「いいかい、ジャンケンの手を出す直前の相手の手を見るんだ。
そうすると、相手が手を握ってるか開きかけてるか見える。
握ってればグー、開きかけてればパーかチョキ。
だからそれに合わせてパーかチョキかを出してれば、負けは無いってわけさ」
「は、はぁ」
「勇義ぃー、だめだって、人間にそんな動体視力求めたって。
それよりね、あっちむいてホイする直前の首の筋肉見たほうがいいよ。
左右どちらかが強張ってればそっちに向くってことだから。
上か下かは肩が上がってると下、下がってると上なんだけど、
これは微妙な違いだから無理して見分けようとはしないほうがいいね」
そうすると、相手が手を握ってるか開きかけてるか見える。
握ってればグー、開きかけてればパーかチョキ。
だからそれに合わせてパーかチョキかを出してれば、負けは無いってわけさ」
「は、はぁ」
「勇義ぃー、だめだって、人間にそんな動体視力求めたって。
それよりね、あっちむいてホイする直前の首の筋肉見たほうがいいよ。
左右どちらかが強張ってればそっちに向くってことだから。
上か下かは肩が上がってると下、下がってると上なんだけど、
これは微妙な違いだから無理して見分けようとはしないほうがいいね」
どっちみち、人間業ではないのであまり参考にはならないのだが、それでも素直に頷く早苗はいい子である。
さて、これからこの三人……一人と二匹? で、メイドと幽霊とうさぎを相手にあっちむいてホイで勝負ということになっているのだが、
なぜか相手がなかなか来ないので、三人で雑談に興じていた。
で、しばらく待っていると、
さて、これからこの三人……一人と二匹? で、メイドと幽霊とうさぎを相手にあっちむいてホイで勝負ということになっているのだが、
なぜか相手がなかなか来ないので、三人で雑談に興じていた。
で、しばらく待っていると、
「はい、こっちよこっちー……こら列を離れるな。美鈴! 早いとこ連れ戻して!」
「皆さーん、花に憑依しないよう注意してくださーい。
霊体は幽々子様のはからいで人間の姿になってますから、普通に地上に来るより安定してるはずですよー」
「ちょ、ちょっとみんな押さないで、勝手に先に行かないでってば、ああもう、こういうのっててゐの仕事じゃないのー?」
それぞれ先導者に連れられてやってくる、メイド妖精と幽霊とうさぎ……の、団体様の姿だった。
「皆さーん、花に憑依しないよう注意してくださーい。
霊体は幽々子様のはからいで人間の姿になってますから、普通に地上に来るより安定してるはずですよー」
「ちょ、ちょっとみんな押さないで、勝手に先に行かないでってば、ああもう、こういうのっててゐの仕事じゃないのー?」
それぞれ先導者に連れられてやってくる、メイド妖精と幽霊とうさぎ……の、団体様の姿だった。
「「「…………はい?」」」
絶句する鬼二匹と人間一人。ここで、今日の対戦がどういうものだったかを思い返す。
『早苗勇義萃香組VS紅魔館のメイド妖精 白玉楼の幽霊 永遠亭のうさぎ』
絶句する鬼二匹と人間一人。ここで、今日の対戦がどういうものだったかを思い返す。
『早苗勇義萃香組VS紅魔館のメイド妖精 白玉楼の幽霊 永遠亭のうさぎ』
「……って、まさか、紅魔館じゅうのメイド妖精と、白玉楼じゅうの幽霊 永遠亭じゅうのうさぎ、全部を相手にしろってことですか!?」
早苗、驚きに目を見張る。だって、これは何匹いるのだ。
すでに数えるのも馬鹿らしいを通り越して、視界に収まりきらないほどの妖精と幽霊とうさぎがこの場に集まっているというのに……!
早苗、驚きに目を見張る。だって、これは何匹いるのだ。
すでに数えるのも馬鹿らしいを通り越して、視界に収まりきらないほどの妖精と幽霊とうさぎがこの場に集まっているというのに……!
