分岐点
暴走する男が鎮まった後、クレス達はその男を取り囲む様に立った。
先程までの猛っていた様子とは打って変わって、穏やかな眠り顔だった。
「どうする?」
クレスが言った。
とりあえず回収した男の支給品の一つであった、ロープ・・・
ナイロン製の丈夫なロープを適当な長さに切り、男を後ろ手に縛り、拘束した。
「今は大人しくしているけど、またいつ暴走するとも限らない。悪いけど、ここでとどめを刺すべきだと僕は思うよ」
サレが応える。するとコレットが憤慨した調子で、
「でも、そんなの駄目です!無抵抗の人を殺すなんて・・・」
と言った。サレは心の中で舌打ちしながら、表面上は変わらずに、
「でもこの男はさっき僕らを殺そうとした。その時は僕らも応戦したけど、
その戦いの中でやむを得ずこの男を殺してしまうことと、今こいつにとどめを刺すことは同じことだと思わないかい?」
「それは・・・」
言いかけたコレットをクレスが遮った。
「確かにそうだ。僕もさっきこの男に攻撃を仕掛ける時、もしかしたら彼に致命傷を与えていたかもしれない。
だが今こうして彼は気絶しているし、手を縛ってもある。せめて話を聞くことぐらいはできるはずだ」
サレは黙ってクレスの言葉を聞いていたが、その内心は苛立っていた。
どうしてこいつらはこう甘いんだ。
そんなことだからこの男を殺すことも出来ずに気絶させてしまったんだよ。
さっさと二人を無視して自分がとどめを刺してしまえばよかった。
しかしこの状況でそれをやれば二人に不信感を抱かせてしまう。
それはできれば避けたい事態だった。
最後の最後、その一瞬の為にも今は二人に疑惑を抱かせないことが重要だった。
「わかったよ、この男が目を覚ますまでしばらく待とう。
ただしまたこの男が暴れ始めたら容赦はしない。それでいいね?」
クレスは黙って頷いた。コレットも小さく頭を下げる。
・・・けどティトレイは殺さなければならない。そうしないと僕があの女を刺したことがバレる可能性があるからね。
何よりこの男が目覚めた時、四星として何度も敵対してきた自分を見て、
落ち着いてものが言えるかどうかも怪しかった。
できればこの男が眠っている内にやってしまいたかった。
そのチャンスは案外早くやってきた。
ティトレイをサレが見張っている間、周囲を偵察していたクレスが喋りだした。
「この血は・・・こっちへ続いている。あっちの方向へ逃げたのか?」
「本当ですか?」
コレットが言った。
二人は暴走したティトレイによって傷つけられた(と思い込んでいる)人物について、探し出そうとしていた。
それはサレにとっては非常に不愉快な話だった。自分が刺し殺そうとした相手と再会できて何が嬉しい?
いや、それも悪くないかも知れないな。サレはそう思った。
その時あの女がどんな態度を取るか、二人がどんな顔をするか、とても興味をそそられることだった。
「じゃあ、私が見に行きます」
「いや、僕が行こう。もう夜になったし、いつ何があるとも限らない。君一人じゃ不安だ」
サレはそんな会話を背中で聞きながら、これをどう利用すべきかを考えていた。
あの血痕の先にあの女は居る、それは間違いないだろう。
それが生きてるか死んでるか、生きていたら自分が立ち会うのは不味い。
混乱に乗じて皆殺しにできなくも無いが、それはまだ先のお楽しみにしておきたかった。
死んでいたなら問題は一切無い。それなら自分が居てもいいのだが・・・
「二人で行くといいよ。僕はこの男を見張っているから」
サレはそう言った。クレスとコレットは黙って聞き、
「大丈夫なのか?一人で」
「心配いらないよ、この男はまだ眠ってるだろうし、
満足に動けもしない。いざという時も、やられてしまうほど僕は甘くは無い」
・・・君達と違ってね。
「えっと、分かりました、じゃあ行って来ます」
「道に迷わないようにね、コレットちゃん」
コレットは了解してそそくさと歩き出した。
しかしクレスはまだサレを見つめている。
「どうしたんだい?」
「いや・・・」
クレスはさっと身を翻すとコレットに駆け寄り、並んで闇の中に消えた。
そうした後、サレはゆっくりと立ち上がり、
倒れているティトレイと、二人が消えた方向を交互に見てふふっ、と笑った。
先程までの猛っていた様子とは打って変わって、穏やかな眠り顔だった。
「どうする?」
クレスが言った。
とりあえず回収した男の支給品の一つであった、ロープ・・・
ナイロン製の丈夫なロープを適当な長さに切り、男を後ろ手に縛り、拘束した。
「今は大人しくしているけど、またいつ暴走するとも限らない。悪いけど、ここでとどめを刺すべきだと僕は思うよ」
サレが応える。するとコレットが憤慨した調子で、
「でも、そんなの駄目です!無抵抗の人を殺すなんて・・・」
と言った。サレは心の中で舌打ちしながら、表面上は変わらずに、
「でもこの男はさっき僕らを殺そうとした。その時は僕らも応戦したけど、
その戦いの中でやむを得ずこの男を殺してしまうことと、今こいつにとどめを刺すことは同じことだと思わないかい?」
「それは・・・」
言いかけたコレットをクレスが遮った。
