「ちぇ、こりゃハズレだな」
支給品の袋を開けると、中を覗き込みながらロイドは呟いた。
武器らしき小刀がひとつにあとはよくわからないカードが二枚。
カードはともかくとして、小刀はロイドの目から見てもなかなかの名品だという事はわかった。
しかしどんな立派な武器でも扱えなければ意味がない。
もっとも、二刀流用の武器なんてオーソドックスでないものが、運よくロイドの手に渡る可能性
を考えたところで現実的ではないのだが。
「細工に使うには悪くない大きさなんだけどなぁ……」
小刀の刃渡りを数えながらぼやく。
せめてもっと長さがあれば、そうひとりごちようとしてからロイドは気付いた。
そうだ、武器がないのなら作ればいい。
幸いにしてここは森の中、材料になりそうな木材なら山ほどある。そして彼にはドワーフ仕込みの技術が有った。
木刀程度ならすぐにでも作ることが出来るだろう。
真剣と比べれば貧弱な武器だろうが、それでも扱い慣れた得物が一番だ。
ロイドは手ごろな枝をいくつか見繕うと早速作業にかかった。
こんなところを人に見つかったら恰好の標的になるだろう、作業は手早く進めなければならない。
全ての人間がゲームに乗ったとは思えないし考えたくもないが、それを選んだ者も少なからずいるのだろう。
そう、あのマグニスのように。
死んだはずのあの男はパルマコスタの再現をするかのようにゲームに乗ることを宣言していた。
(そう言えばあの時少し前まで、俺の武器はウッドブレードだったな……)
資金不足もあって、いつまでも装備を変えないものだから、仲間内から『永遠の練習生』などという称号を貰ったことを思い出す。
今、ロイドの手の中にはあの時と同じ木刀。義父のようには上手く作れなかったが、
本来の用途を外した小刀を用いたにしては上々の出来だろう。
この剣で仲間を守ろう。そして皆で帰るのだ、元の場所に。
完成した木刀の木屑を吹き払うと、ロイドは小さなだが確かな声で呟いた。
支給品の袋を開けると、中を覗き込みながらロイドは呟いた。
武器らしき小刀がひとつにあとはよくわからないカードが二枚。
カードはともかくとして、小刀はロイドの目から見てもなかなかの名品だという事はわかった。
しかしどんな立派な武器でも扱えなければ意味がない。
もっとも、二刀流用の武器なんてオーソドックスでないものが、運よくロイドの手に渡る可能性
を考えたところで現実的ではないのだが。
「細工に使うには悪くない大きさなんだけどなぁ……」
小刀の刃渡りを数えながらぼやく。
せめてもっと長さがあれば、そうひとりごちようとしてからロイドは気付いた。
そうだ、武器がないのなら作ればいい。
幸いにしてここは森の中、材料になりそうな木材なら山ほどある。そして彼にはドワーフ仕込みの技術が有った。
木刀程度ならすぐにでも作ることが出来るだろう。
真剣と比べれば貧弱な武器だろうが、それでも扱い慣れた得物が一番だ。
ロイドは手ごろな枝をいくつか見繕うと早速作業にかかった。
こんなところを人に見つかったら恰好の標的になるだろう、作業は手早く進めなければならない。
全ての人間がゲームに乗ったとは思えないし考えたくもないが、それを選んだ者も少なからずいるのだろう。
そう、あのマグニスのように。
死んだはずのあの男はパルマコスタの再現をするかのようにゲームに乗ることを宣言していた。
(そう言えばあの時少し前まで、俺の武器はウッドブレードだったな……)
資金不足もあって、いつまでも装備を変えないものだから、仲間内から『永遠の練習生』などという称号を貰ったことを思い出す。
今、ロイドの手の中にはあの時と同じ木刀。義父のようには上手く作れなかったが、
本来の用途を外した小刀を用いたにしては上々の出来だろう。
この剣で仲間を守ろう。そして皆で帰るのだ、元の場所に。
完成した木刀の木屑を吹き払うと、ロイドは小さなだが確かな声で呟いた。
「……ドワーフの誓い第七番」
この言葉は嫌いだけれど
この言葉は嫌いだけれど
「正義と愛は必ず勝つ……!」
ミクトランとやらの思惑に踊らないことと、仲間と合流して必ず皆で帰ることをここに誓おう。
敵なのか味方なのか、それを見極める以前の問題として、不審な行動をとる目の前の人物に、ジューダスは判断をしかねていた。
ミクトランに対抗するには相応の戦力と準備が必要だ。かつてその操り人形であった身であるからこそ、身に染みてわかる事だ。
だからジューダスはそう行動方針を定めた。
そして偶々同じように近くに飛ばされていたらしい人物を見かけたので、接触して話を持ちかけようかと考えているところであったのだが……
(あれは……剣を作っているのか?
