堕ちた天使
薄れ行く意識の中で、ゼロスは己の死を悟った。
致命傷もいいところだ。絶対に助かりはしないだろう。
不思議なことに、恐怖や絶望は無かった。
それはゼロス自身が、生きるということにそれほど執着していなかったからであろうか。
血が流れ続けるのが分かる。
致命傷もいいところだ。絶対に助かりはしないだろう。
不思議なことに、恐怖や絶望は無かった。
それはゼロス自身が、生きるということにそれほど執着していなかったからであろうか。
血が流れ続けるのが分かる。
どれくらいの時が経っただろう。
立ち上がったマリアンが、ようやく口を開いた。
「エミリオ・・・」
凍った表情のまま、口だけを動かして言った、少年の名前。
「・・・マリアン」
エミリオと呼ばれた少年は、再び眼前の女性の名前を呼ぶ。
そして一歩彼女に歩み寄った。
しかし、彼女は一瞬体を震わせると、同じく一歩、後に退いた。
マリアンの頭は既にまともな思考能力が働いていなかった。
目の前で一緒に行動していたゼロスが刺されたこと、
そして手を下したのが他ならぬリオン・マグナス──エミリオ・カトレットだったこと。
そうした出来事は、彼女には刺激が強すぎた。
自分が何をすべきか、どういう状況にあるのか、把握できていなかった。
『・・・て』
ふと、アトワイトが何事かを言っているのに気付く。
『逃げて、マリアン!早くここから!』
言われた言葉を硬直した頭の中で反芻する。
「で・・・も、ゼロスさんが・・・」
『分かって、マリアン。ゼロスは、もう・・・』
改めて眼下に沈んでいる男を見やる。
流れ続ける血が広がり、マリアンの足元を濡らしていた。
『お願い、マリアン。あなたまで死んではいけないの』
「でも・・・でも・・・」
そして視線をずらし、少年を見つめる。彼はその場に止まったままだった。
『それにもうすぐ、あの男が来る!マリアン、お願い!!』
アトワイトの悲痛な叫び。
「マリアン・・・」
少年は腕を前に出し、声をかける。
そして彼が握る剣は、ゼロスの血でべったりと濡れていた。
「──!」
彼女は強く瞼を閉じ、脱兎の如く駆け出した。涙が数滴、宙を舞った。
「待ってくれ、マリアン、待──」
リオンは走って追おうとするも、その体が崩れた。
この短期間での三連戦は、心身ともに彼をぼろぼろにしていた。
既に十分な力は残されていないのだ。
休息無しにこれ以上動くのは、危険だった。
膝に手を乗せて力を入れ、強引に立ち上がる。
そして再び走り出す。
だが、その体が今度は不自然に倒れた。
リオンの体が前のめりに倒れ、地面にうつ伏せになる。
その背中からは、小さく銀色に光る突起物が生えていた。
「ふふふ・・・あはははははは!!」
唐突に、笑い声がした。
全く知らない、第三者の声。狂喜じみた、男の声。
ソロンがクナイを投げ、リオンの背中に当てたのだった。
地面に倒れる二人の男の姿を見て、ソロンは声高に笑った。
「いやいや、実におもしろかったですよ。最高のステージでした。
お礼といっては何ですが、私が最高の結末にしてあげますよ」
幸い傷は深いものでは無かった。
しかし一度倒れると、疲れきった体が立ち上がることを拒む。
「どういう・・・ことだ!」
背筋を反らせ、突如出現した男をにらみながら、リオンは言った。
「簡単なことですよ。あなたを殺し、彼女を殺す。
そちらの男性は既にお亡くなりのようだし、私にとっては楽な仕事ですがね」
「貴様・・・!」
怒りの混じった声で、そう叫ぶ。
だがソロンはその怒りを逆に恍惚と受け止め、にやりと笑う。
「おやおや、情け容赦なくその男を殺したあなたが、どうしてあの女性のことをそんなにも気にかけるのですか?
