白い髪をなびかせながら、一人の女性が人の気配のない道路を突きすすんでいた。
その女性、弱音ハクはある博打勝負、自分のスタンスを決めるために他の参加者を探していた。
このバトルロワイアルを拒絶する参加者に出会ったならば協力を。
このバトルロワイアルを受け入れた参加者に出会ったならば自分が優勝を目指す。
本人も自覚しているが、最初に出会う参加者のスタンス=大多数とは限らない。
それでも、弱音ハクは参加者を探して歩き続け……
「あっ……」
ついに、最初の参加者を見つけた。
その女性、弱音ハクはある博打勝負、自分のスタンスを決めるために他の参加者を探していた。
このバトルロワイアルを拒絶する参加者に出会ったならば協力を。
このバトルロワイアルを受け入れた参加者に出会ったならば自分が優勝を目指す。
本人も自覚しているが、最初に出会う参加者のスタンス=大多数とは限らない。
それでも、弱音ハクは参加者を探して歩き続け……
「あっ……」
ついに、最初の参加者を見つけた。
「ん?なんだい、アンタもバトルロワイアルに巻き込まれたのかい?」
見つけた参加者は、少し小太りな女性だった。
しかしどことなく素朴であり、厳しさの中にも優しさを感じられる……
昔ながらの肝っ玉母さんといった印象を受けた。
「可哀想にねぇ、アンタ、まだ若いのに……
おまけにアタシの若い頃にそっくりな美人だってんだからやりきれないよ」
武器ももたず、きさくに話しかけてくるその女性はに敵意はまるで感じられない。
このバトルロワイアルの参加者に選ばれたことを、可哀想にと同情するということは……
少なくともこのバトルロワイアルに対しては否定的だということだろう。
弱音ハクの求めていた、主催者に抵抗する者の可能性は高い。
しかしどことなく素朴であり、厳しさの中にも優しさを感じられる……
昔ながらの肝っ玉母さんといった印象を受けた。
「可哀想にねぇ、アンタ、まだ若いのに……
おまけにアタシの若い頃にそっくりな美人だってんだからやりきれないよ」
武器ももたず、きさくに話しかけてくるその女性はに敵意はまるで感じられない。
このバトルロワイアルの参加者に選ばれたことを、可哀想にと同情するということは……
少なくともこのバトルロワイアルに対しては否定的だということだろう。
弱音ハクの求めていた、主催者に抵抗する者の可能性は高い。
「あ、あの……あなたは、この殺し合いに……」
「残念だよ。最初に殺すのがアンタみたいな子になるなんてねぇ!」
「っ!?」
「残念だよ。最初に殺すのがアンタみたいな子になるなんてねぇ!」
「っ!?」
直後、弱音ハクの全身に凄まじい衝撃が襲いかかった。
咄嗟の反応で、剣で受け止めることには成功したはず。
それでいてこの衝撃。直接受けたらただでは済まない。
「ぐ……!」
数メートル程飛ばされ、それでもなんとか体勢は崩さずに前を見る。
するとそこにいたのは、やはり先程の女性。
違うのは、上半身の服が弾け飛び、筋肉の鎧がさらけ出されていることだ。
小太りに見えたのは、脂肪が原因ではない。全て鍛えぬかれた筋肉だったのだ。
咄嗟の反応で、剣で受け止めることには成功したはず。
それでいてこの衝撃。直接受けたらただでは済まない。
「ぐ……!」
数メートル程飛ばされ、それでもなんとか体勢は崩さずに前を見る。
するとそこにいたのは、やはり先程の女性。
違うのは、上半身の服が弾け飛び、筋肉の鎧がさらけ出されていることだ。
小太りに見えたのは、脂肪が原因ではない。全て鍛えぬかれた筋肉だったのだ。
「へぇ……アンタ、やるじゃないかい。アタシの一撃を防いだ娘は初めてだよ」
「ど、どうして……」
「アンタにゃ悪いと思うよ。けどね、全ては息子の、タケシのためなんだよっ!」
叫ぶ筋肉は、獲物に二撃目を食らわせんと地を蹴る。
一蹴りでアスファルトは砕け散り、その瞬発力がどれ程のものかがわかる。
(これは……いけない……!)
