朧村正
part65-72~79
- 72 :朧村正:2013/02/28(木) 21:02:31.53 ID:hb5PAo6j0
- 【百姫編】
百姫(ももひめ)…主人公。美濃鳴神藩・鏡見家の二の姫。優しく美しいと評判。
飯綱陣九朗(いづなじんくろう)…妖刀を操ることができる剣術「朧流」の達人。
柳生雪之丞(やぎゅうゆきのじょう)…将軍家指南役を務める名門の剣士。百姫の婚約者。
紺菊(こんぎく)…霊力を持ち人に変化した伏見稲荷の白狐。陣九朗を慕う。
千子村正(せんじむらまさ)…翁の面に宿る刀匠の魂。死後も妖刀を打ち続ける。
乱戒(らんかい)…過去の因縁から陣九朗を憎む僧侶。
ある日百姫は、婚約者の雪之丞を襲った暴漢から彼をかばい、斬られてしまう。
ところが気がつくと見知らぬ森におり、忍たちの襲撃を受けていた。
何故か携えていた刀と習った覚えのない剣技でこれを退けると、
たどり着いた寺で乱戒という仏僧と、陣九朗という男の魂に出会う。
陣九朗は、凄まじい切れ味を持つかわりに常人が持てば発狂してしまう、
呪われた妖刀・村正の数々を自在に操る剣術「朧流」の達人だという。
余命幾ばくもない彼は、自らの魂を斬った相手に移し替えることができる
妖刀「相模反魂黒光(さがみはんごんくろみつ)」を使い、
若き剣の達人である雪之丞の体を乗っ取って生き延びようとしていた。
ところが誤って百姫を斬ったために彼女の体に入ってしまったのだという。
百姫は陣九朗に憑依され、知らないうちに妖刀を携えて暴れ回る怪女になっていたのだ。
過去の因縁から陣九朗を憎み、彼を追っていたらしい仏僧・乱戒は
怪物を呼び出して陣九朗の魂を百姫から追い出そうとするが、
再び百姫の肉体を乗っ取った彼によって返り討ちに遭い、逃走する。
- 73 :朧村正:2013/02/28(木) 21:03:01.70 ID:hb5PAo6j0
- 百姫の魂が損なわれれば肉体の方も滅びる危険があるようなので、
陣九朗(外見は百姫)は彼女の魂を伴い、別の肉体へ再度乗り移る術を探すことにした。
彼を慕う妖狐の紺菊と、紺菊が稲荷明神の社から禁を破って持ち出した
翁の面に宿る刀匠の霊・村正が鍛え上げる妖刀の助力を受けながら
行方が分からなくなった黒光の太刀を探して各地を巡る二魂。
黒光の太刀が、百姫の父が藩主を務める美濃・鳴神藩にあると知り向かうと
なんと藩主の鏡見(かがみ)家は、重臣であった顰弾正(しかみだんじょう)の
裏切りによって取り潰され、父をはじめとする百姫の家族は皆殺しにされていた。
主君を売って代官に成り上がっていた顰から、刀が地獄へ持ち去られたと聞いた陣九朗は
ついでに顰の不正の証拠を届け出、百姫の仇討ちを果たして去る。
京都・六道ヶ辻の古井戸から地獄へ殴り込みをかけ、
そこらの鬼を片っ端から斬り倒しつつ太刀を探すがどこにも見つからない。
そこで「刀がないなら神の力をぶんどって乗り移ったらいいじゃない」
という超発想をした陣九朗は、天界の入り口である伊勢・高天原に向かうことにした。
だが門番の風神/雷神に行く手を阻まれ、天の門を閉ざされてしまう。