「確かにそうだ。僕もさっきこの男に攻撃を仕掛ける時、もしかしたら彼に致命傷を与えていたかもしれない。
だが今こうして彼は気絶しているし、手を縛ってもある。せめて話を聞くことぐらいはできるはずだ」
サレは黙ってクレスの言葉を聞いていたが、その内心は苛立っていた。
どうしてこいつらはこう甘いんだ。
そんなことだからこの男を殺すことも出来ずに気絶させてしまったんだよ。
さっさと二人を無視して自分がとどめを刺してしまえばよかった。
しかしこの状況でそれをやれば二人に不信感を抱かせてしまう。
それはできれば避けたい事態だった。
最後の最後、その一瞬の為にも今は二人に疑惑を抱かせないことが重要だった。
「わかったよ、この男が目を覚ますまでしばらく待とう。
ただしまたこの男が暴れ始めたら容赦はしない。それでいいね?」
クレスは黙って頷いた。コレットも小さく頭を下げる。
・・・けどティトレイは殺さなければならない。そうしないと僕があの女を刺したことがバレる可能性があるからね。
何よりこの男が目覚めた時、四星として何度も敵対してきた自分を見て、
落ち着いてものが言えるかどうかも怪しかった。
できればこの男が眠っている内にやってしまいたかった。
そのチャンスは案外早くやってきた。
ティトレイをサレが見張っている間、周囲を偵察していたクレスが喋りだした。
「この血は・・・こっちへ続いている。あっちの方向へ逃げたのか?」
「本当ですか?」
コレットが言った。
二人は暴走したティトレイによって傷つけられた(と思い込んでいる)人物について、探し出そうとしていた。
それはサレにとっては非常に不愉快な話だった。自分が刺し殺そうとした相手と再会できて何が嬉しい?
いや、それも悪くないかも知れないな。サレはそう思った。
その時あの女がどんな態度を取るか、二人がどんな顔をするか、とても興味をそそられることだった。
「じゃあ、私が見に行きます」
「いや、僕が行こう。もう夜になったし、いつ何があるとも限らない。君一人じゃ不安だ」
サレはそんな会話を背中で聞きながら、これをどう利用すべきかを考えていた。
あの血痕の先にあの女は居る、それは間違いないだろう。
それが生きてるか死んでるか、生きていたら自分が立ち会うのは不味い。
混乱に乗じて皆殺しにできなくも無いが、それはまだ先のお楽しみにしておきたかった。
死んでいたなら問題は一切無い。それなら自分が居てもいいのだが・・・
「二人で行くといいよ。僕はこの男を見張っているから」
サレはそう言った。クレスとコレットは黙って聞き、
「大丈夫なのか?一人で」
「心配いらないよ、この男はまだ眠ってるだろうし、
満足に動けもしない。いざという時も、やられてしまうほど僕は甘くは無い」
・・・君達と違ってね。
「えっと、分かりました、じゃあ行って来ます」
「道に迷わないようにね、コレットちゃん」
コレットは了解してそそくさと歩き出した。
しかしクレスはまだサレを見つめている。
「どうしたんだい?」
「いや・・・」
クレスはさっと身を翻すとコレットに駆け寄り、並んで闇の中に消えた。
そうした後、サレはゆっくりと立ち上がり、
倒れているティトレイと、二人が消えた方向を交互に見てふふっ、と笑った。
【クレス 生存確認】
所持品:ダマスクスソード ????
状態:無傷 TP消費(小)
第一行動方針:負傷した人物を探す
第二行動方針:生き残るためなら戦いも辞さない
第三行動方針:コレット、サレと行動
現在位置:F4の森から東に移動中
所持品:ダマスクスソード ????
状態:無傷 TP消費(小)
第一行動方針:負傷した人物を探す
第二行動方針:生き残るためなら戦いも辞さない
第三行動方針:コレット、サレと行動
現在位置:F4の森から東に移動中
【コレット 生存確認】
所持品:忍刀血桜 ????
状態:無傷 TP消費(微)
第一行動方針:負傷した人物を探す
第二行動方針:サレ、クレスと行動
第三行動方針:ロイド達と合流
現在位置:F4の森から東へ移動中
所持品:忍刀血桜 ????
状態:無傷 TP消費(微)
第一行動方針:負傷した人物を探す
第二行動方針:サレ、クレスと行動
第三行動方針:ロイド達と合流
現在位置:F4の森から東へ移動中
【サレ 生存確認】
所持品:ブロードソード ????
状態:無傷
第一行動方針:ティトレイの口を封じる
第二行動方針:コレットとクレスを利用する
第三行動方針:コレット、クレスと行動
現在位置:F4の森
【ティトレイ 生存確認】
所持品:ロープ(ナイロン製) 他不明
状態:両手を後ろに縛られている 気絶 TP消費(中)
第一行動方針:気絶中
現在位置:F4の森
所持品:ブロードソード ????
状態:無傷
第一行動方針:ティトレイの口を封じる
第二行動方針:コレットとクレスを利用する
第三行動方針:コレット、クレスと行動
現在位置:F4の森
【ティトレイ 生存確認】
所持品:ロープ(ナイロン製) 他不明
状態:両手を後ろに縛られている 気絶 TP消費(中)
第一行動方針:気絶中
現在位置:F4の森