その光景は、弱音ハクにとっては絶望的な光景だった。
彼女も、剣術や体術の心得は十二分にある。
だがそれは主に、技と速さでもって相手の行動を抑制し、切り返し、反撃するもの。
あるいは、急所を一撃で刺し貫くか、手数勝負で攻撃と離脱を繰り返すかだ。
攻撃を受け止めるだけで精一杯、圧倒的な力でごり押し、一発で全てを粉砕してくる相手とは相性が悪い。
「いい反応だねぇ!」
ただ単に力が強いだけでは、回避するのは楽だ。
だがこの女傑は、速さも普通ではなかった。
「ど、どうして……」
「アンタにゃ悪いと思うよ。けどね、全ては息子の、タケシのためなんだよっ!」
叫ぶ筋肉は、獲物に二撃目を食らわせんと地を蹴る。
一蹴りでアスファルトは砕け散り、その瞬発力がどれ程のものかがわかる。
(これは……いけない……!)
その光景は、弱音ハクにとっては絶望的な光景だった。
彼女も、剣術や体術の心得は十二分にある。
だがそれは主に、技と速さでもって相手の行動を抑制し、切り返し、反撃するもの。
あるいは、急所を一撃で刺し貫くか、手数勝負で攻撃と離脱を繰り返すかだ。
攻撃を受け止めるだけで精一杯、圧倒的な力でごり押し、一発で全てを粉砕してくる相手とは相性が悪い。
「いい反応だねぇ!」
ただ単に力が強いだけでは、回避するのは楽だ。
だがこの女傑は、速さも普通ではなかった。
「そらぁ!」
「うっ……く!」
「うっ……く!」
無数に繰り出される拳を、なんとか剣で受け止めていくが、その衝撃までは防ぎきれない。
そして、細腕に剛腕の衝撃がいつまでも耐えきれるわけもない。
(やっぱり……私は何をしても駄目な女だな……
主催者どころか、参加者の一人に手も足も出ないんじゃ……)
弱音ハクは自身の未熟さを呪った。
この女傑は、おそらく優勝狙いだろう。
ならば、倒さなくては。自分の願いを叶えるためには、自分が優勝しなくては。
だがこの状況下、攻撃を防ぐことで精一杯では、一度退却することもできない。
せめて相手に隙が、この勝負に横槍が入れば……
「貰うよっ!」
(こんなところで……)
そして、細腕に剛腕の衝撃がいつまでも耐えきれるわけもない。
(やっぱり……私は何をしても駄目な女だな……
主催者どころか、参加者の一人に手も足も出ないんじゃ……)
弱音ハクは自身の未熟さを呪った。
この女傑は、おそらく優勝狙いだろう。
ならば、倒さなくては。自分の願いを叶えるためには、自分が優勝しなくては。
だがこの状況下、攻撃を防ぐことで精一杯では、一度退却することもできない。
せめて相手に隙が、この勝負に横槍が入れば……
「貰うよっ!」
(こんなところで……)
「させるかっ!」
「「!?」」
「「!?」」
女傑が拳を振るったその瞬間、弱音ハクの願った通り、まさに【横槍】が割って入ってきた。
突然の槍撃に女傑も僅かにたじろぐが、すぐさま跳んで回避行動をとる。
突然の槍撃に女傑も僅かにたじろぐが、すぐさま跳んで回避行動をとる。
しかし槍の主たる青年は、切っ先を地面に向けて突き刺し、
棒高跳びの要領でもって、宙の女傑に蹴撃を食らわせた。
「ぬうぅ!?」
流石の女傑も、空中で、しかも筋肉の薄い顔面を狙われては吹き飛ばざるをえない。
筋肉の塊が、窓ガラスを破り、近くの民家に突っ込んだ。
「っ……と、大丈夫ですか!?」
「は、はい、なんとか……あの、どうして私を……」
「おぉぅ……なんて胸囲の戦闘力…Excellent……いやFinalカップか……
いや、そうじゃなくて!あの相手は危険過ぎます!早く逃げ……」
