「まいったな……これからどうするか……」
椅子に腰掛けつつ、一人の青年が深いため息をついていた。
とある理由で訪れたこの国で、突然意味のわからない殺し合いに巻き込まれたのだ。
気分を害するなというほうが無理な話である。
とある理由で訪れたこの国で、突然意味のわからない殺し合いに巻き込まれたのだ。
気分を害するなというほうが無理な話である。
(しかも一国の長がそれを実行しようとしているんだから性質が悪いな。
それにこの技術力……ゼークス帝国よりも厄介そうだ……)
それにこの技術力……ゼークス帝国よりも厄介そうだ……)
転送先の室内を見渡し、自身の首に装着された首輪をなぞり、青年は再びため息をつく。
青年は転送前から、あの人々が集められた広い空間であることを誓っていた。
それすなわち、主催者の野望の阻止。
過去にも2度程、軍事帝国ととある変態の世界征服の野望を打ち砕いてきた青年からすれば、
今回の件も放っておくことなどできない。なんとしてでも止めなければと思うのは当然といえる。
しかし、此度の事件はそれ以上に厄介。それが彼のため息の理由だった。
第一に、首輪の存在。
それすなわち、主催者の野望の阻止。
過去にも2度程、軍事帝国ととある変態の世界征服の野望を打ち砕いてきた青年からすれば、
今回の件も放っておくことなどできない。なんとしてでも止めなければと思うのは当然といえる。
しかし、此度の事件はそれ以上に厄介。それが彼のため息の理由だった。
第一に、首輪の存在。
(かなり特殊な加工がされてるな……)
普段から腕輪やら指輪やら様々な装飾品を作っては出荷している青年も首輪の作成経験まではない。
似たもの故に、金属の質や加工法はある程度わかるとはいえ、外すとなると中々に厳しい。
それ相応の道具が必要だし、失敗は許されない。さらに自分の首についているものを自分で解体するのは非常に困難。
それでいて、6時間置きにあるという放送と禁止エリアの存在。
似たもの故に、金属の質や加工法はある程度わかるとはいえ、外すとなると中々に厳しい。
それ相応の道具が必要だし、失敗は許されない。さらに自分の首についているものを自分で解体するのは非常に困難。
それでいて、6時間置きにあるという放送と禁止エリアの存在。
(地図に書いてあるエリアの数は全部で23、期限は3日……
となると多分放送で2ヶ所ずつ封印される。動けるうちにこの首輪を外せる道具を見つけないと……
誰かこの地図に書いてあるエリアに詳しい人に同行してもらう必要もありそうだ)
となると多分放送で2ヶ所ずつ封印される。動けるうちにこの首輪を外せる道具を見つけないと……
誰かこの地図に書いてあるエリアに詳しい人に同行してもらう必要もありそうだ)
机に広げた地図と時計を確認しながら、青年はうなる。
普段の平均仕事時間が20時間の身からすれば、3日程度なら徹夜もできるだろう。後の体調は知ったことではない。
とにかく、人を見つけ、これから休まずに各地を動き回って道具を探す。これが青年の中で第一の行動方針となっていた。
転送直後、空間転移魔法テレポートやエスケープを試したが発動しなかった。これが能力の制限というやつだろう。
魔法が封じられた以上、この首輪をどうにかしないことには、この国からの脱出も、主催者を止めることもできそうにない。
普段の平均仕事時間が20時間の身からすれば、3日程度なら徹夜もできるだろう。後の体調は知ったことではない。
とにかく、人を見つけ、これから休まずに各地を動き回って道具を探す。これが青年の中で第一の行動方針となっていた。
転送直後、空間転移魔法テレポートやエスケープを試したが発動しなかった。これが能力の制限というやつだろう。
魔法が封じられた以上、この首輪をどうにかしないことには、この国からの脱出も、主催者を止めることもできそうにない。
(止める……か。人の命を奪うことはしたくないんだけど……)
そして、青年にとってもう一つの厄介ごとがこれ、主催者の処遇だ。
仮に首輪を外せたとして、その後どうするか? 戦って主催者を倒すか?
青年はこれでも歴戦の戦士であり、鍛錬も欠かさず日々精進を続けてきた。
100の戦車隊や神竜や巨大な魔物の一体や二体程度であれば問題なく蹴散らせる。
だが人間が相手となれば話は変わる。彼は人間を斬った、殺したことはないのだ。
50パーセント人間の奴なら滅多切りにした経験があるが、やはり命までは奪っていない。異次元追放しただけだ。
こんな非人道的な行いをする主催者も、人間には変わりない。
首輪を外して、この殺し合いを止め、連中を改心させれば、殺す必要はないのでは……?
