両者ともに山のようなトラップをかわし、潰し、乗り越えて、ようやく辿り着いた最後の直線。
しかしその直線は谷間になっており、いかにも何かありげな雰囲気だ。
だが勝負となれば足を止めるはずもなく、二人並んで谷間に突入する。
と、そのはるか前方で地面が、縦に割れる。
神奈子「嫌な予感がするわね…」
咲夜「あら、では私にとってはいい予感になりそうですわ」
みるみる広がる裂け目の中から現れたのは、審判の四季映姫と、閻魔台。
映姫「二人ともよく頑張りましたと、ねぎらうべき所ですが…」
咲夜「いいえ、どうぞお気遣い無く」
神奈子「奇遇ね、私も同じ意見よ」
映姫「…この私が最後のトラップです。この勝負の黒白、私がつけましょう。
いきます…ラストジャッジメント!」
閻魔台の前面が開き、そこから放たれる極太のレーザー。
そのまま突っ込む神奈子に対し、咲夜は一歩後に退く。
神奈子「私を盾にするつもりかしら?でもこの一歩、返ると思ったら大間違いよ!」
咲夜「……」
レーザーが直撃する寸前、オンバシラを召喚する神奈子。
神奈子「はぁぁぁぁぁぁっ!!」
目の前でオンバシラを回転させ、レーザーを弾く。
そして飛び散るレーザーが左右の壁を崩し、通った後を落石が埋めて行く。
映姫「なるほど、流石は神格…加減したとはいえ、真正面から抜けて来ましたか」
神奈子「そこは織り込み済みよ。もっとも、加減なしでも何とかしたけどね」
最後のトラップは超えた。後は映姫の横を抜ければゴールだ。
勝者の余裕で背後を窺い見る神奈子。
当然、そこに咲夜が居たとしても、岩に埋もれて見えはしないだろう。
神奈子「まああの子もよく頑張ったけど、相手が悪かったわね」
映姫「…そうでもなかったようですよ」
神奈子「!?」
もうすぐゴール。そう思った瞬間、ゴールめがけて上空から何かが降って来る。
映姫「勝者、十六夜咲夜!」
神奈子「な…なんで上から!?」
驚く神奈子を横目に、服についた土埃を払う咲夜。
映姫「最後のトラップ、私のラストジャッジメントへの対処の差です。
あなたは正面から押し通った。彼女は、上を抜けたんです」
神奈子「上…蹴る壁もしっかり潰したつもりだったんだけどね」
咲夜「ええ、そのおかげで、少々多く使ってしまいました」
微笑んでナイフを構える咲夜。それを神奈子めがけて投げると、中空でぴたりと止まる。
神奈子「…ナイフの時だけを止めて、足場にしたのね」
咲夜「正面突破までは予想していましたが、あんな大暴れは正直予想外でしたわ」
神奈子「きっちり対処しておいて予想外もないものだけど」
咲夜「多少の無茶は、お嬢様の相手で慣れていますから」
神奈子「なるほどね…私の方は能天気二人に囲まれて、少々鈍っていたわけだ」
上空に退避したところで、距離的にはむしろ伸びる。
それでもなお負けたという事は、正面突破の時に押し足りなかったという事だ。
映姫「いい勝負でしたよ。私の方も、次は正面突破されないように努力しましょう」
笑い合う映姫と神奈子を見ながら、今日の後始末は大変だろうな、と思う咲夜だった。
しかしその直線は谷間になっており、いかにも何かありげな雰囲気だ。
だが勝負となれば足を止めるはずもなく、二人並んで谷間に突入する。
と、そのはるか前方で地面が、縦に割れる。
神奈子「嫌な予感がするわね…」
咲夜「あら、では私にとってはいい予感になりそうですわ」
みるみる広がる裂け目の中から現れたのは、審判の四季映姫と、閻魔台。
映姫「二人ともよく頑張りましたと、ねぎらうべき所ですが…」
咲夜「いいえ、どうぞお気遣い無く」
神奈子「奇遇ね、私も同じ意見よ」
映姫「…この私が最後のトラップです。この勝負の黒白、私がつけましょう。
いきます…ラストジャッジメント!」
閻魔台の前面が開き、そこから放たれる極太のレーザー。
そのまま突っ込む神奈子に対し、咲夜は一歩後に退く。
神奈子「私を盾にするつもりかしら?でもこの一歩、返ると思ったら大間違いよ!」
咲夜「……」
レーザーが直撃する寸前、オンバシラを召喚する神奈子。
神奈子「はぁぁぁぁぁぁっ!!」
目の前でオンバシラを回転させ、レーザーを弾く。
そして飛び散るレーザーが左右の壁を崩し、通った後を落石が埋めて行く。
映姫「なるほど、流石は神格…加減したとはいえ、真正面から抜けて来ましたか」
神奈子「そこは織り込み済みよ。もっとも、加減なしでも何とかしたけどね」
最後のトラップは超えた。後は映姫の横を抜ければゴールだ。
勝者の余裕で背後を窺い見る神奈子。
当然、そこに咲夜が居たとしても、岩に埋もれて見えはしないだろう。
神奈子「まああの子もよく頑張ったけど、相手が悪かったわね」
映姫「…そうでもなかったようですよ」
神奈子「!?」
もうすぐゴール。そう思った瞬間、ゴールめがけて上空から何かが降って来る。
映姫「勝者、十六夜咲夜!」
神奈子「な…なんで上から!?」
驚く神奈子を横目に、服についた土埃を払う咲夜。
映姫「最後のトラップ、私のラストジャッジメントへの対処の差です。
あなたは正面から押し通った。彼女は、上を抜けたんです」
神奈子「上…蹴る壁もしっかり潰したつもりだったんだけどね」
咲夜「ええ、そのおかげで、少々多く使ってしまいました」
微笑んでナイフを構える咲夜。それを神奈子めがけて投げると、中空でぴたりと止まる。
神奈子「…ナイフの時だけを止めて、足場にしたのね」
咲夜「正面突破までは予想していましたが、あんな大暴れは正直予想外でしたわ」
神奈子「きっちり対処しておいて予想外もないものだけど」
咲夜「多少の無茶は、お嬢様の相手で慣れていますから」
神奈子「なるほどね…私の方は能天気二人に囲まれて、少々鈍っていたわけだ」
上空に退避したところで、距離的にはむしろ伸びる。
それでもなお負けたという事は、正面突破の時に押し足りなかったという事だ。
映姫「いい勝負でしたよ。私の方も、次は正面突破されないように努力しましょう」
笑い合う映姫と神奈子を見ながら、今日の後始末は大変だろうな、と思う咲夜だった。
裏
語感がいいから使っちゃったけど、
閻魔台って別に閻魔席じゃないんだよね。
裏
語感がいいから使っちゃったけど、
閻魔台って別に閻魔席じゃないんだよね。
裏