待っている間に演説が終わってしまった。
教祖は後ろに控えていた新型機に乗り込みコクピットハッチを閉めてしまう。
そこで始めてそのHBを見る。
規格は良く分からないが、そこまで強力な機体にも見えない。サイズは小型の部類にぎりぎり入る大きさ、固定武装は見当たらず、サイズから見てジェネレーターの性能もそこまでいいとは思えない。
しかしこれは外見から分かる事だけ。中に使われている技術が分かるわけではない。
リキにここが襲った研究所のリストを見せてもらうとかなりの数が襲われていた。
いくつかの分類に分けると、重力関連、粒子関連などが主だった。このニつに関連があるのかは分からない。
四分の三は脱出して残りは集会の場所へ近づく。リクはキセノを狙うため、この場に残る選択をした。
集会会場は異様な熱気に包まれていて、全員が教祖に忠誠を誓っているのは確かだった。
逆に看守をしていたのはそこまで忠誠心が強い奴がいる訳ではなく、だからこそ捨ててもかまわないと思われたのだろう。
見張りを手早く沈黙させて舞台に近づく。近くから見れば襲われる事など微塵も考えていない布陣である。
しかしすぐに飛び出して教祖を殺してもすぐに信徒による暴動がおこる。
別動隊がHBを強奪するのを待っている間に演説が終わってしまった。
教祖は後ろに控えていた新型機に乗り込みコクピットハッチを閉めてしまう。
そこで始めてそのHBを見る。
規格は良く分からないが、そこまで強力な機体にも見えない。サイズは小型の部類にぎりぎり入る大きさ、固定武装は見当たらず、サイズから見てジェネレーターの性能もそこまでいいとは思えない。
しかしこれは外見から分かる事だけ。中に使われている技術が分かるわけではない。
リキにここが襲った研究所のリストを見せてもらうとかなりの数が襲われていた。
いくつかの分類に分けると、重力関連、粒子関連などが主だった。このニつに関連があるのかは分からない。
「何か分かったか?」
「少しなら。恐らくあの機体は何らかの粒子を散布する事で力を発揮するんだと思う」
根拠は二つ。一つは機体の各所にダクトがある事。これで粒子を散布するのだろう。もう一つはリクが所属していた研究所の研究テーマ
「少しなら。恐らくあの機体は何らかの粒子を散布する事で力を発揮するんだと思う」
根拠は二つ。一つは機体の各所にダクトがある事。これで粒子を散布するのだろう。もう一つはリクが所属していた研究所の研究テーマ
、「飛散する粒子への軌道干渉」から。これは周囲の粒子の軌道を制御するための実験だ。発表されれば素粒子の研究は飛躍的に進歩す
る筈だった。
「恐らく重力の方は粒子の飛散時間の延長の為だろうね」
「粒子の種類によってはかなり厄介になるな」
もし粒子が猛毒だったりしたら人が死ぬのはもちろん、HBのパイロットも外部から取り込んだ空気に乗った毒で死亡する。そこにいる
「恐らく重力の方は粒子の飛散時間の延長の為だろうね」
「粒子の種類によってはかなり厄介になるな」
もし粒子が猛毒だったりしたら人が死ぬのはもちろん、HBのパイロットも外部から取り込んだ空気に乗った毒で死亡する。そこにいる
だけで殲滅を行う事が出来る大量破壊兵器が完成する。いったいどういう効果なのか、それが運命の分かれ目だ。
コクピットに乗り込んだ教祖は事前に教えられていたようにシステムの起動を行う。
(この機体が、人類をより良い方向に導いてくれる事を願って)
教祖は常に世界がいい方向に向かう事だけを願っていた。
それは全体としての事であり、同時に結果的に平和になりさえすれば良いという犠牲をなんとも思わない考えだった。
だが周囲はそれに賛同し、遂に第四次世界大戦に第三軍として参戦しようとするまでに至った。
『システム起動完了。続いて搭乗者の脳波の観測を行います。ヘルメットを被ってください』
女性の声がする。この機体には最新型のAIが積まれており、自立思考による戦闘の補助を行う事が可能だった。
起動した後はこのAIの指示に従うように言われていたのですぐに近くにあった電子ゴーグルのようなヘルメットをかぶる。
『脳波観測開始します・・・・思考能力に異常が見られます』