仮に首輪を外せたとして、その後どうするか? 戦って主催者を倒すか?
青年はこれでも歴戦の戦士であり、鍛錬も欠かさず日々精進を続けてきた。
100の戦車隊や神竜や巨大な魔物の一体や二体程度であれば問題なく蹴散らせる。
だが人間が相手となれば話は変わる。彼は人間を斬った、殺したことはないのだ。
50パーセント人間の奴なら滅多切りにした経験があるが、やはり命までは奪っていない。異次元追放しただけだ。
こんな非人道的な行いをする主催者も、人間には変わりない。
首輪を外して、この殺し合いを止め、連中を改心させれば、殺す必要はないのでは……?
――助けてぇ~! ドラえも~ん!!
「くっ……!」
そう考えた矢先、見せしめに殺された子供の顔が、悲痛な叫び声が思い出された。
(無理だ……!)
首を左右に振り、青年は自分の甘い考えを捨てようとする。
かつて帝国の皇帝を見逃したのは、被害を事前に防げたからこそ。
厳密には村周辺の地を荒らされ、自分の記憶も破壊されたりと被害はでているが、重大な被害……死者は出ていない。
だが、今回は既に死者の存在を許してしまっている。
しかも殺されてしまったのは幼い子供、その親の絶望は計り知れない。
もし、あの時殺されたのが自分の子供だったら……後先考えず主催者に斬りかかっていただろう。
きっとあの子供の親も同じだ。あの場では動かなかっただけで、今もきっと怒りと悲しみに身を震わせているに違いない。
仮に自分が、今回は見逃しますから、二度としないでくれなどと主催者を殺さなくても……
その親は、或いは他の者が追撃をかけて主催者を殺す。
そもそも、子供にあんな惨い死を、自分達に狂った殺し合いを強要する主催者に、改心の余地があるとはとても思えない。
満に一つ改心したとしても、失われた命が戻ってくることはないのだ。
かつて帝国の皇帝を見逃したのは、被害を事前に防げたからこそ。
厳密には村周辺の地を荒らされ、自分の記憶も破壊されたりと被害はでているが、重大な被害……死者は出ていない。
だが、今回は既に死者の存在を許してしまっている。
しかも殺されてしまったのは幼い子供、その親の絶望は計り知れない。
もし、あの時殺されたのが自分の子供だったら……後先考えず主催者に斬りかかっていただろう。
きっとあの子供の親も同じだ。あの場では動かなかっただけで、今もきっと怒りと悲しみに身を震わせているに違いない。
仮に自分が、今回は見逃しますから、二度としないでくれなどと主催者を殺さなくても……
その親は、或いは他の者が追撃をかけて主催者を殺す。
そもそも、子供にあんな惨い死を、自分達に狂った殺し合いを強要する主催者に、改心の余地があるとはとても思えない。
満に一つ改心したとしても、失われた命が戻ってくることはないのだ。
(優勝者はどんな願いでも叶う、この甘い囁きにどれだけの人が騙されているかも不安だな……
誰もいないことを望みたいけど……)
誰もいないことを望みたいけど……)
死者の復活も可能……本当に叶うのであればこれ以上の奇跡はない。
改心した主催者が死者を全員蘇生させて皆幸せになりました?
なるわけがない。あれは参加者を惑わせるためのものだ。
最後の一人も、まず殺される。殺されなくても、願いが叶う保障はどこにもない。
死者は、まず蘇ることはない。死者は、限りなく最小に留めなければならない。
最善なのは、迅速に首輪を外して主催者をみつけだし、この殺し合いをとめる。
悲しみを増やさないためにも、二度とこんな事態が起きないよう、主催者だけは殺す。
その覚悟を、決めなければならない。
それだけでなく、願いが叶うと信じてしまった者と戦い、それらの者達も死なせてしまう覚悟を決めなければならない。
人間は脆い。行動を止めるだけのつもりが、なんの弾みで命を奪ってしまうかわからないのだから。
そして誰かを殺すということは……
改心した主催者が死者を全員蘇生させて皆幸せになりました?
