ふられストーカーマン
ヒトとはなんと弱い存在だろう。
スールズの主婦、ポプラは自身の無力さを十二分に味わっていた。
ゲームが始まってかなりの時間が経っているのに、彼女は何も出来ずに居た。
ただ、支給品として出てきた小動物──クイッキー──を抱きかかえて震えるだけだった。
移動しようと何度も思った。しかしその度に聞こえてくる、銃声、轟音、木々が倒れる音・・・
そうした非現実的な環境は彼女をその場に釘付けにしてしまった。
スールズの主婦、ポプラは自身の無力さを十二分に味わっていた。
ゲームが始まってかなりの時間が経っているのに、彼女は何も出来ずに居た。
ただ、支給品として出てきた小動物──クイッキー──を抱きかかえて震えるだけだった。
移動しようと何度も思った。しかしその度に聞こえてくる、銃声、轟音、木々が倒れる音・・・
そうした非現実的な環境は彼女をその場に釘付けにしてしまった。
初めてクイッキーが出てきたあと、改めて支給品を確認したら後一つ、別のものが入っていた。
果物の様に湾曲し、表面がデコボコした、手榴弾二つが入っていた。
説明書によれば、ピンを抜けば数秒後に爆発するとのこと。
爆発。この小さなものが、どれくらいの破壊力を持っているか、彼女はよく分からなかった。
分からなかったが、それを決して使ってはならないとは思った。
しかし捨てることは出来なかった。自分の命を守るものが無くなってしまうような気がした。
果物の様に湾曲し、表面がデコボコした、手榴弾二つが入っていた。
説明書によれば、ピンを抜けば数秒後に爆発するとのこと。
爆発。この小さなものが、どれくらいの破壊力を持っているか、彼女はよく分からなかった。
分からなかったが、それを決して使ってはならないとは思った。
しかし捨てることは出来なかった。自分の命を守るものが無くなってしまうような気がした。
放送により、殺し合いは現実的なものとなって彼女にのしかかってきた。
やめさせようとも思ったが、誰にどう言えば殺し合いは終わるのか分からなかった。
彼女の知り合いは少なかった。ヴェイグ・リュングベルとティトレイ・クロウ。
もう後二人ほど知った顔が居た気がしたが、思い出そうとすると体が拒絶するのでやめた。
やめさせようとも思ったが、誰にどう言えば殺し合いは終わるのか分からなかった。
彼女の知り合いは少なかった。ヴェイグ・リュングベルとティトレイ・クロウ。
もう後二人ほど知った顔が居た気がしたが、思い出そうとすると体が拒絶するのでやめた。
この島を大きく二つに分ける川が流れている。
その元にある、連なった山。彼女はそこの陰に座っていた。
既に真夜中である。視界もあまり良好ではない。
「クイッキー!」
突然クイッキーが鳴いた。
「クイッキちゃん、どうしたの?」
ポプラは自分より一メートルほど離れた地点で北に向かって叫ぶクイッキーを見つめた。
それから視線を上にずらす。
ポプラのは一気に緊張した。
暗闇でよく見えないが、確かに誰か居る。
誰かが横を向き、東に向けて歩いている。
恐らくクイッキーが鳴かなければ気付かなかっただろう、その人物は彼女達に気付く事無く歩を進めている
ポプラは恐怖で固まっていた。
もしかしたら、あれは殺し合いに乗った者かもしれない、自分を殺してくるかもしれない。
その影ははっきりと見えないが、マントを付けている様だった。
そして手に刀身の長い剣を握っている。
もう片方の手は、何か四角い小型の何かを握り、顔の前に持っていた。
その影が彼女の視界の丁度真ん中を通り抜け、更に東に進もうとした。
よかった。どうやらこちらに気付かずに行ってしまいそうだ。
彼女はほっとした。同時に、仲間になれたかもしれないチャンスを逃したという自責の念に悩まされた。
その元にある、連なった山。彼女はそこの陰に座っていた。
既に真夜中である。視界もあまり良好ではない。
「クイッキー!」
突然クイッキーが鳴いた。
「クイッキちゃん、どうしたの?」
