【
竹内多聞】 グレートベイ クロックタウン郊外境
00時10分28秒
【竹内多聞】 グレートベイ クロックタウン郊外境
00時10分29秒
【竹内多聞】 グレートベイ クロックタウン郊外境
00時10分30秒
「はぁ…………目覚めたとたん殺し合いとは、本当にとんだ里帰りになってしまったな」
私の名は竹内多聞、城聖大学で民族学の教鞭を執っている。歳は34で、27年前
儀式の失敗による土砂災害に巻き込まれた。教え子の安野依子と共に羽入蛇村へと戻ったが『あの女』
昔から居たから覚えている。確か
八尾比沙子とかいったか、奴のせいで…………。
よし、酷い偏頭痛はしたが、記憶はおかしくなっていない。私はまだ『奴等』とは違う。
こういった不測の状態に陥る場合、冷静さを欠くことは死に繋がるというのは羽入蛇で嫌というほど味わった。
幻視を使っていくのは勿論だが、明るく見晴らしのよい場所はなるべく避けて移動したい。
見逃した危険人物との接触、狙撃の危険もある。まったく、この間までそんなこととは無縁だったというのに…………。
「武器を調達しなくていいとは、ずいぶん親切じゃないか」
もちろん嫌みだ。月明かりも届かない砂浜の片隅でもなければ、おちおち道具の確認もできやしない。
ただバックを引っ掻き回すだけなら猿でもできる。探っている間状況を更に読みといていくとするか。
あんな巨大な蝶の化け物…………私があの会場で見たものが幻覚でないのなら
ここはあの村よりも、数倍危険な場所だとみて間違いないだろう。
何よりあの男『赤い海』の事を知っていた。
その昔アレを軍事利用しようとしたという噂が本当なら、『一国の主』というのも頷ける。
スパイか何かを使い情報、もしくはサンプルを仕入れたのなら。人間を使った実験を試みるのは自然の流れだ。
いや、組織は必要ないのか?私がここにいる事も重要な要素として捉えるなら
奴は『現世から彼岸や常世を行き来できる何かを持っている』可能性もある。
そうした力のある神器、聖遺物を持っているなら、常世の境であるところの羽入蛇に侵入出来たことにも説明がつく。
そしてここが現世なら、脱出の可能性は格段に跳ね上がるはずだ。
さて、ハンドガンとバールのような武器なら装備としては上々だな。
あとはある程度の日数生活していくための道具と、紙か。
奴が用意した水と食料は信用できない。何処かに置いておこう。
紙にも何か意味はあるのか?
紙には『真・魔神の金槌』と書いてある。
ヒュッ……………………ズゥウウン…………。
…………?何だ、この塀の向こうで何かが起こっているのか?
大方相手側から見えていないとはいえ、何か重いものが落下したような音だ。
射出機のようなものが支給されたものでもいるのか?音を聞き付けて誰かしら私の存在に気が付くかもしれない。
どちらにせよ、長居は無用だ。何処か適当な家屋に逃げ込ませてもらうとしよう。
ザ…………ザザザザザザ…………『あrザザザ……何のおtザザ……ですの?』ザザザザ…………
キ──────────────『コポコポコポコポコポコポ…………』ザ、ザザザ
『…………』
ザ──────────────
ッチ、何者かに気付かれたか…………幸運にも前方に屍人はいない。
家屋の水槽に何か居るようだが、おそらく鑑賞魚か何かだ。
極力目立たないよう移動して『水槽の家屋』に移動するとしよう。
幸いにも障害物は多い。その上でノイズから見て近い場所のはずだ…………見えた
ここからは月明かりが出ている、走って一気に家に入り、明かりを消さなければ見つかってしまうかもしれない。
もう塀が見える位置まで何者かは迫ってきている。やるしかない!
焦っているからかいつもより息切れが酷い。それでもやらねば殺られるだけだ。
なんとか灯りは、消し終わった、だが煙がまだ出ている。隣の建物…………!
間に合うか?
キュィ──────────────『う~~n、後でゴめんなsいスれば許シて貰エ"ますwaよネ?』ザ、ザザザ
ザ──────────────
……………………なっ!!…………!?状況が理解できない、粉微塵だ!注視しなければ判らないほどに…………
壊れた塀が砂浜と同化する?何をどうしたらそんな現象が起こるというんだ!?
危なかった…………。よく聞くと言動がおかしい。十中八九屍人になりかけなのだろう。
だが、これで奴の視線は煙に釘付けというわけだ。
あの現象、ササン朝で信奉されたというウルスラグナは猪となった時
「全てのものを一撃で粉砕する 。礼儀を欠いた人間の、骨と髪の毛、脳髄と血と泥とを混ぜ合わせてすりつぶす」
と言われているが、まさか、幾らなんでも馬鹿げている。
例えば、かの『粉砕する者』を北欧の雷神から一介の人の王が借り受けられるだろうか?
いや、あり得ない。神話上において武器を借りるというのは数多の試練を意味し、
ブリュターニュ地方の民話『うすのろのペロニク』のような例外もあるが、基本的には
到底英傑でもなければ突破し得ないものばかりのはずだ。
確かにわたしは常世を見た、そこから涌いて出た亡者も、命の実を食べた伝承上の女『八尾比丘尼』も…………
だがこんなっ…………!クッ、何かの見間違いであってくれればいいが…………
とにかく、ここにいては状況は悪くなるばかりだ。さっさと罠にかかっているところを視て脱出しなければ。
ザ『ア"ラ?がkuれンボka死ら?クスクスクスクスクスクスクスクス』
ザ、ザ──────────────
どういう事だ?引っ掛かっていない、屍人ではないのか?これまでの事は全て
わたしの幻視がおかしくなっていただけで、本当はただの人間?
