その日、競技場の中心にパチュリーが立っていた。
その手にはプリンが1つ握られている。
その手にはプリンが1つ握られている。
「今回の競技の為に開発したものがこれよ」
「ただのプリンですよね」
「普通のプリンなのは確定的に明らかね」
「ただのプリンですよね」
「普通のプリンなのは確定的に明らかね」
「と・こ・ろ・が、それは大間違い」
パチュリーは不敵な笑みを見せるとプリンのカップを逆さにしてプラスチックのツメを折る。
その小さな穴から空気が入り、プリンが容器から剥がれて敷かれたお皿にめがけて落下する。
パチュリーは不敵な笑みを見せるとプリンのカップを逆さにしてプラスチックのツメを折る。
その小さな穴から空気が入り、プリンが容器から剥がれて敷かれたお皿にめがけて落下する。
ぱっちゅ~んっ
「!?」
「!?」
「!?」
ぱちゅん、ぱちゅぱちゅん、ぱちゅ
お皿の上でプリンが震えるたび、何とも言えない音が響き渡る。
お皿の上でプリンが震えるたび、何とも言えない音が響き渡る。
「ふふ、分かったようね……この見た目も味も変えず、感触だけを大幅に改良した一品。それがこの『ぱっちゅんプリン(略称)』なのよ!」
(何と下らない発明、ブロントだけじゃなくこいつも早くなんとかしないと)
(何と下らない発明、しかしそれがいい)
(何と下らない発明、ブロントだけじゃなくこいつも早くなんとかしないと)
(何と下らない発明、しかしそれがいい)
「しかしプリン故に一定以上の大きさにすると自重で崩壊するのが問題点。そこで今回のファイトではそのギリギリサイズのプリンを噛まずに飲み込めたらあなたたちの勝利というわけね」
その声とともにバケツサイズのプリンが1つ運ばれてきた。
その声とともにバケツサイズのプリンが1つ運ばれてきた。
「ありえないわ。バケツサイズになると自重崩壊することが既に証明されているハズよ!」
「浅はかさは愚かしいわ。科学の進歩というのは日進月歩なのよ」
「科学じゃなくてゼリーフィッシュプリンセスの応用なんだけどね。とにかく始めてもらうわよ」
「浅はかさは愚かしいわ。科学の進歩というのは日進月歩なのよ」
「科学じゃなくてゼリーフィッシュプリンセスの応用なんだけどね。とにかく始めてもらうわよ」
「しかしこのサイズ……どうやって丸飲みにしろと」
「『噛まなければいい』だけなんだから端から吸っていけばいいのよ。さあやりましょう」
教授とちゆりはプリンに口をつけて吸い上げていく。
ずぞぞぞ、という音とともに端の方からだんだんプリンが削れていく。
「『噛まなければいい』だけなんだから端から吸っていけばいいのよ。さあやりましょう」
教授とちゆりはプリンに口をつけて吸い上げていく。
ずぞぞぞ、という音とともに端の方からだんだんプリンが削れていく。
「この食べ方だとなんだかおいしくないし、震動が与えられるたびに、ぱちゅ~ん、ぱっちゅ~ん、って音を立てるのもなんだか気に障るわ」
「まさにイライラが有頂天」
「まさにイライラが有頂天」
その後2人は顔中をカラメルでベタベタにしたり、誤って口同士が接触してしまったりという困難を乗り越え、遂に完食を果たしたのであった。
「こっ、これで私たちの勝ちね……おえっぷ」
胸焼けを堪えるちゆりに対してパチュリーはあくまで余裕の態度を崩さない。
「こっ、これで私たちの勝ちね……おえっぷ」
胸焼けを堪えるちゆりに対してパチュリーはあくまで余裕の態度を崩さない。
「確かにあなたたちはファトには勝ったわね。しかしここからが私の実験の最大の山場なのよ」
「あまり調子こくとリアルで痛い目を見て病院で栄養食を食べる事になるわよ」
教授がパチュリーに一歩踏み出したその時、教授の胃の辺りがぱちゅ~ん、とどこかで聞いた音をたてた。
「あまり調子こくとリアルで痛い目を見て病院で栄養食を食べる事になるわよ」
教授がパチュリーに一歩踏み出したその時、教授の胃の辺りがぱちゅ~ん、とどこかで聞いた音をたてた。
「成功ね。例え本来の形を失おうとも奏でる音を保持するその魔術特性。消化され体の一部になろうともそれは変わらない。そう、これこそ私の開発した魔法のプリン。正式名称『ぱっちゅん人間製造プリン』よ」
2人はいったいどうなってしまうのか。それはまた別のお話で