「あれ、これは何でしょう？」
ある日、道端でいわくありげなテープを拾った文は早速、家に帰って再生してみた。そこに写っていたものは……
ある日、道端でいわくありげなテープを拾った文は早速、家に帰って再生してみた。そこに写っていたものは……
「な、なんだってー！ 貰った紙だけじゃ足りない！？ 拭けない、よって出られない、そして水まで流れない。放置施設だったのかコンチクショー！」
魔理沙がトイレの中で頭を抱えている。
魔理沙の乙女のピンチを考慮してか、魔理沙の目の部分と便器には一応モザイクがかけられている。
画面上で魔理沙が狭い個室でごろごろ転げ回っている所で映像は終わっていた。
魔理沙がトイレの中で頭を抱えている。
魔理沙の乙女のピンチを考慮してか、魔理沙の目の部分と便器には一応モザイクがかけられている。
画面上で魔理沙が狭い個室でごろごろ転げ回っている所で映像は終わっていた。
文の口元がニタリと歪む。
「確か今日は魔理沙さんとのファイトの日でしたよね。これは使えますよぉ」
「確か今日は魔理沙さんとのファイトの日でしたよね。これは使えますよぉ」
そしてファイト会場
「逃げずにやってきたな。って、顔色が良くないんだぜ？」
「いえいえ、今日のファイトを楽しみにするあまり寝られませんでしてねぇ……」
「逃げずにやってきたな。って、顔色が良くないんだぜ？」
「いえいえ、今日のファイトを楽しみにするあまり寝られませんでしてねぇ……」
早くこのテープのことでいぢめてやりたくてしょうがない。
でも我慢。最も効果的な場面で地獄の底に突き落としてやるのだ。
でも我慢。最も効果的な場面で地獄の底に突き落としてやるのだ。
「今回のジャッジは私が務めるわ」
花畑の中から日傘を差した幽香が進み出てくる。
それと同時に大量のタンポポの種が飛び、青一色だった空をまだらに彩っていく。
花畑の中から日傘を差した幽香が進み出てくる。
それと同時に大量のタンポポの種が飛び、青一色だった空をまだらに彩っていく。
「よけいな演出はいらないからさっさと始めて下さいよ！」
「……今、なんて言ったのかしら？ ちょっとこちらに来ましょうね」
気が逸るあまり、思わず幽香に文句を付けてしまったのが運の尽き。
幽香にずるずると引きずられた文はとある建物に連れ込まれる。
「……今、なんて言ったのかしら？ ちょっとこちらに来ましょうね」
気が逸るあまり、思わず幽香に文句を付けてしまったのが運の尽き。
幽香にずるずると引きずられた文はとある建物に連れ込まれる。
「なんかデジャビュ……はっ、まさかここは！」
幽香が連れて行こうとしている先には、見覚えのあるトイレが気味悪く設置されている。
「きゃあっ」
幽香は文を乱暴にトイレの中に押し込めるとガシャリ、と錠をかけてそのまま立ち去っていった。
幽香が連れて行こうとしている先には、見覚えのあるトイレが気味悪く設置されている。
「きゃあっ」
幽香は文を乱暴にトイレの中に押し込めるとガシャリ、と錠をかけてそのまま立ち去っていった。
「まさか自分がここに来ることになろうとは……くっ、開かない」
そこから射命丸文の長い一日が始まったのであった。
そこから射命丸文の長い一日が始まったのであった。
「うーん、隅々まで探ってみたけど脱出に繋がりそうな手がかりは無しか。唯一見つけたのが……」
そこには意味深に『かみにいのれ』と震える字体で書かれていた。
「これは長丁場になりそうですね」
そこには意味深に『かみにいのれ』と震える字体で書かれていた。
「これは長丁場になりそうですね」
そして３時間後、結構暢気に構えていた文に突如試練が襲い掛かる。
「はぉ……おぉぉぉおおお、お」
そう、お腹のビッグウェーブがやってきたのだ。
「これ、は……乙女のピ、ピンチというやつでは、ふおおおぉぉぉっ！」
小さな波が、大きな波が、緩急をつけながら文を攻めたてる。
寄せては帰る痛烈な刺激に文は既にグロッキーである。
「あは、は……みなさんさようなら。乙女な文は今日ここで死にます」
「はぉ……おぉぉぉおおお、お」
