魔術師と人形
「うあぁぁああ!!」
「待て! 話を聞いてくれ! 私は君に危害を加えるつもりはない! そこにいるデミテルさえ倒せば――」
「でみてるころしたら、おれ、うちにかえれない!」
「な、何を言ってるんだ君は!?」
先ほどから同じ言葉を繰り返すティトレイにモリスンは困惑していた。
しかし、ティトレイはデミテルが島から脱出する方法を知っている、と思い込んでいるのだということは把握した。
攻撃を避け、時に防ぎながらモリスンは説得を試みる。
「デミテルが帰る方法を知っている訳がないだろう! いい加減目を覚ましてくれ!」
「うちにかえる、おれはうちにかえる…………」
「くっ、やはり君とも戦うしかないのか…………!?」
ダオスとその一味は倒すことを決めていたモリスンだが、他の参加者に関しては危害を加えるつもりはなかった。
しかし、デミテルをかばっている以上、彼もまた敵と見なすしかなかった。
そしてティトレイを倒す決意をすると、杖を薙いでティトレイをひるませ、その隙に後ろに飛んで大きく間を空けた。
詠唱時間を作る為だった。
「これも運命だ! 君には悪いが――」
「隙だらけだぞ、エドワード・D・モリソン!!」
しかし、唐突に聞えてきた声。
その方向を見ると、離れたデミテルの姿。詠唱の態勢に入っていた。
「まさか、ずっと詠唱してたのか!?」
「下がれ、ティトレイ・クロウ!!」
デミテルの叫びを聞いて、ティトレイがその場を離れる。
そして、それと同時にモリスンのいる空間を黒い大気が覆い始め、宙に方陣が浮かぶ。
「これは……悪魔を召喚するつもりか!! くそっ!!」
モリスンは慌てて、黒い大気の空間から抜け出そうとする。
「遅い!! 喰らえ、サモンデーモン!!!」
しかし無情にも悪魔は召喚され、大地が引き裂かれる。
「ぐぁぁああ!」
大地とともに引き裂かれるモリスン。
(まさか、こんなところで…………)
視界が暗転する直前、モリスンには懐に入れていた支給品が割れる音が聞えた……。
「待て! 話を聞いてくれ! 私は君に危害を加えるつもりはない! そこにいるデミテルさえ倒せば――」
「でみてるころしたら、おれ、うちにかえれない!」
「な、何を言ってるんだ君は!?」
先ほどから同じ言葉を繰り返すティトレイにモリスンは困惑していた。
しかし、ティトレイはデミテルが島から脱出する方法を知っている、と思い込んでいるのだということは把握した。
攻撃を避け、時に防ぎながらモリスンは説得を試みる。
「デミテルが帰る方法を知っている訳がないだろう! いい加減目を覚ましてくれ!」
「うちにかえる、おれはうちにかえる…………」
「くっ、やはり君とも戦うしかないのか…………!?」
ダオスとその一味は倒すことを決めていたモリスンだが、他の参加者に関しては危害を加えるつもりはなかった。
しかし、デミテルをかばっている以上、彼もまた敵と見なすしかなかった。
そしてティトレイを倒す決意をすると、杖を薙いでティトレイをひるませ、その隙に後ろに飛んで大きく間を空けた。
詠唱時間を作る為だった。
「これも運命だ! 君には悪いが――」
「隙だらけだぞ、エドワード・D・モリソン!!」
しかし、唐突に聞えてきた声。
その方向を見ると、離れたデミテルの姿。詠唱の態勢に入っていた。
「まさか、ずっと詠唱してたのか!?」
「下がれ、ティトレイ・クロウ!!」
デミテルの叫びを聞いて、ティトレイがその場を離れる。
そして、それと同時にモリスンのいる空間を黒い大気が覆い始め、宙に方陣が浮かぶ。
