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休息の時(道真)No.1

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streetpoint

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 ともえの怪我の治りは思ったよりも遅く、射位に立つ時間も一日二時間ほどしか持てない自分への苛立ちが強くなっていた頃のある日。ともえの部屋を誰かが訪ねてきた。


「おい、ともえ。いるか?」


 この少し怒ったような言い方は道真だ。

 ともえは初めて出会った時から口の悪い道真の事を思い返した。

 話してみると、最初の印象のように悪人ではなく、むしろ以外と優しい。しかし、それを表に出すのが非常に苦手なようだ。この声の調子からして、ともえに話しがあるようだが、そんな事が分かるようになってきた自分が、ともえはほんの少し可笑しかった。


「うん、いるよ。どうぞ」


 座椅子に背中を預け、怪我をした足を伸ばした格好のまま返事をする。


「ーーどうかしたの?」


 部屋の敷居をまたごうとせず、開け放した障子の所で何故か不貞腐れた顔をしている道真にともえが尋ねると、今度はいきなり無言で部屋の中へ入ってきてともえを立たせた。


「わっ。びっくりした! どうしたのよ!?」

「出かけるぞ……」


 ぼそりと言った道真の声があまりに小さくて、思わず聞き返す。


「えっ? 何? 出かける?」


 練習も終わった夕刻、これから出歩くには少々遅い時間だ。


「来い」

「ちょっと待ってよ! どこに行くか教えてよっ!」


 道真はさり気なくともえの腕を掴み、足に負担がかからないように自分を杖代わりにして歩き出した。


「行けば分かる」

「そりゃそうだろうけど……」


 恥ずかしいのか、道真は一度もともえを振り向くこと無く、どんどんと歩を進めたのだった。







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