不死身の男
エクスフィギュア化したマウリッツの攻撃を避けつつ、ハロルドは充分な距離を取った。
そして詠唱開始。異形の化け物と成り果てた男は、ただ己の本能に従い接近してくる。
「デルタレイ!」
唱え切ると同時に、彼女の正面に三つの光球が現れ、
勢いよく三角形を描きながら男に向かって飛び、その胸を穿つ。健康状態の悪そうな血が飛散した。
しかし相手はたじろぐこと無く、直もハロルドとの距離を詰めていった。
彼女と男の間隔が完全に狭まった。彼女はまだ術を放った構えのままだった。
男が怪物化した腕を振り上げる・・・と同時に、彼女の目が光った。
「更に!」
再度彼女の目の前に光が現れ、雷の如く発光しながら一気に男の左腕を貫いた。
血しぶきが上がり、男の左腕と胴体が分裂した。
「GUOOOOO!!」
苦しんでいるとも、猛っているともとれる雄叫びを上げながら、男は大きくのけぞった。
ハロルドは男のダメージを観察しているようだった。出来ればデータ採取したいものだが。
と、突然男の胸部が裂け、内部から茶褐色の触手が何本も飛び出してきた。
「お!」
咄嗟に後方に飛ぶ。触手はそのまま地面を強く砕いた。
更に続けて襲い掛かってくる。ハロルドは連続で飛び跳ねながらも、
何重にも折り重なって迫る触手に次第に追い詰められていった。
そして何度目かの回避の後、眼前に一本の触手が急接近していた。
「わわっ!」
一瞬の判断で短剣を使うことにした彼女は、
杖を持っているのとは反対の左手で短剣を握り、切り払ってそれをやり過ごした。
が、その隙に足元に迫っていた別の一本には気付かなかった。
それは一瞬にしてハロルドの足首に絡み付く。
「げっ」
まるで実験に失敗してしまったかのような調子でつぶやく・・・やっば~、酢と酸を間違えちゃった~・・・
次の瞬間、彼女の身体は宙高く舞い上がった。
空中に逆さ吊りになった彼女に、追い討ちをかける様に残りの触手が襲い掛かってきた。
「このエロオヤジ!」
逆さ吊りの体勢のまま、彼女は素早く杖を持った右手を頭上に(実際には地面に向けて)高く挙げた。
地面から突如黒色の刃が現れ、迫り来る触手を全て断ち切った。
ついでに彼女の足に絡み付いていたものも切れた。そのまま逆さに落ちる。
「あだっ・・・もー、こいつ一体・・・」
後頭部を右手で撫でつつ、男を見やる。そこに男の姿は無かった。
ちらと上を見る。予想通り、男は跳躍して彼女に襲い掛かって来ていた。 鮮やかに避けようとし・・・突然男の化け物並になっていた爪が、更に伸びた。
だがそれも予想通りだった。まあ、拳の筋肉の動きを見れば一目瞭然なので。
男の爪が大地をえぐる。彼女は余裕だった。
しかしたった一つ予想外のことがあった。いつの間にか、彼女の背中が岩に引っかかっていた。
洞窟の一部が決壊したのか、川から流れ込んだのか、いずれにせよこの状況下では果てしなく邪魔だ。
「WWWGAAAAAA!!」
男は咆哮を挙げると、いつの間にか元通りになった触手を(なんという回復力なのかしら!)再び発射した。
しかしそれらは全て、突然飛来した物体によって撃ち落された。
撃ち落された触手は、紅く燃えながら地面に落ち、焼けていった。
唐突な他者の介入に、男は怪訝な表情を浮かべ(たに違いない)、周囲を見回した。
すぐに男はその正体を発見した。流れるような金髪、スタン・エルロンである。
「おっそーい!もう少しで私がこいつにチョメチョメされるトコだったんだから!」
「え、いや、ごめん・・・てか何がどうなるって?」
マウリッツを挟んで会話する二人。やがて男は狙いをスタンに絞ったらしく、彼に向かって突進した。
「行ったわよ!」
「分かってる!」
