10スレ第37戦 - 東方ファイトスレ @まとめウィキ

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今回のジャッジ会場となる撮影場はたくさんの人妖でごった返していた。ほとんどは貧乳側だが。

「大きい胸はいいものだとすると巨乳同盟と、貧乳は希少価値、ステータスを唱える貧乳同盟。
　どちらが勝利するのでしょうか！？」
「……こんなにいたら希少価値じゃないと思うんだけどね？」

文の解説にまっとうな突っ込みを入れる小町。言うまでもなく巨乳側だ。
ちなみにざっと見る限り巨乳：貧乳の比率は5：1くらいである。もっと差が開いているかもしれない。
さすがにこれだと写真集の分量的にハンデが付くのは火を見るより明らかなので、
両陣営とも四名ずつ代表を選出し、写真集を作ることに決まった。
そうしてある程度写真集が流通した数日後。

「それでは結果を発表します！　モデルの皆さんは前へどうぞ！」

文の言葉と共にそれぞれ四名ずつ歩み出る。
貧乳サイドはリグル・フラン・天子・お空と、それぞれ違った層を狙い撃ちする人選。
逆に巨乳サイドは紫・幽々子・永琳・衣玖と、ほとんどが年u……
もとい、落ち着いた大人の魅力を活かす一点特化型で勝負を掛ける人選となった。
写真集を買うのは男性が中心のはず、ならば徹底的に色気を出して攻めるべしという作戦である。

「まず、巨乳同盟の売上は……幻想郷の住民の三割七分。貧乳同盟は……」

この時点で巨乳同盟は勝利を確信していた。
この割合ならば、ほとんどの男性の支持を得ていると断言できるからだ。そう、できる、のだが……

「五割九分！　よって貧乳同盟の勝利です！」
「な！？」

愕然とする巨乳同盟と、歓声を上げる貧乳同盟。そんな中、素早く冷静に答えを導き出したのは衣玖が最初だった。

「つまり……貧乳同盟の写真集は女性にも売れたと？」
「はい、そういうことですね」
「馬鹿な。橙が載っているならともかく」
（……紫の教育はこれで大丈夫なのかしら？）

藍を無視して貧乳同盟の写真集を手に取った幽々子は、息を呑んだ。そして、納得した。

「……ああ、だからあの蛍はやたら暗い表情になってるのね」

写真集にあったのは、男装しているリグルの姿……
そう、貧乳同盟はリグルを男の子として載せることで女性へのアピールを行ったのである。
ザコ妖精が大量にいる幻想郷では、女性のシェアもかなりの多数。
いくら男性に対して売れようと、男性と女性両方を確保した貧乳同盟に勝てるはずもなかったのだ。
――と、それだけで終わっていればよかったのだが。

「とうとう証明されたわ！　貧乳こそ魅力！　わ・か・さと美貌の象徴ということが！」

調子こいた天子が凄く嬉しそうな、かつ嫌みな笑顔で高笑いを始めた。主に紫を見つめて。
ヤバイと思い始める大多数。回り右して逃走の準備を始めるさっしのいい人妖。
が、紫はにこにこ笑いながら半分鬱状態のリグルに視線を向けた。

「ええ、負けたわリグル。あなた一匹に。とても女性受けするかっこいいオトコの娘がいたなんてね」

目が笑っていない笑顔で言う紫。止まる天子の高笑い。更に永琳がドSな目で続ける。弓を構えながら。

「色気がないからってそれで争うのを捨てて違う方面から勝ちを狙いに行くなんて私でさえ想定外。
　作戦負けだったわ。」

後にチルノはこう語る。『あたいでもこんなに空気を冷たく感じることがあるなんて思わなかった』と。
ちなみに貧乳同盟の大半はこの時点で逃亡、あるいは離反。
文でさえ逃げ出してしまったために、この後天子がどうなったか、語る者はいない。

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アピール フランドール リグル 天子 幽々子 永琳 空 紫 衣玖 ４対４