Mikipedia@TOJO K-ON
コンプレッサー
最終更新:
tojokonpawiki
-
view
基本動作
コンプレッサーとはダイナミクス系のエフェクターの一種で、入力された信号の音量の変化を小さくするためのものである。
すなわち、大きな音ほど小さな、逆に小さな音ほど大きな信号に変化させる。
すなわち、大きな音ほど小さな、逆に小さな音ほど大きな信号に変化させる。
実際には、スレッショルドレベル(閾値)を超えた信号を小さくし、かわりに全体のレベルを上げることで上記の動作を実現している。概略図を下に示す。

パラメータ
主なパラメータとしては
- スレッショルドレベル
- レシオ
- アタックタイム
- リリースタイム
が挙げられる。コンプレッサーのモデルによっては、アタックタイムとリリースタイムを自動で設定する機能がついているものもある。それらのコンプレッサーは、そもそもアタックタイム、リリースタイムのつまみが付いていないものと、自動で設定するモードと手動で設定するモードの切り替えスイッチがついているものとに分けられる。
スレッショルドレベル
コンプレッサーがその圧縮動作を開始する入力信号のレベルをスレッショルドレベルと呼ぶ。スレッショルドレベルを低く設定すれば、小さな入力信号でもコンプレッションがかかる。逆に高く設定すれば大きな入力がなければ動作しない。
レシオ
レシオとは、入力と出力の信号の大きさの比を表す。多くのコンプレッサーではレシオのつまみに1.5、2、3、...等の数字が記載されているが、これはそれぞれ[入力:出力]=[1.5:1]、[2:1]、[3:1]、...を示している。たとえばレシオが[2:1]ならば、スレッショルドレベルを超えた信号は、もとの信号の2分の1の大きさに圧縮される。また、極端な例としてレシオが[∞:1]ならば、スレッショルドレベル以上には出力がされなくなる。概略図を下に示す。

アタックタイム
スレッショルドレベルを超えてから、実際にコンプレッションがかかるまでのタイムラグをアタックタイムと呼ぶ。一般に0msから数100msの範囲で設定できる。概略図を下に示す。

リリースタイム
スレッショルドレベルを超えた信号が、再びスレッショルドレベル以下になったときコンプレッションを解除するまでの時間をリリースタイムと呼ぶ。一般に0msから数1000msの範囲で設定できる。概略図を下に示す。

使用例
コンプレッサーは上記したパラメータを適切に設定することで、単純な音量差の軽減だけでなく様々な効果をもたらすことができる。以下にそれらの具体例を示す。なお、サンプルは効果がわかりやすいようにかなり極端にパラメータを設定している。
音のアタックを強調したい場合
アタックタイムをやや長めに設定することで、音のアタックを強調することができる。アタックタイムを長くすることは、アタック以外の部分にコンプレッションをかけることに他ならない。アタックのみを原音のまま、アタック以外の部分を圧縮することで、相対的にアタックの音量が大きくなり、結果としてアタックが強調されたように聞こえる。以下に例を示す。
エフェクト有
エフェクト無
音の粒をそろえたい場合
コンプレッサーの"大きな音は小さく、小さな音は大きく"する機能を用いて、音の粒をそろえる用途に使われる。例えばギターやベース等の楽器では意図せずともピッキングの強さに差が付きやすいが、コンプレッサーを使用することでそれらのバラツキを少なくし、あたかも安定した演奏に聞かせることができる。以下に例を示す。
エフェクト有
エフェクト無
アンサンブルの中で音を前に出したい場合
音の粒をそろえたい場合とほとんど同じ使い方ではあるが、コンプレッサーを使用することでアンサンブルの中において音を前に出すことができる。例えばヴォーカルは一般に音量がばらつきやすい。単純にミキサーのフェーダーでヴォーカルの音量を上げた場合、声の大きな部分が不用意に目立ってしまう割に、伸びる音などが埋もれてしまいがちだが、コンプレッサーを使用することでそれらのバランスを整え、全体的に前に出すことができる。以下に例を示す。例ではボーカルにコンプレッサーをかけている。
エフェクト有
エフェクト無
音を伸ばしたい場合
スレッショルドレベルを低く、レシオを大きく、アタックタイムを小さく設定することで、ギター等の音を伸ばすことができる。ただし実際に音が伸びているわけではなく、本来なら早く減衰してしまう音を無理矢理持ち上げて、音が伸びているかのようにしているだけである。以下に例を示す。
エフェクト有
エフェクト無
ドラムやアンサンブル全体の迫力を出したい場合
ドラムやアンサンブル全体の"残響"や"余韻"などを持ち上げることで、迫力を出すことができる。音量差が比較的小さく、迫力を出したい音楽(ロックやメタル、ポップス等)には良く使用される。逆に音量差を積極的に曲作りに用いている様なジャンル(ジャズやクラシック等)では、音が平坦になりすぎてしまうためコンプレッサーを使用しない方が良い場合もある。以下に例を示す。
エフェクト有
エフェクト無
コンプレッサーを極端にかけることでそれ自体を"新しい音"として使用する場合
エレクトロニカやテクノなどで、ピアノやギターに強烈にコンプレッサーをかける音作りをしている場合がある。このような用途をする場合は、スレッショルドレベルを極めて低く、レシオを極めて大きく、設定することが多い。以下に例を示す。
エフェクト有
エフェクト無
動作原理
コンプレッサーは基本的に、下図に示すような回路によって動作している。