「これは……悪魔を召喚するつもりか!! くそっ!!」
モリスンは慌てて、黒い大気の空間から抜け出そうとする。
「遅い!! 喰らえ、サモンデーモン!!!」
しかし無情にも悪魔は召喚され、大地が引き裂かれる。
「ぐぁぁああ!」
大地とともに引き裂かれるモリスン。
(まさか、こんなところで…………)
視界が暗転する直前、モリスンには懐に入れていた支給品が割れる音が聞えた……。
「…………見当たらないな……。地の裂け目に落ちたか?」
引き裂かれ、無残に荒れ果てた大地の上を歩き、モリスンの死体を確認しようとするがどこにも見当たらない。
ティトレイの方を見てみると、相変わらず無表情のまま立ち尽くしている。
自分が命令を出す、もしくはピンチの時にのみ、先ほどのような闘志を見せてくれるのだろう。
引き裂かれ、無残に荒れ果てた大地の上を歩き、モリスンの死体を確認しようとするがどこにも見当たらない。
ティトレイの方を見てみると、相変わらず無表情のまま立ち尽くしている。
自分が命令を出す、もしくはピンチの時にのみ、先ほどのような闘志を見せてくれるのだろう。
――こいつなら、ダオスを倒すのにいい駒になってくれるだろう。
それがデミテルの偽りのない本心だった。
だが、こいつ一人でダオスが倒せるとは微塵にも思っていない。
ティトレイはあくまで先ほどのモリスン戦の時の様に、強力な術を詠唱するまでの壁として使うつもりだった。
先ほどは彼を術範囲から逃げるように命令したが、それはダオス戦の前に死なれては困るからであって、決して仲間意識があったわけでもない。
彼はあくまで道具。自分の身を守ってくれる操り人形なのだ。
「…………まぁ、直撃したんだ。いくらエドワード・D・モリスンといえども……な」
死体を捜していたデミテルだったが、面倒になったのか生死がどうでも良くなったのか、捜索を諦め、その場を後にする。
「ティトレイ・クロウ、行くぞ」
名を呼ぶと、彼はデミテルの後をついていった。
名前を呼ばれ、動くその姿は、まさしく『人形』だった…………。
だが、こいつ一人でダオスが倒せるとは微塵にも思っていない。
ティトレイはあくまで先ほどのモリスン戦の時の様に、強力な術を詠唱するまでの壁として使うつもりだった。
先ほどは彼を術範囲から逃げるように命令したが、それはダオス戦の前に死なれては困るからであって、決して仲間意識があったわけでもない。
彼はあくまで道具。自分の身を守ってくれる操り人形なのだ。
「…………まぁ、直撃したんだ。いくらエドワード・D・モリスンといえども……な」
死体を捜していたデミテルだったが、面倒になったのか生死がどうでも良くなったのか、捜索を諦め、その場を後にする。
「ティトレイ・クロウ、行くぞ」
名を呼ぶと、彼はデミテルの後をついていった。
名前を呼ばれ、動くその姿は、まさしく『人形』だった…………。
デミテル達が、その場を去ってから幾許か。
大地の裂け目から一人の男が這い上がってきた。
――モリスンだ。
彼は、デミテルの予想通り、術発動により出来た大地の裂け目に転落していた。
だが、運良く裂け目の途中に引っかかり、難を逃れたのであった。
大地の裂け目から一人の男が這い上がってきた。
――モリスンだ。
彼は、デミテルの予想通り、術発動により出来た大地の裂け目に転落していた。
だが、運良く裂け目の途中に引っかかり、難を逃れたのであった。
――では何故、サモンデーモンの直撃を受けた彼は生きていたのか?
