「これはSASUKEという道具だね。道具の中でも大道具に位置すると言っていいだろう。
用途は見たままだね、障害物競走に使うらしい。あと何故か、時間内に全てクリアすれば賞金が手に入るという。
ただ、このSASUKEという道具が賞金を生み出すマジックアイテムなのか、
それともSASUKEの持ち主が賞金を提供するのかは、僕の能力ではわからない」
「で、クリアできそうなの? なぜか褌姿の霖之助さん」
「……よく誤解されるんだが、僕は一応は半妖だ。確かに能動的な肉体運動は不得手ではあるが、
少なくとも君たち人間の女の子よりは筋力や体力はあるはずだ。
ただ、長らく運動らしい運動をしていないから、おそらく敏捷性という点では君たちに劣る」
「結論は?」
「たぶん、1stSTAGEで時間切れになるだろうね」
用途は見たままだね、障害物競走に使うらしい。あと何故か、時間内に全てクリアすれば賞金が手に入るという。
ただ、このSASUKEという道具が賞金を生み出すマジックアイテムなのか、
それともSASUKEの持ち主が賞金を提供するのかは、僕の能力ではわからない」
「で、クリアできそうなの? なぜか褌姿の霖之助さん」
「……よく誤解されるんだが、僕は一応は半妖だ。確かに能動的な肉体運動は不得手ではあるが、
少なくとも君たち人間の女の子よりは筋力や体力はあるはずだ。
ただ、長らく運動らしい運動をしていないから、おそらく敏捷性という点では君たちに劣る」
「結論は?」
「たぶん、1stSTAGEで時間切れになるだろうね」
という事前の会話のとおり、最初のステージの半分近くで時間切れになった霖之助。
それでも泥水の中に落ちたりしなかったのは、褌一丁でも勝負を焦って冷静さを失わなかった彼らしさだろうか。
さて、これで勝負は後攻のこーりん(霖之助服装備)の勝ちかと思われたが、
なぜかこーりん、スタートの合図が鳴ってもスタート地点から動こうとしない、
結局、そのまま一歩も動かずにタイムアップとなった。
それでも泥水の中に落ちたりしなかったのは、褌一丁でも勝負を焦って冷静さを失わなかった彼らしさだろうか。
さて、これで勝負は後攻のこーりん(霖之助服装備)の勝ちかと思われたが、
なぜかこーりん、スタートの合図が鳴ってもスタート地点から動こうとしない、
結局、そのまま一歩も動かずにタイムアップとなった。
「あやややや? 何故勝負しようとしなかったんですか?」
「……違う、違うんだ、こんな勝負、僕は望んではいない」
「というと?」
「賞金? 勝利の栄誉? そんなものは必要としていない……!
いいかい、僕の存在意義は変態であることなんだ。
唯一の男性キャラである森近霖之助という漢に望まれたただ一つの真実、それは己のパトスを存分にブチ撒けること!
なのに何だこの勝負は。女の子の一人も絡まない上に、僕の肉体美も晒せない、
なおかつ対戦相手はガチホモっぽさの欠片も無い、見るからにひ弱そうなもやし男!
違うだろう、こんなことのために僕は生み出されたわけではない!
もっとエロスを、もっとリビドーを! さあ、僕に相応しい舞台はどこだ、そこに連れて行ってくれ!」
「……違う、違うんだ、こんな勝負、僕は望んではいない」
「というと?」
「賞金? 勝利の栄誉? そんなものは必要としていない……!
いいかい、僕の存在意義は変態であることなんだ。
唯一の男性キャラである森近霖之助という漢に望まれたただ一つの真実、それは己のパトスを存分にブチ撒けること!
なのに何だこの勝負は。女の子の一人も絡まない上に、僕の肉体美も晒せない、
なおかつ対戦相手はガチホモっぽさの欠片も無い、見るからにひ弱そうなもやし男!
違うだろう、こんなことのために僕は生み出されたわけではない!
もっとエロスを、もっとリビドーを! さあ、僕に相応しい舞台はどこだ、そこに連れて行ってくれ!」
元より、こーりんとは唯一の男性像「香霖」に皆が望んだ想い「少女に向ける変態性」が結実した、
そう、それは一つの望みを叶えるために幻想郷にやってきた幻想だった。
故に、その存在意義以外のことには力を発揮できなかったのだ。
そうして、こーりんは去った。己に相応しい晴れ舞台を探し、彼は次の戦場へと赴いたのだ。
後に残されたのは、こーりんがいつの間にか脱ぎ捨てた霖之助の服と、褌姿の霖之助。
そう、それは一つの望みを叶えるために幻想郷にやってきた幻想だった。
故に、その存在意義以外のことには力を発揮できなかったのだ。
そうして、こーりんは去った。己に相応しい晴れ舞台を探し、彼は次の戦場へと赴いたのだ。
後に残されたのは、こーりんがいつの間にか脱ぎ捨てた霖之助の服と、褌姿の霖之助。
「……僕は、そんなにひ弱っぽいんだろうか」
「周りを見てみて、霖之助さん。あなたの褌姿に、みんなはどう思ってると思う?」
「……観客は、特に気にしてないみたいだけど」
「うん、全く気にならないの。霖之助さんに男らしさが全く無いから、脱いでても別に何とも思わないのよね。
たぶん霖之助さんなら、紅魔館の大浴場に入っても誰も気にしないわ」
「周りを見てみて、霖之助さん。あなたの褌姿に、みんなはどう思ってると思う?」
「……観客は、特に気にしてないみたいだけど」
「うん、全く気にならないの。霖之助さんに男らしさが全く無いから、脱いでても別に何とも思わないのよね。
たぶん霖之助さんなら、紅魔館の大浴場に入っても誰も気にしないわ」
――確かに。よく魔理沙が店の奥の座敷で、僕のほうを警戒もせずに着替えたりしてたような……僕はそんなに男らしくないのか。
軽く溜め息をつきながら、いそいそと自分の服に着替えなおす霖之助だった。
軽く溜め息をつきながら、いそいそと自分の服に着替えなおす霖之助だった。