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  • 全て集う場所で―between red and blue―

テイルズオブバトルロワイアル@wiki

全て集う場所で―between red and blue―

最終更新:2019年10月13日 19:21

匿名ユーザー

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だれでも歓迎! 編集

全て集う場所で―between red and blue―


太陽が憎いほど眩しい。苛々する。理由は分からない。だがロイドは激しい不快感を覚えた。別に目を逸らして見ない事も可能だったが、面倒臭かった。苛々しようがしまいが、もうどうでもよかった。
ぴくり。彼の指は動く。その先にあるモノを以てこの世界を終わりにするべく。
かちり。彼の左手から何かの音がする。
この表現は正しいようで正しくなかった。その間に、もう一つ音があったから。
とす。ロイドの胸から何かが落ちた。彼でなければ聞こえない小さな音。
その音にロイドは驚く事はしなかった。絶望の深淵に居る彼にとってそんな事はどうでもいい事だった。
が、指と背中の光翼はロイドの思いとは関係なく反応する。指はその音に反応して左手甲の石に触れ、かちりと音を立てた。
同時に全身を駆け巡る違和感。体が、尋常じゃない程に軽い?…有り得ない。天使の体は疲れを蓄積しない。体が重いとか軽いとか、そんな事を感じる作りには出来ていない。
だから、有り得ない。だが今、その有り得ない感覚に襲われている。しかも気のせいとは思えない程の激しいそれに。
「……?」
ロイドは急激な体の変化に自分の頭がおかしくなったのではと疑う。だがこれだけ冷静でいられる自分がおかしくなっているとは到底思えない。確認しなければ。
ロイドは首を輝く太陽から背ける形で音源を目に写した。
黄色と赤の、物体。
胸に忍ばせていた、あれが激しい戦闘で外れたのだ。
それは攻撃力を大幅に上昇させる代償に、回避が大幅に下る能力を持つ紋章。
イクストリーム。
クレスとの戦闘中、完全に存在を忘れていた装飾品だった。


あぁ、こんなもんもあったな。こいつが外れたから、体が軽くなったのか。
確か闘技場で勝った時貰えるんだっけか?親父にも作って貰った気がする。
これがあったから更に限界を越えられて攻撃力が……あれ?……攻撃…力、が……?
――待て、よ?どうして俺はこんなもん付けて戦ってたんだ?
確かに朝での考えは限界を突破する事だった。
だからイクストリームを装備する事自体は間違いじゃなかった。むしろ理に敵っていた。
けど、けどだ。クレスとの戦闘中、俺が考えて至った作戦は何だった?
俺が持ち込みたかったのは消耗戦だろ?馬鹿か、俺は?消耗戦において大事なのはなんだ?攻撃力じゃないだろう?
確かにイクストリームによる回避低下を補う為にジェットブーツで速度を増していた。結果的に速度は少しばかり上昇していた。けど、今考えたら。
本来のジェットブーツによる速度上昇能力が半分も活かせてなかった気がした。
紋章の存在に気付いてさえいれば、消耗戦を決意した先程の戦闘中に外してさえいれば?
つまり、そうだな。えーと…ジェットブーツの速度を200と考える。イクストリームが奪う速度を100と考える。そしたらさっきの戦闘での上昇速度は、えー……なんだ?
100でいいのか?
イクストリームを装備しなかった場合は速度は200だから、200÷100で…あれ?いくつだ?
くそっ、先生の授業真面目に受けとくんだったなあ。三桁の計算なんて暗算できねえよ…。