「どういう意味だ?」
脳波の観測の結果に思わず問いかける。
『そのままの意味です。具体的に言えば思想に危険性が含まれます』
「逆に聞こう、それがどうした」
苛立ち混じりに言い返すと答えが返ってきた。
『簡単です。あなたには適正が認められませんでした。強制的に機を降りてもらいます』
次の瞬間ヘルメットから逆流する情報に脳の回路を焼き切られて、教祖はコクピットハッチから落ちていた。
(この機体が、人類をより良い方向に導いてくれる事を願って)
教祖は常に世界がいい方向に向かう事だけを願っていた。
それは全体としての事であり、同時に結果的に平和になりさえすれば良いという犠牲をなんとも思わない考えだった。
だが周囲はそれに賛同し、遂に第四次世界大戦に第三軍として参戦しようとするまでに至った。
『システム起動完了。続いて搭乗者の脳波の観測を行います。ヘルメットを被ってください』
女性の声がする。この機体には最新型のAIが積まれており、自立思考による戦闘の補助を行う事が可能だった。
起動した後はこのAIの指示に従うように言われていたのですぐに近くにあった電子ゴーグルのようなヘルメットをかぶる。
『脳波観測開始します・・・・思考能力に異常が見られます』
「どういう意味だ?」
脳波の観測の結果に思わず問いかける。
『そのままの意味です。具体的に言えば思想に危険性が含まれます』
「逆に聞こう、それがどうした」
苛立ち混じりに言い返すと答えが返ってきた。
『簡単です。あなたには適正が認められませんでした。強制的に機を降りてもらいます』
次の瞬間ヘルメットから逆流する情報に脳の回路を焼き切られて、教祖はコクピットハッチから落ちていた。
「な、なにが・・・」
リキの疑問はもっともだ。突然コクピットから悲鳴が聞こえたと思ったら教祖が落ちてきたのだから。完全に絶命していた。集会が一気
リキの疑問はもっともだ。突然コクピットから悲鳴が聞こえたと思ったら教祖が落ちてきたのだから。完全に絶命していた。集会が一気
にパニックに陥る。
「リキ、お前はダッシュギアですぐに別動隊と合流してくれ」
「お前は?」
「僕は、あの機体を奪っていく」
「無茶だろそれは。あの機体がどんなのかも分からないんだぞ」
「だから、こそだ。いざとなったら中で自爆してでもあの機体を破壊する必要があるからな」
「それでも設計図は残るだろ?意味ねぇよ」
リキの言う事も一理あるがそれは心配いらなかった。
「設計図ならあそこにいる男をやれば大丈夫だ」
キセノを指さして言う。
「じゃ、後は任せた」
そう言ってリクは壇上の期待に向かって走り出していた。会場のパニックは大きくなっていた。その収束点はJTCの技術陣に向けられ
「リキ、お前はダッシュギアですぐに別動隊と合流してくれ」
「お前は?」
「僕は、あの機体を奪っていく」
「無茶だろそれは。あの機体がどんなのかも分からないんだぞ」
「だから、こそだ。いざとなったら中で自爆してでもあの機体を破壊する必要があるからな」
「それでも設計図は残るだろ?意味ねぇよ」
リキの言う事も一理あるがそれは心配いらなかった。
「設計図ならあそこにいる男をやれば大丈夫だ」
キセノを指さして言う。
「じゃ、後は任せた」
そう言ってリクは壇上の期待に向かって走り出していた。会場のパニックは大きくなっていた。その収束点はJTCの技術陣に向けられ
る事となった。教祖死亡の責任を取って自殺しろ、もしくはおとなしく殺されろと。
そのときパニックが少しだけ収まった。リクの姿が壇上に現れたからだ。リクは真っ直ぐ走って機体に乗り込みハッチを閉めた。
人々が呆然とする中、コクピットで機体の起動に入る。
「この機体・・・従来のAIを使って無いな・・・起動方法が分かりづらい・・・・基本性能は高そうだな」
ぶつぶつ言いながらシステムを開いていると突然『お困りですか?』と声をかけられた。
そのときパニックが少しだけ収まった。リクの姿が壇上に現れたからだ。リクは真っ直ぐ走って機体に乗り込みハッチを閉めた。
人々が呆然とする中、コクピットで機体の起動に入る。
