選択肢
「コレットさん」
闇夜の森を二人並んで歩いていたクレスが、口を開いた。
「何ですか?あ、それと、もう呼び捨てにしてもらって結構です」
「・・・コレット、君はさっきの放送の内容をメモしてるかい?」
「はい、勿論です。サレさんにそうするように言われましたから」
闇夜の森を二人並んで歩いていたクレスが、口を開いた。
「何ですか?あ、それと、もう呼び捨てにしてもらって結構です」
「・・・コレット、君はさっきの放送の内容をメモしてるかい?」
「はい、勿論です。サレさんにそうするように言われましたから」
あの時、暴走する男に一度逃げられてから三人で男を探して、
サレが男を発見しもう一度対峙した時、放送が流れた。
幸いどちらも攻撃を仕掛ける前のことだったので、にらみ合いながらも放送を聞き逃すことは無かった。
そこでサレはコレットに放送の内容をメモするように言い、クレスと二人で男と牽制し合っていた。
やがて放送が終わった後に、クレスが男を気絶させ、拘束し、
コレットが二人に放送の内容を伝えて、彼女とクレスの二人で負傷者を探しに出た。
サレが男を発見しもう一度対峙した時、放送が流れた。
幸いどちらも攻撃を仕掛ける前のことだったので、にらみ合いながらも放送を聞き逃すことは無かった。
そこでサレはコレットに放送の内容をメモするように言い、クレスと二人で男と牽制し合っていた。
やがて放送が終わった後に、クレスが男を気絶させ、拘束し、
コレットが二人に放送の内容を伝えて、彼女とクレスの二人で負傷者を探しに出た。
「悪いけど、それをもう一度見せてくれないか?」
「あ、はい、いいですよ」
彼女はザックに手を入れ、メモした紙を取り出してクレスに見せた。
彼は黙ってそれを見つめて、しばらくして紙を返した。
「ありがとう」
礼を言うものの、その顔は笑っていない。いや、それどころかどこか表情に陰が落ちていた。
「あの・・・失礼なようですけど、もしかして、その・・・」
「・・・ああ。僕の仲間が何人かやられていた」
クレスはほとんど無表情に、感情の無い調子でそう告げた。
コレットはどう言っていいか分からず、悲痛な表情のまま、祈るようなしぐさで両手を組んだ。
彼はそれ以上何も言わず、黙って歩き出した。
彼女も慌てたように駆け出す。
クレスの心は乱れていた。
あの放送で、彼の見知った人物が三人、死んでいた。
すず、チェスター、アミィ・・・
こういう状況でも決して動じることは無く行動するだろうと思っていたすずが死んでいた。
彼女なら誰かと戦闘になっても容易にはやられはしないだろうとは思っていた。
そしてクレスの親友のチェスターとその妹、アミィ。
チェスターはこの魔法陣に乗る前、クレスに向かって、必ずアミィを守ると言っていた。
その彼も、アミィも死んでいた。
彼は何とかアミィと合流できたのだろうか。
その上で、二人をまとめて葬った者が居たのだろうか。
それはクレスには分からなかった。だが、失われた命は戻らない。
あの主催者が言っていた『願い』を除けば。
「あ、はい、いいですよ」
彼女はザックに手を入れ、メモした紙を取り出してクレスに見せた。
彼は黙ってそれを見つめて、しばらくして紙を返した。
「ありがとう」
礼を言うものの、その顔は笑っていない。いや、それどころかどこか表情に陰が落ちていた。
「あの・・・失礼なようですけど、もしかして、その・・・」
「・・・ああ。僕の仲間が何人かやられていた」
クレスはほとんど無表情に、感情の無い調子でそう告げた。
コレットはどう言っていいか分からず、悲痛な表情のまま、祈るようなしぐさで両手を組んだ。
彼はそれ以上何も言わず、黙って歩き出した。
彼女も慌てたように駆け出す。
クレスの心は乱れていた。
あの放送で、彼の見知った人物が三人、死んでいた。
すず、チェスター、アミィ・・・
こういう状況でも決して動じることは無く行動するだろうと思っていたすずが死んでいた。
彼女なら誰かと戦闘になっても容易にはやられはしないだろうとは思っていた。
そしてクレスの親友のチェスターとその妹、アミィ。
チェスターはこの魔法陣に乗る前、クレスに向かって、必ずアミィを守ると言っていた。
その彼も、アミィも死んでいた。
彼は何とかアミィと合流できたのだろうか。
その上で、二人をまとめて葬った者が居たのだろうか。
それはクレスには分からなかった。だが、失われた命は戻らない。
あの主催者が言っていた『願い』を除けば。
忘れかけていたかつての誓いが、再び脳裏に宿った。
生き残るためなら戦いも辞さない。
それは彼以外の参加者を倒し、願いを叶えて全員を元の世界へ返すことだった。
しかし今、それが出来るのか?もう既にこうして他の者と行動を共にするようになってしまったのに?