んー。えーと?まあ2倍から3倍ってとこだろ。
畜生。
全然違うじゃねえか。

その瞬間、ロイドの脳内で先程の闘神との戦闘が繰り広げられる。
虎牙破斬と空間翔転移を合わせたあの反則じみた高速の、光速の技。あれのせいで俺は力の差を確信した。だけど今なら、どうだ?体は比べ物にならないほど格段に軽い。…そうだ。俺は避ける事が出来た。確実に。
――そうか!クレスは、この事を知らない。俺の体の動きはあれが限界だと思ってる。しかもご丁寧に手加減までしてくれてる。もし…もし、再び戦闘をして、限り無くクレスが俺に近付き、隙を見せた時、これを外して神速の一撃を見舞えば?
あれ?
…やれる?
まだ俺は、やれる?
やれる!?
やれる!??
え?
やれるのか?
まだ俺はやれる?
まだ俺はやれる!?
まだ、俺は、やれる!!
勝機はまだある。今、その光を見た。剃刀の刃が入るか否かの隙間は、今確実に広がった。
彼の心に再び火が灯り出す。

そうだよ。俺は何を考えてるんだ?自分で言ってたじゃないか。“死ぬ事には何の意味もない”って。俺は馬鹿だな。よく考えてみやがれ。
まだコレットも生きてる。
ヴェイグだって、カイルだって、グリッドだって、キールだって、……メルディだって生きてる!
自分が勝手に死んだらどうなる?
“あとは勝手に野たれ死ね”“とっとと死ね。これは僕からの命令だ”
…いやだね!俺は自由なんだ。行き方も死に方も、俺が決める。肉体の死は確かに訪れた。
だけど、お前なんかに指定された方法で死んでたまるかよ!
火が膨らむ。真の絶望を知ったズタズタの彼は、そこから這い上がらんと必死でもがく。
火は、そんな彼を後押しする。



“殺す価値もない”“木偶の坊”
確かにそうかもしれない。
俺は父さんみたいに冷静じゃないし、ジーニアスみたいに頭も良くない。
先生みたいに正しい判断は出来ないし、プレセアみたいな力もない。
ゼロスみたいな話術もないし、リーガルみたいなキザな部分は一つもない。
しいなみたいに召喚術が使える訳でもなければ、コレットみたいに笑って全てを許せる程寛容ではない。
俺は、誰かに助けて貰わなけりゃ生きていけない自信がある。でもそれがどうした?一人は弱いから、互いを補い合えるから、仲間だろ?馴れ合いと言われても構わないさ。
一人で生きていける強さなんて、俺はいらない。
俺には、生きる価値がある。そこにいるだけで価値がある!
自分勝手かもしれない。けど、なんなら俺が勝手に決めてやる!仲間から必要とされている!それが価値だ!

火は炎へと変わらんとする。クレスの言葉という二酸化炭素を、ロイドは追い返す。
呼吸を必要としない体だが、ロイドは目を閉じ、そしてゆっくりと深呼吸をしてみる。絶望を吐くイメージ。希望を吸うイメージ。
髪の毛から、爪先まで、全てを入れ替えるイメージ。
幸運にも、脳はまだ呼吸の仕方を覚えていた。

絶望を吐く。希望を吸い込む。
絶望を吐く。希望を吸い込む。
絶望を吐く。希望を吸い込む。
絶望を吐く。希望を吸い込む。
絶望を吐く。希望を吸い込む。
絶望を吐く。希望を吸い込む。
絶望を吐く。希望を吸い込む。
絶望を吐く。希望を吸い込む。
絶望を吐く。希望を吸い込む。
絶望を吐く。希望を吸い込む。
絶望を吐く。希望を吸い込む。

父さんがハイマで言ってたじゃないか。
“お前は、間違えるな”
親父が言ってくれたじゃないか。
“ロイド、ドワーフの誓い第7番を忘れるんじゃねぇぞ”



絶望を吐く。希望を吸い込む。
絶望を吐く。希望を吸い込む。
絶望を吐く。希望を吸い込む。
絶望を吐く。希望を吸い込む。
絶望を吐く。希望を吸い込む。
絶望を吐く。希望を吸い込む。
絶望を吐く。希望を吸い込む。
絶望を吐く。希望を吸い込む。
絶望を吐く。希望を吸い込む。
絶望を吐く。希望を吸い込む。
絶望を吐く。希望を吸い込む。