「この機体・・・従来のAIを使って無いな・・・起動方法が分かりづらい・・・・基本性能は高そうだな」
ぶつぶつ言いながらシステムを開いていると突然『お困りですか?』と声をかけられた。
「誰?」
『誰かと聞かれても私は固有名を持っていません。通称でよろしければイザナミとお呼び下さい』
「分かったイザナミ、君は何なんだ?」
『私は自立型学習式AI、つまり人工知能です』
「完璧な意思を持っているの?」
『いえ、今の時点ではただのプログラムです。しかし学習機能がありますので初期化されずにいるとどうなるかは不明です』
どうやらこの機体のAIらしい。
「さっきの男を殺したのは君の意思か?」
『はい。先ほどの方は危険思想を持っていたのでこの機体に乗るのにふさわしくないと判断しました』
「なるほど・・・システムの起動は可能か?」
『可能ですが適性が無いと先ほどの方と同じ目にあいますよ?』
「構わないよ」
『なら脳波の観測を行います。そちらのヘルメットを被って下さい』
ヘルメットを手に取り頭にかぶせる。目の前にはヘルメットの内側に表示された情報が展開されている。今出ているのは脳波観測の進効率だ。
『脳波観測完了。異常見られません。これからよろしくお願いします。マスター』
「パイロットとして認められたってことでいいんだね?」
『はい。適性が見られたのでこの機体は私が初期化されるか、マスターが搭乗権を放棄するまでマスターの専用機となります』
「なら動こう。機体の起動を頼んだ」
『了解しました。グラビレイト起動。重力炉稼働率十七パーセント。各計器異常なし。重力炉稼働率上昇。各部位粒子チャージ率五十二
『誰かと聞かれても私は固有名を持っていません。通称でよろしければイザナミとお呼び下さい』
「分かったイザナミ、君は何なんだ?」
『私は自立型学習式AI、つまり人工知能です』
「完璧な意思を持っているの?」
『いえ、今の時点ではただのプログラムです。しかし学習機能がありますので初期化されずにいるとどうなるかは不明です』
どうやらこの機体のAIらしい。
「さっきの男を殺したのは君の意思か?」
『はい。先ほどの方は危険思想を持っていたのでこの機体に乗るのにふさわしくないと判断しました』
「なるほど・・・システムの起動は可能か?」
『可能ですが適性が無いと先ほどの方と同じ目にあいますよ?』
「構わないよ」
『なら脳波の観測を行います。そちらのヘルメットを被って下さい』
ヘルメットを手に取り頭にかぶせる。目の前にはヘルメットの内側に表示された情報が展開されている。今出ているのは脳波観測の進効率だ。
『脳波観測完了。異常見られません。これからよろしくお願いします。マスター』
「パイロットとして認められたってことでいいんだね?」
『はい。適性が見られたのでこの機体は私が初期化されるか、マスターが搭乗権を放棄するまでマスターの専用機となります』
「なら動こう。機体の起動を頼んだ」
『了解しました。グラビレイト起動。重力炉稼働率十七パーセント。各計器異常なし。重力炉稼働率上昇。各部位粒子チャージ率五十二
パーセント』
機体の起動が行われるにつれてヘルメットに表示される情報が増える。重力炉稼働率、各部位粒子チャージ率、機体状況、レーダーなど
機体の起動が行われるにつれてヘルメットに表示される情報が増える。重力炉稼働率、各部位粒子チャージ率、機体状況、レーダーなど
が表示されるが稼働時間が表示されない。
「なあ、稼働時間が表示されないんだけど」
稼働時間はバッテリーに限りがあるHBには一番重要なものだ。
『稼働時間はこの機体には関係ありません。内部に搭載された重力炉の力で半永久的に稼働します』
「無限機関ってことでいいのか?無茶苦茶だ」
『確かに無限機関ではあります。粒子を製造する事で生まれる余剰エネルギーで機体のバッテリーが充電されます。バッテリーの残量が
「なあ、稼働時間が表示されないんだけど」
稼働時間はバッテリーに限りがあるHBには一番重要なものだ。
『稼働時間はこの機体には関係ありません。内部に搭載された重力炉の力で半永久的に稼働します』
「無限機関ってことでいいのか?無茶苦茶だ」