図中央の増幅器(Amplifier)とは、小さな信号を大きな信号に変換するための電子回路である。通常この増幅器の増幅率は回路によって固定されているが、コンプレッサーの場合図中央下の制御信号線に加える電圧によって増幅率を変化させることのできるVCA(Voltage Controlled Amplifier)を用いる。VCAとは、ミキサーのフェーダー部分等にも使用されている素子で、ミキサーの場合は手動でフェーダーを動かすことによって制御信号に加える電圧を変化させている。
一方コンプレッサーの場合には、制御信号線に自分自身の信号を加えることによって自動で電圧を変化させ、増幅率を変えている。自分自身の信号を制御信号線に加える方法として、具体的には
一方コンプレッサーの場合には、制御信号線に自分自身の信号を加えることによって自動で電圧を変化させ、増幅率を変えている。自分自身の信号を制御信号線に加える方法として、具体的には
- フィードフォアード回路
- フィードバック回路
の2種が存在している。それぞれの回路を下に示す。

これらの方法を用いて制御信号をVCAに入力し、制御信号が小さければ増幅率を大きく、制御信号が大きければ増幅率を小さく、というように回路を設定しておけばコンプレッサーの動作を行う。
参考文献
Wikipedia-コンプレッサー
http://www8.plala.or.jp/KandR/ ひよこのページ-エフェクタ制作ページ内、コンプレッサーの回路図
http://www.ssaj.sakura.ne.jp/old-paj/1992/Comp92.pdf 謎。
http://www.ceres.dti.ne.jp/~warnerg/SHOBI/TOSS/TOSS%27S_PAGE.html TOSS'S PAGE-エフェクター内、コンプレッサーの項
http://www.sound.co.jp/~jimi/efx/index.html EffecterManiax-コンプレッサーの項
森北電気工学シリーズ2電子回路(1974)丹野頼元-増幅回路の章
レコーディング/ミキシングの全知識(2004)杉山勇司-コンプレッサーの項
http://www8.plala.or.jp/KandR/ ひよこのページ-エフェクタ制作ページ内、コンプレッサーの回路図
http://www.ssaj.sakura.ne.jp/old-paj/1992/Comp92.pdf 謎。
http://www.ceres.dti.ne.jp/~warnerg/SHOBI/TOSS/TOSS%27S_PAGE.html TOSS'S PAGE-エフェクター内、コンプレッサーの項
http://www.sound.co.jp/~jimi/efx/index.html EffecterManiax-コンプレッサーの項
森北電気工学シリーズ2電子回路(1974)丹野頼元-増幅回路の章
レコーディング/ミキシングの全知識(2004)杉山勇司-コンプレッサーの項