そうさ、だからここまで来れた。別に正義の旗を振りかざしてやってきた訳じゃないけどな。
その結果、肉体の生の証を失おうと。最後の最後に間違えちゃ、皆に合わせる顔がねえよな?
格好悪いったらありゃしねえ。
だから、自分に言い聞かせるように。
“火よ、炎に変われ。”

絶望を吐く。希望を吸い込む。
絶望を吐く。希望を吸い込む。
絶望を吐く。希望を吸い込む。
絶望を吐く。希望を吸い込む。
絶望を吐く。希望を吸い込む。
絶望を吐く。希望を吸い込む。
絶望を吐く。希望を吸い込む。
絶望を吐く。希望を吸い込む。
絶望を吐く。希望を吸い込む。
絶望を吐く。希望を吸い込む。

今は、まだ俺の死ぬ時じゃない。力の差?それがどうしたよ!力の差、それは諦めと同意語か?違うだろ!?
こんな不抜けの姿を見て、コレットはどう思うだろう。…きっと俺を軽蔑する。
最後に、こんな姿を晒せるかよ!コレットはまだ生きてる!救うんだ、俺が。クレスの馬鹿野郎なんかに、コレットを殺されてたまるかよ!
見せてやるよ、クレス!
絶望から這い上がった人間の強さをな!




絶望を吐く。希望を吸い込む。
絶望を吐く。希望を吸い込む。
絶望を吐く。希望を吸い込む。
絶望を吐く。希望を吸い込む。
絶望を吐く。希望を吸い込む。
絶望を吐く。希望を吸い込む。
絶望を吐く。希望を吸い込む。
絶望を吐く。希望を吸い込む。
絶望を吐く。希望を吸い込む。
絶望を吐く。希望を吸い込む。

…ふっきれたよ。力の差なんか、怖くないさ。
だってそうだろう?今の俺はこうして、呼吸をするだけで心に火を灯せる。なのにどうして、何処に怖がる必要があると言うのか。

最後にもう一度だけ、ゆっくりと。
…絶望を吐く。希望を吸い込む。

もう、絶対に、迷わない。
俺の行き着く先を、見せてやるさ。何度斬られても、何度殴られても、何度罵倒されても。この体が動く限り、止まってちゃ背負ったモンが全部無駄になっちまう。
そうだろ?
――メルディ。

火は炎へと変わった。そしてロイドはついに絶望から這い上がった。灯った炎はもう消える事はないだろう。
ロイドは右手でEXジェムを動かす。複合EXスキル、リラックスを発動。更に、EXスキル、ダッシュを発動。
(回復してる間に攻撃されたらたまったもんじゃないからな。即座に動けるようにはしておこう)
ロイドは無言のまま目を開く。暫く目を閉じていた弊害か、非常に眩しい。
だが、最初の眩しさとはどこか違う。別段、不快感は感じない。
むしろこの眩しさが精神の“生”の証拠である気がして、自らの炎の具現化されたものである気がして、嬉しかった。



