東方ファイトスレ @まとめウィキ

37スレ第3戦

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匿名ユーザー

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アリス宅で炊飯中の魔理沙と、霧雨魔法店で魔理沙の服に着替え中のアリス。
お互いまさか相手が我が家に居ると思っていない二人に、スキマ経由で映姫の声が届いた。
映姫「あなたがたのやっているそれは罰に値する罪です。
しかし本日のファイト指定により、『より早く自宅に戻った方』はその罪を赦しましょう」

魔理沙「ふむ、誰だか知らんが悪事を働く輩は絶えないんだな」
折り良くご飯の炊き上がった魔理沙は、映姫の声をスルーして自分のための配膳を続ける。
彼女にしてみれば今の状況は『食材を借りている』に過ぎず、罪の認識がゼロだからだ。
東方ファイトの指定という触れ込みも、腹が減っては戦ができぬの喩え通り、
ひとまず腹ごなしをしてから帰る、むしろ元々帰るつもりはあるので、それでよかろうと考えた。
神綺「(バーン)アリスちゃーん!……ってあら、白黒?」
しかしそこに神綺がやって来る。
呼び鈴でも鳴らせば違ったのだろうが、娘を溺愛する非常識な母は、居間の窓を押し開けて飛び込んで来た。
不意を突かれて硬直する魔理沙とテーブルに並べられた食事を見て、神綺は首を傾げる。
魔理沙「これはだな……あー……そう、アリスが出かけている間に夕飯を用意していたんだ」
アリスの不在と魔理沙が居る事に、神綺の視線が次第に訝しむ物に変わると、魔理沙は慌てて取り繕う。
神綺「なんだ、そういう事だったのね。それじゃ折角だから私も一緒にご飯にしようかしら」
その言葉を信じて一気に好感度ゲージの振り切れた神綺は、魔理沙の向かいに腰を下ろす。
そして今にも食べ始めようとした魔理沙に、アリスが戻って来るのを待つよう無言の圧力をかけ始める。
魔理沙「(こ、これはまずいな……食事も逃走も出来ないぜ)」
戸棚から勝手に皿を取り出して並べる魔理沙だったが、流石に落ち着いていられる状況ではない。
ちらちらと時計に目をやると、意を決して立ち上がった。
魔理沙「アリスの奴が遅いんで、ちょっと迎えに行ってくるぜ」
食事を諦め、とりあえずファイトの要件だけでも満たそうと放った一言だったが、
神綺「あらダメよ、良人の帰りを待つのが妻の務め、それが愛の形なのよ」
慈愛と威圧のこもった神綺の言葉と視線が動きを鈍らせる。さらに――
早苗「(バーン)愛の形と聞いて!なるほど魔理沙さん、ついに籍を入れる決心がつきましたか!」
魔理沙「……(なんでこの青巫女は魔界神と同じ行動パターンなのぜ……?)」
色恋沙汰の気配を感じ取った恋愛ハンター早苗がこれも窓から乱入し、動くに動けなくなる。
何故か四人分の皿を並べ、料理の追加を作りながら、魔理沙は深々と溜息を吐いた。



アリス「ファイトの呼び出し?にしては誰も来ないし……もう少しいいわよね」
魔理沙服に着替えて帽子をかぶったアリスは、これも映姫の声をスルーした。
愛故に道を踏み外しっぱなしの彼女にとって、これは犯罪ではない。純然たる愛の形なのだ。
着替えを終えて鏡の前でポーズをつけ、可愛らしくくるっと回るアリス。
勢い余って一回転半し、鏡に背を向けた時、目の前には魔理沙の父親が立っていた。
魔理沙父「客に魔法薬を頼まれて娘の所に注文に来たが……これは何だ?」
魔法店に誰も居なかったため奥まで来ていた魔理沙父が、
娘の不在と娘の服を着たアリスの存在とに首を傾げる。
アリス「(なんでこのタイミングで魔理沙のお父さんが!?あ、でもこれってチャンス……なわけないわよね。
なんか視線が少しずつ険悪になってる気がするし……こういう時は)魔理沙のお父さん、この服を買いますわ」
勝手に魔理沙の服を着ている事は言い訳のしようも無く、軽く思考が混乱する。
しかし即座に頭の中を整理すると、魔理沙父の商魂に呼びかけ、商談モードに持ち込もうとする。
魔理沙父「むっ……よし、わかった。売ろう」
一瞬面食らった魔理沙父ではあったが、衣装棚以外に手がついていないのを見て、盗人ではないと判断した。
流石は過去ファイトで娘をアリスに売り渡し、幻想郷の平和を買おうとした男である。
盗人かも知れない相手に、自分の娘の服を売る契約を取り付けてしまった。
しかしアリスも手持ちは無い。物納するにも着て来た服を男に渡すのは流石に躊躇われた。
アリス「(帰宅がファイトの指定だものね……うん)では、申し訳ありませんが支払いは私の家で」
他にも試したい服がいくつかあったのだが、アリスは諦めて魔理沙父と共に帰宅したのだった。

アリス「ただいま……あら、人の気配がするけど」
上海人形「シャンハイ!シャンハイ!」
蓬莱人形「ホラーイ……」
アリス「え?お客って一体誰が……なんで魔理沙にママに……山の巫女まで居るの!?」
魔理沙「なっ!?なんでアリスが私の服を着ているんだ!?」
魔理沙父「あぁ、その服はアリス嬢にお売りしたんだ」
神綺「あらあら、アリスちゃんが魔女っぽい格好してくれるなんてママ感激!」
早苗「しかも魔理沙さんとペアルック!やはり愛の力ですね!
聞いてくださいアリスさん、魔理沙さんはあなたのために夕飯を作って待っていたんですよ!」
魔理沙「ちょっ、余計な事を言うな!」
アリス「まあ本当!?ありがとう魔理沙っ!(がばっ)」
魔理沙父「……あー、こほん」
神綺「やーん、アリスちゃんったらだ・い・た・ん(はぁと)」
早苗「これは……まさに『ご飯にしますか、お風呂にしますか、それともわ・た・し?』、素晴らしいです魔理沙さん!」
魔理沙「いいから助けろーっ!」

魔理沙「……ほら、全員分用意したぜ……」
魔理沙父「魔理沙の手料理を食べる事になるとはな……うむ、この味噌汁の味、合格だ」
神綺「つまりこれが魔理沙ちゃんのお母さんの味なのね」
早苗「そしてこれから毎日これをアリスさんのために!」
アリス「そ、そう。お手柔らかにね(あぁ魔理沙、私幸せ過ぎて死にそう……)」
魔理沙父「ん……しかしまあ、結婚するなら寿命の点もあるし、やはり同じ種族が望ましいな」
魔理沙「そ、そうだよな……うんうん」
アリス「そう……ね。私もそう思うわ……ね、ママ?」
神綺「ええ、もちろんよアリスちゃん!」
早苗「魔界神の力で種族の垣根も乗り越えられますね!」
魔理沙「わ、私はまだ人間をやめる気はないぜ……」
早苗「大丈夫ですよ、すぐに『私は人間をやめるぞ霊夢ゥーッ!』って気分になりますから!」
魔理沙「なるかーっ!」

その後、魔理沙父子・アリス母子に何故か早苗と上海・蓬莱人形の7人?が食卓を囲み、
アリス宅はぎりぎりで団欒のムードと笑いに包まれたのだった。
































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