一応ストライク。
微かに、少女の口元がゆがんだ。本当に久しぶりの……少女自身忘れていたと思っていた、微笑み。
「そうだね…雰囲気、違うよね。以蔵とは」
その視線の先には、白学生服の少年がコンクリート床に転がり寝息を立てている。
「でも…昔は、あんなふうにふざけてたね。もうずっと前だけど。
やっぱり、無理してた? ごめんね、気付いてあげれなくて」
足音を殺して歩み寄って。
「これからは勇って呼んだほうがいいんだよね。でも…もう一回だけ、言わせて。
おかえり、以蔵…」
やはり忘れかけていたはずの涙がこみ上げるのをこらえ、少女はそっと部屋を抜け出した。
「そうだね…雰囲気、違うよね。以蔵とは」
その視線の先には、白学生服の少年がコンクリート床に転がり寝息を立てている。
「でも…昔は、あんなふうにふざけてたね。もうずっと前だけど。
やっぱり、無理してた? ごめんね、気付いてあげれなくて」
足音を殺して歩み寄って。
「これからは勇って呼んだほうがいいんだよね。でも…もう一回だけ、言わせて。
おかえり、以蔵…」
やはり忘れかけていたはずの涙がこみ上げるのをこらえ、少女はそっと部屋を抜け出した。
口には出さずに呟く。
“紅葉さんのためには、国見以蔵だったほうがよかったのは、分かってたんですけどね”
そう呼ばれていた記憶は、断片的で、どこか実感がともなわない。
“無理…してたのかな?”
言われてみれば苦笑するしかなかった。
“でもやっぱり、呼ばれたくないなあ”
記憶を持ったまま出会っていれば…多分憎むしかなかったろう。
<紅葉を傷つけた世界>に彼女を残して逃げるしかなかったもう一人の自分のように。
忘れていたから、なんとか許せていたのだ。
<ヒーローになっても、紅葉を守りきれなかった以蔵>から逃げ出した自分は。
“紅葉さんのためには、国見以蔵だったほうがよかったのは、分かってたんですけどね”
そう呼ばれていた記憶は、断片的で、どこか実感がともなわない。
“無理…してたのかな?”
言われてみれば苦笑するしかなかった。
“でもやっぱり、呼ばれたくないなあ”
記憶を持ったまま出会っていれば…多分憎むしかなかったろう。
<紅葉を傷つけた世界>に彼女を残して逃げるしかなかったもう一人の自分のように。
忘れていたから、なんとか許せていたのだ。
<ヒーローになっても、紅葉を守りきれなかった以蔵>から逃げ出した自分は。
どんなに無様でも、無知でも、自分自身ともみじからは逃げ出さないその名の少年を。
“もう二度と、この世界からも、国見勇からも、逃げない――だから”
「ごめんね、それから、ありがとう。これからよろしく」
「ごめんね、それから、ありがとう。これからよろしく」
ストライク3、紅葉が勇とわりとなじんでる事、及び6話の引っ越し当時のエピソードから、根っこは同じなのが、紅葉の前でリアルヒーローになることに突っ走っちゃったのがエンドラインの国見以蔵だったんじゃないかという感想より。
ところでSSとは関係ないが、多元時空を収束させるのがもみじ(&紅葉&マーヤ)の能力ならその存在ゆえに、ストライクとエンドラインが似てるという可能性もあると。
ならば、独自性で拡散させるのがモルガン、とも考えられるのでは。
そうするとそこに沙織がきたら、萌え属性は別として最強ですな、こいつら。
ところでSSとは関係ないが、多元時空を収束させるのがもみじ(&紅葉&マーヤ)の能力ならその存在ゆえに、ストライクとエンドラインが似てるという可能性もあると。
ならば、独自性で拡散させるのがモルガン、とも考えられるのでは。
そうするとそこに沙織がきたら、萌え属性は別として最強ですな、こいつら。