~ 人里 裏路地 ~
「れいむー、誰も引っかからないねー」
「まったくです。皆さん常識に囚われすぎなんですよ!」
「誰か引っ掛ければ久しぶりにまともな食事が出来るの思ったのにー」
「まったくです。皆さん常識に囚われすぎなんですよ!」
「誰か引っ掛ければ久しぶりにまともな食事が出来るの思ったのにー」
ファイト開始から既に半日が経過しているにも関わらず、腋三人衆は戦果ゼロ。
それもそのはず。凶暴なことで有名なチート巫女、何かがぶっ飛んだ天然ブラック現人神、そもそも種族レベルで伝説的な人攫いの鬼。
そんな物騒極まりない連中が人里を闊歩してるのだ。普通の人間なら近寄られる前に逃げる。
しかも、今はDQN座りでくだを巻いているのだ。これでは人間どころか妖怪でも近寄り難い。
それもそのはず。凶暴なことで有名なチート巫女、何かがぶっ飛んだ天然ブラック現人神、そもそも種族レベルで伝説的な人攫いの鬼。
そんな物騒極まりない連中が人里を闊歩してるのだ。普通の人間なら近寄られる前に逃げる。
しかも、今はDQN座りでくだを巻いているのだ。これでは人間どころか妖怪でも近寄り難い。
「こーなったらいっそ攫っちゃうか?」
「それはナンパって言わないでしょ……」
「困りました。これでは信仰が集まりません」
「そーいえば偉い人は何してるんだろ?
萃香、ちょっとミニ使って偵察してよ」
「うぃ。りょーかーい」
「便利ですね……」
「それはナンパって言わないでしょ……」
「困りました。これでは信仰が集まりません」
「そーいえば偉い人は何してるんだろ?
萃香、ちょっとミニ使って偵察してよ」
「うぃ。りょーかーい」
「便利ですね……」
~ 数刻前 ~
「ンフフ……ちょっといいですか?」
「うゎ酒臭っ……ふぁい? にゃんれすか~?」
「実はこういう者なんですけど、モブキャラ枠での出演者を探してるとこなんですよ。
別に今すぐ返事しろとは言いませんから、少し考えていただけませんか? あ、お友達とかも誘ってオッケーですよ」
「うゎ酒臭っ……ふぁい? にゃんれすか~?」
「実はこういう者なんですけど、モブキャラ枠での出演者を探してるとこなんですよ。
別に今すぐ返事しろとは言いませんから、少し考えていただけませんか? あ、お友達とかも誘ってオッケーですよ」
里人A(酔い)は手渡されたカードを見た。
「博麗……神主? うぇぇぇぇぇ!?」
里人Aの酔いは醒めた。
~ 人里 中央広場 ~
「出演者募集中と聞いて歩いて来ました」
「恵まれない門番に愛の手をー!」
「そろそろスペルカード以外での出番が欲しいです!」
「夏の後は冬じゃありません。秋はちゃんと存在します!」
「蓬莱ニートの汚名を返上するチャンスってこれのこと?」
「地下に篭ってるからって忘れないでー!!」
「むしろ出番よりカリスマを返してー」
「あたしゃここにいるよ……」
「恵まれない門番に愛の手をー!」
「そろそろスペルカード以外での出番が欲しいです!」
「夏の後は冬じゃありません。秋はちゃんと存在します!」
「蓬莱ニートの汚名を返上するチャンスってこれのこと?」
「地下に篭ってるからって忘れないでー!!」
「むしろ出番よりカリスマを返してー」
「あたしゃここにいるよ……」
神主が出演者を募集中という噂は雷光の如きスピードで幻想郷を駆け巡り、今では里の外からも多数の人妖が詰め掛けている。
「まぁまぁ、皆さん落ち着いて。とりあえず一緒に飲みませんか?」
~ 再び裏路地 ~
「ってな状況だったよ」
「勝てるかボケェェェ!!」
「信仰の桁が違いすぎますね……」
「勝てるかボケェェェ!!」
「信仰の桁が違いすぎますね……」
萃香がミニの見てきた状況を伝え、愕然とする霊夢と早苗。
「いくら神主でもこれはきたないわね。ちょっと文句言ってくる」
「ちょ……いくら霊夢でも勝てる相手じゃないって!」
「いえ、逆転のチャンスかもしれませんよ?」
「ちょ……いくら霊夢でも勝てる相手じゃないって!」
「いえ、逆転のチャンスかもしれませんよ?」
額に血管を浮かべながら歩く霊夢を追うように二人が続く。
~ そして中央広場 ~
「そこまでよ!!」
「ンフフ……やっと主役が来ましたね」
「いくら御大でも出演を餌にして釣りまくるとか、手口が悪質過ぎなんじゃないの?」
「釣りじゃありませんよ。だってほら、ここにいる時点で皆さん既に出演してるじゃないですか?」
「ンフフ……やっと主役が来ましたね」
「いくら御大でも出演を餌にして釣りまくるとか、手口が悪質過ぎなんじゃないの?」
「釣りじゃありませんよ。だってほら、ここにいる時点で皆さん既に出演してるじゃないですか?」
『!!』
「えっと……それってつまり……」
「異変も宴会も幻想郷では日常の一部ということです。
そして、本当に何でもない日常の光景だったとしても、こうやって誰かの目に触れている時点で作品なんです」
「この状況そのものが作品ってこと?」
「観察者という存在が……っと、やっぱり大っぴらにネタバレするのはよくないので秘密です。
そんな細かいことを気にせず、今はただ一心不乱に呑みましょう」
「そいつには賛成だよ。霊夢も難しい顔してないで楽しもうよ」
「これが神主ですか……常識とか勝敗とか、そういったものに囚われないどころか測り切れないレベルです。
妖怪でありながら神のように信仰されているという噂もあながち嘘ではないように思えます」
「異変も宴会も幻想郷では日常の一部ということです。
そして、本当に何でもない日常の光景だったとしても、こうやって誰かの目に触れている時点で作品なんです」
「この状況そのものが作品ってこと?」
「観察者という存在が……っと、やっぱり大っぴらにネタバレするのはよくないので秘密です。
そんな細かいことを気にせず、今はただ一心不乱に呑みましょう」
「そいつには賛成だよ。霊夢も難しい顔してないで楽しもうよ」
「これが神主ですか……常識とか勝敗とか、そういったものに囚われないどころか測り切れないレベルです。
妖怪でありながら神のように信仰されているという噂もあながち嘘ではないように思えます」
その後、宴会は三日三晩続き、神主が去った後には意識不明の人妖の海が残されていた。
結果:対戦相手すらも引っかけた神主の完全勝利