波紋
「嘘だろ・・・十人も・・・」
ロイド・アーヴィングは口を開けたまま、呆然と立ち尽くした。
発表された者の中に彼の見知った仲間が居なかったとはいえ、
既に殺し合いが行われてる、死者が出ている、という事実が彼を大きく動揺させた。
「言った通りだ。もうこれは始まっている」
仮面の男・ジューダスは草花が微かに生い茂る地面に腰を下ろし、名簿を眺めつつ、手を動かしていた。
それは何度も聞こえた術が炸裂する音、銃器が撃たれる音によってもはや疑う余地の無いことでもあった。
「でも・・・、あのマグニスや、お前の言ってたバルバトスって野郎がやったことじゃないのか?」
ジューダスは動作を止める事無く、
「無論彼らが手を下した者も含まれているだろう。
だがこの短時間で10人も相手をするのは不可能だ。
他にもこれに乗った者や、疑心暗鬼から殺し合いを始めたものもいると考えるべきだ」
「そんな・・・そんなことって・・・」
がくりとうなだれて、かぶりを振る。
現在のこのおぞましい状況は、ひたむきなまでの直情を持った彼にはとても我慢できないものだった。
そしてふと、ロイドはジューダスの手元を見やった。
仮面の男は手にした名簿に、放送された者に印を付けている様だった。
「・・・やめろよ、そういうの」
咎める口調でそう言った。ジューダスはそれまで動かしていた手を止め、顔を上げてロイドを見た。
「何故悪い?彼らは死んだ、その事実は記録しておいた方がいいだろう」
「だからって」
「情報は正しく整理されるべきだ。
お前も、さっきの放送をただ聴いていたようだったが、禁止エリアの場所をちゃんと記憶しているか?」
ロイドは返答に詰まった。
尤も、彼がしっかりと注意して放送を聴いていたとしても、
禁止エリアの場所と時間を正確に復唱できるかどうかは怪しいものだが。
そんな彼の様子はお構いなしに、仮面の男は「いいか」と続けた。
「この程度のことも割り切れないようでは、これから先、生き残ることは到底無理だ。
死んだ者達のことをいつまでも気にかけていては、己の心に隙を生む。
いいか、これが行われている間は死者を気にするな」
ロイドはただ仮面の男の言葉を聞き、うつむいて考え事をしているようだった。
一緒に行動するようになってから頻繁に思っていたことだが、このジューダスという男は、
自分とあまり年は変わらないはずなのに、やたら大人びた物の言い方をする。
「・・・ちょっと頭を冷やしてくる」
そう言うと、くるりと背を向け、ジューダスから離れて三、四歩進んだ所でどかりと腰と降ろした。
そのまま背中を向けながら、思案にふけっている様だった。
ロイド・アーヴィングは口を開けたまま、呆然と立ち尽くした。
発表された者の中に彼の見知った仲間が居なかったとはいえ、
既に殺し合いが行われてる、死者が出ている、という事実が彼を大きく動揺させた。
「言った通りだ。もうこれは始まっている」
仮面の男・ジューダスは草花が微かに生い茂る地面に腰を下ろし、名簿を眺めつつ、手を動かしていた。
それは何度も聞こえた術が炸裂する音、銃器が撃たれる音によってもはや疑う余地の無いことでもあった。
「でも・・・、あのマグニスや、お前の言ってたバルバトスって野郎がやったことじゃないのか?」
ジューダスは動作を止める事無く、
「無論彼らが手を下した者も含まれているだろう。
だがこの短時間で10人も相手をするのは不可能だ。
他にもこれに乗った者や、疑心暗鬼から殺し合いを始めたものもいると考えるべきだ」
「そんな・・・そんなことって・・・」
がくりとうなだれて、かぶりを振る。
現在のこのおぞましい状況は、ひたむきなまでの直情を持った彼にはとても我慢できないものだった。
そしてふと、ロイドはジューダスの手元を見やった。
仮面の男は手にした名簿に、放送された者に印を付けている様だった。
「・・・やめろよ、そういうの」
咎める口調でそう言った。ジューダスはそれまで動かしていた手を止め、顔を上げてロイドを見た。
「何故悪い?彼らは死んだ、その事実は記録しておいた方がいいだろう」
「だからって」
「情報は正しく整理されるべきだ。
お前も、さっきの放送をただ聴いていたようだったが、禁止エリアの場所をちゃんと記憶しているか?」
ロイドは返答に詰まった。
尤も、彼がしっかりと注意して放送を聴いていたとしても、
禁止エリアの場所と時間を正確に復唱できるかどうかは怪しいものだが。
そんな彼の様子はお構いなしに、仮面の男は「いいか」と続けた。
「この程度のことも割り切れないようでは、これから先、生き残ることは到底無理だ。
死んだ者達のことをいつまでも気にかけていては、己の心に隙を生む。
いいか、これが行われている間は死者を気にするな」
ロイドはただ仮面の男の言葉を聞き、うつむいて考え事をしているようだった。
一緒に行動するようになってから頻繁に思っていたことだが、このジューダスという男は、
自分とあまり年は変わらないはずなのに、やたら大人びた物の言い方をする。
「・・・ちょっと頭を冷やしてくる」
そう言うと、くるりと背を向け、ジューダスから離れて三、四歩進んだ所でどかりと腰と降ろした。
そのまま背中を向けながら、思案にふけっている様だった。
それから十数秒後、ジューダスは足元に置いた名簿に視線を移した。
彼によって十の印が付けられたそれを拾い上げ、改めて死亡者達を一人一人見やる。
・・・死者を気にするな、か・・・
ジューダスは自嘲気味に微笑を浮かべると、ゆっくりと顔を上げて薄暗い天を見た。
そしてそのまま瞼を閉じ、近くに居るロイドにも聞こえないぐらいの微かな声で一言呟いた。
「ルーティ・・・・・・」
彼によって十の印が付けられたそれを拾い上げ、改めて死亡者達を一人一人見やる。
・・・死者を気にするな、か・・・
ジューダスは自嘲気味に微笑を浮かべると、ゆっくりと顔を上げて薄暗い天を見た。
そしてそのまま瞼を閉じ、近くに居るロイドにも聞こえないぐらいの微かな声で一言呟いた。
「ルーティ・・・・・・」
【ロイド:生存確認】
状態:無傷 放送による動揺
所持品:ウッドブレード(自作)、忍刀桔梗、 トレカ、カードキー
行動方針1:ジューダスと共に協力してくれる仲間を探す
行動方針2:皆(Sの仲間及び協力してくれる仲間)で生きて帰る
現在地:B5の森
状態:無傷 放送による動揺
所持品:ウッドブレード(自作)、忍刀桔梗、 トレカ、カードキー
行動方針1:ジューダスと共に協力してくれる仲間を探す
行動方針2:皆(Sの仲間及び協力してくれる仲間)で生きて帰る
現在地:B5の森
【ジューダス:生存確認】
状態:無傷 放送による悲しみ
所持品:アイスコフィン、???、???(アイスコフィン以外の武器は持っていない)
行動方針1:ロイドと共に協力してくれる仲間を探す
行動方針2:ミクトランを倒す
現在地:B5の森
状態:無傷 放送による悲しみ
所持品:アイスコフィン、???、???(アイスコフィン以外の武器は持っていない)
行動方針1:ロイドと共に協力してくれる仲間を探す
行動方針2:ミクトランを倒す
現在地:B5の森