『確かに無限機関ではあります。粒子を製造する事で生まれる余剰エネルギーで機体のバッテリーが充電されます。バッテリーの残量が
十五パーセント以下になった場合は警告しますが、基本粒子製造の方が電力消費より上回るので問題ありません』
「そいつは・・・またなんとも」
苦笑しながらリクは戦闘への身構えを正す。
「少しは戦闘訓練を受けているけど、実戦は初めてだ。アシストを頼むよ」
目の前の集会所の壁を破り、数機のHBがあらわれた。
「そいつは・・・またなんとも」
苦笑しながらリクは戦闘への身構えを正す。
「少しは戦闘訓練を受けているけど、実戦は初めてだ。アシストを頼むよ」
目の前の集会所の壁を破り、数機のHBがあらわれた。
「ちっ、マジの敵だな」
合図となる光通信が無い。
『敵機戦力解析、サイズ中型区分三型二機、大型区分一型一機、全機こちらをロックしています』
「よし、いけ!」
『いえ、各関節のロック解除がまだです』
「へ?」
『十五秒は動けません』
「・・・うそ」
目の前では既にミサイルの発射態勢に入った敵の姿が・・・
「どーすんのこれ!死ぬぞ!?」
『粒子の散布だけなら出来ますがどうしますか?』
「それでどうにかなるなら早くして!」
『了解しました。機体前面への粒子散布を開始します』
カウントは残り五。機体前面にはダクトから散布された粒子が膜を作っていく。敵機のミサイルが発射され、なす術もなく前段が粒子の
合図となる光通信が無い。
『敵機戦力解析、サイズ中型区分三型二機、大型区分一型一機、全機こちらをロックしています』
「よし、いけ!」
『いえ、各関節のロック解除がまだです』
「へ?」
『十五秒は動けません』
「・・・うそ」
目の前では既にミサイルの発射態勢に入った敵の姿が・・・
「どーすんのこれ!死ぬぞ!?」
『粒子の散布だけなら出来ますがどうしますか?』
「それでどうにかなるなら早くして!」
『了解しました。機体前面への粒子散布を開始します』
カウントは残り五。機体前面にはダクトから散布された粒子が膜を作っていく。敵機のミサイルが発射され、なす術もなく前段が粒子の
層に突っ込む。
「あ・・れ?」
しかしミサイルは目の前で消滅して、爆発すら起こらない。いや、カメラの映像には小さな金属片が装甲にぶつかった様子が見れた。
「この粒子の効果は?」
『この機体が精製する粒子は重力場粒子―――フォトン・グラビティと呼ばれるものです。それ自体が重力に対する干渉能力を持ってい
しかしミサイルは目の前で消滅して、爆発すら起こらない。いや、カメラの映像には小さな金属片が装甲にぶつかった様子が見れた。
「この粒子の効果は?」
『この機体が精製する粒子は重力場粒子―――フォトン・グラビティと呼ばれるものです。それ自体が重力に対する干渉能力を持ってい
て、様々な重力干渉を引き起こします。粒子自体の有効効果時間が短いため常に周囲に散布する必要があります』
「なるほど、重力に対する干渉能力を持つ粒子、それを制御する機能か・・・」
『それよりもマスター』
「ん?どうした」
『先ほどの攻撃で数基のミサイルが背後の武器に命中しました。観測するに使える武器が対艦ブレードしかありません』
「な!?」
『それと敵機が射撃がきかない事を悟って接近戦を仕掛けてきます。接近戦に関しては粒子で防ぐにしても限度があります。対応を』
「くっそ・・そのブレードはどこにある?」
『真後ろです』
手を伸ばしブレードを手に取る。ブレードと言うよりは大剣の様なそれで敵機に斬りかかる。不意をうつ形で大型を突き飛ばす。
「反応速度はかなりいいな」
『警告、外部から更なる増援。数十一』
「有視界に入ったら指定の光通信を送りたい。それに指定のパターンで返事が来たら味方だ」
『了解しました』
グラビレイトは小型区分だが高機動特化型よりも速い。重力をうまく使っているからだろう。
リクは素早さを生かして建物の外に出てヒットアンドアウェイを心がけながら戦闘を行う。
『第二陣のHB部隊から光通信で返信あり。以後味方と判定します』
「通信つなげるか?」
部隊と通信がつながる。
[おい、リク?大丈夫か?]