棒高跳びの要領でもって、宙の女傑に蹴撃を食らわせた。
「ぬうぅ!?」
流石の女傑も、空中で、しかも筋肉の薄い顔面を狙われては吹き飛ばざるをえない。
筋肉の塊が、窓ガラスを破り、近くの民家に突っ込んだ。
「っ……と、大丈夫ですか!?」
「は、はい、なんとか……あの、どうして私を……」
「おぉぅ……なんて胸囲の戦闘力…Excellent……いやFinalカップか……
いや、そうじゃなくて!あの相手は危険過ぎます!早く逃げ……」
「アンタも、若いのになかなかやるねぇ!」
「っ!?」
「っ!?」
「危ない……!」
「ぐむっ!」
「ぐむっ!」
青年の背後をとった女傑に対し、今度は弱音ハクの飛び膝蹴りが命中する。
再びの顔面を狙った一撃に僅かによろめき、拳は青年を仕留めることなく空を切った。
「た、助かりました……」
「いえ、こちらこそ……」
互いに礼を言いつつ、視線はこれ以上目の前の怪物から外さない。
不意の一撃を抜きにして、油断を抜きにして、本気で戦ったとして勝てるか怪しい相手だ。
距離をとりつつ、2人は剣と槍を構え、様子をうかがう。
再びの顔面を狙った一撃に僅かによろめき、拳は青年を仕留めることなく空を切った。
「た、助かりました……」
「いえ、こちらこそ……」
互いに礼を言いつつ、視線はこれ以上目の前の怪物から外さない。
不意の一撃を抜きにして、油断を抜きにして、本気で戦ったとして勝てるか怪しい相手だ。
距離をとりつつ、2人は剣と槍を構え、様子をうかがう。
「アイタタ……本当にアンタ達いい動きだよ。うちのタケシもこれくらいになってもらいたいねぇ。
こんな時じゃなかったら、アンタ達にも息子を鍛えて貰いたかったよ……」
「く、何故あなたはこんなバトルロワイアルに乗っているんですか!
戦いを止めてくれるなら、僕も槍をひきますから、考え直してください!」
「……悪いけど、アタシは退けないんだよ。
国会議事堂で殺されたのは、タケシの大切な友達なんだ……
あの子は馬鹿だけどね、何よりも友情を大切にするいい子なのさ。
そんな息子が、友達の一人を亡くしたと知ったら、どれだけ悲しむか……
だからアタシはね!あの子の母として!友達を蘇らせてあげると誓ったのさ!」
咆哮と共に、母なる野獣はさらに全身に力を漲らせる。
(くそっ、とても説得が通じる相手じゃない……!
ここは僕がなんとか足止めしますから、あなたは早く逃げてください……!)
(だ、大丈夫、逃げ足には自信がありますから、あなたも逃げて……!)
(わ、わかりました!)
軽く言葉を交わし、母が飛び掛かるよりも先に、2人は地を蹴り、駆け出した。
こんな時じゃなかったら、アンタ達にも息子を鍛えて貰いたかったよ……」
「く、何故あなたはこんなバトルロワイアルに乗っているんですか!
戦いを止めてくれるなら、僕も槍をひきますから、考え直してください!」
「……悪いけど、アタシは退けないんだよ。
国会議事堂で殺されたのは、タケシの大切な友達なんだ……
あの子は馬鹿だけどね、何よりも友情を大切にするいい子なのさ。
そんな息子が、友達の一人を亡くしたと知ったら、どれだけ悲しむか……
だからアタシはね!あの子の母として!友達を蘇らせてあげると誓ったのさ!」
咆哮と共に、母なる野獣はさらに全身に力を漲らせる。
(くそっ、とても説得が通じる相手じゃない……!
ここは僕がなんとか足止めしますから、あなたは早く逃げてください……!)
(だ、大丈夫、逃げ足には自信がありますから、あなたも逃げて……!)
(わ、わかりました!)
