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倉持11日目・No.1

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私のやんごとなき王子様












11日目






「ふー。終わったね~」


 大量の荷物を抱えた私とさなぎは、フェリー乗り場へと向かっていた。

 合宿も無事に終わり、今からまた船に乗り込み学園へと帰るのだ。

 とはいっても学園へ帰った後、今日はすぐさま解散。各自、合宿で溜まった疲れを癒す意味も込めて、自宅へと帰宅する事になっている。

 明日は本番一日前。明後日はいよいよ本番だ。確かにこの辺で一度、体を休めないとキツイかも。

 上手く日程組まれてるなぁ、なんて感心しながら私は船に乗り込んだ。


 甲板から宿舎を振り返る。

 この1週間、長いようで短かった。

 今朝届いた理事長からのメールを開き、目を通し笑顔になる。これで何回見ただろう。

 ほんの10日前まで、理事長とメールのやり取りをするようになるなんて思いもしなかった。そして、

 こんなに好きになるなんて事も――

 だけど私はここで経験したたった1週間の出来事を、一生忘れないだろう。

 出来る事なら、この小さいけれど私にとっては大きな繋がりをずっと保てたらと思う。自分からメールを送るなんて大それた事は出来ないけれど、こうしてふと私の事を思い出してくれた理事長からメールが届いた時くらい、幸せを噛みしめたい。

 ふと昨日、理事長と一緒に見た花火を思い出す。

 電話越しだったけど、同じ花火を同じ空の下で同じ時間に見ていたという事が感動だった。

 こんな味わった事のない感覚を、新しい発見を与えてくれる理事長を心の底から愛しいと思った。


「おうい、小日向! 早く戻って来い!」

「あっ、はい!!」


 物思いに耽っていた私を、真壁先生が船室から顔を覗かせて呼び戻す。それに慌てて返事をし、携帯をスカートのポケットにしまい込んで走った。















 それから何事も無く無事に学園に戻り、校長先生の話を聞いた後、私は帰路についた。

 校門には相変わらずの高級車の群れが出来ていたけど、私とさなぎには関係ないもんね。

 くやしいかなさなぎは彼氏の米倉君と一緒に帰るといういうので、気を利かせて私はせっせと自分の足で歩き、1週間ぶりの我が家へと一人戻った。




「ただいま~」

「お帰りなさい!」


 玄関ですぐさまママが迎えてくれた。

 久しぶりの自分の家の空気に、心からホッとすると同時に、疲労がどっと全身を襲う。

 うん、今日はぐっすりと眠れそう。

 そして目覚めたら、もうひと踏ん張り頑張らなくちゃ。



 ベッドに入ると、頭の中で色んな事が渦巻いた。

 演劇祭の事、理事長の事、水原さんの事――――

 たくさんの思いが網膜の裏を横切るのを感じながら、私は眠りについていった。














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