チェンジ・ザ・ワールド☆
真壁5日目・No.2
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私のやんごとなき王子様
いや、私は真壁先生のお手伝いがしたいんだ。理事長は誰か別の人に迎えに行ってもらおう。うん、そうしよう。
なんて考えていると、丁度通りかかった男子生徒を真壁先生が目敏く見つけて捕まえていた。
「お! いい所に!」
理事長の事を頼む先生の声を少し遠くに聞きながら、私は出来上がった取材の人達用のネームプレートを小さな箱に詰めて立ち上がった。
「よし、理事長は取りあえずあいつに頼んだから大丈夫だな」
「理事長ってお一人で来られるんですか?」
戻って来て私の腕の中から箱を取り上げる先生を見上げて、私が尋ねた。
先生ってこの間もそうだったけど、女の人に荷物持たせるの嫌いなのかな? こうやってすぐに持ってくれるから申し訳ない。でも奪い返すのもなんだしね。だけど女の子はこういう優しさってなんだか嬉しいのよね。
「いや、秘書の人も一緒だ。今回は合宿の最後までいるらしいから、お前も後で挨拶に連れて行くからな」
「えっ? あ、挨拶、ですか?」
「おう。心配すんな。あの人すっごい紳士だし、案外話しやすいぞ」
そんなに不安そうな顔してたのかな? 私を見て微笑む先生について歩き出すと、私は素敵な理事長の姿を思い出してちょっとため息を吐いた。
私みたいなパンピーの生徒とも話してくれるのかな?
「俺も鬼頭も昔っから世話になってるからな」
「そうなんですか?」
「ああ。俺が大学の頃から良く知ってるんだ。随分相談にも乗ってもらったよ」
「へえ」
先生の大学時代か……きっと今と大して変わらないんだろうな。
「――お前今、俺の大学時代が今と大して変わらないだろうなって思ってただろ?」
「お、思ってませんよ!」
「嘘つけ!」
笑い声を上げながら、私達は次の仕事へと向かった。
正直取材陣の多さと圧迫感に、私は軽い目眩を覚えていた。
次々とやって来る人に身分証明証を提示してもらい、用意しておいたネームプレートを渡して行く。
隣にいるのは真壁先生。
それだけならいいんだけど、何故か私に色々と質問をしてくる大人達にずっと困惑しっぱなしだった。
まあ一番多かった質問は『風名玲君と桜亜里沙さんがいるのはどこ?』だったんだけど、取材は一まとまりで順番に行って、一カ所での時間は15分と決められていたから教えても勝手に行く事は出来なかった。
私と真壁先生は彼らを監視する役目もあったので、騒がしいエントランスで声を張り上げていた。
「それでは今から順番にご案内します! 時間は15分で、作業をしている生徒や物に触れないようにお願いします!」
私の説明も聞いているのかいないのか、やっぱり聞こえて来る会話はもっぱら風名君と亜里沙様の名前ばかりだった。
先頭は演劇祭実行委員の生徒が歩いて、最後尾を真壁先生と私が行くことになった。
「大丈夫か?」
「はい、大丈夫です」
疲れが顔に出ていたらしく、真壁先生が心配そうに大きな体を屈めて尋ねて来た。
「ちょっと顔色悪いぞ」
「そうですか?」
「まあ、人数多いしな。これが終わったらちょっと休め」
「いえ、平気です……」
そんな会話をしている時だった。
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