「リキか?こっちの首尾は上々。とりあえず機体の強奪は成功したよ」
[そっちに向かうのは時間がかかりそうだ。別動隊がいた]
「問題無いさ。こっちはすぐ終わる」
中型二機による波状攻撃をかわして一機にブレードを向けて腰関節から真っ二つにする。
次に衝撃で動きの鈍い大型にブレードを突き立てる。
武器が動かなくなったところを狙ってくる残りの中型には振り回してすっぽ抜けた大型と衝突してもらう。
重力操作を応用した戦闘で三機を潰した。すぐに別動隊の応援に行く。
「向こうまでどれくらいで着く?」
『最短距離で二十七秒です』
「よし任せた」
弾丸のごとく、白い機体が戦場を駆けていく。
「なるほど、重力に対する干渉能力を持つ粒子、それを制御する機能か・・・」
『それよりもマスター』
「ん?どうした」
『先ほどの攻撃で数基のミサイルが背後の武器に命中しました。観測するに使える武器が対艦ブレードしかありません』
「な!?」
『それと敵機が射撃がきかない事を悟って接近戦を仕掛けてきます。接近戦に関しては粒子で防ぐにしても限度があります。対応を』
「くっそ・・そのブレードはどこにある?」
『真後ろです』
手を伸ばしブレードを手に取る。ブレードと言うよりは大剣の様なそれで敵機に斬りかかる。不意をうつ形で大型を突き飛ばす。
「反応速度はかなりいいな」
『警告、外部から更なる増援。数十一』
「有視界に入ったら指定の光通信を送りたい。それに指定のパターンで返事が来たら味方だ」
『了解しました』
グラビレイトは小型区分だが高機動特化型よりも速い。重力をうまく使っているからだろう。
リクは素早さを生かして建物の外に出てヒットアンドアウェイを心がけながら戦闘を行う。
『第二陣のHB部隊から光通信で返信あり。以後味方と判定します』
「通信つなげるか?」
部隊と通信がつながる。
[おい、リク?大丈夫か?]
「リキか?こっちの首尾は上々。とりあえず機体の強奪は成功したよ」
[そっちに向かうのは時間がかかりそうだ。別動隊がいた]
「問題無いさ。こっちはすぐ終わる」
中型二機による波状攻撃をかわして一機にブレードを向けて腰関節から真っ二つにする。
次に衝撃で動きの鈍い大型にブレードを突き立てる。
武器が動かなくなったところを狙ってくる残りの中型には振り回してすっぽ抜けた大型と衝突してもらう。
重力操作を応用した戦闘で三機を潰した。すぐに別動隊の応援に行く。
「向こうまでどれくらいで着く?」
『最短距離で二十七秒です』
「よし任せた」
弾丸のごとく、白い機体が戦場を駆けていく。
「目標到達まであとどれ位ですか?」
「あとー十分って所ですかねぇ」
「全く、こんな辺境にそんな大きい組織がいるかっての」
「リリちゃん。もう少し女性なのですから言葉使いを丁寧にしなさい」
「はいはい、わかりましたよーっと。艦長あれそうじゃね?」
「だから・・・はあ」
「んー座標照会・・・ビンゴ!さすがリリちゃん」
「もっと褒めてもらって構わないぜー」
「ハ―ミスト艦長、出撃どうします?」
「とりあえず下手に刺激するのはまずいでしょう?とりあえず様子を」
「あ、艦長。戦闘起こってます」
「速く言いなさい、そういう事は。で、何処がドンパチやってるんですか?」
「仲間割れしてるっぽいっすね。機体総数二十三、十二対十一って所っすね」
ハーミストは正直クルーの力量に舌を巻いていた。
この戦艦、「スターク」は多目的艦として開発された世界地球主義連邦の最新鋭艦だ。
HBを最大二十五機搭載可能で、艦自体の武装も充実している。
しかしその運用方法は幅が広すぎて、ぶっちゃけるとフリーダムすぎるのだ。
運用には各情況に対応出来るだけの多数のクルーが必要で、動かすだけでもそれぞれの役職に三人は交代要員が必要なのに、このクルーはどんな状況でも完璧に責務を果たしてくれる心強い仲間だ。・・・性格にはかなり難があるが・・・
「どちらが味方に付いてくれそうですかね?」
「見たところ機体は宇宙開発同盟の機体ばっかだし、味方にはなってくれないっしょ」
「彼らも裏切るに値する何かがあったのでしょう。それを見極めれればどうにかなるかと」
「あ、ちょっと待った。これ、新型がいる!」
「新型?ああ、あれ・・・え?」
「リリちゃん?どうかしましたか?」
操舵手のリリが顔面蒼白になっている。彼女は眼が良くて、レーダーで捉えるよりも先に相手を見切る。男勝りというか男前な性格な女性である。
「なにあれ?」
その彼女が呆然としている。
「すげっ、これマジでHBか?」
普段はチャラケている通信士のゴースまでもが目を見開いている。
「画像出して下さい!速く!」
「無理っすね」
副長のカルラにあきらめにも似たの言葉を発するゴース。
「代わりにレーダーの映像出しますよ」
目の前にはレーダーが現れる。数は・・・?
