セーヴル条約から一部抜粋
前文
少数民族に関する主たる同盟及び連合国とギリシャ共和国との条約
トルコ共和国セーヴルにて調印
1920年8月10日
トルコ共和国セーヴルにて調印
1920年8月10日
大英帝国、フランス、イタリア、日本。
これらの国は、本条約では主たる連合国と表現される。
アルメニア、ベルギー、ギリシャ、ヒジャーズ、ポーランド、ポルトガル、ルーマニア、セルビア、クロアチア、スロベニア、チェコ・スロバキア。
これらの国は、上述の主要国とともに一方では連合国を構成し他方ではトルコを構成している。
オスマン帝国政府の要請により、連合国主要国は1918年10月30日、平和条約の締結を目的としてトルコに休戦を認めた。
(中略)
連合国はその全権を委任し正当な形式で、次のとおり合意した。
この条約の発効により、戦争状態は終了する。
その時点から、本条約の規定に従い、連合国とトルコとの間には公的な関係が存在する。
(中略)
第4項
クルディスタン
第62条
クルディスタン
第62条
コンスタンチノープルに置かれ、イギリス、フランス及びイタリアの各政府により任命された三人の委員で構成される委員会は、この条約の発効後六箇月以内に、ユーフラテス川の東側、今後決定されるアルメニアの南側境界線及びトルコとシリア及びメソポタミアとの境界線の北側に位置する、第二十七条第二(2)号及び第三(3)号に定義されるクルド人が大部分を占める地域の地方自治制度を起草しなければならない。
どの問題についても全会一致が得られない場合は、委員会のメンバーがそれぞれの政府に照会する。この計画には、これらの地域内のアッシロ・カルデア人及びその他の人種的又は宗教的少数者を保護するための完全な保護措置が含まれていなければならない。
この目的のために、イギリス、フランス、イタリア、ペルシャ及びクルド人の代表者からなる委員会が現地を訪れ、本条約の規定によりトルコの国境がペルシャの国境と重なっている場合に、トルコの国境に修正を加えるべきものがあれば、それを検討し決定するものとする。
どの問題についても全会一致が得られない場合は、委員会のメンバーがそれぞれの政府に照会する。この計画には、これらの地域内のアッシロ・カルデア人及びその他の人種的又は宗教的少数者を保護するための完全な保護措置が含まれていなければならない。
この目的のために、イギリス、フランス、イタリア、ペルシャ及びクルド人の代表者からなる委員会が現地を訪れ、本条約の規定によりトルコの国境がペルシャの国境と重なっている場合に、トルコの国境に修正を加えるべきものがあれば、それを検討し決定するものとする。
第63条
トルコ政府は、第62条に掲げる両委員会の決定が同政府に伝達されてから3箇月以内にこれを受諾し、執行することに同意する。
第64条
この条約の発効後1年以内に、第62条に定義された地域内のクルド人が、これらの地域の人口の過半数がトルコからの独立を望んでいることを示すような方法で国際連盟理事会に訴え、かつ、理事会がこれらの人々にそのような独立の能力があるとみなし、それらの人々に独立を与えるべきであると勧告した場合には、トルコは、そのような勧告を実行し、これらの地域に対するすべての権利及び権原を放棄することにここに同意する。
このような放棄の詳細な規定は、主要連合国とトルコとの間の別個の合意の対象となる。
このような放棄が行われた場合、これまでモスル県に含まれていたクルディスタンの一部に居住するクルド人がこのような独立したクルド人国家に自発的に帰属することに対して、主要連合国はいかなる異議も唱えないものとする。
このような放棄の詳細な規定は、主要連合国とトルコとの間の別個の合意の対象となる。
このような放棄が行われた場合、これまでモスル県に含まれていたクルディスタンの一部に居住するクルド人がこのような独立したクルド人国家に自発的に帰属することに対して、主要連合国はいかなる異議も唱えないものとする。
(略)
第4項
アルメニア
第88条
