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38スレ第29戦(1)

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匿名ユーザー

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「わざわざありがとうございます、慧音先生」
「いやいや、こういったことに関する経験や知識は私としても有益ですから。
 寺子屋で子供たちと話したりしますよ。
 にしても、あのブン屋が見当たらないが何をしているのか……」

話しかけてきた農家のひとりに、慧音は笑顔で答えた。
今回のジャッジは農作業。文としても慧音としても、それほど馴染みはない。
それでも農家の方にやり方を教わりながら、慧音は草刈りを根気よく続ける。
幸い、美人教師の手伝いということもあってか、その様子を見たり話しかけたりする農家は多かった。
それを敢えて意識した上で、草刈りに励んでいる。

「ふぅ……」

とは言え、暑いものは暑い。
慧音が姿勢を正して汗を拭うと、ふとさっきから風が吹き続けているのに気付いた。

「……妙に今日は心地良い風が吹いているな」
「天狗様が風を吹かせて下さってるんですよ。とてもとても涼しくて」
「ふむ……」

その言葉に唸る慧音。
確かにこの炎天下では風は効果的……しかも農作物の管理まで可能とする。
ただあくせく働くよりは、よほど効果的かもしれない。
それでも、慧音はあきらめずに働き続ける。

(効率という面ではそちらの方が上だろうさ。だが、心情的な問題がある。
 物珍しく思っている農家の方は、私がこうして働く仕草を注視している。
 実際にその場に姿を現さないお前と、その場で汗水を流す私。
 農家の前で努力して動けば、きっとそれは報われるはずだ!)


そうして、翌日。
相変わらずの炎天下の中、慧音と文は農家の代表者の畑へ赴いた。
日焼けや筋肉痛・汗疹で慧音は辛い状態だが、仮にも美人教師、それは表に出さない。
しかし。

「……ということで、審議の結果、農作物と我々両方に快適な環境を作って下さった天狗様の勝ちということに決まりました」
「努力が足りなかったか……」

無残な結果に肩を落とす慧音。慌てて代表者はフォローに入る。

「そんなことはありませんよ、慧音先生。
 あなたが汗を流しながら必死に畑仕事を行う姿は、我々も釘付けにさせられました」
「……ありがとうございます」
「いえいえ。それより天狗様、例のものを……」
「あ、はい。いいですよ。ついでに私の新聞を今後ご贔屓に~」
「おい、まて。なんだその写真は」
「そりゃあ勿論、風で服がめくれまくった貴方の写真ですよ。
 これに限らず農作業中やたら見られていたのに気付かなかったんですか?」

その言葉にはっとなる慧音。そして早足で離れていく農家の方々。
慌てて写真の一部を奪い取ると、そこには服が汗で透けまくったりスカートが風で捲れている美人教師の姿が……

「こ、この、どこが純粋に手伝ってるんだ!」
「いやいや、純粋かどうかは農家の方々が決めることです。
 そして私が純粋だと農家のみなさんは定めた。それだけのこと」

けいねはつかみかかった! ミス。

「く……清く美しく正しいという枕詞はどこへ行った!?」
「高い湿度で淀んだ空気を清くし、この私はとても美しく、農家の方々から正しいと認められる。
 ほら、清く美しく正しいでしょう?」
「こんなことが正しくてたまるかー!」

けいねはつかみかかった! ミス。
しゃめいまるは逃げ出した!

結果:いろんな意味で農家の欲求を満たした文の勝ち
































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