ジェイはミントの手を引いて一気に駆けだした。
「どこへ…!」
ミントは引っ張られるままにジェイの後ろを走る。
「…出口の方まで一気に走りましょう。僕に考えがあります」
オオオ、と人ならざる声を出してその怪物――マウリッツが迫ってくる。
異形の体を振り回し、洞窟の壁や天井を破壊しながら。
その轟音は心臓に圧迫感を与え、ミントも必死で走った。
この大地は水が豊富なのだろう、洞窟の上を無数に流れている小さな川が幾万年かけて滴り落ちて作った鍾乳石が道を阻み、ひどく路が悪い。
しかしそんなことも忘れてしまうくらい、夢中で足を前に出した。
「もうすぐ出口です、頑張って!!」
「ええ!!」
お互いは強く手を握り合い、もうそうは遠くない出口を目指した。
数百メートルほど走ると待ち望んでいた光が見える。
後ろにはどんどん差を縮めるマウリッツの姿。
恐怖感が背を強く押し、やがては出口に差し掛かった。
「これで…なんとか…」
ミントがそう言った時だった。
ジェイがはた、と立ち止まる。
「どうしました、ジェイさん。」
ミントも立ち止まる。
そして顔をのぞき込んだ。
ジェイが悲しそうな、しかし硬い決心をした様な顔で言う。
「…すみません、ミントさん」
え、とミントが眼を開いた。
次の瞬間
ミントには信じ難い事が起きた。
ミントの体が後方に投げ出される。
マウリッツのいるその場所へ
まるでゆっくり時が1コマ1コマ流れているかの如く、ミントの肢体は空を舞った。
ジェイはありったけの力でミントを突き飛ばしたのだ。
マウリッツにその身がどん、とぶつかる。
「どこへ…!」
ミントは引っ張られるままにジェイの後ろを走る。
「…出口の方まで一気に走りましょう。僕に考えがあります」
オオオ、と人ならざる声を出してその怪物――マウリッツが迫ってくる。
異形の体を振り回し、洞窟の壁や天井を破壊しながら。
その轟音は心臓に圧迫感を与え、ミントも必死で走った。
この大地は水が豊富なのだろう、洞窟の上を無数に流れている小さな川が幾万年かけて滴り落ちて作った鍾乳石が道を阻み、ひどく路が悪い。
しかしそんなことも忘れてしまうくらい、夢中で足を前に出した。
「もうすぐ出口です、頑張って!!」
「ええ!!」
お互いは強く手を握り合い、もうそうは遠くない出口を目指した。
数百メートルほど走ると待ち望んでいた光が見える。
後ろにはどんどん差を縮めるマウリッツの姿。
恐怖感が背を強く押し、やがては出口に差し掛かった。
「これで…なんとか…」
ミントがそう言った時だった。
ジェイがはた、と立ち止まる。
「どうしました、ジェイさん。」
ミントも立ち止まる。
そして顔をのぞき込んだ。
ジェイが悲しそうな、しかし硬い決心をした様な顔で言う。
「…すみません、ミントさん」
え、とミントが眼を開いた。
次の瞬間
ミントには信じ難い事が起きた。
ミントの体が後方に投げ出される。
マウリッツのいるその場所へ
まるでゆっくり時が1コマ1コマ流れているかの如く、ミントの肢体は空を舞った。
ジェイはありったけの力でミントを突き飛ばしたのだ。
マウリッツにその身がどん、とぶつかる。
「ジェイさ…」
「――――ッ…雷電!!!!!!!!!」
「――――ッ…雷電!!!!!!!!!」
ジェイの投げた雷を纏った忍刀がマウリッツに突き刺さった。
「GAAAAAAAAA!!!!!!」
「ああーーーー!!!!!」
水に濡れたマウリッツの体を鋭い雷が打ち、それはミントも同様だった。 裂けた音が洞内に激しく響く。
ジェイはその場から走り出し、洞窟を抜けた。
歯を強く食いしばり、己のした事の重大さを悔いるように強く地面を蹴りながら――――。
「フフフ、よくやりましたねぇ」
ジェイは体を丸めて岩陰に座っていると、一人の男が木から飛び降りてきた。
壮年ほどの、白蛇のような結わえた長い髪に、狡猾な狐を思わせる風貌。
「あなたは本当によい弟子です。師匠として大変嬉しく思いますよ!!」
ジェイの体ががくがくと震えている。
伏せているので顔は分からないが、肩をぎゅう、と抱きしめ、嗚咽を堪えているようだった。
「ジェイ、顔をあげなさい」
男のその言葉に反応し、ジェイはその顔を上げる。
「一瞬躊躇しましたね、この馬鹿者がああああ!!!!」
力の入った平手打ちがジェイの右頬を激しく打つ。
「ああ!!」
ジェイは地面に倒れた。
「全く…、あの女も老人も躊躇わずに殺れば良かったものを!!
