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決着(真弓)No.2

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 日輪道場からは、幸之助と代表である真弓とともえ。そして試合の公正を期すため、立会人として他の道場から選ばれた師範2名が共に笠原道場へと向かった。

 相変わらず重厚な雰囲気の笠原道場の門の前までやって来ると、待っていましたと言わんばかりに門扉が開いた。


「ようこそ、おいでくださいました。日輪道場の皆さん。今日は正々堂々、互いの力を出し切って良い試合をしましょう」


 そう言ったのは氷江だ。


「そちらの田舎娘さんは、少しはご精進されたのかしら? 以前とあまり代わり映え致しませんけれど」


 厭味たらしく口の端をあげる橘を無視し、ともえは静かに頭をさげた。


「どうぞよろしくお願い致します。精進のほどは、試合でご覧頂きたいと思いますので、楽しみにしていてください」


 下げた頭を戻した時、ともえの瞳はまっすぐ橘の瞳を捕らえていた。

 もう、試合は始まっているのだ。ここで暴言やくだらない言葉で惑わされ、心を乱されてはいけない。

 すうっと息を吸い込み、ともえは集中する。頭の中で何度も何度も描いた、自分が道場に立って矢を射る姿。その先の未来は勝利なのだと、さらにともえは気持ちを強くしたのだった。

 以前訪れた時は何も分からず、まさに田舎道場の呈を露にしていただろう。だが、ともえは日輪道場で成長した。

 隣りを歩く真弓と共に、負けられない戦いの中に身を置くことによって、そして闇討ちという相手の卑怯な手段によって、ともえはただの田舎娘から成長したのだ。

 そっと真弓の暖かい手がともえの肩に触れる。


「そんなに怖い顔をしないで。ともえちゃん一人で戦うんじゃないんだ。僕もいるからね」


 そんな何気ない一言に、ともえは自分がかなり緊張していた事に気付く。


「は、はい……」


 ほうっと肩から力が抜け、ともえは真弓と顔を見合わせて微笑み合った。


「真弓、ともえさん」


 弓道場の前まで来ると、幸之助が二人を振り返る。そして二人を交互に見つめ、静かに笑った。


「今日まで短い期間だったが、二人ともよく精進した。特にともえさん。君の頑張りは家の者全員に良い刺激を与えてくれた。感謝しているよ」

「そんな、私はただ必死だっただけです」


 はにかむともえに、幸之助は頷く。


「真弓、お前も大学に通いながら、ともえさんに助力し良くやってくれた。今日の試合、最後まで自分の持てる最大限を発揮してきなさい」

「「はい!」」


 幸之助は勝てとは言わなかった。ともえはその事に対してさらに燃えた。

 真弓を見上げる。

 真弓はともえを見つめ、二人は同時にゆっくりと道場へと足を踏み入れた。







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