卓上ゲーム板作品スレ 保管庫

1-845

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takugess

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だれでも歓迎! 編集
845 名前:DXリプストライク2アウトサイド エンドライン’ 投稿日:2008/01/26(土) 15:25:06 ID:???
「ブラストハンド・・・」
紅葉が振り返り、ゆっくりと顔を寄せてきた。それを受け止めながら、苦いものが広がっていく。
違う。あの時はまだ、彼女は俺をこう呼ばなかった・・・。
ギイイイイン。無音の耳鳴りに似たシンバスワーディングフィールドが、浅い夢をかき消した。



846 名前:DXリプストライク2アウトサイド エンドライン’ 投稿日:2008/01/26(土) 15:25:48 ID:???
<何だ?><どうした!?>
疑問と同時に広がるイメージ。漆黒の宇宙空間に浮かぶ、ミサイルの群れを従えたシャトル。
<馬鹿な!FH宇宙軍だと?><米露の施設を撤収したばかりの急造組織が、なぜこんな早く?!>
「落ち着け!小太刀、ジャミングを。上月は熱破壊攻撃!」
<ようし・・・><う、わあああっ>
<だめだ、あのミサイル、EXレネゲイド化されてる!><賢者の石クラスの高純度、干渉できない!>
「あわてるでない。EXレネゲイドが扱えるのは、FHのきゃつらばかりではないと思い知らせてやるだけのことじゃ。」
轟然とした意思があたりを圧する。俺も微かな笑みを浮かべて見せた。
「そういうことだな・・・・出る!モルガン、いいな!」
期待と信頼が、空気を満たしていく。
「小太刀、レーダー展開!上月はここから支援迎撃を!紅葉、対衝撃バリア待機。・・・久坂。」
ひそやかにあふれる不信と疑念を無視して。
「遊撃隊を水道橋方面へ。陽動で陸上部隊も来るかもしれない。頼むぞ!」



847 名前:DXリプストライク2アウトサイド エンドライン’ 投稿日:2008/01/26(土) 15:26:32 ID:???
空を見上げたモルガンの背から、バサリ、とドラゴンの羽が現れ、額の竜燐が広がっていく。
「モルガン、いつも人型取ってなくてもかまわないんだからな。基地のシステムはスタンドアロンだが、お前が入れるくらいのフリーメモリはある。」
ぷっとふくれる顔を見ずに、カプセルの計器をチェック。
「な・・・わらわは・・・・それでは、基地の実情がわからんではないか!」
旧都庁のタワーから、モルガンの背に括り付けたカプセルで飛び立つ。
「俺が、UGN東京の、トップ、か・・・」
知らず知らずに、自嘲の響きが漏れた。
ふと浮かぶ、出撃時の奴の笑顔。
「国見、頼むよ!」
「久坂、何であいつは・・・・・・紅葉も、もうあの頃のようには笑っていないのに・・・」



848 名前:DXリプストライク2アウトサイド エンドライン’ 投稿日:2008/01/26(土) 15:27:09 ID:???
後で分かった最後の平和の中、やってきた転校生。整った顔立ちと授業で見せた頭脳に一致しない軽薄さで、
いきなり紅葉にセクハラをかけやがり、紅葉と俺双方にぼこぼこにされたくせに。あっさりと笑顔を続けて、
数日せずに俺たちといるのが当たり前になっていた。
だのに・・・FHの動きがおかしい、と急遽エージェントが集められたUGN支部を、制圧したFH部隊の中に、あいつはいた。

「久坂・・・お前が俺の死刑執行人か?」
開いた扉へ投げかけた俺の言葉に。
「こい!早く!」
辺りをうかがいながら、牢獄を駆け抜けて。
「ここから出るんだ。」
ロックをあけながら。
「頼む・・・僕も、一緒に連れて行ってくれないか?」
崩れかけたUGN支部に戻った俺たちを待っていたのは、バロール能力に覚醒し、UGNに身を寄せていた紅葉。再会したその目に
映っていた俺は、二人になると突拍子のない冒険談を始めるなりかけの恋人ではなく、FHとの戦いを生き延びた歴戦の勇士だった。
そして、その隣に立って、久坂は会ったときと変わらずに笑っていた。


