分裂
何がどうなっているのか、ミズホの民・しいなはさっぱり分からなかった。
確かに自分はティトレイと口論をして、その最中に誰かに刺された。
大量に流れ出る自分の血と、薄れていく意識の中で、彼女は既に自分が助からない容態だろうと悟った。
そこまでは覚えてる。
気付けば、目の前によく見知った仲間が一人。イセリアの天才こと、ジーニアス・セイジである。
だがその彼もまた意識を失っているようだった。一方彼女はもう意識を取り戻していた。
状況がつかめない中、とりあえずその辺に放置してあった、
彼の持ち物と思われるケンダマを拾い、彼のザックに入れる。
そしてふと気付く。ティトレイは、どこに・・・?
彼の荷物はそこに放置してあった。彼が自分を見捨てて行ったとは思えない。
いや、この極限の状況を考慮したらもしかしたらそうなのかもしれないが、
いずれにせよ食料や水の入っているザックを丸ごと放置することはありえないことだった。
自分を刺した相手を追いかけていったのだろうか。
そう思った瞬間、刺された場所がジワリと痛んだ。
しかしそうした彼女の疑問も、突如戻ってきたティトレイの尋常ならざる様子、
そして彼がしいなに攻撃したことによって吹き飛んだ。
「うおおおおおおおお!!」
全身から異常なほどの闘気を発し、彼は彼女に突進してきた。
咄嗟に避けようとするも、胸の傷が痛んで体がうまく動かなかった。
彼の拳が右側頭部を打つ。脳が揺れる。
「ティトレイ!どうしてあんたがこんな・・・
」 その言葉に全く反応せずに、彼は直も攻撃を仕掛けようとしてくる。
しいなはティトレイが正気を失っていることに気付いた。
なんで、どうして──・・・
思いつく理由は一つしかない。彼女が刺されたことである。
それと彼が一旦姿を消したこと、そして目の前でジーニアスが気絶していることが
どう関係しているか、彼女には到底分からなかった。
分からなかったが、ただ一つ言えることは、このままでは自分がティトレイに殺される、ということだ。
ならば戦うしかなくなる。しかしそれは出来なかった。
時間にすればほんの数時間だが、彼女は確かに彼と共に動き、語り、誓った。
こんなゲーム、絶対に許さない。あそこで朽ち果てていた、少年と少女の為にも。
そして、たとえ一度でも仲間意識の芽生えた者を、殺すなんて出来はしない。
冷酷に任務を遂行する忍として育てられた彼女だが、人としての情は人一倍であった。
だから、逃げる。
例えこちらが銃を持っているとしても、この怪我、更にジーニアスが倒れているとなると、
到底こちらが有利とは言えない。せめてティトレイを説得したかったが、それも難しいことだった。
彼女はそう決めると、素早く自分とジーニアスの荷物を両手に持ち、彼を背負って走り出した。
派手に動いたせいで刺された胸からまた血が出たが、気にする余裕は無かった。
ティトレイは直も叫びながら追いかけようとしてきたが、不意にその足を止めた。
理由は分からなかったが、とにかくどこか落ち着ける場所へ行くのが先決であった。
自分がどこへ向かっているのかすら分からず、彼女はひたすら走った。
そうして、彼女と少年はやがて川に出た。
「おやおや、こんな所に隠れたのかい」
突然自身の身を襲った風の刃が飛んできた方向を睨みつけていたティトレイの前に、サレが現れた。
サレは素早く周囲を見回した。しいなは既にその場に居なかった。
内心彼はほっとした。もし女の姿が発見されれば、自分が女を刺した事、
ひいてはすべての事を仕組んだのが自分であるとバレる恐れがあったのだ。
・・・全く、こいつがいきなり逃げ出した時はどうなるかと思ったよ・・・
「コレットちゃん、クレス、こっちに居たよ!」
