能格・対格・与格

能格・対格・与格

 かつて日本のエシュガル語教育の最初期にエシュガル語を能格・絶対格型の言語と捉えるべきか主格・対格型の言語と捉えるべきかで論争となり最終的には間を取って能格・対格型の言語とする事で合意が成された経緯があり、エシュガル語の主要な3つの格には能格・対格・与格の訳語が当てられている。

 エシュガル語で格を明示する際は格標識を名詞の直前に置くが、主語の格を示す場合に限り(主語の左隣に置いても間違いではないが)主語ではなく動詞の直前に置く。この場合も能格・対格・与格だけは(動詞の直前に通常の格標識を置いても間違いではないが)特別に、通常の格標識を動詞の直前に置く代わりに専用の標識を動詞の後ろに置く。

 エシュガル語の動詞には「能格が対格を与格に○○する」の形で解釈出来る物が多い。例えば mar であれば「能格が対格を与格(の口・胃)に放り込む」となる。能格=与格となる場合は(主語を能格にして与格に再帰代名詞を置くなどでも間違いではないが)通常、主語が能格かつ与格である事を示す特別の標識を動詞の後ろに置く。

  • 動詞用の格標識
 能格 þa ……無標であれば直後の格は対格
 対格 þi ……無標であれば直後の格は与格
 与格 þo ……無標であれば直後の格は能格

  • 再帰動詞用の格標識
 対格+与格  ……無標であれば直後の格は能格
 能格+与格  ……無標であれば直後の格は対格
 能格+対格  ……無標であれば直後の格は与格

  • 通常の格標識
 能格 vu
 対格 vi
 与格 ve






最終更新:2022年02月22日 14:29