850 名前:DXリプストライク2アウトサイド エンドライン’ 投稿日:2008/01/26(土) 15:29:11 ID:???
「紅葉を口説きたいから、UGNに寝返るだあ?こんな時に・・・」
新人類FHの世界支配。それは数週間も続かなかった。
FHの内部分裂で、ジャームに関わるすべてが暴露され。
指導者ばかりか、隣人も、いやまず自分自身も、一瞬の後に人外の力をふるう化け物になるかもしれない・・・
人類から、地球上から、平和も信頼もついえさった。
パニックの中ジャーム化とオーヴァードの覚醒は急増し、分裂したFHは社会をコントロールできぬまま争い続け・・・。
UGNが何故今も存在し続けていられるのか、俺自身不思議でならない。けれど、確かなのは、少なくとも俺は、何かを信じていたかったこと。




851 名前:DXリプストライク2アウトサイド エンドライン’ 投稿日:2008/01/26(土) 15:29:45 ID:???
空の色が闇に溶け、星が瞬かぬまま散らばり始め。そこにモルガンが中継するワーディングのイメージが重なる。
「いくぞ。」
カプセルの床に手を当て、イメージの中のミサイルをにらみつける。モルガンの口が開き、無音の震動が確率崩壊波となって迸った。
ミサイルが塵となって崩れてゆく。ふっと息をついたとき、シャトルがゆっくりと動き出した。
「な・・・ばかな!奴ら、シャトルを東京に落とす気か?!」
「うろたえるでない!攻撃を続けよ!」
再び、無音無色のブレスがモルガンの口から迸る。一波、二波・・・。しかし、崩れたシャトルの向こうから現れたのは。
「もう一群・・・EXレネゲイドミサイル・・・」
ぐらり、とカプセルが揺れ、体が宙に浮いた。
「モルガン、何を!」
「我は約束の王の剣にして盾。王と仲間たち、命にかけても守り抜いて見せよう」
「お前は!お前自身は?!」
「我はエクスカリバー、王と共にあるもの。時経てばまた蘇る。お主なら打ち直すこともできよう。
ブラストハンド、我と名を共とする主よ。約束の王として、FHどもを蹴散らし、新たな世界を築くのじゃ!」



852 名前:DXリプストライク2アウトサイド エンドライン’ 投稿日:2008/01/26(土) 15:30:31 ID:???
衝撃波で落下を減速しながら、シンバスワーディングフィールドを展開する。
「全員都庁基地を退去。チームごとに指定済みの地下拠点に散開しろ。今後の連絡は
シンバスワーディングフィールドでなく、EXレネゲイドネットワークを使用すること。繰り返す・・・」
<遊撃隊、FH陸戦隊と接触。交戦開始する。>
<基地撤退が終了するまで、ここから先へは通すな!>
戦車部隊の圧倒的な兵力。突撃をかける中に、久坂がいた。
「これで・・・僕を少しは信用してくれるか?紅葉さん、国見・・・」

衝撃と共にカプセルの底にひびが入る。ゆがんだドアをむりやり押し開け、歩き出そうとすると。
「竜は墜とされたわ。投降しなさい、ブラストハンド。」
「俺を、生かして捕らえようだと?」
ゆがんだ笑いが浮かぶのが分かった。衝撃波に爆発を載せ、FH部隊をなぎ倒して駆け出す。


854 名前:DXリプストライク2アウトサイド エンドライン’ 投稿日:2008/01/26(土) 15:32:20 ID:???
立ち止まれない。振り返れない。そうしたら、二度と立ち上がれないから。
ジャームとオーヴァード。FHとUGN。理想を鎧に、不信を武器にして、争いは果てしなく拡がるばかり。
ミラージュ・エンド。すべては白日の下に晒された。そして、戦いのはるかにかすんで、明日は見えない。

ステージタイトル:エンドライン’(ダッシュ)orミラージュエンド
 レネゲイド等の全情報が公開され社会が崩壊した、
 砂漠の戦場風のオーヴァード&兵器戦+ポストホロコーストサバイバル風ステージ。
 混乱による不安から、ジャーム、オーヴァード、EXレネゲイドの発生率がかなり高くなっている。
 FHは人類支配を続けようとする主流派、オーヴァードが宇宙から地球支配することを目指す宇宙派、
 ジャーム化をコントロールして全人類を強制進化させようとする進化派に分裂。ルカーン財団と提携し、
 人類との共存を掲げるUGNは、徐々に認められつつもFHクーデターのダメージを脱しきれていない。
 ・・・てな感じ。ついでにこのモルガンは、リプレイと同シンドロームでもロストエデン出身だったりします。
 ネタとの差に頭痛を抱えつつ終了です。スレ汚し失礼しました。

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