最後の賭けとして、紺菊が教えてくれたもうひとつの天界への道を目指し
今度こそ神の力を手に入れようと陣九朗は目論む。
目指すは大和の金剛山、怪僧乱戒の待ち受ける真言蓮華宗の総本山であった。
- 74 :朧村正:2013/02/28(木) 21:04:10.86 ID:hb5PAo6j0
- 【百姫・エンディング1】
山頂には乱戒、そして何故か雪之丞までもが待ち受けていた。
散々探し回った黒光の太刀は雪之丞が隠し持っていたという。
太刀を奪おうとする陣九朗だが、天から不動明王の従者が現れて刀を没収してしまった。
「地獄の宝であった黒光の太刀を奪い、天地に叛いた罪人」と陣九朗を糾弾し
襲いかかってきた従者を討つと、そこに主である不動明王が光臨する。
さすがに相手が悪いと悟った陣九朗は降参したが、
「自分が罰を受けるのはいいが、何の罪もない百姫まで同じ目に遭わせるとは
汚いさすが仏きたない(意訳)」と明王を挑発する。
情けを持たないはずの外道が、百姫を助けるために芝居をしていると見抜いた不動明王は
陣九朗の魂のみを地獄送りとし、百姫の魂を元の体に返してやった。
体を取り戻した百姫は、地獄に落ちた陣九朗の罪が軽くなるよう弔うために
雪之丞との輿入れを断って出家する決意を固めていた。
彼女に得度を授け仏門へ導いたのは、不動明王の威容を目の当たりにしたことで
復讐に囚われていた己を恥じ、穏やかな僧に生まれ変わった乱戒であった。
※ED2以降については、鬼助編のキャラとストーリーが関係するため後述します。
- 75 :朧村正:2013/02/28(木) 21:04:35.52 ID:hb5PAo6j0
- 【鬼助編】
鬼助(きすけ)…主人公。伊賀忍者の少年。密命を受けて美濃の鳴神藩に潜入していた。
虎姫(とらひめ)…鳴神藩鏡見家の姫で百姫の姉。自ら弓を取り戦場に立つ美しい姫。
柳生雪之丞(やぎゅうゆきのじょう)…百姫編参照。
弓弦葉(ゆづるは)…伏見稲荷明神の使いである白狐の化身。鬼助に妖刀と翁の面を託す。
千子村正(せんじむらまさ)…百姫編参照。
妖刀と剣の技以外の何もかもを忘れて寂れた野原に立っていた少年は、
次々と襲ってくる忍たちを討つ中、自分が鬼助という伊賀忍者であることと
ある時突然仲間を裏切り、刀を奪って逃げた裏切り者だということを知る。
鬼助の雇い主であったらしい柳生雪之丞は、怪物をも斬り倒す鬼助の剣技を認め
鳴神藩・鏡見家の残党である虎姫の捕縛に協力すれば裏切りの罪を見逃すという。
鏡見家は妖刀村正を隠し持っていた罪により取り潰され、当主も斬首となったが
娘の虎姫がこれを不服とし逃亡、臣下と共に伊吹山に立てこもっているらしいのだ。
伊吹山へ向かうと、亡霊の武者の群れを率い、骸骨の馬に跨った虎姫が現れた。
鬼助は記憶を失う前、鏡見家に伝わる妖刀を奪って将軍家に献上するため
奉公人と偽って鳴神城に潜入していた忍の一味だったようだ。
「私をかばって斬られたのも狂言だったのだろう」と鬼助を非難する虎姫に
記憶はないものの心ひかれる何かを感じた鬼助は、命に叛いて彼女を見逃す。