「十二対五?速すぎないか?」
そこそこの距離、従来のHBでは二分はかかりそうな距離を一瞬で駆けて、そして斬る。機体サイズでどうこうではなく、正真正銘の高速移動。
「あの機体は・・何で変な粒子発生させてるんだ?」
「恐らく、あの機体は未知の技術で動いてる・・・」
「あとー十分って所ですかねぇ」
「全く、こんな辺境にそんな大きい組織がいるかっての」
「リリちゃん。もう少し女性なのですから言葉使いを丁寧にしなさい」
「はいはい、わかりましたよーっと。艦長あれそうじゃね?」
「だから・・・はあ」
「んー座標照会・・・ビンゴ!さすがリリちゃん」
「もっと褒めてもらって構わないぜー」
「ハ―ミスト艦長、出撃どうします?」
「とりあえず下手に刺激するのはまずいでしょう?とりあえず様子を」
「あ、艦長。戦闘起こってます」
「速く言いなさい、そういう事は。で、何処がドンパチやってるんですか?」
「仲間割れしてるっぽいっすね。機体総数二十三、十二対十一って所っすね」
ハーミストは正直クルーの力量に舌を巻いていた。
この戦艦、「スターク」は多目的艦として開発された世界地球主義連邦の最新鋭艦だ。
HBを最大二十五機搭載可能で、艦自体の武装も充実している。
しかしその運用方法は幅が広すぎて、ぶっちゃけるとフリーダムすぎるのだ。
運用には各情況に対応出来るだけの多数のクルーが必要で、動かすだけでもそれぞれの役職に三人は交代要員が必要なのに、このクルーはどんな状況でも完璧に責務を果たしてくれる心強い仲間だ。・・・性格にはかなり難があるが・・・
「どちらが味方に付いてくれそうですかね?」
「見たところ機体は宇宙開発同盟の機体ばっかだし、味方にはなってくれないっしょ」
「彼らも裏切るに値する何かがあったのでしょう。それを見極めれればどうにかなるかと」
「あ、ちょっと待った。これ、新型がいる!」
「新型?ああ、あれ・・・え?」
「リリちゃん?どうかしましたか?」
操舵手のリリが顔面蒼白になっている。彼女は眼が良くて、レーダーで捉えるよりも先に相手を見切る。男勝りというか男前な性格な女性である。
「なにあれ?」
その彼女が呆然としている。
「すげっ、これマジでHBか?」
普段はチャラケている通信士のゴースまでもが目を見開いている。
「画像出して下さい!速く!」
「無理っすね」
副長のカルラにあきらめにも似たの言葉を発するゴース。
「代わりにレーダーの映像出しますよ」
目の前にはレーダーが現れる。数は・・・?
「十二対五?速すぎないか?」
そこそこの距離、従来のHBでは二分はかかりそうな距離を一瞬で駆けて、そして斬る。機体サイズでどうこうではなく、正真正銘の高速移動。
「あの機体は・・何で変な粒子発生させてるんだ?」
「恐らく、あの機体は未知の技術で動いてる・・・」
『残り敵機四機です。サイズは近い方から小型一区分』
近づき、斬る。
「撃破!」
『大型二区分』
刺さずに、掌底をいれる。
「落ちろ!」
『中型一区分』
最後は刺して飛ばす。
「終わり!」
この間七秒。
『いえ、あと一機残ってます』
「どこに?」
『ここから離れています。そこにはシャトルが一機ありますね』
「キセノか!」
すぐに最短距離で走り出す。それを呆然と見る残された者たち。
[速すぎないか?]