こんなにも広い空で、一片の迷いも感じられない程、何万年も輝き続ける太陽。
…絶望から這い上がる前の自分が、これに不快感を覚えた理由が分かる気がした。
こんなにも広い大地で、輝きを失った自分。
それと対になる存在になっていたからなんだと思う。
だからこそ、今の自分は嬉しさを強く覚えた。
こんなにも広い大地で、再び輝きを取り戻した自分。
それと太陽は重なり、そしてそれと同じく、ずっと輝き続けられるという自信を自分に与えてくれた。
ロイドは再び目を閉じた。
三秒待つ。そして再び開く。
先程の景色が、そこにはあった。
ロイドは一瞬安堵の表情を浮かべると、イクストリームを戦闘中に外しやすい、左手に固定する。
これならEXジェムを弄りつつ外す事も可能だ。例えば、イクストリームを外すと同時にEXスキルのイベンション、ダッシュを付ける。速度はそこから一気に数倍に膨れ上がるだろう。他にもパターンはいろいろと考えてる。
可能性は、無限に広がる。
(頼むぜ、紋章様。お前がミソなんだ)
少し思考に余裕が出来たロイドは、さっきまでの自分、即ち絶望について考えた。
(這い上がる前と後での景色は、こんなにも違うんだな…)
絶望と言う穴は、世界を狭く、そして自分を小さく、汚く見せる魔力を持っている。
絶望は孤独となり、孤独は判断を狂わせる。そして全てを放棄させる。
…脳裏に一人の少年の姿が過ぎる。
彼の絶望と孤独は、これより深かったのだろうか。
初めて墜ちて分かる、シャドウより、ブラックオニキスより更に黒い、絶望の味。
そしてそれは身を任せるに心地良さを感じる温度。
俺はそれを体験した。
漆黒に抗うより、それに身を任せた方が心地良かった。
……だけど俺はお前とは違うぜ。そこから這い上がってみせた。お前はそれを諦め、全てを放棄した。



たったそれだけの違いだけど、全然違うんだ。
違いは心の弱さ。
一回は折れかけた俺の心も、もう折れない。
世界も仲間も見捨てたお前なんかと一緒になってたまるかよ!
人は変われるんだ!

“墜ちた天使、ミトス=ユグドラシル”

今、ロイドは彼を理解した上で哀れみ、そして違いを再認識した。――あいつのやり方は、やっぱ間違ってる。
…さて、と。
だいぶ落ち着いた。回復も少ししたみたいだし、これからの事を考えないとな。まずは、剣か。武器が無いのは正直、キツい。獅子戦吼や魔神剣…いや、この場合魔神拳か?とにかくそれらの技を使おうと思えば使えるが、威力はがた落ちだ。
刀を作らないと。
でも、クレスにとっては木刀はただの玩具。どうすれば……。
忍刀を使うか?いや、だめだ!
一刀流は得意じゃない。エターナルソードを戦闘で使う時のために一応は扱えるけど、クレスにはそんな付け焼き刃は通用しない。あれはもしもの時のために、一応は持っておく程度の武器にしよう。
……迷ってる暇は無い。武器がないままこんな目立つ場所で休憩するのは馬鹿としか言い様が無い。
他に武器が無いなら、俺には木刀しか。
ロイドは起き上がり、紫電を纏う忍刀を取り出した。
幸運にも、ロイドが倒れていたすぐ後ろに森はあった。ロイドは森の入口付近の木を見上げる。



「あれなら…いけそうだな」
暫く木々を吟味した後、ロイドは一つの木を見上げたまま呟く。
EXスキル、スカイハイ発動。
背中の翼を羽激かせ、イクストリームで強化させた筋肉で飛ぶ。
いや、飛ぶと言うよりは跳ねる、といったところか。
それでも常人の数倍は跳ね上がり、羽を空中で動かす事で、常人の数倍は空中に停滞する。
目当ての枝を忍刀で二本とも切り落とし、着地。
一見簡単な作業に見えるが、天使以外の人間から見れば十分脅威だった。
(天使ってのは本当便利な体してやがるぜ)
コレットとシルヴァラントを旅していた時は天使の不便さをジーニアスとよく語り合ったものだが、いざ体感してみるとこんなにも便利だ。
ロイドは頭の中で思うと、先程倒れていた場所へ戻り、座る。
そして忍刀で木を削り出して―――
(待てよ。)
脳裏にある考えが過ぎる。この忍刀、使えないだろうか。
……一方の木刀の内部に、忍刀を仕込む。
小細工はあまり好きじゃないが、クレスには力だけでは勝てない。先程の戦闘でそれは確信に変わった。
だが手札はほぼ披露してしまった。一度見た技ならクレス程の実力者なら安易に見切ってしまうだろう。
しかし、そこに弱点がある。それを利用する。
ならばどうする?
答えは簡単だ。
“見た技と思わせればいい”