あなたはこれに乗ったのではないのですか?」
リオンは返答に詰まる。確かにソロンの言ったことは、リオン自身にとって矛盾することであった。
立ち上がったマリアンが、ようやく口を開いた。
「エミリオ・・・」
凍った表情のまま、口だけを動かして言った、少年の名前。
「・・・マリアン」
エミリオと呼ばれた少年は、再び眼前の女性の名前を呼ぶ。
そして一歩彼女に歩み寄った。
しかし、彼女は一瞬体を震わせると、同じく一歩、後に退いた。
マリアンの頭は既にまともな思考能力が働いていなかった。
目の前で一緒に行動していたゼロスが刺されたこと、
そして手を下したのが他ならぬリオン・マグナス──エミリオ・カトレットだったこと。
そうした出来事は、彼女には刺激が強すぎた。
自分が何をすべきか、どういう状況にあるのか、把握できていなかった。
『・・・て』
ふと、アトワイトが何事かを言っているのに気付く。
『逃げて、マリアン!早くここから!』
言われた言葉を硬直した頭の中で反芻する。
「で・・・も、ゼロスさんが・・・」
『分かって、マリアン。ゼロスは、もう・・・』
改めて眼下に沈んでいる男を見やる。
流れ続ける血が広がり、マリアンの足元を濡らしていた。
『お願い、マリアン。あなたまで死んではいけないの』
「でも・・・でも・・・」
そして視線をずらし、少年を見つめる。彼はその場に止まったままだった。
『それにもうすぐ、あの男が来る!マリアン、お願い!!』
アトワイトの悲痛な叫び。
「マリアン・・・」
少年は腕を前に出し、声をかける。
そして彼が握る剣は、ゼロスの血でべったりと濡れていた。
「──!」
彼女は強く瞼を閉じ、脱兎の如く駆け出した。涙が数滴、宙を舞った。
「待ってくれ、マリアン、待──」
リオンは走って追おうとするも、その体が崩れた。
この短期間での三連戦は、心身ともに彼をぼろぼろにしていた。
既に十分な力は残されていないのだ。
休息無しにこれ以上動くのは、危険だった。
膝に手を乗せて力を入れ、強引に立ち上がる。
そして再び走り出す。
だが、その体が今度は不自然に倒れた。
リオンの体が前のめりに倒れ、地面にうつ伏せになる。
その背中からは、小さく銀色に光る突起物が生えていた。
「ふふふ・・・あはははははは!!」
唐突に、笑い声がした。
全く知らない、第三者の声。狂喜じみた、男の声。
ソロンがクナイを投げ、リオンの背中に当てたのだった。
地面に倒れる二人の男の姿を見て、ソロンは声高に笑った。
「いやいや、実におもしろかったですよ。最高のステージでした。
お礼といっては何ですが、私が最高の結末にしてあげますよ」
幸い傷は深いものでは無かった。
しかし一度倒れると、疲れきった体が立ち上がることを拒む。
「どういう・・・ことだ!」
背筋を反らせ、突如出現した男をにらみながら、リオンは言った。
「簡単なことですよ。あなたを殺し、彼女を殺す。
そちらの男性は既にお亡くなりのようだし、私にとっては楽な仕事ですがね」
「貴様・・・!」
怒りの混じった声で、そう叫ぶ。
だがソロンはその怒りを逆に恍惚と受け止め、にやりと笑う。
「おやおや、情け容赦なくその男を殺したあなたが、どうしてあの女性のことをそんなにも気にかけるのですか?
あなたはこれに乗ったのではないのですか?」
リオンは返答に詰まる。確かにソロンの言ったことは、リオン自身にとって矛盾することであった。
「そうですね。では、こうしましょう。まず私があの女性を殺します」
ソロンはそう言葉を続けると、二人を無視してゆっくりと歩き出した。
「ま・・・、待て!待ってくれ!!」
先程までの怒りが消え、ただ悲痛な響きがそこにあった。
ソロンは直一層、口元を歪める。
「お土産に彼女の首でも持って帰りましょう。あなたはそこで寝ているといい。
ふ、ふふ、ふふふははは、あはははははははは!!!」
狂喜の声を上げ、移動速度を上げるソロン。