そう、お腹のビッグウェーブがやってきたのだ。
「これ、は……乙女のピ、ピンチというやつでは、ふおおおぉぉぉっ！」
小さな波が、大きな波が、緩急をつけながら文を攻めたてる。
寄せては帰る痛烈な刺激に文は既にグロッキーである。
「あは、は……みなさんさようなら。乙女な文は今日ここで死にます」
「ふぅぅぅぅっ……全ての呪縛から解き放たれた気分です」
恍惚とした表情の文。何があったかはお察し下さい。
「しかしどうしましょうかコレ。たしかテープの映像によると紙もないし水も流れないんですよねー」
恍惚とした表情の文。何があったかはお察し下さい。
「しかしどうしましょうかコレ。たしかテープの映像によると紙もないし水も流れないんですよねー」
「困った時は！ 神を信じればなんとかなるぞ！」
唐突にドアの向こうから聞こえる声。
「誰ですか、ってそんなことはどうでもいいのです！ 早く助けてください！！」
「神を信じればなんとかなるぞ！」
「いえだからまじめに困っているのですよ！」
「神を(ry」
唐突にドアの向こうから聞こえる声。
「誰ですか、ってそんなことはどうでもいいのです！ 早く助けてください！！」
「神を信じればなんとかなるぞ！」
「いえだからまじめに困っているのですよ！」
「神を(ry」
「分かりましたよ！ 信じます、信じますよ！ だから助けて下さいって」
何を言ってもオウム返しな声にとうとう文の堪忍袋の尾が切れた。
何を言ってもオウム返しな声にとうとう文の堪忍袋の尾が切れた。
「神を信じればなんとかなった！ さあご利益覿面プレゼント！」
その声を最後にドアの向こうの気配が消え、文の足元に使いかけのポケットティッシュが転がってきた。
「紙！！！」
すぐさま飛びついた文は事後処理を始めるが、
その声を最後にドアの向こうの気配が消え、文の足元に使いかけのポケットティッシュが転がってきた。
「紙！！！」
すぐさま飛びついた文は事後処理を始めるが、
「入ってたテッシュは１枚、剥がして２枚にしても足らなかった……」
絶望に沈む文の目にティッシュのビニールに文字が書かれているのを発見した。
絶望に沈む文の目にティッシュのビニールに文字が書かれているのを発見した。
『ご利益体験版。本格的なサービスをご利用されたい方は、お近くの神社までご連絡下さい』
一方、魔理沙はまじめに花の世話をしていた。
土を耕し、雑草を抜いて、間引きをして。
今は最後の仕上げに動物の糞と枯れた植物が原材料らしき堆肥を撒いている所だ。
「今時、糞を使って世話してるなんて時代遅れもいいとこだぜ」
「あら、自然な育て方が一番花達に優しいに決まってるじゃない」
「（ドＳがよくいうもんだ）それにしても遅いな、何処へ行ったんだ文の奴は」
「トイレに寄って帰るって言ってたけど確かに遅いわね」
自分が閉じ込めたくせにのうのうとのたまう幽香。
土を耕し、雑草を抜いて、間引きをして。
今は最後の仕上げに動物の糞と枯れた植物が原材料らしき堆肥を撒いている所だ。
「今時、糞を使って世話してるなんて時代遅れもいいとこだぜ」
「あら、自然な育て方が一番花達に優しいに決まってるじゃない」
「（ドＳがよくいうもんだ）それにしても遅いな、何処へ行ったんだ文の奴は」
「トイレに寄って帰るって言ってたけど確かに遅いわね」
自分が閉じ込めたくせにのうのうとのたまう幽香。
「ト、トイレの話題は止めようぜ……ん？ なんだこのテープは」
「あら、それは私のものよ。どこかへ落としたと思ってたのだけど。そんな所に落ちていたのね」
「何のテープなんだコレ？」
「ちょっと趣味と実益を兼ねてね」
そう言って幽香はにやりと笑った。
「あら、それは私のものよ。どこかへ落としたと思ってたのだけど。そんな所に落ちていたのね」
「何のテープなんだコレ？」
「ちょっと趣味と実益を兼ねてね」
そう言って幽香はにやりと笑った。
テープのタイトル「趣味と実益。お仕置き部屋 兼 肥料生成室の記録⑥」
ファイトの結果は、まじめに花の世話をした魔理沙の勝ち