瞬迅剣に見えた、瞬雷剣。
虎牙破斬に見えた、雷破斬。

モーションは全く同じだ。一度見せた技なら、最後の電速の一撃を避けられる訳が無い。
モーションが同じなら、クレスなら往なし方、ガードの仕方が分かるから。そこに付込む。
いかにクレスと言えども、雷を脳天に食らえば何秒か隙が出来る。…そこから、一気に技を繋げて決着を付ける。
…まさか、雷の速度で行動をするなんて真似は出来ないだろう。どこかの神じゃあるまいし。


(これならいけるぞ…まだ勝機はある!)
勉強や作戦等、頭を使う作業を苦手とするロイドだが、相手がクレスである以上は考えなければ勝てない。

木刀を急いで作成しつつ、ロイドは平行して作戦を立てていた。いや、作戦と言うよりは、ただの小細工か。
先程の攻防を思い出しながら、足りない脳で考える。
あいつの…クレスのすげえところは、空間転移を技に組み込んで自在に使いやがる所だ。だけどそこだけだ。空間転移さえ攻略すれば、ただの闘神。
…それでも厄介なのは分かってるけど。本気クレスの凄まじい時空のコーティング。あれは正直、脅威だ。俺の秘奥義の時の時空のパワーを常に込めたような、絶対的かつ圧倒的な力。
更にあの格闘能力。さすがに手枷を外したリーガルの手には劣るけど、それでもあの正確かつ迷いが無い蹴りはすごかった。…でも、俺だってそこまで馬鹿じゃない。同じ技は喰わない。
…けど、それ以上の不安。
“多分、あいつにも秘奥義はある。それもかなり強力な。”
使われる前に連打で倒さなければ、今度こそ殺される。例外は無い。これは決定事項だ。
…ああ、だめだだめだ。何、相手を追い詰めた場合の事考えてるんだよ、俺?
秘奥義なんてピンチの時しか使わないだろ?
まず解決すべき問題は、空間転移だ。
…くそっ!どうにもならねえってのかよ!?
何か、弱点はないのか?

恐ろしい早さで片方の木刀を完成させると同時に、ロイドは顔を左右に振り、そして眉をしかめる。自分の甘い考えに、苛立ちを覚えた。
小細工ばっかで、攻略法は一つも無いじゃないか!
あれ程何度も技を見たのにっ!くそ!
クレスなら一回で見切りやがるってのに、なんてざまだ。これがあいつと俺のポテンシャルの違いかよ。



……でもとにかく、今は武器を作るしかねえよな…。
この後は、どうする?
……やっぱ、クレスを探すしかねえな。
キール達もカイル達も、多分大丈夫だ。

ロイドはそう考え、もう片方の木刀作成に取り掛かる。
流石にこう何度も木を加工していると、その手付きも慣れたものになっている。
持ち前のドワーフ仕込みの器用さと合わせ、恐るべき速度でもう一方も完成させようとする。
…もちろん、忍刀を差し込む隙間の細工も忘れない。
忍刀を仕込む事を考えて、刀は二つとも以前のものより太く造る。
もちろん、防御能力、殺傷能力上昇、耐久性強化の意味合いも込めて。
片方のそれを少し重くする事も、忘れない。
ロイドの二刀流は、左右の刀の絶妙なバランスが大事なのだ。ジューダスのような、攻撃と防御の役割をそれぞれの剣が果たしているものとは違い、ロイドのそれは両方の刀で成り立つ。どちらかに優劣があっては成り立たない、変則的二刀流。
だから忍刀による重さの崩れも計算し、刀を造る。
感覚だけでそのバランスを計れるのは、流石はロイドといったところか。