リオンは急ぎ立ち上がろうとした。しかし膝が揺れ、体がどしゃっと倒れる。
術を詠唱しようにも、間に合わない。
ソロンはそう言葉を続けると、二人を無視してゆっくりと歩き出した。
「ま・・・、待て!待ってくれ!!」
先程までの怒りが消え、ただ悲痛な響きがそこにあった。
ソロンは直一層、口元を歪める。
「お土産に彼女の首でも持って帰りましょう。あなたはそこで寝ているといい。
ふ、ふふ、ふふふははは、あはははははははは!!!」
狂喜の声を上げ、移動速度を上げるソロン。
リオンは急ぎ立ち上がろうとした。しかし膝が揺れ、体がどしゃっと倒れる。
術を詠唱しようにも、間に合わない。
そしてソロンが空高く跳んだ時──
紅く燃える火球が、ソロンの体に命中した。
体勢を崩し、その場に転落しかけるも、くるっと身を回転させ、着地する。
それまで狂喜のみがあった彼の目に、一瞬別の感情、驚愕の色が浮かんだ。
ソロンの視線の先には、赤髪の男が立っていた。
だらだらと胸から血を流し続け、頭からつま先まで全身に血が付着している。
顔はうつむき、その目は虚ろで、生気の欠片も無かった。
幽霊の様に、ゼロスはそこに存在していた。
「・・・これはこれは、驚きましたね。まだ生きているとは思ってませんでしたよ」
ソロンは微かに笑い、そう言った。
その時、リオンが渾身の力を込めて立ち上がり、マリアンが消えた方向へ走り出した。
だがソロンはそんな少年の姿は気にも留めず、新たな興味の対象に視線を注ぐ。
ゼロスは剣も持たずに、息遣いも荒く、立ち尽くしていた。
朦朧とする意識の中、ゼロスの頭に様々なことが浮かんだ。
マリアンはもう充分離れただろう。
あのガキはどうか知らないけど、多分大丈夫だろう。
ただ、目の前に居る男。あいつが黒幕かどうか不明瞭だが、放っては置けないことは確かだった。
自分に残された、最後の力。
何もしないで寝てもいたかったが、少しの心残りがあることも確かだった。
マリアン、アトワイト、そしてこの島に居るはずの、自分の仲間達・・・
自分が今どうこうしたところでゲーム全体の流れには大した影響も無いだろう。
仲間を守るためか?それともかつて自分が行ってきたことへの贖罪か?
それとも──
ゼロスの体が光った。そして、彼の周囲から光る羽根が舞い始めた。
「おやおや。何をするつもりですかな?」
ソロンはにやけて声を上げる。しかしゼロスは無視した。
紅く燃える火球が、ソロンの体に命中した。
体勢を崩し、その場に転落しかけるも、くるっと身を回転させ、着地する。
それまで狂喜のみがあった彼の目に、一瞬別の感情、驚愕の色が浮かんだ。
ソロンの視線の先には、赤髪の男が立っていた。
だらだらと胸から血を流し続け、頭からつま先まで全身に血が付着している。
顔はうつむき、その目は虚ろで、生気の欠片も無かった。
幽霊の様に、ゼロスはそこに存在していた。
「・・・これはこれは、驚きましたね。まだ生きているとは思ってませんでしたよ」
ソロンは微かに笑い、そう言った。
その時、リオンが渾身の力を込めて立ち上がり、マリアンが消えた方向へ走り出した。
だがソロンはそんな少年の姿は気にも留めず、新たな興味の対象に視線を注ぐ。
ゼロスは剣も持たずに、息遣いも荒く、立ち尽くしていた。
朦朧とする意識の中、ゼロスの頭に様々なことが浮かんだ。
マリアンはもう充分離れただろう。
あのガキはどうか知らないけど、多分大丈夫だろう。
ただ、目の前に居る男。あいつが黒幕かどうか不明瞭だが、放っては置けないことは確かだった。
自分に残された、最後の力。
何もしないで寝てもいたかったが、少しの心残りがあることも確かだった。
マリアン、アトワイト、そしてこの島に居るはずの、自分の仲間達・・・
自分が今どうこうしたところでゲーム全体の流れには大した影響も無いだろう。
仲間を守るためか?それともかつて自分が行ってきたことへの贖罪か?