軽く言葉を交わし、母が飛び掛かるよりも先に、2人は地を蹴り、駆け出した。
【荒川区/一日目・日中】
【弱音ハク@VOCALOID】
【状態】健康、両腕に痺れ
【装備】メタルキングの剣
【道具】基本支給品一式
【思考】
基本:最終的には主催者を自分の手で殺す
1:まずはジャイアンの母から逃げる
2:自分の死より他人の死の方が気になる
【弱音ハク@VOCALOID】
【状態】健康、両腕に痺れ
【装備】メタルキングの剣
【道具】基本支給品一式
【思考】
基本:最終的には主催者を自分の手で殺す
1:まずはジャイアンの母から逃げる
2:自分の死より他人の死の方が気になる
【ラグナ@ルーンファクトリー フロンティア】
【状態】:健康、RP95%
【装備】:鋼の槍
【道具】:基本支給品一式(ランダム品0~2)
【思考】基本:主催者の撃破
1:まずはジャイアンの母から逃げる
2:首輪を外すのに使えそうな道具の早急な確保
3:回復用の食料と武器及び素材の確保
4:殺人は控えるが、場合によってはやむなし
【状態】:健康、RP95%
【装備】:鋼の槍
【道具】:基本支給品一式(ランダム品0~2)
【思考】基本:主催者の撃破
1:まずはジャイアンの母から逃げる
2:首輪を外すのに使えそうな道具の早急な確保
3:回復用の食料と武器及び素材の確保
4:殺人は控えるが、場合によってはやむなし
「速いもんだねぇ……」
2人の参加者が、自分の視界から消えていくその様子を、母は黙って眺めていた。
この母なる野獣は、逃げた者の予想と異なり、追撃をしかけるつもりはなかったのだ。
無論、追撃が完全に不可能かといえばそうとは言い切れない。
だが母としても、ここで体力を消耗しきるのは得策ではないと判断していたのだ。
この母なる野獣は、逃げた者の予想と異なり、追撃をしかけるつもりはなかったのだ。
無論、追撃が完全に不可能かといえばそうとは言い切れない。
だが母としても、ここで体力を消耗しきるのは得策ではないと判断していたのだ。
(あの子達、若いけどなかなかに手強い……
本気で2人同時にこられたら、アタシも無傷じゃ済まないからね……
やはり戦いはタイマンが一番さ。ひとりひとり潰して、最後に優勝すればいい……
さあ、もう何日かの辛抱だよ。アタシが優勝して、タケシの大切な友達を蘇らせてあげるからねぇ……!)
本気で2人同時にこられたら、アタシも無傷じゃ済まないからね……
やはり戦いはタイマンが一番さ。ひとりひとり潰して、最後に優勝すればいい……
さあ、もう何日かの辛抱だよ。アタシが優勝して、タケシの大切な友達を蘇らせてあげるからねぇ……!)
ずしりずしりと地を踏みしめながら、息子を思う母はただひとり、ビル街に消えていった。
【荒川区/一日目・日中】
【ジャイアンの母@ドラえもん】
【状態】:健康、上半身裸、顔面打撲×2
【装備】:己の肉体
【道具】:基本支給品一式(ランダム品1~3。本人未確認)
【思考】基本:優勝して、野比のび太を蘇らせる
1:今は体力を温存しつつ、ひとりずつ確実に仕留めていく
2:野比玉子がいれば合流したい
【ジャイアンの母@ドラえもん】
【状態】:健康、上半身裸、顔面打撲×2
【装備】:己の肉体
【道具】:基本支給品一式(ランダム品1~3。本人未確認)
【思考】基本:優勝して、野比のび太を蘇らせる
1:今は体力を温存しつつ、ひとりずつ確実に仕留めていく
2:野比玉子がいれば合流したい
| 024:サマーウォーズ・ゲーム | 投下順 | 026:二人はいい男 |
| 024:サマーウォーズ・ゲーム | 時系列順 | 026:二人はいい男 |
| 014:光の裏の支援者 | 弱音ハク | 041:Going My Way |
| 002:戦略農業 | ラグナ | 041:Going My Way |
| 初登場! | ジャイアンの母 | 038:鬼神心母 ~Ogress Heart Mothers~ |