今回の勝負は投扇興と言う、江戸時代よりの座敷遊びの一つで行われる。
投扇興とは台座の上に置かれた「蝶」という小さな的に向けて扇を投げ、
その当たり方と、蝶や扇が落ちた後に描かれる形を基準に点数をつけて勝敗を競うという、
実際やってみるとかなりの繊細さと緊張感を伴う遊びである。
ちなみに今回は個人戦10投勝負、其扇流の採点(役が源氏物語の題名になっている)で行われる。
10回も投げられるのか、と思う人もいるかも知れないが、
10回投げても合計点0とかざらにある競技なので、むしろこのぐらいのチャンスが無いと話にならないのである。
投扇興とは台座の上に置かれた「蝶」という小さな的に向けて扇を投げ、
その当たり方と、蝶や扇が落ちた後に描かれる形を基準に点数をつけて勝敗を競うという、
実際やってみるとかなりの繊細さと緊張感を伴う遊びである。
ちなみに今回は個人戦10投勝負、其扇流の採点(役が源氏物語の題名になっている)で行われる。
10回も投げられるのか、と思う人もいるかも知れないが、
10回投げても合計点0とかざらにある競技なので、むしろこのぐらいのチャンスが無いと話にならないのである。
「いや、流石に今回は勝ったでしょ……」
東方ファイトスレにおいてはなぜか負け星の数がやたら多いパチュリーであったが、
対戦相手と競技方法を聞き、正直安心していた。
目の前のフュージョン娘に、こんな繊細な競技がまともに務まるとは思えなかったからだ。
対戦相手と競技方法を聞き、正直安心していた。
目の前のフュージョン娘に、こんな繊細な競技がまともに務まるとは思えなかったからだ。
さて、先手パチュリー、後手空で競技開始。
パチュリーは3投目まで、手習二つ、花散里一つで1点。
そもそも扇をまっすぐ飛ばすだけでかなり難しいので、三回目で1点取れたのが僥倖か。
後手空。手習、野分でマイナス21点、問題は3投目だった、
3投目の扇が台座に乗っかり、さらに扇の端っこに蝶が引っかかりぶら下がった――篝火、50点。
つまり3投目まで、パチュリー1点対、空29点。
パチュリーは3投目まで、手習二つ、花散里一つで1点。
そもそも扇をまっすぐ飛ばすだけでかなり難しいので、三回目で1点取れたのが僥倖か。
後手空。手習、野分でマイナス21点、問題は3投目だった、
3投目の扇が台座に乗っかり、さらに扇の端っこに蝶が引っかかりぶら下がった――篝火、50点。
つまり3投目まで、パチュリー1点対、空29点。
「…………」
パチュリーの瞳に緊張が増す。だが、その瞳はまだ諦めていない。
その後、扇をまっすぐ飛ばすことをほぼ確実にしたパチュリーは、梅ヶ枝、末摘花などでコツコツと加点していく。
一方の空、ほとんどが手習かコツリで0もしくはマイナス1点。力加減を覚えただけマシ、という状況。
そしてパチュリー8投目、落ちた蝶が立ち上がり、台座に扇がよりかかる形――13点の役、若紫を出す。
これでパチュリーはここまで、手習二つ、花散里一つ、梅ヶ枝二つ、末摘花三つ、夕霧一つ、そして若紫。
合計点、32点――空の25点を抜き逆転。
かと思われた、次の空の一投が、まさかの二回目の篝火を出した。
これで、空は75点――もはや逆転は不可能か。
だが、パチュリーはそれでも諦めなかった。9投目――蝶が台座の端に引っかかってぶら下がり、扇はその台座と蝶の上に乗っかった。
役は少女。30点加え、これで62対75。
空の9投目は空振りで手習。勝負は10投目で決まる。
パチュリー、勝負の10投目――
落ちかけた蝶が台座に引っかかってぶら下がり、その蝶によりかかる形で扇が立った。
蝶がちょうど、扇と台座に閉じ込められる形――空蝉、それも極めて特殊な空蝉である。33点。
これでパチュリーは95点。
対する、空の10投目――またも、扇が台座の上に乗り、その扇に蝶が引っかかる、篝火――
かと思われたが、ぎりぎりのバランスを維持できず、蝶が地面に落ちた。
扇だけが台座に乗っている状態。澪標、11点。
結果、パチュリー95点、空86点。パチュリーの勝利が決定した。
ハイレベルな勝負に、パチュリーと空はお互いを称え合い、健闘を祝して握手を交わした
その瞬間、パチュリーが吐血してぶっ倒れた。
勝利を目指し緊張と集中を高めたあまりに、体のほうが既に限界を超えていたのだ。
ゲボァと血をぶっかけられた空は混乱しながらも、パチュリーの体を永琳の元に全速力で運んだのだが、
空の全速力にパチュリーの体はさらなる負荷をかけられ、結果、永琳の元で三日三晩、生死の淵をさ迷ったという。
その後、扇をまっすぐ飛ばすことをほぼ確実にしたパチュリーは、梅ヶ枝、末摘花などでコツコツと加点していく。
一方の空、ほとんどが手習かコツリで0もしくはマイナス1点。力加減を覚えただけマシ、という状況。
そしてパチュリー8投目、落ちた蝶が立ち上がり、台座に扇がよりかかる形――13点の役、若紫を出す。
これでパチュリーはここまで、手習二つ、花散里一つ、梅ヶ枝二つ、末摘花三つ、夕霧一つ、そして若紫。
合計点、32点――空の25点を抜き逆転。
かと思われた、次の空の一投が、まさかの二回目の篝火を出した。
これで、空は75点――もはや逆転は不可能か。
だが、パチュリーはそれでも諦めなかった。9投目――蝶が台座の端に引っかかってぶら下がり、扇はその台座と蝶の上に乗っかった。
役は少女。30点加え、これで62対75。
空の9投目は空振りで手習。勝負は10投目で決まる。
パチュリー、勝負の10投目――
落ちかけた蝶が台座に引っかかってぶら下がり、その蝶によりかかる形で扇が立った。
蝶がちょうど、扇と台座に閉じ込められる形――空蝉、それも極めて特殊な空蝉である。33点。
これでパチュリーは95点。
対する、空の10投目――またも、扇が台座の上に乗り、その扇に蝶が引っかかる、篝火――
かと思われたが、ぎりぎりのバランスを維持できず、蝶が地面に落ちた。
扇だけが台座に乗っている状態。澪標、11点。
結果、パチュリー95点、空86点。パチュリーの勝利が決定した。
ハイレベルな勝負に、パチュリーと空はお互いを称え合い、健闘を祝して握手を交わした
その瞬間、パチュリーが吐血してぶっ倒れた。
勝利を目指し緊張と集中を高めたあまりに、体のほうが既に限界を超えていたのだ。
ゲボァと血をぶっかけられた空は混乱しながらも、パチュリーの体を永琳の元に全速力で運んだのだが、
空の全速力にパチュリーの体はさらなる負荷をかけられ、結果、永琳の元で三日三晩、生死の淵をさ迷ったという。