それとも──
ゼロスの体が光った。そして、彼の周囲から光る羽根が舞い始めた。
「おやおや。何をするつもりですかな?」
ソロンはにやけて声を上げる。しかしゼロスは無視した。
「輝く御名の元──」
ゼロスは静かに、深く、憂いある口調で詠唱を始めた。
ソロンは黙り、男の様子をうかがっている。
「地を這う穢れし魂に、裁きの光を雨と降らせん──」
ゼロスの様子を危険と思ったか、ソロンはディムロスを構えて走り出した。
「安息に眠れ、罪深き者よ──」
ソロンが充分に接近し、剣を振り上げた瞬間。
ゼロスは顔を上げ、目前に迫った男を見据えた。
その時のゼロスの目は、それまでに無いほどに、真剣な光を帯びていた。
そして、その口が開かれた。やはりそれは重い響きを持っていた。
「ジャッジメント!!」
次の瞬間、周囲一帯に、光の束が豪雨の如く降り注いだ。
それらは地面に着弾すると、美しく散り、鮮やかな光を見せて消えていった。
「なっ・・・これは!?」
ソロンの顔にそれまでに無い明らかな戸惑いの色が浮かんだ。
赤髪の男を中心とする、全方位攻撃。逃げ場など、どこにもなかった。
やがてゼロスの輝きが消えると、絶え間なく降り注いだ光も止み、辺りには静寂が戻った。
それからしばらくして、ゼロスの体がふらっと揺れ、仰向けに地面に倒れこんだ。
・・・今度こそ、ここまでだな・・・
夜空に浮かぶ星をぼんやりと見ながら、ゼロスはぼんやりとそう思った。
あの男がどうなったか、マリアンが逃げ切れたか、そういったことは既にどうでもいいことだった。
俺はもう死ぬ。このゲームで中途半端に力尽きた者と記録されて、死ぬ。
「かくして、麗しの神子ゼロスさまは、非業の死を遂げるのでした・・・」
誰も聞いていないことを理解しながら、自嘲気味にそうつぶやいた。
そして力なく笑い、虚無的な目で空を見つめる。
・・・アホらしい。思えばホント、ろくな人生じゃなかったな・・・
そうしてゼロスは己の生涯を振り返った。
生まれてから世界を救済する神子として扱われていたこと。
母親を目の前で殺され、その母親から自分の存在を否定されたこと。
教会からも疎んじられ、王室からは怯えられて。
逃げ出したかった。自分の立場から。全てから。
もしかしたら、ここで死んでしまうことも、自分にとっては丁度良かったことかもしれない。
・・・ろくでもなかった人生に、ようやくおさらばできたからな・・・
そう思った時、ゼロスの頭に何かが映った。
それは自分の仲間達。いろんな旅を共にした、ロイドやしいな達の姿だった。
・・・最後の方は、そうでも無かったかもな・・・
微かに笑み、瞼を閉じ、ゆっくりと息を吐いた。
そうしてふと、すぐ傍らの地面に何かが落ちているのに気付いた。
それはクナイであった。あの男が投げた、クナイ。
・・・そうだ、まだ最後にやることがあったな・・・
右手を伸ばし、それを逆手に握る。そのまま右手を頭上に高く挙げた。
そして勢いよく自分の体に振り下ろす。
剣先がゼロスの首の下あたりに装備された輝石に刺さり、砕けた。
・・・これでいい・・・
ゼロスは静かに、深く、憂いある口調で詠唱を始めた。
ソロンは黙り、男の様子をうかがっている。
「地を這う穢れし魂に、裁きの光を雨と降らせん──」
ゼロスの様子を危険と思ったか、ソロンはディムロスを構えて走り出した。
「安息に眠れ、罪深き者よ──」
ソロンが充分に接近し、剣を振り上げた瞬間。
ゼロスは顔を上げ、目前に迫った男を見据えた。
その時のゼロスの目は、それまでに無いほどに、真剣な光を帯びていた。
そして、その口が開かれた。やはりそれは重い響きを持っていた。
「ジャッジメント!!」
次の瞬間、周囲一帯に、光の束が豪雨の如く降り注いだ。
それらは地面に着弾すると、美しく散り、鮮やかな光を見せて消えていった。
「なっ・・・これは!?」
ソロンの顔にそれまでに無い明らかな戸惑いの色が浮かんだ。
赤髪の男を中心とする、全方位攻撃。逃げ場など、どこにもなかった。
やがてゼロスの輝きが消えると、絶え間なく降り注いだ光も止み、辺りには静寂が戻った。
それからしばらくして、ゼロスの体がふらっと揺れ、仰向けに地面に倒れこんだ。
・・・今度こそ、ここまでだな・・・
夜空に浮かぶ星をぼんやりと見ながら、ゼロスはぼんやりとそう思った。
あの男がどうなったか、マリアンが逃げ切れたか、そういったことは既にどうでもいいことだった。