ポプラは自分より一メートルほど離れた地点で北に向かって叫ぶクイッキーを見つめた。
それから視線を上にずらす。
ポプラのは一気に緊張した。
暗闇でよく見えないが、確かに誰か居る。
誰かが横を向き、東に向けて歩いている。
恐らくクイッキーが鳴かなければ気付かなかっただろう、その人物は彼女達に気付く事無く歩を進めている
ポプラは恐怖で固まっていた。
もしかしたら、あれは殺し合いに乗った者かもしれない、自分を殺してくるかもしれない。
その影ははっきりと見えないが、マントを付けている様だった。
そして手に刀身の長い剣を握っている。
もう片方の手は、何か四角い小型の何かを握り、顔の前に持っていた。
その影が彼女の視界の丁度真ん中を通り抜け、更に東に進もうとした。
よかった。どうやらこちらに気付かずに行ってしまいそうだ。
彼女はほっとした。同時に、仲間になれたかもしれないチャンスを逃したという自責の念に悩まされた。
しかし・・・
不意にその影がこちらを振り向いた。
ポプラは一瞬で体が硬直し、その人物の姿をまばたきもせずに見つめた。
しばらくそのまま動かなかった。
動いたら、こちらに居ることが気付かれてしまうような気がした。
だがそんな彼女の様子もお構い無しと言うように、その影は彼女の方へ歩き出した。
ポプラは一瞬で体が硬直し、その人物の姿をまばたきもせずに見つめた。
しばらくそのまま動かなかった。
動いたら、こちらに居ることが気付かれてしまうような気がした。
だがそんな彼女の様子もお構い無しと言うように、その影は彼女の方へ歩き出した。
「ひっ・・・!」
ポプラは身を強張らせ、腰を付いた体勢のまま後ずさりした。
その影はずんずんと近付いてくる。
「ひぃっ!」
彼女は震える足で立ち上がり、もつれさせながらも走り出した。
「クイッキー!」
クイッキーも走り、彼女の袋に飛び込んだ。
そして影も走り出した。v 「ひいぃぃぃ!!」
殺される。彼女はひたすら走った。追いつかれたら殺される。
そんな思いが頭を占めた。自分を追う影が、得体の知れない殺人者の様に思えた。
「だ、だれっ、か、助け・・・!」
混乱のあまり舌がうまく回らない。
足がガクガクする。周りの様子もよく分からない。
彼女は何が何だか分からなくなっていた。
ポプラは身を強張らせ、腰を付いた体勢のまま後ずさりした。
その影はずんずんと近付いてくる。
「ひぃっ!」
彼女は震える足で立ち上がり、もつれさせながらも走り出した。
「クイッキー!」
クイッキーも走り、彼女の袋に飛び込んだ。
そして影も走り出した。v 「ひいぃぃぃ!!」
殺される。彼女はひたすら走った。追いつかれたら殺される。
そんな思いが頭を占めた。自分を追う影が、得体の知れない殺人者の様に思えた。
「だ、だれっ、か、助け・・・!」
混乱のあまり舌がうまく回らない。
足がガクガクする。周りの様子もよく分からない。
彼女は何が何だか分からなくなっていた。
【ポプラおばさん 生存確認】
状態:パニック 恐怖 無傷
所持品:クイッキー 手榴弾×2
第一行動方針:追跡者から逃げる
第二行動方針:皆が団結するように動く
現在地:D5の草原地帯から東へ移動中
状態:パニック 恐怖 無傷
所持品:クイッキー 手榴弾×2
第一行動方針:追跡者から逃げる
第二行動方針:皆が団結するように動く
現在地:D5の草原地帯から東へ移動中
【ロニ 生存確認】
状態:無傷
所持品:簡易レーダー なりきり剣士セット
第一行動方針:レーダーに反応のあった者の識別
第二行動方針:ゲームに乗った者の駆除
第三行動方針:仲間との合流
第四行動方針:武器の調達
現在地:D5の草原地帯から東へ移動中
状態:無傷
所持品:簡易レーダー なりきり剣士セット
第一行動方針:レーダーに反応のあった者の識別
第二行動方針:ゲームに乗った者の駆除
第三行動方針:仲間との合流
第四行動方針:武器の調達
現在地:D5の草原地帯から東へ移動中