森の中をうろうろと徘徊して枝を幾つか拾った後に、座り込んで何かを作り始めていた。
その何かがわかり、ようやくジューダスはその人物の行動に納得する。
と同時にその人物の器用さに感心した。その技量は何か役に立つかも知れない。
見たところ悪意の有りそうな人物でもないし、協力を求めよう、そう思った瞬間
敵なのか味方なのか、それを見極める以前の問題として、不審な行動をとる目の前の人物に、ジューダスは判断をしかねていた。
ミクトランに対抗するには相応の戦力と準備が必要だ。かつてその操り人形であった身であるからこそ、身に染みてわかる事だ。
だからジューダスはそう行動方針を定めた。
そして偶々同じように近くに飛ばされていたらしい人物を見かけたので、接触して話を持ちかけようかと考えているところであったのだが……
(あれは……剣を作っているのか?
森の中をうろうろと徘徊して枝を幾つか拾った後に、座り込んで何かを作り始めていた。
その何かがわかり、ようやくジューダスはその人物の行動に納得する。
と同時にその人物の器用さに感心した。その技量は何か役に立つかも知れない。
見たところ悪意の有りそうな人物でもないし、協力を求めよう、そう思った瞬間
「――魔神剣!!」
見覚えのある技の名と共に、地を這う剣撃がジューダスに向かってくる。
(気付かれたか…)
その攻撃を避けると、続いてくるであろう追撃に備えようと受け流すために短剣を備えようとしたが
腰元に手をやり、支給されている武器は長剣一本であった事を思い出す。
仕方なく左手で剣を抜いて防御の姿勢を構えたが、二撃目は待っても来なかった。
訝しく思い相手の方を見ると、相手は二本の木刀を右手に纏めて持ち、逆の手で頭をかきながらジューダスに向かって謝罪した。
「悪い。人がいるなんて思わなくてさ」
(気付いていなかったのか……)
そんな相手の態度にジューダスは脱力する。
どうやら技の試し撃ちだったらしい。
消していたつもりの自分の気配を察知していたのならば、なかなかの手練れだと評価するつもりだったのだが それは誤解であったのだろうか。
(だが、動きは悪くない。戦力としても足手まといにはならない、か……)
そう判断するとジューダスは今までストーキング…ではなく、観察していた人物に対して
協力を持ちかけることにした。
「ええと、つまり脱出方法を探してミクトランって奴を倒すって事か」
ロイドはジューダスの説明を聞くと腕を組みながら言った。
そしてあっさり承諾する。
「いいぜ」と。
それには話を持ちかけたジューダスの方も驚いて、仮面の下の瞳を丸くしながら訪ねてきた。
「…自分で言うのも何だが、僕は客観的に見て怪しい人物であろう事は自覚している。
そんな者の申し出をあっさり受けてしまって、本当にいいのか?」
「あんたが悪党だったら、さっきの隙だらけだった時に俺を狙っていた筈だろ?」
「……お前を利用して、それで裏切るつもりなのかも知れんぞ」
「裏切るつもりの人物が、自分からそんな事を言い出すか?