俺はもう死ぬ。このゲームで中途半端に力尽きた者と記録されて、死ぬ。
「かくして、麗しの神子ゼロスさまは、非業の死を遂げるのでした・・・」
誰も聞いていないことを理解しながら、自嘲気味にそうつぶやいた。
そして力なく笑い、虚無的な目で空を見つめる。
・・・アホらしい。思えばホント、ろくな人生じゃなかったな・・・
そうしてゼロスは己の生涯を振り返った。
生まれてから世界を救済する神子として扱われていたこと。
母親を目の前で殺され、その母親から自分の存在を否定されたこと。
教会からも疎んじられ、王室からは怯えられて。
逃げ出したかった。自分の立場から。全てから。
もしかしたら、ここで死んでしまうことも、自分にとっては丁度良かったことかもしれない。
・・・ろくでもなかった人生に、ようやくおさらばできたからな・・・
そう思った時、ゼロスの頭に何かが映った。
それは自分の仲間達。いろんな旅を共にした、ロイドやしいな達の姿だった。
・・・最後の方は、そうでも無かったかもな・・・
微かに笑み、瞼を閉じ、ゆっくりと息を吐いた。
そうしてふと、すぐ傍らの地面に何かが落ちているのに気付いた。
それはクナイであった。あの男が投げた、クナイ。
・・・そうだ、まだ最後にやることがあったな・・・
右手を伸ばし、それを逆手に握る。そのまま右手を頭上に高く挙げた。
そして勢いよく自分の体に振り下ろす。
剣先がゼロスの首の下あたりに装備された輝石に刺さり、砕けた。
・・・これでいい・・・
少しずつ意識が途切れ途切れになっていく。
・・・ロイド。お前ならきっと、諦めないで、みんなが助かる方法を探すんだろうな・・・
・・・悪いけど、俺は死ぬ。
・・・お前や、お前に感化された奴等がどうするのか、見ておきたかったけどな・・・
・・・ここで俺はおさらばだ・・・
瞼を開ける。だが、もう何も見えていなかった。
真っ暗な闇。どこまでも続く闇。
既にゼロスの意識は遠のいていた。
意識が闇を彷徨う。
そうしてその先に、一人の少女が居た。
帽子を被り、ゼロスと同じ赤髪をした、十五歳程の少女。
・・・よかったな、セレス。これでお前は、自由だ・・・
・・・ロイド。お前ならきっと、諦めないで、みんなが助かる方法を探すんだろうな・・・
・・・悪いけど、俺は死ぬ。
・・・お前や、お前に感化された奴等がどうするのか、見ておきたかったけどな・・・
・・・ここで俺はおさらばだ・・・
瞼を開ける。だが、もう何も見えていなかった。
真っ暗な闇。どこまでも続く闇。
既にゼロスの意識は遠のいていた。
意識が闇を彷徨う。
そうしてその先に、一人の少女が居た。
帽子を被り、ゼロスと同じ赤髪をした、十五歳程の少女。
・・・よかったな、セレス。これでお前は、自由だ・・・
そうしてゼロスの意識は途絶えた。
漆黒の闇の中で、彼の髪と血だけが、ただ赤く存在していた。
【リオン 生存確認】
状態:全身に軽い火傷 全身に裂傷 上半身に軽い凍傷 腹部に痛み 右腕に刀傷 肩に刺し傷 背中に刺し傷
所持品:シャルティエ 手榴弾×1 簡易レーダー
第一行動方針:マリアンを追う
第二行動方針:ゲーム参加者の殺害
現在位置:D7の海岸地帯から移動中
状態:全身に軽い火傷 全身に裂傷 上半身に軽い凍傷 腹部に痛み 右腕に刀傷 肩に刺し傷 背中に刺し傷
所持品:シャルティエ 手榴弾×1 簡易レーダー
第一行動方針:マリアンを追う
第二行動方針:ゲーム参加者の殺害
現在位置:D7の海岸地帯から移動中
【マリアン 生存確認】
所持品:ソーディアン・アトワイト スペクタクルズ×13
状態:混乱 疲労 TP微消耗
第一行動方針:安全な場所へ逃げる
第二行動方針:アトワイトの提案した作戦を実行する
現在位置:D7の海岸地帯から移動中
所持品:ソーディアン・アトワイト スペクタクルズ×13
状態:混乱 疲労 TP微消耗
第一行動方針:安全な場所へ逃げる
第二行動方針:アトワイトの提案した作戦を実行する
現在位置:D7の海岸地帯から移動中
【ソロン 生存確認】
状態:不明
所持品:ソーディアン・ディムロス クナイ(残り八枚)
第一行動方針:周りをかき乱し、傍観して楽しむ
第二行動方針:ジェイの監視
現在位置:不明
状態:不明
所持品:ソーディアン・ディムロス クナイ(残り八枚)
第一行動方針:周りをかき乱し、傍観して楽しむ
第二行動方針:ジェイの監視
現在位置:不明
【ゼロス・ワイルダー 死亡】
【残り40人】
【残り40人】