[見えなかった・・・]
[いやレーダーにすら映らないほど速かったぞ!あれ!]
「まあいいさ。あいつはどうにかするだろう。俺らはやんなきゃならない事があるからな」
[脱出ルートの確保か?リキ]
「そういう事、というわけで」
何も無い方を向き、光信号を送り出す。
[ちょっとまて、お前はこの辺は航空機どころか人が一切通らないのを知らないのか?]
「知ってるけど、そこにいるなら別だよな」
[へ?]
目の前に光通信に対応して要請通り戦艦が何も無い所から光学迷彩を解き、現れたところだった。
「さて、交渉の余地はあるかな?」
近づき、斬る。
「撃破!」
『大型二区分』
刺さずに、掌底をいれる。
「落ちろ!」
『中型一区分』
最後は刺して飛ばす。
「終わり!」
この間七秒。
『いえ、あと一機残ってます』
「どこに?」
『ここから離れています。そこにはシャトルが一機ありますね』
「キセノか!」
すぐに最短距離で走り出す。それを呆然と見る残された者たち。
[速すぎないか?]
[見えなかった・・・]
[いやレーダーにすら映らないほど速かったぞ!あれ!]
「まあいいさ。あいつはどうにかするだろう。俺らはやんなきゃならない事があるからな」
[脱出ルートの確保か?リキ]
「そういう事、というわけで」
何も無い方を向き、光信号を送り出す。
[ちょっとまて、お前はこの辺は航空機どころか人が一切通らないのを知らないのか?]
「知ってるけど、そこにいるなら別だよな」
[へ?]
目の前に光通信に対応して要請通り戦艦が何も無い所から光学迷彩を解き、現れたところだった。
「さて、交渉の余地はあるかな?」
小さなシャトルに近づくと、中型三区分くらいの機体が現れた。
[交渉は決裂かい?リクくん]
「もともと交渉の余地なんて無い!」
[ならそれを作るのは俺の仕事だよねー]
「キセノ!お前の所為で俺の人生滅茶苦茶なんだぞ!しかも二度もぶっ壊しておいて!それで交渉の余地があるものか!」
[いやいや、別に和平じゃない。一時休戦だ]
『敵機に動き有り。すぐに戦闘を行ってください、マスター』
敵のHBがライフルを構える。
[それに聞きわけが無いなら、力尽くで止まってもらうしね]
相手の弾を飛翔しながらかわす。
『敵機の武器はエネルギー式です。フィールドは効果が薄いので回避を行うかエネルギー弾用のリフレクターをはってください。それとあの機体にはかなりのチューンの跡も見られます。専用機のようです』
[リク、ここは通さない]
「お前・・クーリ・・・」
[せっかくのチャンスを棒に振って・・・従っておけば良かったものを]
「黙れ!先生を殺した奴と一緒にいられるか!」
『マスター、脳波に乱れが見られます。落ち着いてください』
クーリの機体も飛翔してこちらを狙ってくる。中距離戦はグラビレイトの武装では届かない。
[交渉は決裂かい?リクくん]
「もともと交渉の余地なんて無い!」
[ならそれを作るのは俺の仕事だよねー]
「キセノ!お前の所為で俺の人生滅茶苦茶なんだぞ!しかも二度もぶっ壊しておいて!それで交渉の余地があるものか!」
[いやいや、別に和平じゃない。一時休戦だ]
『敵機に動き有り。すぐに戦闘を行ってください、マスター』
敵のHBがライフルを構える。
[それに聞きわけが無いなら、力尽くで止まってもらうしね]
相手の弾を飛翔しながらかわす。
『敵機の武器はエネルギー式です。フィールドは効果が薄いので回避を行うかエネルギー弾用のリフレクターをはってください。それとあの機体にはかなりのチューンの跡も見られます。専用機のようです』
[リク、ここは通さない]
「お前・・クーリ・・・」
[せっかくのチャンスを棒に振って・・・従っておけば良かったものを]
「黙れ!先生を殺した奴と一緒にいられるか!」
『マスター、脳波に乱れが見られます。落ち着いてください』
クーリの機体も飛翔してこちらを狙ってくる。中距離戦はグラビレイトの武装では届かない。
「くそ、対応策ある?」
『他の武装は有りません。もう少し近づけば攻撃は届きます』
「これ以上近づけばかわしきれない・・・どうする・・・」
連射されるライフルの軌道を読む。右二十度、下三十六度、右三十七度、上十一度・・・
スラスターで機体を捻りながらかわす。右肩を下にしながら回転、そして宙返り。装甲表面を熱が掠る。
[ちょこまかと逃げるだけか?]