鬼助が盗んだという妖刀、狗頭龍村正(くずりゅうむらまさ)は
抜くと災いをもたらすために鏡見家によって封じられた危険な刀だという。
その災いを止めるため、亡霊武者らを率いて江戸へ向かう虎姫を鬼助も追いかける。
- 76 :朧村正:2013/02/28(木) 21:04:53.59 ID:hb5PAo6j0
- 旅の最中で鬼助は過去の記憶の一部を取り戻す。
将軍徳川家は、柳生雪之丞に命じて鳴神を取り潰させ、狗頭龍村正を奪おうとした。
刀を奪うために潜入したものの、虎姫に好意を抱いてしまった過去の鬼助は
口封じに来た忍から彼女をかばって斬られ、瀕死の身で狗頭龍を持って逃げようとしたのだ。
しかし刀を奪われて力尽きたところで、老剣士の霊に出会ったのだった。
朧夜千十(おぼろやせんじゅう)と名乗った老剣士は、
野心に憑かれた弟子によって殺されたうえ、彼まで死んでしまったことで※1
自ら編み出した剣技・朧流が潰えようとしていることを嘆いていた。
「朧流の使い手となってくれれば秘術※2で命を助ける」という千十の言葉を受け入れ
鬼助は助かったが、後遺症として記憶を失っていたのだった。
(※1:ここでいう弟子は百姫編の陣九朗のこと。黒光の刀で百姫を斬った後、
余命わずかだった彼の肉体はそのまま死んでしまった。)
(※2:合魂(ごうこん)の術。魂を合一させることで死に瀕した人間の命を救う。
術者の魂は消滅するが、被術者は魂・肉体共に死の淵から甦る。
術者の能力が被術者に受け継がれたり、被術者の記憶が失われたりと
魂を混ぜ合わせることによる副作用が色々起きるようだ。あと読み方がひどい。)
江戸を目指すうちに、鬼助と虎姫は互いへの思いを深めていく。
だが虎姫は亡霊武者達と同じく、鳴神家が取り潰された時に死んだ身だった。
狗頭龍を取り戻すため阿弥陀如来に祈り、四十九日の間だけ甦りを許されたが
それを過ぎれば元通り命が尽きる。間もなくその期日だという。
せめて彼女に目的を果たさせてやりたいと願った鬼助は、
江戸城へ攻め込む虎姫たち亡霊武者軍のおとりとなって江戸へ潜入する。
- 77 :朧村正:2013/02/28(木) 21:05:23.43 ID:hb5PAo6j0
- 【鬼助・エンディング1】
江戸城の天守には、将軍綱吉と彼に返り討ちにされた虎姫の姿があった。
綱吉は狗頭龍村正に封じられた犬神に強大な力を与えてこの世を支配するため、
全国の龍脈の気を江戸に集め、天界への門を開こうとしていたようだ。
瀕死の虎姫を看取った鬼助は犬神の姿に変じた綱吉を打ち倒した。
天界への道の頂に辿り着いた鬼助は阿弥陀如来に出会う。
虎姫を生き返らせて欲しいと頼むが聞き入れられず、失望した彼は自刃してしまった。
そんな鬼助を見た虎姫の魂は、生まれ変わって共に添い遂げたいと如来に申し出る。
そして十数年後、鬼助と虎姫はごく普通の少年少女として生まれ変わり出会った。
お互い前世の記憶はないが、白狐の弓弦葉が毎夜夢枕に立ち、
二人のために縁を結ぼうと密かに計らっている。※3
(※3:ゲーム中、鬼助が「お前稲荷明神の使いなら縁結びとかできんの?