スタンは何も持っていなかった。彼の武器と思われるものは、先程触手を薙ぎ払うのに使ってしまったのだろう。
「GUGOOOO!!!」
怪物と化したマウリッツが左脚を上げて蹴りかかる。だがスタンもまた右脚を振り上げた。
ぶつかり合う衝撃。そして、当然体格差で今圧倒的に勝るマウリッツが押し切ると思いきや、
なんとスタンの蹴りが男の左脚を吹き飛ばした。気付けば彼の足に紅蓮の炎が宿っている。
男は更に続けて右腕を振り下ろす。スタンも続けて左脚を回す。再度激突。
だがそれでもスタンの勢いは衰える事無く、反動を利用してマウリッツの顔面付近まで飛び上がっていた。
「空牙昇竜脚!!」
炎を纏った右足を思い切り男の首にぶつけ、男の身体ごと力づくで地面に叩き付けた。
砂塵が舞い起こり、男の血液が飛び散る。
それでも男は力尽きることを知らず、再び立ち上がろうとしていた。
「スタン!」
ハロルドが地面に落ちた彼の武器を放り投げた。うまくキャッチしようとして、
しかし丁度刃がこっちを向いている時に彼の元に届いたので、慌ててサイドステップしてから落ちたそれを拾った。
彼は手にした剣・・・攻防一体を考え作成された剣、ディフェンサーを構えると、
表情を引き締めて既に立ち上がっていたマウリッツと再び対峙した。
「WRYYYYYY!!!」
そう叫ぶと同時に、男の胸、腕が千切れた左肩、更に背中から一斉に触手が飛び出した。
それらは全てスタンの五体を狙っていた。とても避け切れない──
しかし彼は表情を変えないまま、剣に力を集中した。
剣から紅のオーラが立ち上り、やがて炎を成した。そして剣を左から右へ一気に振った。
「魔王炎撃破!!」
剣は男の心臓を、付加された炎は触手を焼き払い、今度こそ男は沈黙した。
マウリッツが倒れこんだしばらく後、男の身体は次第に元通りになっていった。
しかしそれはあくまで怪物から人間へ戻ったというだけで、再び目にする男の姿は、
既に左腕が無く、胸部に深い裂傷を残すおびただしい鮮血に染まった老体だった。
「・・・」
スタンは男の姿を複雑な面持ちで見ていた。
いくらこの男が怪物となって自分達を襲ったとはいえ、元は見ての通り同じ人間なのだ。
それも、自分達と同じ、理不尽に連れて来られて殺し合いを強制された存在・・・
「どったのー?さっさと行くわよー」
ハロルドが声を上げる。スタンは我に帰って歩き出した。
「あ、ああ。」
「やっぱ私が睨んだとおりソーディアンが無くても戦えるようね」
「でも、どうしてこんな指輪をしたぐらいで前に使ってた技が使えるようになったんだ?」
そう言って彼は右手の薬指にはめた赤い指輪、ガーネットを見つめた。
「それはこの島全体のマナがありえないくらい凝縮して複雑に混ざり合っているからよ。
もっと詳しく説明してもいいけど、それは暇な時にでもして、
とにかくソーディアンの代わりになる器と魔力を持つ何かが揃えば従来の技や術が使えるの」
「それでもディムロスほどの出力は出ないようだけどな」
「当たり前よ。だってソーディアンは私が作ったんだから。
間に合わせの代品で同じパワーを出されちゃたまんないわよ」
ハロルドが口を尖らせる。スタンはとりあえず納得して、質問を変えた。
「それで、どうすんだよこれから?」
「そりゃーもちろん・・・・・・」
そこまで言いかけて、不意にハロルドは口をつぐんだ。
そしておもむろに手を首筋にやると、やがて明るい笑顔で言った。
「この島の生態系を徹底的に調べ尽くすに決まってるでしょうが!」
ちょっとまて、と言いかけたスタンは既に鼻歌交じりに洞窟内に消えたハロルドを追いかけるため走り出した。
全く、あの人は一体何を考えているんだ?