…イクストリームと、忍刀。
ロイドにとって、この二つのアイテムにクレス攻略の全てが掛かっていると言っても過言では無い。
「よし、とりあえずこれで完成だ!」
太さはワルキュリアセイバー並となってしまったが、材質が材質故に重さはさほど気にならない。
…むしろ鉄に比べれば全然軽いのだから、問題はまるで無い。
最後に、紫電を纏う忍刀を隙間に差し込む。
その様はまさに、“忍ぶ刀”。
細かい作業、それも砕けた手でのものだったが、その出来は驚くべきのものだった。何も知らない人間がこの武器を見て、まさかものの数分で作られた即席木刀セットだとは夢にも思わないだろう。



(でも、少し雑になっちまったな。もう少し時間をかけて作りたかったんだけど…。ま、この状況で贅沢は言えないよな)
ロイドは一瞬眉間にしわを寄せたが、すぐに満足気に刀を見つめると、来ていた服を破りそれを左右の手に固定する。
……服を破る際に自分の傷付いた体を見るのは少し辛かったが、それは深く考えない事にした。
(ちっ。傷、見ちまったせいであんま気分がよくないな。もうちっと休むか。)
複合EXスキル、リラックスを再び発動し、ロイドは倒れ込む。

…自分は死んでいる。
生きているのに、死んでいる。この不思議な感覚にも、だいぶ慣れた。
…しかし、十中八九もう自分に残された時間はほんの一握り。
次にクレスと対峙した時、結果がどうであれ。
おそらく、自分は。
…時間が無い。だが、少しでも回復しなければ。
おそらくこのエリアが最終決戦の舞台になるだろう。馬鹿な俺でもそう予想しているんだから、クレスもそれは理解していると思われた。
(もちろん、仮定だけどな。)
だから、このエリア内にいる限りクレスとそこまで距離が開く事は無い。それがせめてもの救い。…焦っても仕方無い。
あと5分くらいしたら、動こう。
そう考えた後、ロイドは目を閉じる。

これだけ動いて体の調子がナチュラルハイってのも、本当に不思議だ。
…疲れて無い分、休息というものの意味が無く感じる。
しかしそれは表面上。
生命体である以上、いつか死ぬ。盛者必衰。即ち、体力があるという事。もちろん、俺にも。…クレスにも。
今の体は体力を気にせずに動けるというだけだ。体力が無限にあるわけじゃない。
だから休息も大事だ。
癒されているのかいないのかは分からないが、クレスに会う前に力尽きては意味が無いのだ。




ロイドはそこまで考えて、さて、イメージトレーニングでもしようか、と頭を切替えようとした。ロイドには丁度今思い付いた作戦があったからだ。
しかしある音により、イメージトレーニングはされる事なく休息の終わりは訪れた。


“それ”を聞いたのは頭を切り換える行為とほぼ同時だった。
天使化により強化された彼の耳に、ある音が入る。それほど遠くではないようだが、しかし決して近くはない。
特に気にする事は無い、と思ったが、念のため音の方向へと首を向ける。
彼の強化された目は、何かを捉えた。
(な…んだ?……光?)
それは、一筋の光。
地面から発せられていたそれは、マナや炎とはまた違う光を見せていた。
…光源では無い。
(この光り方は…光源じゃねえ。
 …反射、か?)
ロイドは目を細める。
(よく見えないな…)
天使の思いを察してか、空に浮かぶ太陽に、一瞬だけ雲が掛かる。
それは果たして、ロイドにとって幸運だったのか、不幸だったのか。未来だけが、それを知っている。
光は遮られ、反射していた物体が鮮明に目に、
「…な、」
目を丸く開き、口は「な」の発音の時のまま硬直する。
自分が見たものが信じられない。そんな表情。
そう。地面に刺さり光を反射していたそれは、白銀に輝く氷で構成された、円形の、真ん中に穴が空いた、
「…チャク…ラム?」
ロイドは頭を左右に振り、「落ち着け、」と自分に言い聞かせ、目を閉じる。
(残っている奴で、チャクラムを武器として使える奴は、誰だ?)
…決まってる。
目を、開いた。