「面白い。私たち鬼を相手にするんだから、これくらいでないとねぇ」
「うんうん。最初は楽勝すぎて拍子抜けかと思ってたんだけど、これならやり甲斐もあるってもんだ」
「って、なんでこの人たちやる気満々なの!?」
「人じゃないよ、鬼だよ」
「そうさ。人でなく鬼だからこそ、こういう状況で燃えちまうってわけさ」
「うんうん。最初は楽勝すぎて拍子抜けかと思ってたんだけど、これならやり甲斐もあるってもんだ」
「って、なんでこの人たちやる気満々なの!?」
「人じゃないよ、鬼だよ」
「そうさ。人でなく鬼だからこそ、こういう状況で燃えちまうってわけさ」
というわけで、テンションについていけていない早苗を置き去りに、超大規模あっち向いてホイ大会が開催された。
普通の勝ち抜きにすると時間がかかりすぎるので、早苗たちは三人がばらばらになり、
大集団のそれぞれと一対一を繰り返して、負けるまで勝ち続けなければならない、というサバイバルな方法が採用される。
勝負開始後、一時間で早苗脱落。風を操って筋肉の動きを肌で感じることで勝ちを稼いでいたのだが、力を使い続けたためにスタミナが保たなかった。
六時間経過、勇義が脱落。数々のうさぎと妖精を落としたものの、幽霊が団体で攻めてきたのが勝負の分かれ目だった。
手の動きや筋肉の動きを見切っていた勇義にとって、予備動作無しにゆらりと動く幽霊さんたちは苦手だったらしい。
それでも最後まで粘ったのは、鬼の矜持によるものか。
さて萃香だが、これが全く負ける様子を見せなかった。疎の力を存分に操り、妖霧で相手を覆って指の動きを先に見極めていたのだ。
スタミナ切れの兆候も見せず、酒さえ呑んでれば幾らでも相手したるわい、とばかりに勝ち続ける。
そのまま三日三晩萃香は戦い続け、その間に萃香の周りは、負けた者と順番待ちの者と勝手に集まった者とで宴会になり、
そして萃香はその宴会の中心で、見事、全員抜きを成し遂げた。
休み無しで戦い続けた萃香、勝った勢いのまま、宴会の中に飛び込み、そのまま宴会は萃香の祝勝会になった。
その後は勝った者も負けた者も関係無く、いつも通りのどんちゃん騒ぎになったという。
普通の勝ち抜きにすると時間がかかりすぎるので、早苗たちは三人がばらばらになり、
大集団のそれぞれと一対一を繰り返して、負けるまで勝ち続けなければならない、というサバイバルな方法が採用される。
勝負開始後、一時間で早苗脱落。風を操って筋肉の動きを肌で感じることで勝ちを稼いでいたのだが、力を使い続けたためにスタミナが保たなかった。
六時間経過、勇義が脱落。数々のうさぎと妖精を落としたものの、幽霊が団体で攻めてきたのが勝負の分かれ目だった。
手の動きや筋肉の動きを見切っていた勇義にとって、予備動作無しにゆらりと動く幽霊さんたちは苦手だったらしい。
それでも最後まで粘ったのは、鬼の矜持によるものか。
さて萃香だが、これが全く負ける様子を見せなかった。疎の力を存分に操り、妖霧で相手を覆って指の動きを先に見極めていたのだ。
スタミナ切れの兆候も見せず、酒さえ呑んでれば幾らでも相手したるわい、とばかりに勝ち続ける。
そのまま三日三晩萃香は戦い続け、その間に萃香の周りは、負けた者と順番待ちの者と勝手に集まった者とで宴会になり、
そして萃香はその宴会の中心で、見事、全員抜きを成し遂げた。
休み無しで戦い続けた萃香、勝った勢いのまま、宴会の中に飛び込み、そのまま宴会は萃香の祝勝会になった。
その後は勝った者も負けた者も関係無く、いつも通りのどんちゃん騒ぎになったという。