「うるさい!当てられもしない癖に」
[なら当ててやろう]
機体側面のハッチが開きミサイルが顔を出す。
[発射ぁ!]
数十のミサイルがこちらを狙う。
『二十七発のミサイル、来ます』
しかし次の瞬間。
『警告、ミサイルは全基クラスタータイプです。対応を』
「な!?」
ミサイルの先端が割れ、先から更に十二発のミサイルが飛び出す。
「やばい・・・あれは」
[気付いても遅い]
『レーザー、来ます』
ミサイルの先端が光を放つ、クラスターレーザが全て狙いを定めている。今かわしてもシーカーに狙われているからかわしきれない。逆にかわせるぎりぎりまで牽き付けても、レーザーで焼かれる。
『レーザークラスター・・・」
『迎撃しましょう』
「どうやって!?」
『ブレード展開、チャージ率百パーセント』
ブレードが中央から割れて、刃がスライドする。ブレードはその中央に隙間を作る。
『トリガーを押しながら振って下さい』
「こうか?よし、いっけぇー!」
ブレードから伸びたのは粒子の塊。それはふれたミサイルを飲み込んでいく。密度が濃くなった粒子は触れていないミサイルも巻き込んで振り下ろされていく。
「おちろぉーーー!クぅーリぃー!」
[バカな!こんなこ―――]
クーリの乗った機体を真っ二つに斬り裂き、飲み込みながらブレードが振り抜かれた。
『敵機撃墜、ブレード、粒子チャージに入ります。シャトルは既に戦線離脱、足跡は追えません』
「はぁ、はぁ、はぁ、くぅぅっ・・」
あまりにも、あまりにもあっけない敵討ちに、リクは涙が止まらない。ただしそれはどういう感情なのかは、本人にも分からない。
『他の武装は有りません。もう少し近づけば攻撃は届きます』
「これ以上近づけばかわしきれない・・・どうする・・・」
連射されるライフルの軌道を読む。右二十度、下三十六度、右三十七度、上十一度・・・
スラスターで機体を捻りながらかわす。右肩を下にしながら回転、そして宙返り。装甲表面を熱が掠る。
[ちょこまかと逃げるだけか?]
「うるさい!当てられもしない癖に」
[なら当ててやろう]
機体側面のハッチが開きミサイルが顔を出す。
[発射ぁ!]
数十のミサイルがこちらを狙う。
『二十七発のミサイル、来ます』
しかし次の瞬間。
『警告、ミサイルは全基クラスタータイプです。対応を』
「な!?」
ミサイルの先端が割れ、先から更に十二発のミサイルが飛び出す。
「やばい・・・あれは」
[気付いても遅い]
『レーザー、来ます』
ミサイルの先端が光を放つ、クラスターレーザが全て狙いを定めている。今かわしてもシーカーに狙われているからかわしきれない。逆にかわせるぎりぎりまで牽き付けても、レーザーで焼かれる。
『レーザークラスター・・・」
『迎撃しましょう』
「どうやって!?」
『ブレード展開、チャージ率百パーセント』
ブレードが中央から割れて、刃がスライドする。ブレードはその中央に隙間を作る。
『トリガーを押しながら振って下さい』
「こうか?よし、いっけぇー!」
ブレードから伸びたのは粒子の塊。それはふれたミサイルを飲み込んでいく。密度が濃くなった粒子は触れていないミサイルも巻き込んで振り下ろされていく。
「おちろぉーーー!クぅーリぃー!」
[バカな!こんなこ―――]
クーリの乗った機体を真っ二つに斬り裂き、飲み込みながらブレードが振り抜かれた。
『敵機撃墜、ブレード、粒子チャージに入ります。シャトルは既に戦線離脱、足跡は追えません』
「はぁ、はぁ、はぁ、くぅぅっ・・」
あまりにも、あまりにもあっけない敵討ちに、リクは涙が止まらない。ただしそれはどういう感情なのかは、本人にも分からない。