「はぁ、はぁ、ぐっ・・・!!」
既に空が暗くなりかけた頃、マウリッツは意識を取り戻した。
ゲーム開始以来、常人なら三度は死ねる程の怪我を負わせられながらも、彼は生きていたのだ。
一部では『不死身のマウリッツ』との呼び名もある彼の体力は、最早無尽蔵であるかに思われた。
おのれ、おのれ、おのれ・・・・・・
呪いの言葉をつぶやきながら、彼はじりじりとホフク前進していた。
ゲーム開始早々、結んだ髪を特徴的に体に巻きつけた蛇の様な面の男、
一目で忍者と分かる彼にズタズタに切り刻まれ、
元々マウリッツの支給品だったエクスフィアを手の甲に埋め込まれてあの川に投げ込まれたのだ。
それからの記憶は曖昧になっている。
よく見知った情報屋の少年、清楚な雰囲気の少女、変貌、競争、稲光、気絶、
回復、金髪の男、もじゃもじゃ髪の女、また変貌、光、触手、炎・・・
そうして気付けば左腕を失い、胸は裂けて血と内臓の諸々がはみ出していた。
死にたくない。死ねぬ。このゲームには、メルネス様がおられる。
我等水の民の希望たる人が、こんな理不尽な催し物で失われてはならぬ。
「おのれ、死ぬわけには・・・いかない」
「だがもう楽になった方がよいのでは無いか?」
不意に誰かの声がした。見上げようにも、首を動かすことすらままならない。
かろうじて上を見ると、肩を掠める程の青灰の髪に赤のメッシュの前髪をした男が立っていた。
「お前は・・・!?」
「死人が知る必要の無いことだ」
男・・・デミテルはそう一言告げると、両手から魔力の弾を発射し、マウリッツの頭を打ち砕いた。
そして今度こそ完全に息絶えたマウリッツを尻目に、
先程金髪の剣士とピンク髪の術士が入っていった洞窟を見つめた。
あの洞窟めがけ強力な術を叩き込むのも一興だろう。だが・・・
あの二人、特に女の方は只者ではない。先程の戦闘を垣間見るに、恐らく相当な実力の持ち主だ。
それは自身が術士である由縁の直感と言った所か、
いずれにせよあの時のガキ二人の様に不意打ち一発で仕留めれるとは思えない・・・
ならばより安全で確実に仕留められる獲物を探すべきだ。
そう結論づけるとデミテルは身を翻し薄暗い空の下歩き出した。
そして詠唱開始。異形の化け物と成り果てた男は、ただ己の本能に従い接近してくる。
「デルタレイ!」
唱え切ると同時に、彼女の正面に三つの光球が現れ、
勢いよく三角形を描きながら男に向かって飛び、その胸を穿つ。健康状態の悪そうな血が飛散した。
しかし相手はたじろぐこと無く、直もハロルドとの距離を詰めていった。
彼女と男の間隔が完全に狭まった。彼女はまだ術を放った構えのままだった。
男が怪物化した腕を振り上げる・・・と同時に、彼女の目が光った。
「更に!」
再度彼女の目の前に光が現れ、雷の如く発光しながら一気に男の左腕を貫いた。
血しぶきが上がり、男の左腕と胴体が分裂した。
「GUOOOOO!!」
苦しんでいるとも、猛っているともとれる雄叫びを上げながら、男は大きくのけぞった。
ハロルドは男のダメージを観察しているようだった。出来ればデータ採取したいものだが。
と、突然男の胸部が裂け、内部から茶褐色の触手が何本も飛び出してきた。
「お!」
咄嗟に後方に飛ぶ。触手はそのまま地面を強く砕いた。
更に続けて襲い掛かってくる。ハロルドは連続で飛び跳ねながらも、
何重にも折り重なって迫る触手に次第に追い詰められていった。
そして何度目かの回避の後、眼前に一本の触手が急接近していた。
「わわっ!」
一瞬の判断で短剣を使うことにした彼女は、
杖を持っているのとは反対の左手で短剣を握り、切り払ってそれをやり過ごした。
が、その隙に足元に迫っていた別の一本には気付かなかった。
それは一瞬にしてハロルドの足首に絡み付く。
「げっ」
まるで実験に失敗してしまったかのような調子でつぶやく・・・やっば~、酢と酸を間違えちゃった~・・・
次の瞬間、彼女の身体は宙高く舞い上がった。
空中に逆さ吊りになった彼女に、追い討ちをかける様に残りの触手が襲い掛かってきた。
「このエロオヤジ!」
逆さ吊りの体勢のまま、彼女は素早く杖を持った右手を頭上に(実際には地面に向けて)高く挙げた。
地面から突如黒色の刃が現れ、迫り来る触手を全て断ち切った。
ついでに彼女の足に絡み付いていたものも切れた。そのまま逆さに落ちる。
「あだっ・・・もー、こいつ一体・・・」
後頭部を右手で撫でつつ、男を見やる。そこに男の姿は無かった。
ちらと上を見る。予想通り、男は跳躍して彼女に襲い掛かって来ていた。 鮮やかに避けようとし・・・突然男の化け物並になっていた爪が、更に伸びた。
だがそれも予想通りだった。まあ、拳の筋肉の動きを見れば一目瞭然なので。