なるわけがない。あれは参加者を惑わせるためのものだ。
最後の一人も、まず殺される。殺されなくても、願いが叶う保障はどこにもない。
死者は、まず蘇ることはない。死者は、限りなく最小に留めなければならない。
最善なのは、迅速に首輪を外して主催者をみつけだし、この殺し合いをとめる。
悲しみを増やさないためにも、二度とこんな事態が起きないよう、主催者だけは殺す。
その覚悟を、決めなければならない。
それだけでなく、願いが叶うと信じてしまった者と戦い、それらの者達も死なせてしまう覚悟を決めなければならない。
人間は脆い。行動を止めるだけのつもりが、なんの弾みで命を奪ってしまうかわからないのだから。
そして誰かを殺すということは……
(僕自身、誰かに殺されることを覚悟しなければならない……)
自分が殺した相手にも、家族や仲間は当然にいることだろう。
どんな大義名分を掲げたところで、それは言い訳にはならない。
相手からすれば自分こそが冷酷な殺人鬼であり討つべき仇。
殺されても、文句は言えないだろう。
どんな大義名分を掲げたところで、それは言い訳にはならない。
相手からすれば自分こそが冷酷な殺人鬼であり討つべき仇。
殺されても、文句は言えないだろう。
理想を言うのは簡単だ。だがそれを実現させることは遥かに困難。
首輪をすぐに外して主催者を倒す? 死者を出さない?
外せずないかもしれない、全力で挑んでも主催者に返り討ちにされるかもしれない、全員が死ぬかもしれない。
首輪をすぐに外して主催者を倒す? 死者を出さない?
外せずないかもしれない、全力で挑んでも主催者に返り討ちにされるかもしれない、全員が死ぬかもしれない。
(それでも……)
この極限状態、どうあれ戦いは避けられない。
優勝を目指すにしろ、主催者を倒すにしろ、必ず戦わなければならない。
戦わなければ、生き残れない。大人も子供も、男も女も関係なく。力があろうが、なかろうが。
優勝を目指すにしろ、主催者を倒すにしろ、必ず戦わなければならない。
戦わなければ、生き残れない。大人も子供も、男も女も関係なく。力があろうが、なかろうが。
正確には……唯一、究極とも言える抜け道があるにはある。
それは、【他人に戦いを任せて自分を守ってもらう】というもの。
なんて図々しい、他力本願なと思うかもしれないが、力ない者はそうすることしかできないのだ。
一切手を汚さず、生還さえできたなら後に罪に苦しむこともない最高のかたち。
誰もがこれを望むだろう。誰かに助けてもらいたいだろう。
だが……制限がかけられている点からも、青年は力ある者側。
そして、目の前で助けを求めている人間がいれば、救わずにはいられない性分だった。
それは、【他人に戦いを任せて自分を守ってもらう】というもの。
なんて図々しい、他力本願なと思うかもしれないが、力ない者はそうすることしかできないのだ。
一切手を汚さず、生還さえできたなら後に罪に苦しむこともない最高のかたち。
誰もがこれを望むだろう。誰かに助けてもらいたいだろう。
だが……制限がかけられている点からも、青年は力ある者側。
そして、目の前で助けを求めている人間がいれば、救わずにはいられない性分だった。
(……そうだ、やることは前と変わらない。
最終的にはこれを全国で一斉に実施する……確かにそういっていた。
ここでどんなことをしてでも食い止めないと、被害はどんどん広がる。いずれは村のみんなも……)
最終的にはこれを全国で一斉に実施する……確かにそういっていた。
ここでどんなことをしてでも食い止めないと、被害はどんどん広がる。いずれは村のみんなも……)
青年は目をつぶり、自分が暮らしていた村を案じる。
自分がいなくなり、妻は、子は、村は大丈夫だろうか? 帝国が再び進軍してきたら? このTCBR法案とやらに巻き込まれたら?
自分がいなくなり、妻は、子は、村は大丈夫だろうか? 帝国が再び進軍してきたら? このTCBR法案とやらに巻き込まれたら?