口に手を添え、彼の右手方向に叫ぶ。やがて、コレットとクレスも現れた。
「こ、この血は・・・!?」
クレスが地面に溜まった赤い血を見ながら動揺して言った。それこそがサレがしいなを刺した時のものなのだが。
だがその瞬間またしてもサレの頭に黒い考えが浮かんだ。
「それはこの男がやったんだろうね。ここに居た別の誰かは、命からがら逃げたという所かな?」
「そんな・・・ひどいです!どうしてこんなひどいこと・・・」
「無駄だよ、コレットちゃん。もうこの男には声なんて届きゃしないさ。
あえて例えるなら、モンスターと同じ。やらなければ、こちらがやられるのさ」
そう言ってティトレイを指差す。更に男は猛った様だった。
「うおおおおおお!!」
男の周囲から、再び蔦が伸びだした。
「さあて、第二ラウンドの始まりだ」
そう言うサレの口元には、冷酷な笑みが広がっていた。
確かに自分はティトレイと口論をして、その最中に誰かに刺された。
大量に流れ出る自分の血と、薄れていく意識の中で、彼女は既に自分が助からない容態だろうと悟った。
そこまでは覚えてる。
気付けば、目の前によく見知った仲間が一人。イセリアの天才こと、ジーニアス・セイジである。
だがその彼もまた意識を失っているようだった。一方彼女はもう意識を取り戻していた。
状況がつかめない中、とりあえずその辺に放置してあった、
彼の持ち物と思われるケンダマを拾い、彼のザックに入れる。
そしてふと気付く。ティトレイは、どこに・・・?
彼の荷物はそこに放置してあった。彼が自分を見捨てて行ったとは思えない。
いや、この極限の状況を考慮したらもしかしたらそうなのかもしれないが、
いずれにせよ食料や水の入っているザックを丸ごと放置することはありえないことだった。
自分を刺した相手を追いかけていったのだろうか。
そう思った瞬間、刺された場所がジワリと痛んだ。
しかしそうした彼女の疑問も、突如戻ってきたティトレイの尋常ならざる様子、
そして彼がしいなに攻撃したことによって吹き飛んだ。
「うおおおおおおおお!!」
全身から異常なほどの闘気を発し、彼は彼女に突進してきた。
咄嗟に避けようとするも、胸の傷が痛んで体がうまく動かなかった。
彼の拳が右側頭部を打つ。脳が揺れる。
「ティトレイ!どうしてあんたがこんな・・・
」 その言葉に全く反応せずに、彼は直も攻撃を仕掛けようとしてくる。
しいなはティトレイが正気を失っていることに気付いた。
なんで、どうして──・・・
思いつく理由は一つしかない。彼女が刺されたことである。
それと彼が一旦姿を消したこと、そして目の前でジーニアスが気絶していることが
どう関係しているか、彼女には到底分からなかった。
分からなかったが、ただ一つ言えることは、このままでは自分がティトレイに殺される、ということだ。
ならば戦うしかなくなる。しかしそれは出来なかった。
時間にすればほんの数時間だが、彼女は確かに彼と共に動き、語り、誓った。
こんなゲーム、絶対に許さない。あそこで朽ち果てていた、少年と少女の為にも。
そして、たとえ一度でも仲間意識の芽生えた者を、殺すなんて出来はしない。
冷酷に任務を遂行する忍として育てられた彼女だが、人としての情は人一倍であった。
だから、逃げる。
例えこちらが銃を持っているとしても、この怪我、更にジーニアスが倒れているとなると、
到底こちらが有利とは言えない。せめてティトレイを説得したかったが、それも難しいことだった。
彼女はそう決めると、素早く自分とジーニアスの荷物を両手に持ち、彼を背負って走り出した。
派手に動いたせいで刺された胸からまた血が出たが、気にする余裕は無かった。
ティトレイは直も叫びながら追いかけようとしてきたが、不意にその足を止めた。
