【初出】
外伝『ゾートロープ』
【解説】
真名は“羿鱗”(げいりん)。
炎の色は鼠色。
外見は、体中に鱗のように金貨を貼り付けた翼竜とも見える巨体。
本編開始の数年前、東ヨーロッパで古美術品を略奪していたところを『
炎髪灼眼の少女』(当時シャナという名はつけられていなかった)に強襲され、『炎髪灼眼の少女』の意表を突いて移動式の
封絶を構成して街を破壊しながら逃走を企てたが、
ゾフィー・サバリッシュによる
落雷蹴り(ドロップキック)によって粉々に打ち砕かれて討滅された。
体中に金貨を貼り付けていたことと、討滅される間際にも古美術商店の金庫最奥にいたことから、どうやら金貨を集めるのが趣味だったようだ。
【由来・元ネタ】
ヌクテメロン(Nuctemeron)における六時のゲニウスの一人、ニティカ(Nitika)と思われる。このゲニウスは宝石を司るとされる。
ヌクテメロンとゲニウスについては
ザロービの項目の【由来・元ネタ】を参照。
「羿」は、中国夏王朝の弓の名手の名。字源を遡れば、羽と平らかの合字。すなわち鳥が羽を広げて舞い上がる姿を意味する。「鱗」は、そのままウロコのことである。
金貨を鱗として身に纏い、翼竜がごとき巨体で空を舞うニティカにふさわしい真名である(旧真名の「鯨」も、巨体を表すという意味では、ふさわしいのかもしれない)。