焦燥
「聞いたか」
「・・・あぁ」
大きな岩に腰掛けながらロイドは両手に握る木刀を見つめていた。
放送を聞いた途端に湧いてきたこの心の黒いもや。
辛くて暗い、ある意味人である証の感情。
「・・・あぁ」
大きな岩に腰掛けながらロイドは両手に握る木刀を見つめていた。
放送を聞いた途端に湧いてきたこの心の黒いもや。
辛くて暗い、ある意味人である証の感情。
―――ジーニアス…しいな…ゼロス
あの、楽しかった日々は何だったのだろう。
ジーニアスに宿題を見せてもらおうと家に行って、結局先生に怒られたっけ。
しいなが珍しく失敗した料理は、それはもう先生に匹敵するくらいの味だった。
ゼロスがナンパの極意を伝授してやるといって、結局俺はそっちのけで自分ばかり楽しんでた。
……あれ、おかしいな。つい最近のことじゃないか。
どこにでも転がっている、何気ない日の1コマじゃないか。
なのに、今俺がいるのはどこだ?
これが現実だっけ・・・よくわからなくなってきた。
どうすればこの苦しみから救われるのだろう・・・。
この、内から出てくる黒い霧みたいなモノ・・・
これに全てを委ねれば楽になるのかな・・・
あの、楽しかった日々は何だったのだろう。
ジーニアスに宿題を見せてもらおうと家に行って、結局先生に怒られたっけ。
しいなが珍しく失敗した料理は、それはもう先生に匹敵するくらいの味だった。
ゼロスがナンパの極意を伝授してやるといって、結局俺はそっちのけで自分ばかり楽しんでた。
……あれ、おかしいな。つい最近のことじゃないか。
どこにでも転がっている、何気ない日の1コマじゃないか。
なのに、今俺がいるのはどこだ?
これが現実だっけ・・・よくわからなくなってきた。
どうすればこの苦しみから救われるのだろう・・・。
この、内から出てくる黒い霧みたいなモノ・・・
これに全てを委ねれば楽になるのかな・・・
不意に、一人の少女に、呼ばれた気がした―――。
(ロイド)
(ロイド)
「コレット・・・」
呟くと、一層木刀を握る手が強くなる。自分で口にしてびっくりだった。
彼女の名前を言うだけで、こんなに楽になれる。
俺はまだ終わっちゃいない。まだあいつにも会ってないじゃないか。
今するべきことは、あいつらの・・・ジーニアスたちの影を追うことじゃない。
「よし」
言って、すっと執政をただし木刀を鞘に収める。
その様子を見てジューダスは少し笑みを漏らした。
「なんだよ・・・何かおかしいか~?」
「いや、すまない。ただ・・・」
ジューダスはこちらを見ずに言う。
「お前らしかっただけだ」
「なんだそりゃ・・・俺はいつだって俺だよ」
「そうだったな」
またもジューダスは失笑する。ロイドももうつっかかるのを諦めたのか、頭をポリポリ掻くだけでそれ以上何も言わなかった。
呟くと、一層木刀を握る手が強くなる。自分で口にしてびっくりだった。
彼女の名前を言うだけで、こんなに楽になれる。
俺はまだ終わっちゃいない。まだあいつにも会ってないじゃないか。
今するべきことは、あいつらの・・・ジーニアスたちの影を追うことじゃない。
「よし」
言って、すっと執政をただし木刀を鞘に収める。
その様子を見てジューダスは少し笑みを漏らした。
「なんだよ・・・何かおかしいか~?」
「いや、すまない。ただ・・・」
ジューダスはこちらを見ずに言う。
「お前らしかっただけだ」
「なんだそりゃ・・・俺はいつだって俺だよ」
「そうだったな」
またもジューダスは失笑する。ロイドももうつっかかるのを諦めたのか、頭をポリポリ掻くだけでそれ以上何も言わなかった。
だが、別の意見をロイドは質す。
「二人は・・・どうだった」
こんなこと、安易に聞くもんじゃないとわかってはいるが、どうしても自分の周りにいる人の近況は知っておきたかった。
メルディは落ち込んだ様子もなく、両手を挙げて言う。
「はいな。私の仲間は無事だったよぅ」
そっか、と頷き、ジューダスの方を見やる。ジューダスはスッと近くの木にもたれ掛かり、腕を組んで目を瞑る。
「一人・・・」
そう言ったきりその場の言葉は全てが封じられた気がした。
ロイドは掛ける言葉が見つからず、メルディはただ立ち尽くすしかなかった。
それを見てジューダスは皮肉な言い方でその場の言葉を取り戻した。
「どうした二人とも、腹が減ったのか」
「ちげぇ~よ!・・・お前は強いんだな」
意外な言葉に少し戸惑うジューダスだったが、すぐさま平静を装う。
「別に強くなどない・・・ただ」
(慣れているだけだ)
言いかけて口を紡ぐ。これを言ってしまえば昔の自分が見えてきそうで少し怖かった。
「いや、悲しいといえば悲しいがな」
自分でいって目を見開く。心がポッカリとあいた気がした。