理由は分からなかったが、とにかくどこか落ち着ける場所へ行くのが先決であった。
自分がどこへ向かっているのかすら分からず、彼女はひたすら走った。
そうして、彼女と少年はやがて川に出た。
「おやおや、こんな所に隠れたのかい」
突然自身の身を襲った風の刃が飛んできた方向を睨みつけていたティトレイの前に、サレが現れた。
サレは素早く周囲を見回した。しいなは既にその場に居なかった。
内心彼はほっとした。もし女の姿が発見されれば、自分が女を刺した事、
ひいてはすべての事を仕組んだのが自分であるとバレる恐れがあったのだ。
・・・全く、こいつがいきなり逃げ出した時はどうなるかと思ったよ・・・
「コレットちゃん、クレス、こっちに居たよ!」
口に手を添え、彼の右手方向に叫ぶ。やがて、コレットとクレスも現れた。
「こ、この血は・・・!?」
クレスが地面に溜まった赤い血を見ながら動揺して言った。それこそがサレがしいなを刺した時のものなのだが。
だがその瞬間またしてもサレの頭に黒い考えが浮かんだ。
「それはこの男がやったんだろうね。ここに居た別の誰かは、命からがら逃げたという所かな?」
「そんな・・・ひどいです!どうしてこんなひどいこと・・・」
「無駄だよ、コレットちゃん。もうこの男には声なんて届きゃしないさ。
あえて例えるなら、モンスターと同じ。やらなければ、こちらがやられるのさ」
そう言ってティトレイを指差す。更に男は猛った様だった。
「うおおおおおお!!」
男の周囲から、再び蔦が伸びだした。
「さあて、第二ラウンドの始まりだ」
そう言うサレの口元には、冷酷な笑みが広がっていた。
【クレス 生存確認】
所持品:ダマスクスソード ????
状態:無傷
行動方針:ティトレイを倒す
:コレット、サレと行動
:生き残るためなら戦いも辞さない
現在位置:F4の森
所持品:ダマスクスソード ????
状態:無傷
行動方針:ティトレイを倒す
:コレット、サレと行動
:生き残るためなら戦いも辞さない
現在位置:F4の森
【コレット 生存確認】
所持品:忍刀血桜 ????
状態:無傷
行動方針:ティトレイを倒す
:サレ、クレスと行動
:ロイド達と合流
現在位置:F4の森
所持品:忍刀血桜 ????
状態:無傷
行動方針:ティトレイを倒す
:サレ、クレスと行動
:ロイド達と合流
現在位置:F4の森
【サレ 生存確認】
所持品:ブロードソード ????
状態:無傷
行動方針:ティトレイを倒す
:コレットとクレスを利用する
:コレット、クレスと行動
現在位置:F4の森
所持品:ブロードソード ????
状態:無傷
行動方針:ティトレイを倒す
:コレットとクレスを利用する
:コレット、クレスと行動
現在位置:F4の森
【ティトレイ 生存確認】
所持品:不明
状態:フォルス暴走
行動方針:眼に付いた者を倒す
所持品:不明
状態:フォルス暴走
行動方針:眼に付いた者を倒す
【しいな 生存確認】
所持品:コルトガバメント弾7マガジン4 ????
状態:胸を深く刺され重傷
現在位置:F4の森 川付近
行動方針:安全な場所へ逃げる
:ティトレイを正気に戻す
:すず、セネルの仇を取る
所持品:コルトガバメント弾7マガジン4 ????
状態:胸を深く刺され重傷
現在位置:F4の森 川付近
行動方針:安全な場所へ逃げる
:ティトレイを正気に戻す
:すず、セネルの仇を取る
【ジーニアス 生存確認】
所持品:ライフボトル×2 ビジャスコア ????
状態:気絶
現在位置:F4の森 川付近
行動方針:不明
所持品:ライフボトル×2 ビジャスコア ????
状態:気絶
現在位置:F4の森 川付近
行動方針:不明