トルコは、連合国が既にとった措置に従って、ここにアルメニアを自由かつ独立した国家として承認する。
第4項
アルメニア
第88条
トルコは、連合国が既にとった措置に従って、ここにアルメニアを自由かつ独立した国家として承認する。
第89条
トルコ及びアルメニア並びに他の締約国は、エルズルム、トラブゾン、ヴァン及びビトリスの各自治領においてトルコとアルメニアとの間に設定すべき境界線の問題をアメリカ合衆国大統領の仲裁に付託し且つ、その決定を受諾すること。
並びにアルメニアの海への接続及び前記境界線に隣接するトルコの領域の非武装化に関して合衆国大統領が規定するあらゆる規定を受諾することに同意する。
トルコ及びアルメニア並びに他の締約国は、エルズルム、トラブゾン、ヴァン及びビトリスの各自治領においてトルコとアルメニアとの間に設定すべき境界線の問題をアメリカ合衆国大統領の仲裁に付託し且つ、その決定を受諾すること。
並びにアルメニアの海への接続及び前記境界線に隣接するトルコの領域の非武装化に関して合衆国大統領が規定するあらゆる規定を受諾することに同意する。
第90条
第89条に基づく境界線の決定が、当該自治領の領土の全部又は一部のアルメニアへの移転を伴うものである場合には、トルコは、当該決定の日から、移転された領土に対するすべての権利及び権原を放棄する。
トルコから切り離された領域に適用されるこの条約の規定は、その後当該領域に適用されるものとする。
第89条に基づく境界線の決定が、当該自治領の領土の全部又は一部のアルメニアへの移転を伴うものである場合には、トルコは、当該決定の日から、移転された領土に対するすべての権利及び権原を放棄する。
トルコから切り離された領域に適用されるこの条約の規定は、その後当該領域に適用されるものとする。
当該領土の譲渡に伴い、アルメニアが負わなければならないトルコの財政上の義務又はアルメニアに移転する権利の割合及び性質は、本条約の第8部(財政条項)第241条から第244条に従って決定される。
第91条
第89条に言及された領域の一部がアルメニアに移された場合には、同条に言及された決定の交付から3ヶ月以内に、その構成が後に決定される境界委員会が構成され、当該決定によって確立されたアルメニアとトルコの間の境界をその場で確認する。
第89条に言及された領域の一部がアルメニアに移された場合には、同条に言及された決定の交付から3ヶ月以内に、その構成が後に決定される境界委員会が構成され、当該決定によって確立されたアルメニアとトルコの間の境界をその場で確認する。
第92条
アルメニアとアゼルバイジャン及びグルジアとの間の境界線は、それぞれ関係国間の直接の合意によって決定される。
アルメニアとアゼルバイジャン及びグルジアとの間の境界線は、それぞれ関係国間の直接の合意によって決定される。
いずれの場合にも、関係国が第89条にいう決定の期日に合意によって境界線を決定することができなかった場合には、争点となっている境界線は連合国によって決定されるが連合国は即座にそれを確認すること。
第93条
アルメニアは、主要連合国との間の条約において、人種、言語又は宗教において人口の多数を異にする当該国の住民の利益を保護するために、これらの国が必要と認める規定を設けることを受諾し且つ同意する。
アルメニアは、主要連合国との間の条約において、人種、言語又は宗教において人口の多数を異にする当該国の住民の利益を保護するために、これらの国が必要と認める規定を設けることを受諾し且つ同意する。
アルメニアはさらに、主要連合国との間の条約において、他国の通商のための通過の自由及び衡平な待遇を保護するために、これらの国が必要とみなす規定を具体化することを受諾し同意する。
(略)
4部マイノリティの保護
第140条
トルコは、第141条、第145条及び第I47条に掲げる規定が基本法として認められることを約束し、また、いかなる民法又は軍法若しくは規則、いかなる帝国の布告又は公的行為も、これらの規定に抵触し干渉してはならず、いかなる法律、規則、帝国の布告又は公的行為も、これらに優先してはならない。