素直に言葉で表現しただけなのに、ひどくそれがとても大きいものに感じられた。
「二人は・・・どうだった」
こんなこと、安易に聞くもんじゃないとわかってはいるが、どうしても自分の周りにいる人の近況は知っておきたかった。
メルディは落ち込んだ様子もなく、両手を挙げて言う。
「はいな。私の仲間は無事だったよぅ」
そっか、と頷き、ジューダスの方を見やる。ジューダスはスッと近くの木にもたれ掛かり、腕を組んで目を瞑る。
「一人・・・」
そう言ったきりその場の言葉は全てが封じられた気がした。
ロイドは掛ける言葉が見つからず、メルディはただ立ち尽くすしかなかった。
それを見てジューダスは皮肉な言い方でその場の言葉を取り戻した。
「どうした二人とも、腹が減ったのか」
「ちげぇ~よ!・・・お前は強いんだな」
意外な言葉に少し戸惑うジューダスだったが、すぐさま平静を装う。
「別に強くなどない・・・ただ」
(慣れているだけだ)
言いかけて口を紡ぐ。これを言ってしまえば昔の自分が見えてきそうで少し怖かった。
「いや、悲しいといえば悲しいがな」
自分でいって目を見開く。心がポッカリとあいた気がした。
素直に言葉で表現しただけなのに、ひどくそれがとても大きいものに感じられた。
そうか 悲しんでいるんだ 僕は
「過保護がいなくなると淋しくなるな」
「え・・・」
それだけ言って、自分の心にけじめをつける。これで自分は自分でいれただろうか。そんなことを考える。
「なんでもないさ」
背を木から離し、ジューダスは地図を広げた。
「目的地を決めよう。そろそろ動き出さないと、仲間に会えないからな」
それぞれが互いの顔を見合う。
「おぅ!」
「はいな!」
今するべきことは死を嘆くことじゃない。生き延びることだ。
皆の気持ちを背負って、皆の分まで生きてやる。
「え・・・」
それだけ言って、自分の心にけじめをつける。これで自分は自分でいれただろうか。そんなことを考える。
「なんでもないさ」
背を木から離し、ジューダスは地図を広げた。
「目的地を決めよう。そろそろ動き出さないと、仲間に会えないからな」
それぞれが互いの顔を見合う。
「おぅ!」
「はいな!」
今するべきことは死を嘆くことじゃない。生き延びることだ。
皆の気持ちを背負って、皆の分まで生きてやる。
進路は決まった。ここから東南にある城へと行くことになった。
「では出発だ」
早々に歩き出すロイドたち。それぞれ朝食がわりにパンを口にほおばった。
「では出発だ」
早々に歩き出すロイドたち。それぞれ朝食がわりにパンを口にほおばった。
―――あいつの、カイルのことは僕に任せろ
だからお前は安心して眠っていろ―――
だからお前は安心して眠っていろ―――
歩きながら天を見上げる。今日も雲ひとつ無い快晴だった。
【ジューダス:生存確認】
状態:健康
所持品:アイスコフィン、忍刀桔梗、(上記2つ二刀流可)、エリクシール、???(武器ではない)
基本行動方針:ミクトランを倒す
第一行動方針:シシックス城へ向かう
第二行動方針:協力してくれる仲間を探す
第三行動方針:ロイド、メルディと行動
状態:健康
所持品:アイスコフィン、忍刀桔梗、(上記2つ二刀流可)、エリクシール、???(武器ではない)
基本行動方針:ミクトランを倒す
第一行動方針:シシックス城へ向かう
第二行動方針:協力してくれる仲間を探す
第三行動方針:ロイド、メルディと行動
【ロイド:生存確認】
状態:健康
所持品:ウッドブレード(自作)、トレカ、カードキー
基本行動方針:皆(Sの仲間及び協力してくれる仲間)で生きて帰る
第一行動方針:シシックス城へ向かう
第二行動方針:協力してくれる仲間を探す
第三行動方針:ジューダス、メルディと行動
状態:健康
所持品:ウッドブレード(自作)、トレカ、カードキー
基本行動方針:皆(Sの仲間及び協力してくれる仲間)で生きて帰る
第一行動方針:シシックス城へ向かう
第二行動方針:協力してくれる仲間を探す
第三行動方針:ジューダス、メルディと行動
【メルディ 生存確認】
所持品:スカウトオーブ、リバヴィウス鉱
状態:TP8割回復 全身に打撲(小) 背中に刀傷 左腕に銃創
ネレイドの干渉を抑えつつある
基本行動方針:元の世界へ帰る
第一行動方針:ロイド、ジューダスを信じる
第二行動方針:仲間と合流
所持品:スカウトオーブ、リバヴィウス鉱
状態:TP8割回復 全身に打撲(小) 背中に刀傷 左腕に銃創
ネレイドの干渉を抑えつつある
基本行動方針:元の世界へ帰る
第一行動方針:ロイド、ジューダスを信じる
第二行動方針:仲間と合流
現在地:B5の森→東に進んで南下(シシックス城へ)