あなたはこの私との約束を破るつもりだったのですか!!そうだったんですね!!」
「いえ、そんなこと」
といい掛けて頭を起こすとわき腹に強力な蹴りが入った。
「が…!」
ジェイは呻き、わき腹を押さえて苦痛に耐える。
やれやれ、と男は崩れた服を整える。
「ジェイ」
打って変わって次は優しくジェイに呼びかけた。
「分かっているのですよ、私は。あなたが私を、あなたを長く大切に育ててきた私を裏切るはずないじゃありませんか」
「…はい」
ジェイはか細い声で答える。
「大切な大切な愛弟子ですからね」
「…はい」
「私は本当にあなたを愛しく思っているのですよ。
二人でこの場を生き延びようではありませんか」
座り込み、ジェイに諭すように優しく話しかける。
「生まれた時親に捨てられたあなた。あなたと同じ世界からきたセネルやらとかもここにいるようですが…信用してはいけません。誰もが生きるのに必死です。
人間とは卑怯な生き物です。窮地になれば誰もあなたの事なんて助けてはくれません」
「…はい」
「しかし私は違いますよ。私だけがあなたの見方です。わかりますね?」
「…はい」
「あなたには動いてもらいますよ。あなたは子供だ。誰もがあなたが助けを求めれば、信用してくれます。
多くの参加者を攪乱しなさい。」
「…はい」
「GAAAAAAAAA!!!!!!」
「ああーーーー!!!!!」
水に濡れたマウリッツの体を鋭い雷が打ち、それはミントも同様だった。 裂けた音が洞内に激しく響く。
ジェイはその場から走り出し、洞窟を抜けた。
歯を強く食いしばり、己のした事の重大さを悔いるように強く地面を蹴りながら――――。
「フフフ、よくやりましたねぇ」
ジェイは体を丸めて岩陰に座っていると、一人の男が木から飛び降りてきた。
壮年ほどの、白蛇のような結わえた長い髪に、狡猾な狐を思わせる風貌。
「あなたは本当によい弟子です。師匠として大変嬉しく思いますよ!!」
ジェイの体ががくがくと震えている。
伏せているので顔は分からないが、肩をぎゅう、と抱きしめ、嗚咽を堪えているようだった。
「ジェイ、顔をあげなさい」
男のその言葉に反応し、ジェイはその顔を上げる。
「一瞬躊躇しましたね、この馬鹿者がああああ!!!!」
力の入った平手打ちがジェイの右頬を激しく打つ。
「ああ!!」
ジェイは地面に倒れた。
「全く…、あの女も老人も躊躇わずに殺れば良かったものを!!
あなたはこの私との約束を破るつもりだったのですか!!そうだったんですね!!」
「いえ、そんなこと」
といい掛けて頭を起こすとわき腹に強力な蹴りが入った。
「が…!」
ジェイは呻き、わき腹を押さえて苦痛に耐える。
やれやれ、と男は崩れた服を整える。
「ジェイ」
打って変わって次は優しくジェイに呼びかけた。
「分かっているのですよ、私は。あなたが私を、あなたを長く大切に育ててきた私を裏切るはずないじゃありませんか」
「…はい」
ジェイはか細い声で答える。
「大切な大切な愛弟子ですからね」
「…はい」
「私は本当にあなたを愛しく思っているのですよ。
二人でこの場を生き延びようではありませんか」
座り込み、ジェイに諭すように優しく話しかける。
「生まれた時親に捨てられたあなた。あなたと同じ世界からきたセネルやらとかもここにいるようですが…信用してはいけません。誰もが生きるのに必死です。
人間とは卑怯な生き物です。窮地になれば誰もあなたの事なんて助けてはくれません」
「…はい」
「しかし私は違いますよ。私だけがあなたの見方です。わかりますね?」
「…はい」
「あなたには動いてもらいますよ。あなたは子供だ。誰もがあなたが助けを求めれば、信用してくれます。
多くの参加者を攪乱しなさい。」
「…はい」
「さて」
ソロンは歩きだした。
「私もこれから少し動いてきます。あなたの活躍に期待していますよ」
そう言うと男は煙幕に包まれ、すでにその姿は無かった。
ソロンは歩きだした。
「私もこれから少し動いてきます。あなたの活躍に期待していますよ」
そう言うと男は煙幕に包まれ、すでにその姿は無かった。
しかしその男―――ソロンの眼は子を思う親の眼ではなく、怪しい眼孔が眼をこうこうと照らしていた。
ジェイはミントと繋いでいた右手を握る。
「…ごめんなさい」
水気の混じった声で呟いた。
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい…」
行き場のない四方闇で閉ざされた後悔の中、ジェイはただただ謝ることしかできなかった。
ジェイはミントと繋いでいた右手を握る。
「…ごめんなさい」
水気の混じった声で呟いた。
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい…」
行き場のない四方闇で閉ざされた後悔の中、ジェイはただただ謝ることしかできなかった。
【ミント 生存???】
所持品:ホーリースタッフ サンダーマント
現在位置:G3の洞窟出入り口付近
状態:不明
行動方針:不明
所持品:ホーリースタッフ サンダーマント
現在位置:G3の洞窟出入り口付近
状態:不明
行動方針:不明
【マウリッツ 生存???】
所持品:不明
現在位置:G3の洞窟出入り口付近
行動方針:不明
状態:不明
所持品:不明
現在位置:G3の洞窟出入り口付近
行動方針:不明
状態:不明
【ジェイ 生存確認】
所持品:忍刀・紫電 ???? ????
現在位置:G3の洞窟出口
状態:傷心
行動方針:ソロンに従う
所持品:忍刀・紫電 ???? ????
現在位置:G3の洞窟出口
状態:傷心
行動方針:ソロンに従う
【ソロン 生存確認】
所持品: ???? ????
現在位置:G3の洞窟出口
状態:無傷
行動方針:単独行動、ジェイの監視、操れる人を探し中
所持品: ???? ????
現在位置:G3の洞窟出口
状態:無傷
行動方針:単独行動、ジェイの監視、操れる人を探し中