(……いや、まるで問題ないか)
考えて3秒の結論。
よく考えれば、自分の住んでいた村は防衛力は異様に高い。自分と同等かそれ以上の腕を持つ男性剣士に……
神に近い力を持つ少女を筆頭として高い魔力を有する少女達が複数人。天候を自在に操れる幼女もいる。
近くの村にいけば、神竜をネギで八つ裂きにする女将やら、生ゴミを食べて戦闘力を跳ね上げる少女もいるらしい。
最近では自分達鍛えられたアースマイトですら苦戦する、暗黒モンスターなるものが現れ結構物騒らしいが……
40000を超えるその暗黒軍勢にたった一人で立ち向かう魔法少女・マジックマイスターとかも現れたそうなので多分問題ない。
帝国は勿論、今回の謎の敵にだって遅れをとることはないだろう。
よく考えれば、自分の住んでいた村は防衛力は異様に高い。自分と同等かそれ以上の腕を持つ男性剣士に……
神に近い力を持つ少女を筆頭として高い魔力を有する少女達が複数人。天候を自在に操れる幼女もいる。
近くの村にいけば、神竜をネギで八つ裂きにする女将やら、生ゴミを食べて戦闘力を跳ね上げる少女もいるらしい。
最近では自分達鍛えられたアースマイトですら苦戦する、暗黒モンスターなるものが現れ結構物騒らしいが……
40000を超えるその暗黒軍勢にたった一人で立ち向かう魔法少女・マジックマイスターとかも現れたそうなので多分問題ない。
帝国は勿論、今回の謎の敵にだって遅れをとることはないだろう。
(なら、僕は今この場所で全力を尽くそう。僕がとるべき行動は最初から決まっていたんだから!)
青年は、デイバックからランダム支給品と思われる槍を取り出す。
本来の得物は農具か剣だが、青年は弓や銃以外の武器なら一通りは使いこなせる。
槍の質もよろしくはないが、そこは鍛え抜かれたこの肉体で補えば問題ない。
折れたら作ればいい。それでなくとも素材さえあれば誰かに武器を渡すこともできる。
お望みとあれば、女性のスリーサイズを瞬時に見極められるこの目の力でもって、その女性にぴったりの水着だって。
本来の得物は農具か剣だが、青年は弓や銃以外の武器なら一通りは使いこなせる。
槍の質もよろしくはないが、そこは鍛え抜かれたこの肉体で補えば問題ない。
折れたら作ればいい。それでなくとも素材さえあれば誰かに武器を渡すこともできる。
お望みとあれば、女性のスリーサイズを瞬時に見極められるこの目の力でもって、その女性にぴったりの水着だって。
……水着?
(……危ないところだった。くそっ、これもこの首輪の力か……! はやく外さないと!)
危うく晒しかけた本性をとりあえず主催者のせいにして。
大地の力とは無縁の硬いアスファルトを踏みしめ、一人の農夫が立ち上がった。
大地の力とは無縁の硬いアスファルトを踏みしめ、一人の農夫が立ち上がった。
【荒川区・公道/一日目・日中】
【ラグナ@ルーンファクトリー フロンティア】
【状態】:健康、RP100%
【装備】:鋼の槍
【道具】:基本支給品一式(ランダム品0~2)
【思考】基本:主催者の撃破
1:会場の地理に詳しい参加者を探す
2:首輪を外すのに使えそうな道具の早急な確保
3:回復用の食料と武器及び素材の確保
4:殺人は控えるが、場合によってはやむなし
※RPは武器や魔法の使用、料理や武具、薬物作成で消費
基本は料理を食べることでのみ回復するが、生野菜や花、その辺の雑草でも少し回復する
RP0の状態で行動すると体力が凄まじい勢いで減る
※空間転移魔法使用不可。その他魔法は杖か魔道書があれば使用可能
※自然の少ない会場のため身体能力若干の低下
支給品紹介
【鋼の槍】
7期で忍者コンビに虐殺された竜騎士団が所持していた槍。
名前の通り、ごく一般的な普通の槍。
【ラグナ@ルーンファクトリー フロンティア】
【状態】:健康、RP100%
【装備】:鋼の槍
【道具】:基本支給品一式(ランダム品0~2)
【思考】基本:主催者の撃破
1:会場の地理に詳しい参加者を探す
2:首輪を外すのに使えそうな道具の早急な確保
3:回復用の食料と武器及び素材の確保
4:殺人は控えるが、場合によってはやむなし
※RPは武器や魔法の使用、料理や武具、薬物作成で消費
基本は料理を食べることでのみ回復するが、生野菜や花、その辺の雑草でも少し回復する
RP0の状態で行動すると体力が凄まじい勢いで減る
※空間転移魔法使用不可。その他魔法は杖か魔道書があれば使用可能
※自然の少ない会場のため身体能力若干の低下
支給品紹介
【鋼の槍】
7期で忍者コンビに虐殺された竜騎士団が所持していた槍。
名前の通り、ごく一般的な普通の槍。
| 001:ドラゴン・クライシス | 投下順 | 003:氷の中の炎 |
| 001:ドラゴン・クライシス | 時系列順 | 003:氷の中の炎 |
| 初登場! | ラグナ | 025:タケシの本当は怖い家庭の長 |