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休息の時(真弓)No.1

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streetpoint

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 ともえの怪我の治りは思ったよりも遅く、射位に立つ時間も一日二時間ほどしか持てない自分への苛立ちが強くなっていた頃のある日。ともえの部屋を誰かが訪ねてきた。


「ともえちゃん、いるかな?」


 真弓だ。

 ともえは咄嗟にだらしなく投げ出していた足を真っ直ぐに直し、返事をする。


「はいっ。どうぞ!」


 障子を開けて入ってきた真弓は、いつもと少し違う雰囲気だった。いや、見た目はそのままなのだが、なんというか、何か面白い事を考えてうずうずしている子どものような表情……なのだ。


「ーーどうかしたんですか?」


 怪訝そうにともえが尋ねると、真弓はますます笑顔になってともえの手を取った。


「出かけようか」

「えっ? 今からですか?」


 練習も終わった夕刻、これから出歩くには少々遅い時間だ。


「寄席に行かないかな、と思って」

「寄席ですか?」

「そう。今日、大学の友人にチケットをもらったんだ。ともえちゃんは寄席は嫌い?」

「いいえ。でも、神社でたまにあってる寄席を何度か見たくらいだから……」


 いつの間にか真弓に立たされ、歩き出している事に気付いたともえは驚いた。


「そう。じゃあ行こう。楽しいよ」

「あ、はい」


 見かけによらず強引な真弓に、ともえは可笑しくなって苦笑した。

 もしかしたら怪我の事で落ち込んでいるともえの気を紛らそうとしてくれているのかも知れない。

 寄席か……何だか楽しみ!








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