男の爪が大地をえぐる。彼女は余裕だった。
しかしたった一つ予想外のことがあった。いつの間にか、彼女の背中が岩に引っかかっていた。
洞窟の一部が決壊したのか、川から流れ込んだのか、いずれにせよこの状況下では果てしなく邪魔だ。
「WWWGAAAAAA!!」
男は咆哮を挙げると、いつの間にか元通りになった触手を(なんという回復力なのかしら!)再び発射した。
しかしそれらは全て、突然飛来した物体によって撃ち落された。
撃ち落された触手は、紅く燃えながら地面に落ち、焼けていった。
唐突な他者の介入に、男は怪訝な表情を浮かべ(たに違いない)、周囲を見回した。
すぐに男はその正体を発見した。流れるような金髪、スタン・エルロンである。
「おっそーい!もう少しで私がこいつにチョメチョメされるトコだったんだから!」
「え、いや、ごめん・・・てか何がどうなるって?」
マウリッツを挟んで会話する二人。やがて男は狙いをスタンに絞ったらしく、彼に向かって突進した。
「行ったわよ!」
「分かってる!」
スタンは何も持っていなかった。彼の武器と思われるものは、先程触手を薙ぎ払うのに使ってしまったのだろう。
「GUGOOOO!!!」
怪物と化したマウリッツが左脚を上げて蹴りかかる。だがスタンもまた右脚を振り上げた。
ぶつかり合う衝撃。そして、当然体格差で今圧倒的に勝るマウリッツが押し切ると思いきや、
なんとスタンの蹴りが男の左脚を吹き飛ばした。気付けば彼の足に紅蓮の炎が宿っている。
男は更に続けて右腕を振り下ろす。スタンも続けて左脚を回す。再度激突。
だがそれでもスタンの勢いは衰える事無く、反動を利用してマウリッツの顔面付近まで飛び上がっていた。
「空牙昇竜脚!!」
炎を纏った右足を思い切り男の首にぶつけ、男の身体ごと力づくで地面に叩き付けた。
砂塵が舞い起こり、男の血液が飛び散る。
それでも男は力尽きることを知らず、再び立ち上がろうとしていた。
「スタン!」
ハロルドが地面に落ちた彼の武器を放り投げた。うまくキャッチしようとして、
しかし丁度刃がこっちを向いている時に彼の元に届いたので、慌ててサイドステップしてから落ちたそれを拾った。
彼は手にした剣・・・攻防一体を考え作成された剣、ディフェンサーを構えると、
表情を引き締めて既に立ち上がっていたマウリッツと再び対峙した。
「WRYYYYYY!!!」
そう叫ぶと同時に、男の胸、腕が千切れた左肩、更に背中から一斉に触手が飛び出した。
それらは全てスタンの五体を狙っていた。とても避け切れない──
しかし彼は表情を変えないまま、剣に力を集中した。
剣から紅のオーラが立ち上り、やがて炎を成した。そして剣を左から右へ一気に振った。
「魔王炎撃破!!」
剣は男の心臓を、付加された炎は触手を焼き払い、今度こそ男は沈黙した。
マウリッツが倒れこんだしばらく後、男の身体は次第に元通りになっていった。
しかしそれはあくまで怪物から人間へ戻ったというだけで、再び目にする男の姿は、
既に左腕が無く、胸部に深い裂傷を残すおびただしい鮮血に染まった老体だった。
「・・・」
スタンは男の姿を複雑な面持ちで見ていた。
いくらこの男が怪物となって自分達を襲ったとはいえ、元は見ての通り同じ人間なのだ。
それも、自分達と同じ、理不尽に連れて来られて殺し合いを強制された存在・・・
「どったのー?さっさと行くわよー」
ハロルドが声を上げる。スタンは我に帰って歩き出した。
「あ、ああ。」
「やっぱ私が睨んだとおりソーディアンが無くても戦えるようね」
「でも、どうしてこんな指輪をしたぐらいで前に使ってた技が使えるようになったんだ?」
そう言って彼は右手の薬指にはめた赤い指輪、ガーネットを見つめた。
「それはこの島全体のマナがありえないくらい凝縮して複雑に混ざり合っているからよ。
もっと詳しく説明してもいいけど、それは暇な時にでもして、
とにかくソーディアンの代わりになる器と魔力を持つ何かが揃えば従来の技や術が使えるの」
「それでもディムロスほどの出力は出ないようだけどな」
「当たり前よ。だってソーディアンは私が作ったんだから。
間に合わせの代品で同じパワーを出されちゃたまんないわよ」
ハロルドが口を尖らせる。スタンはとりあえず納得して、質問を変えた。
「それで、どうすんだよこれから?」
「そりゃーもちろん・・・・・・」
そこまで言いかけて、不意にハロルドは口をつぐんだ。
そしておもむろに手を首筋にやると、やがて明るい笑顔で言った。
「この島の生態系を徹底的に調べ尽くすに決まってるでしょうが!」
ちょっとまて、と言いかけたスタンは既に鼻歌交じりに洞窟内に消えたハロルドを追いかけるため走り出した。
全く、あの人は一体何を考えているんだ?