生き残るためなら戦いも辞さない。
それは彼以外の参加者を倒し、願いを叶えて全員を元の世界へ返すことだった。
しかし今、それが出来るのか?もう既にこうして他の者と行動を共にするようになってしまったのに?
この少女を今ここで殺してしまうのか?
だが、それは出来ない。少なくともこの少女はそんなことは望まない。
戦うことを辞さないということは、彼の仲間、
ミントやアーチェといった仲間も手に掛けなければならないことを意味していた。
やっぱり駄目だ。この少女が言うように、みんなが無事に帰れる方法はあるはずだ。
だが、それは出来ない。少なくともこの少女はそんなことは望まない。
戦うことを辞さないということは、彼の仲間、
ミントやアーチェといった仲間も手に掛けなければならないことを意味していた。
やっぱり駄目だ。この少女が言うように、みんなが無事に帰れる方法はあるはずだ。
・・・しかしそれでは死んだ者は帰らない。
もしも彼以外の仲間が居なくなった時、それでもまだ殺し合いをしないで、
願いを叶えないで帰ろうと思えるか、疑わしかった。
だが・・・・・・
もしも彼以外の仲間が居なくなった時、それでもまだ殺し合いをしないで、
願いを叶えないで帰ろうと思えるか、疑わしかった。
だが・・・・・・
「クレスさん?」
コレットが心配そうにクレスに近寄り、上目遣いに彼を見上げた。
彼は笑顔を取り繕って、
「ああごめん、そんなに心配しなくても大丈夫。とりあえず今は、ケガした人を探そう」
「はい・・・」
彼女は一応納得したように頷くと、再び歩き始めた。
コレットが心配そうにクレスに近寄り、上目遣いに彼を見上げた。
彼は笑顔を取り繕って、
「ああごめん、そんなに心配しなくても大丈夫。とりあえず今は、ケガした人を探そう」
「はい・・・」
彼女は一応納得したように頷くと、再び歩き始めた。
自分以外の参加者全員を殺して生き返らせて皆で帰るか。
まだ生き残っている者で力を合わせ何とか脱出するか。
クレスはその二つの選択肢に悩み、葛藤していた。
だが、どちらにせよ戦いは避けられない。
彼は手にした剣を強く握り締めると、前を見据えて歩き出した。
彼がいずれどんな選択をするか、それは彼含めて誰にも分からなかった。
まだ生き残っている者で力を合わせ何とか脱出するか。
クレスはその二つの選択肢に悩み、葛藤していた。
だが、どちらにせよ戦いは避けられない。
彼は手にした剣を強く握り締めると、前を見据えて歩き出した。
彼がいずれどんな選択をするか、それは彼含めて誰にも分からなかった。
【クレス 生存確認】
所持品:ダマスクスソード ????
状態:無傷 TP消費(小)
第一行動方針:負傷した人物を探す
第二行動方針:生き残るためなら戦いも辞さない
第三行動方針:コレットと行動
第四行動方針:コレット、サレと行動
現在位置:F4の森から東に移動中
所持品:ダマスクスソード ????
状態:無傷 TP消費(小)
第一行動方針:負傷した人物を探す
第二行動方針:生き残るためなら戦いも辞さない
第三行動方針:コレットと行動
第四行動方針:コレット、サレと行動
現在位置:F4の森から東に移動中
【コレット 生存確認】
所持品:忍刀血桜 ????
状態:無傷 TP消費(微)
第一行動方針:負傷した人物を探す
第二行動方針:クレスと行動
第三行動方針:サレ、クレスと行動
第四行動方針:ロイド達と合流
現在位置:F4の森から東へ移動中
所持品:忍刀血桜 ????
状態:無傷 TP消費(微)
第一行動方針:負傷した人物を探す
第二行動方針:クレスと行動
第三行動方針:サレ、クレスと行動
第四行動方針:ロイド達と合流
現在位置:F4の森から東へ移動中