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スレイブドールの選択
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tokiwa
スレイブドールの選択
入学式を迎えてから一月近くが過ぎ、四月もまもなく終わろうとしている。入学初期の緊張感は薄れ、大半のクラスメイト達は学校生活に溶け込み始めている。しかし、クラスに馴染めず浮いてしまった者もいる。高宮流梨はその典型的な例だった。
整った容姿を持ち、成績優秀だが、そっけない態度で他人を寄せ付けない優等生。それがクラスメイト達が流梨に貼り付けたレッテルだ。
そうなってしまった原因に思いを巡らせた流梨は、左胸にそっと手を添えた。流梨の胸の内部からは当然響くべき心臓の鼓動では無く、冷却水やオイルを体内に循環させるモーターポンプの低い振動音が響いていた。
胸の中だけでは無い。腕を動かせば肩や肘と言った関節部からモーターの駆動音が微かにではあるが響くのがわかる。
そんな流梨は当然ながら人間では無かった。スレイブドールと呼ばれる機械人形なのだ。しかも、性処理機能付きの。
スレイブドールは機械人形だが、生身の人間を改造して製造される。
半年前、事故に巻き込まれた流梨はスレイブドールの試作機として改造されたのだ。
今の流梨は脳さえも機械化されて生身の部分は残っていない。
(こんな身体にされて……それでもわたしは生きてるって言えるのかしら?)
思考は出来るし意識もある。しかし、それは本当に生きていると言えるのだろうか? そんな疑問が常に流梨の心の中にあった。
(駄目よ……。こんなことを考えていたら、また……)
流梨は思考を切り替えようとするが間に合わなかった。
感情保護システムが起動し、解き放たれた快楽信号が流梨の機械仕掛けの身体を駆け巡る。
作り物の女性器からは人工愛液があふれ出し、ショーツはたちまちのうちにぐっしょりと濡れてしまう。
作り物の乳首は硬く勃起し、ブレザーの制服の下からでもわかるくらいに自己主張を始める。
(わたしは悩むことさえ許されないのね……)
流梨の瞳にうっすらと涙が滲む。
精神が追いつめられれて感情保護システムが起動すると強制的に性的興奮を引き起こすように、流梨はプログラムされている。
激しい快楽に流梨を溺れさせることで、悩みを忘れさせようとしているのだ。
まもなく授業が始まる。このまま教室に留まれば、流梨は衆人環視の中でオナニーを始め、クラスメイト達の好奇の目に晒されるのは間違い無いだろう。
流梨は急いで教室を出ると駆け足で講堂のトイレに向かった。
講堂のトイレは来客も使用するために、完全な個室になっていて防音もしっかりしているからだ。
感情保護システムが起動するたびに、流梨はそこでオナニーをして自分を慰めていた。
講堂のトイレに駆け込んだ流梨は一番奥の個室に入った。そして、鍵を閉めるとスカートの中に手を入れ、濡れたショーツ越しに作り物の性器に触れた。
「あっ……」
流梨の口から思わず声が漏れた。機械的に増幅された快楽信号が流梨の体内を駆け巡り、意識が飛びそうになる。
それを堪えながら、作り物の乳房に触れる。
胸全体を揉みほぐしながら、制服越しでも固く勃起している作り物の乳首を摘まむと、頭の中でバチッと火花が散ったような感覚に襲われた。
それと同時に流梨の作り物の女性器から大量の人工愛液が溢れ出した。
流梨のショーツはすでに用をなさないほどに濡れそぼり、ポタポタと便器に人工愛液が垂れ落ちる。
ここまで濡れてしまってはもうショーツを穿いている意味は無い。流梨は立ち上がってスカートの中に両手を入れ、ゆっくりとショーツを引き下ろす。
膝まで下ろしたところで、足を上げて下着を脱ぎ去る。そして、便座に座って、今度は直接女性器に指を触れる。
「ああっ!」
再び電撃のような刺激が流梨を襲った。流梨の手は止まらず、クチュクチュと音を立てて作り物の女性器をこすり続ける。
もはやここがどこなのか、自分が何をしているのかすらわからない。ただひたすらに快楽を求めて右手を動かし続けた。
絶頂に達して流梨の全身が痙攣する。頭の中が真っ白になり、何も考えられなくなる。
そして、そのままぐったりと壁に寄りかかった。
だが、一度絶頂を迎えただけでは満足できなかった。
スレイブドールは機械人形だ。どれだけ性的な快感を与えられても、それで満足することは決して無い。
スレイブドールの性的欲求には限界が無いのだ。むしろ、与えられた快楽が強ければ強いほど、それを求める衝動も強くなる。
(もっと気持ち良くなりたい……)
いつの間にかそんな欲望に取り付かれてしまった流梨は、左手でブラウスのボタンを外してブラジャーをずらし、胸を露出させた。
熟れた苺のように固く勃起し尖った紅色の乳首に指を当てて軽く撫でるだけで、流梨の身体がビクンッと震えた。
(ああん! 気持ちいいっ!! もっともっと気持ちよくなりたいっ!!!)
すでに理性など欠片も残っていない頭でそんなことを考え始める。そして、右手をスカートの中に入れると、愛液を吹き出す作り物の女性器をとにかく激しく擦り続ける。
「ああっ!! あっあっあっ!!」
~立ち読み版はここまでです~