第141条
トルコは、出生、国籍、言語、人種又は宗教の区別なく、トルコのすべての住民に対し、生命及び自由の完全かつ完全な保護を保証することを約束する。トルコのすべての住民は、公私の別を問わず、いかなる信条、宗教または信念をも自由に行使する権利を有する。
前項の権利の自由な行使を妨げた場合の罰則は、関係する信条の如何を問わず、同一とする。
(略)
第335条
第335条
次の東方の港は、国際的に懸念される港として宣言され、本節の次の条文に定義される体制の下に置かれる。
コンスタンティノープル、サン・ステファノからドルマ・バグチまで。
ハイダル・パシャ
スミルナ
アレクサンドレッタ
ハイファ
バスラ
トレビゾンド(第352条に定められた条件で)
バトゥミ(後に定められる条件に従う)
ハイダル・パシャ
スミルナ
アレクサンドレッタ
ハイファ
バスラ
トレビゾンド(第352条に定められた条件で)
バトゥミ(後に定められる条件に従う)
これらの港には、自由地帯が設けられるものとする。
この条約に反する規定があることを条件として、上記の港について定められた体制は、領土主権を害するものであってはならない。
(略)
特定の国に特定の港の使用権を与える条項。
第349条
トルコの地中海及びエーゲ海への自由な接続を確保するために、トルコから分割された領土及び港での通過の自由がトルコに与えられる。
通過の自由とは、第328条に定義される自由であり、この問題に関する一般条約が締結されるまでの間、新しい条約の規定がこれに代わるものとする。
関係国又は関係行政機関の間の特別条約は、金融委員会の同意を得て、トルコに関して、上記の権利を行使するための条件を定め、特に、港及びその中に存在する自由地帯の使用方法、国際(共同)サービス及び関税(通し券及び運送状を含む)の設定、1890年10月14日のベルヌ条約及びその補足規定の適用について、新しい条約に置き換えられるまで、解決するものとする。
通過の自由は、郵便、電信及び電話業務にも及ぶ。
第350条
トルコは、スミルナ港において、国際連盟の決定を条件として、第341条から第344条に定める自由地帯の一般的体制の下に置かれ、かつ、トルコ国に出入する貨物の直接通過のために 使用される地域を永年にわたって借用するものとする。
前項に掲げる区域の画定、既存の鉄道との接続、その設備及び利用、並びに使用料の額を含むその利用に関する一般的なすべての条件は、トルコの代表1名、ギリシャの代表1名及び国際連盟によって任命された代表1名からなる委員会によって決定されるものとする。
これらの条件は、10年ごとに同じ方法で変更することができるものとする。
これらの条件は、10年ごとに同じ方法で変更することができるものとする。
第 351 条。
バトゥミ港による黒海への自由な接続は、グルジア、アゼルバイジャン、ペルシャ、及びアルメニアに与えられる。この接続権は、第349条に定める条件の下で行使される。
第352条
第352条:第89条第3部(政治的条項)に定める決定に従い、トレビゾンド港による黒海への自由な接続は、アルメニアに認められる。この接続権は、第349条に定められた条件の下で行使される。
この場合、アルメニアは、国際連盟の決定に従うことを条件として、同港内の、第341条から第344条までに規定されている自由地帯の一般体制の下に置かれ、かつ、当該国から来る又は当該国に向かう貨物の直接通過のために使用される区域の永久的な借地権を与えられる。
2.前項に掲げる区域の画定、既存の鉄道との接続、その設備及び利用、並びに使用料の額を含 むその利用に関する一般的なすべての条件は、アルメニアの代表1名、トルコの代表1名及び国際連盟によって任命された代表1名からなる委員会によって決定されるものとする。
これらの条件は、10年ごとに同様の方法で修正することができるものとする。
これらの条件は、10年ごとに同様の方法で修正することができるものとする。