「――コレットだ。」

そうだ。コレットだ。
コレットしか居ない。
なんで氷なのかは分からないけど、コレットだ。間違い無い。
…けど、待てよ。
嬉しい気持ちのその裏で、二つの嫌な予感がする。
いや、それは確信に似ていた。
生温く、気持ち悪い風が吹く。
チャクラムを使ったという事は?即ちどういう事だ?
くそ!冷静になれ!クールになれ、ロイド=アーヴィング!
…そうだ。簡単な事じゃないか。剣士が剣を抜く時と同じ理由。
今のコレットは、
“武器を使わなければならない状況にある”
…更に、もう一つの嫌な予感。
相手は、もしかして…もしかして。
……心臓が高鳴る記憶が蘇る。……久しぶりのこの感覚。クラトスが自らを四大天使と名乗る瞬間、ミトスがユグドラシルだと知る瞬間、ゼロスが裏切る瞬間。
……無いはずの心臓が脈打つのを、確かに感じた。
ロイドは唾を飲み込み、チャクラムを見据えたままある名前を呟く。

「クレス=アルベイン」

脳内で時間が止まる。
まるで皮と肉の間を毒々しい芋虫が這い回る様な、理屈すら無い、純粋な嫌悪、そして全身を駆け巡る戦慄。
“まずい。”
直感的にそう感じる。理由は無い。言わば、生物的本能。危険だ。
とにかく、このままでは、まずい。
なら、どうする?
決まってる!
彼は足を曲げると、勢い良く地面へと戻す。その勢いはそのまま胴体へと伝わり、彼の体を浮かせる。
彼は、立ち上がった。
刀を固定した拳を、強く握る。
「クレス…」
俯いた彼の目は、影と垂れた髪により隠れる。
「コレットに指一本、触れてみやがれ…。
 傷一つでも、付けてみやがれ…」



ロイドはそのままゆっくりと右手だけを左手へと動かす。絶望の底に居た時とは違う目的で。
複合EXスキル、リラックスを解除。EXスキル、パーソナルを発動。
少し間が空き、一陣の風が吹く。
その風を合図に、ロイド=アーヴィングは消えた。否、走り出した。常人には理解出来ない早さで。
歯を食いしばり。
不安と焦りを怒りに変え。
人知を越えた速度で。
心の炎を激しく滾らせ。
目は鷹の様に鋭く。
翼を震わせ。
拳を血が滲む程握り締め。
その姿はまるで、鬼神。
コレットに傷を負わせる。それは、ロイドの逆鱗に触れる事に同意だ。
かつての敵、五聖刃のクヴァル、フォシテスに迷わずそうしたように、コレットを傷付けた敵は許さない。
――鬼神は、風と同化しつつ。
天を裂き、大地を揺るがさんとする大声で咆哮する。

「お前を絶対に許さねえぞ!クレスー!!」

しかし悲しいかな、残酷な現実を知る瞬間は速度と比例して刻一刻と迫っている事実を、鬼神はまだ知らない。




【ロイド=アーヴィング 生存確認】
状態:天使化 HP5% TP10% 右手甲損傷 背中に大裂傷 全身打撲 心臓喪失 砕けた理想 右手首から右肩にかけて衣類喪失
   無痛症(痛覚神経が死滅) 再び燃え上がった戦意 怒り
所持品:強化版木刀(右手用に忍刀・紫電入り) エターナルリング ガーネット イクストリーム ジェットブーツ フェアリィリング
基本行動方針:コレットとクレスを追う
第一行動方針:クレスを倒す作戦を更に熟考する
現在位置:C3村・西地区ミトスの拠点跡付近

※ロイドは自身のHPの正確な把握は不可能
※左の木刀はガーネットの火属性ですが、右の木刀にはガーネットは影響しないもの(つまり雷属性のみ)として考えて下さい

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