それに……」
自分から持ちかけたくせに卑屈で消極的なジューダスの態度にロイドは苦笑した。
「『困っている人を見かけたら必ず力を貸そう』『だますよりだまされろ』
それがドワーフの誓いだ」
苦くとも悪意のないロイドの笑みに、ジューダスはかつて裏切ってしまった人物とその血を引く現在の仲間を思い起こさせられた。
(フ……どうやら僕は、この手の人間に縁があるらしいな)
「申し出を受けてくれた事を感謝する。
……とまだ名を言ってなかったな。僕はジューダスと名乗っている」
「なの…?まあいいや、俺はロイド・アーヴィングだ。よろしくな、ジューダス」
そう言って握手を求めて差し出された手を、ジューダスは躊躇いがちに握り返した。
見覚えのある技の名と共に、地を這う剣撃がジューダスに向かってくる。
(気付かれたか…)
その攻撃を避けると、続いてくるであろう追撃に備えようと受け流すために短剣を備えようとしたが
腰元に手をやり、支給されている武器は長剣一本であった事を思い出す。
仕方なく左手で剣を抜いて防御の姿勢を構えたが、二撃目は待っても来なかった。
訝しく思い相手の方を見ると、相手は二本の木刀を右手に纏めて持ち、逆の手で頭をかきながらジューダスに向かって謝罪した。
「悪い。人がいるなんて思わなくてさ」
(気付いていなかったのか……)
そんな相手の態度にジューダスは脱力する。
どうやら技の試し撃ちだったらしい。
消していたつもりの自分の気配を察知していたのならば、なかなかの手練れだと評価するつもりだったのだが それは誤解であったのだろうか。
(だが、動きは悪くない。戦力としても足手まといにはならない、か……)
そう判断するとジューダスは今までストーキング…ではなく、観察していた人物に対して
協力を持ちかけることにした。
「ええと、つまり脱出方法を探してミクトランって奴を倒すって事か」
ロイドはジューダスの説明を聞くと腕を組みながら言った。
そしてあっさり承諾する。
「いいぜ」と。
それには話を持ちかけたジューダスの方も驚いて、仮面の下の瞳を丸くしながら訪ねてきた。
「…自分で言うのも何だが、僕は客観的に見て怪しい人物であろう事は自覚している。
そんな者の申し出をあっさり受けてしまって、本当にいいのか?」
「あんたが悪党だったら、さっきの隙だらけだった時に俺を狙っていた筈だろ?」
「……お前を利用して、それで裏切るつもりなのかも知れんぞ」
「裏切るつもりの人物が、自分からそんな事を言い出すか?
それに……」
自分から持ちかけたくせに卑屈で消極的なジューダスの態度にロイドは苦笑した。
「『困っている人を見かけたら必ず力を貸そう』『だますよりだまされろ』
それがドワーフの誓いだ」
苦くとも悪意のないロイドの笑みに、ジューダスはかつて裏切ってしまった人物とその血を引く現在の仲間を思い起こさせられた。
(フ……どうやら僕は、この手の人間に縁があるらしいな)
「申し出を受けてくれた事を感謝する。
……とまだ名を言ってなかったな。僕はジューダスと名乗っている」
「なの…?まあいいや、俺はロイド・アーヴィングだ。よろしくな、ジューダス」
そう言って握手を求めて差し出された手を、ジューダスは躊躇いがちに握り返した。
【ロイド:生存確認】<
状態:称号「永遠の練習生」 TP微量消費
所持品:ウッドブレード(自作)、忍刀桔梗、 トレカ、カードキー
行動方針1:ジューダスと共に協力してくれる仲間を探す
行動方針2:皆(Sの仲間)で生きて帰る
現在地:B5の森
状態:称号「永遠の練習生」 TP微量消費
所持品:ウッドブレード(自作)、忍刀桔梗、 トレカ、カードキー
行動方針1:ジューダスと共に協力してくれる仲間を探す
行動方針2:皆(Sの仲間)で生きて帰る
現在地:B5の森
【ジューダス:生存確認】
状態:普通
所持品:アイスコフィン、???、???(アイスコフィン以外の武器は持っていません)
行動方針1:ロイドと共に協力してくれる仲間を探す
行動方針2:ミクトランを倒す
現在地:B5の森
状態:普通
所持品:アイスコフィン、???、???(アイスコフィン以外の武器は持っていません)
行動方針1:ロイドと共に協力してくれる仲間を探す
行動方針2:ミクトランを倒す
現在地:B5の森