いや虎姫がどうとかそんなアレじゃないけど(意訳)」と
弓弦葉に尋ねるイベントがあるのでその伏線回収と思われる。)
- 78 :朧村正:2013/02/28(木) 21:05:41.39 ID:hb5PAo6j0
- 【百姫・エンディング2→ED1で入手した刀を装備して最終戦に臨むと発生】
山頂には捕らえられた紺菊と、稲荷明神の使者だという狐(弓弦葉)がいた。
刀匠村正の霊が宿る翁の面を、紺菊が禁を破って持ち出したことがばれてしまったのだ。
罪人として陣九朗をも捕らえようと、使者は忍装束の少年(鬼助)をけしかける。
陣九朗は、少年から自分が殺した剣の師(朧夜千十)の気を感じ取り
師が秘術を用いて少年の魂と合一し、生き残りを図ったことに気付いた。
どうにか勝ったものの、少年の最期の一撃で致命傷を負ったことから
このままでは二人とも助からないと悟った陣九朗は
「自分の生きた証である『朧』を忘れるな」と言い残し、
師と同じ術を用いて百姫の命を助け、消滅する。
術の副作用で記憶を失った百姫は峠の茶屋の老夫婦に拾われ、
おぼろと呼ばれて可愛がられていたが、そこに人食い鬼たちが襲撃してくる。
いつの間にか手にしていた刀で鬼達を一撃のもとに切り捨てたおぼろ。
自らの人智を超えた力が災いを呼ぶことを恐れ、彼女は老夫婦に別れを告げて旅立った。
行く先々で女剣士として名を馳せた彼女の傍らには、常に白い狐の姿があったという。
【百姫・エンディング3 →最強の刀(朧村正)を装備して最終戦に臨むと発生】
(※不動明王が出るところまでは1と同じ)
気がつくと陣九朗は、妖刀・朧村正を携えて、生前の姿のまま鳴神の城門前に立っていた。
どうやら彼は柳生雪之丞を狙い、百姫を誤って斬る直前まで時を遡ったらしい。
朧村正はあらゆる因業を断つ刀。ここで過ちを犯さずに天命を受け入れれば
彼が不動明王によって裁きを受けることもなくなる、という刀の意志を陣九朗は悟る。
そして百姫が斬られることはなくなり、彼女と雪之丞はほどなく夫婦となった。
「飯綱流」なる剣の流派を興すことを考えているらしい夫の雰囲気が
どこか猛々しく変わったように感じることもあったものの、
百姫は三人の子に恵まれ、名の通り百歳まで平穏に生きたという。
後の歴史には、暗躍者としていつも柳生雪之丞の名が記されていたとか。
どう見ても陣九朗です。本当にありがとうございました。
- 79 :朧村正:2013/02/28(木) 21:05:57.53 ID:hb5PAo6j0
- 【鬼助・エンディング2→ED1で入手した刀を装備して最終戦に臨むと発生】
天守に着くと将軍綱吉ではなく、虎姫と旅先で出会った女剣士(百姫)の姿があった。
綱吉は女剣士によって既に倒され、妖刀・狗頭龍村正は彼女の手にある。
虎姫によれば、剣士は死んだはずの彼女の妹・百姫だというが
どうやら姫の中に妖刀使いの悪霊(陣九朗)が取り憑き、体を操っているようだ。
鬼助は百姫の中の悪霊だけを斬って滅ぼし、彼女を救うのに成功した。
姉妹が再会を果たすと同時に四十九日の期限が訪れ、虎姫は再びこの世を去る。
妹を案じる虎姫の遺言に従って百姫に仕えることにした鬼助は、
「妖刀で不幸になる者をなくしたい」という百姫の望みを叶えるため
彼女とともに各地を巡り、人を狂わせる妖刀村正を千本も集めて供養したという。
【鬼助・エンディング3 →最強の刀(朧村正)を装備して最終戦に臨むと発生】
(※虎姫の死、綱吉と犬神の討伐までは1と同じ)
鬼助は鳴神の城の中にいた。長いおかしな夢を見ていたようだ。
今日は仲間の伊賀忍が狗頭龍村正を狙って城を襲撃する日。刀と姫を守らなければ。
そう思った矢先、彼は受けた覚えのない背の刀傷と刀に気付く。
夢ではなかった。朧村正が因業を断ち、鬼助を再びこの日に戻したのだ。
鬼助は呪われた狗頭龍を朧流の剣術でねじふせ、襲ってきた刺客をその剣で斬り倒す。
妖刀を狙う将軍と結託し、主君を葬って下克上を果たそうとしていた重臣
(顰弾正)の企みを暴いたうえ、将軍が狙う妖刀を城から持ち去ってしまった事で
鏡見家が狙われることも滅亡することもなくなった。もう虎姫が死ぬことはない。
鬼助は虎姫に「狗頭龍の怨念を封じるため、海の向こうへ化け物退治に出てくる。
呪いに打ち勝って戻った暁には嫁になれ」と求婚をして去る。
世界のあらゆる国で戦いに明け暮れた彼の英雄譚は、二十巻もの長きに及ぶという。