「はぁ、はぁ、ぐっ・・・!!」
既に空が暗くなりかけた頃、マウリッツは意識を取り戻した。
ゲーム開始以来、常人なら三度は死ねる程の怪我を負わせられながらも、彼は生きていたのだ。
一部では『不死身のマウリッツ』との呼び名もある彼の体力は、最早無尽蔵であるかに思われた。
おのれ、おのれ、おのれ・・・・・・
呪いの言葉をつぶやきながら、彼はじりじりとホフク前進していた。
ゲーム開始早々、結んだ髪を特徴的に体に巻きつけた蛇の様な面の男、
一目で忍者と分かる彼にズタズタに切り刻まれ、
元々マウリッツの支給品だったエクスフィアを手の甲に埋め込まれてあの川に投げ込まれたのだ。
それからの記憶は曖昧になっている。
よく見知った情報屋の少年、清楚な雰囲気の少女、変貌、競争、稲光、気絶、
回復、金髪の男、もじゃもじゃ髪の女、また変貌、光、触手、炎・・・
そうして気付けば左腕を失い、胸は裂けて血と内臓の諸々がはみ出していた。
死にたくない。死ねぬ。このゲームには、メルネス様がおられる。
我等水の民の希望たる人が、こんな理不尽な催し物で失われてはならぬ。
「おのれ、死ぬわけには・・・いかない」
「だがもう楽になった方がよいのでは無いか?」
不意に誰かの声がした。見上げようにも、首を動かすことすらままならない。
かろうじて上を見ると、肩を掠める程の青灰の髪に赤のメッシュの前髪をした男が立っていた。
「お前は・・・!?」
「死人が知る必要の無いことだ」
男・・・デミテルはそう一言告げると、両手から魔力の弾を発射し、マウリッツの頭を打ち砕いた。
そして今度こそ完全に息絶えたマウリッツを尻目に、
先程金髪の剣士とピンク髪の術士が入っていった洞窟を見つめた。
あの洞窟めがけ強力な術を叩き込むのも一興だろう。だが・・・
あの二人、特に女の方は只者ではない。先程の戦闘を垣間見るに、恐らく相当な実力の持ち主だ。
それは自身が術士である由縁の直感と言った所か、
いずれにせよあの時のガキ二人の様に不意打ち一発で仕留めれるとは思えない・・・
ならばより安全で確実に仕留められる獲物を探すべきだ。
そう結論づけるとデミテルは身を翻し薄暗い空の下歩き出した。
【スタン 生存確認】
状態:軽い疲労
所持品:ディフェンサー ガーネット ????
現在地:G3の洞窟内部
第一行動方針:ハロルドと共に行動
第二行動方針:仲間と合流
状態:軽い疲労
所持品:ディフェンサー ガーネット ????
現在地:G3の洞窟内部
第一行動方針:ハロルドと共に行動
第二行動方針:仲間と合流
【ハロルド 生存確認】
状態:TP微消費
所持品:ホーリースタッフ ピーチグミ 短剣 実験サンプル(内容不明)
現在地:G3の洞窟内部
第一行動方針:不明
第二行動方針:スタンと共に行動
状態:TP微消費
所持品:ホーリースタッフ ピーチグミ 短剣 実験サンプル(内容不明)
現在地:G3の洞窟内部
第一行動方針:不明
第二行動方針:スタンと共に行動
【ミント 生存確認】
状態:TP小 中程度の疲労 洞窟内部で睡眠中
所持品:サンダーマント
現在位置:G3の洞窟内部
行動方針:不明
状態:TP小 中程度の疲労 洞窟内部で睡眠中
所持品:サンダーマント
現在位置:G3の洞窟内部
行動方針:不明
【デミテル 生存確認】
状態:無傷
所持品:フィートシンボル ストロー ミスティシンボル ????
第一行動方針:出来る限り最低限の方法で邪魔者を駆逐する
第二行動方針:ダオスを倒せそうなキャラをダオスに仕向ける
現在地:G2から北へ移動中
状態:無傷
所持品:フィートシンボル ストロー ミスティシンボル ????
第一行動方針:出来る限り最低限の方法で邪魔者を駆逐する
第二行動方針:ダオスを倒せそうなキャラをダオスに仕向ける
現在地:G2から北へ移動中
【マウリッツ 死亡】
【残り45人】
【残り45人】