――その理由は彼の所持品にあった。
――その理由は彼の所持品にあった。
遡る事、十数分前。
裂け目に落ちた彼は目を覚ました。
「…………ん? 私は…………生きてる?」
衣服は裂け、体には無数の裂傷やアザがあったものの生きている事は確かだった。
その手には杖を握り締めたままだった。
「一体どういう――うぐぐ……」
身を起こそうとすると体の節々が痛む。
先ほどの悪魔召喚の術の直撃を受けた事を実感する。
痛みの余り、手で胸の辺りに触れてしまうが、その時手に堅いものを触るような違和感を感じた。
「む? ……これは確か」
懐をまさぐると出てきたのは、上下二つに割れたヒトガタ。リバースドールと呼ばれる人形の残骸だった。
モリスンも効果は知っている。一度だけ身を守ってくれるお守りだったはずだ。
「そうか、これが私を…………」
ダオスと遭遇するときまで温存できなかったのは残念だったが、生き長らえる事が出来たのは幸運だった。
まだ生きているという事は、まだダオス討伐を続行できるという事だ。
「私はまだ、いける…………」
モリスンはそう決意すると、裂け目の断崖に手を掛けた…………。
裂け目に落ちた彼は目を覚ました。
「…………ん? 私は…………生きてる?」
衣服は裂け、体には無数の裂傷やアザがあったものの生きている事は確かだった。
その手には杖を握り締めたままだった。
「一体どういう――うぐぐ……」
身を起こそうとすると体の節々が痛む。
先ほどの悪魔召喚の術の直撃を受けた事を実感する。
痛みの余り、手で胸の辺りに触れてしまうが、その時手に堅いものを触るような違和感を感じた。
「む? ……これは確か」
懐をまさぐると出てきたのは、上下二つに割れたヒトガタ。リバースドールと呼ばれる人形の残骸だった。
モリスンも効果は知っている。一度だけ身を守ってくれるお守りだったはずだ。
「そうか、これが私を…………」
ダオスと遭遇するときまで温存できなかったのは残念だったが、生き長らえる事が出来たのは幸運だった。
まだ生きているという事は、まだダオス討伐を続行できるという事だ。
「私はまだ、いける…………」
モリスンはそう決意すると、裂け目の断崖に手を掛けた…………。
そして今モリスンは、自分ひとりしかいない夜の平原にたたずんでいた。
怪我により、大分体力は削られていたが、まだやる気はある。
彼は、懐から割れたリバースドールの残骸を取り出す。
「これが救った私の命、決して無駄にはせん」
それを握り締めると、彼はそれをお守り代わりとしてか、再び懐に入れなおした。
そして、彼は歩き出した…………。
怪我により、大分体力は削られていたが、まだやる気はある。
彼は、懐から割れたリバースドールの残骸を取り出す。
「これが救った私の命、決して無駄にはせん」
それを握り締めると、彼はそれをお守り代わりとしてか、再び懐に入れなおした。
そして、彼は歩き出した…………。
【エドワード・D・モリスン 生存確認】
状態:多数裂傷およびアザ(HP大消費) TP微消費
所持品:魔杖ケイオスハート 割れたリバースドール ????
第一行動方針:ダオス討伐
現在地:F3平原からE3へ北上
状態:多数裂傷およびアザ(HP大消費) TP微消費
所持品:魔杖ケイオスハート 割れたリバースドール ????
第一行動方針:ダオス討伐
現在地:F3平原からE3へ北上
【デミテル 生存確認】
状態:TP中消費
所持品:フィートシンボル ストロー ミスティーシンボル 金属バット
第一行動方針:ティトレイを操る
第二行動方針:出来るだけ最低限の方法で邪魔者を駆逐する
第三行動方針:ダオスを倒せそうなキャラをダオスに仕向ける
現在地:F3平原からF2へ西進
状態:TP中消費
所持品:フィートシンボル ストロー ミスティーシンボル 金属バット
第一行動方針:ティトレイを操る
第二行動方針:出来るだけ最低限の方法で邪魔者を駆逐する
第三行動方針:ダオスを倒せそうなキャラをダオスに仕向ける
現在地:F3平原からF2へ西進
【ティトレイ・クロウ 生存確認】
状態:感情喪失 全身の痛み、軽いやけど(回復中) TP中消費
所持品:メンタルバングル バトルブック
第一行動方針:かえりたい
第二行動方針:デミテルに従う
現在地:F3平原からF2へ西進
状態:感情喪失 全身の痛み、軽いやけど(回復中) TP中消費
所持品:メンタルバングル バトルブック
第一行動方針:かえりたい
第二行動方針:デミテルに従う
現在地:F3平原からF2へ西進