は、はは…………どうという事はない。元々得体の知れない力が、ここに来ておかしくなっただけか。
どうやら異界に馴染みすぎたようだ……………………
………………………………私は顔を上げ、息を飲んだ。
───────おとうさんとおかあさんのこえがするよ!ホントなんだ、信じてよ………
期待というものは、いつだって裏切り者だ。昔も、今も。目の前に
「み"ィィづKeぇた」
入り口に、巨大な金槌、ミョルニルを持った、血色の悪い、屍人がいる……!
気が付くとわたしは、無意識に握りしめていた銃を顔色の悪い顔面めがけて撃ち込んでいた。
いや、そうじゃない。『撃ち込もうとした』が正しいな。わたしの弾丸は肩や頬、脇腹にかするように当たっている。
『ヴ…………maッてワTa死わタダ堕to死モnOヲ…………!』
訳の解らないうめき声を上げながら手を伸ばしてくる!クソッ!わたしの知る屍人は
持てて精々スコップ程度だったが、ここではそれすら違うのか?
『mAあ"!魔サkAあノ傾nO意宇事ヲ末niう稀てらッ者ルのdeスか!?
だめデス!!案な物ノ朽ち車ニ野ってHA!!』
冷静になるんだ。わめき声に惑わされるな、落ち着け。
相手は不死で、殺戮兵器を持ち、入り口を塞いでいても
腕が使えなければどうという事はない。先ずは銃でうでから動けなくする
。
『グ!ゥゥ…………コチ等ニテ奇異はAリ間seン!之おヲキ魔スカラOti憑Iて噺アいmA…………アれ?手Ga、離れナ…………?』
まだ動くというのか!だが、何故か金槌に目を奪われている今なら
バールで叩き潰せるはずだ。
『Gaァくっ!haナしお…………おネ蛾イ"離しヲ…………』
人として悲しいものがあるが、肉片にももう馴れた。後は胎児の様な形態をとるまで油断せず
殴り続けていればいい。
『──────────────!!ブチン─────────!!』
『イ"………ッ!!鐚ッ!!ヤッ…………メ』
………………………………。
おかしい。再生しない。いつもならこんな風に目玉を抜こうが、骨盤を割ろうが、四肢を砕こうが。
そんなものは関係なく立ち上がってくるのに…………。
それに前の奴等と違い防御や回避を行おうともしていたか。
この形態は、どうやらあのおとこが特別に改良したものらしい。再生しにくい代わり身体能力が高い。
しかし『不変』の象徴である常世の力を、身体能力の『変化』へ転用しようとは
学士としては興味があるが、まるで人殺しのようで気分が悪い。
あんな怪力を持つものが人間な訳がないとわかっていてもな。
はぁ、すこぶる気分が悪い。肌触りの悪い霧がかかっていない事だけが救いか。
それにしても、いつもよりずいぶんと月が大きい…………いや、そんなことを考えている余裕はない。
随分と叫ばれてしまった。『これ』の仲間が寄ってきては、流石に対処しきる自信はない。
逃げよう。今度こそ帰るんだ、現世へ。まだ帰れるはずだ。
わたしはまだ、奴らとは違うのだから。
【
オウジョ】 ??? 雨が降り燃える陰気な森
44時44分42秒
【オウジョ】 ??? 雨が降り燃える陰気な森
44時44分43秒
【オウジョ】 ??? 雨が降り燃える陰気な森
44時44分44秒
ななつ葉のクローバー、見つかりませんわねぇ。
あの自分の事を王様だとみょうな事をおっしゃるお方が全部持っていってしまったのかしら?
王様はお父様だけですのに……………………。
どんな願い事も叶えるなんて、ななつ葉のクローバーがあれば簡単ですのに……。
何故殺し合いなんて酷い事を…………酷い──────────────
『待って!ただ私は落とし物を…………!』
『まさかあの方の言う事を真に受けてらっしゃるのですか!?』
『こちらに敵意はありません!』
『あれ?手が離れ…………無い?』
『■■■■■■■■■■■!!腕が■■■■■■■■■■!!』
「うっ…………おぇええ……………………エホッ、エホッ!」
何ですの、今のは?身に覚えの無い事なのに…………体が、震えて…………!
それより、クローバー、探さないと…………『希望』や『夢』は
ななつ葉のクローバーに叶えてもらわなくてはなりませんわ。
あら?あなたもクローバーを探しに?怖がらないで、さあ、こちらへ。
まあ!イジメられてここに来たですって?そう、そんな事が…………
なんて事を!ボウガンがあったらその方を針ネズミにしてやりましたのに!
あ、あなたお名前は?
“……………………”
あら、素敵なお名前ね!へぇ、そう
『
スタルキッド』様とおっしゃるのね──────────────
【4-Cグレートベイ砂浜/1日目/深夜】
【竹内多聞@
SIREN】
[状態]:半半屍人と人の中間、少量の神代の血
[装備]: M1911A1(弾数/)@
METAL GEAR SOLID3
[道具]:
バールのようなもの@
PSYЯEN、基本支給品一式、刀の在りかを書いた紙(不明・不明、不明)
[思考・状況]基本行動方針:家に帰りたい。
1:情報交換がしたい、人間に会えればいいが…………。
※多聞は人間が半屍人になりかけの状態に、それ以外は場合によって普通の人間
ないし普通の物に見えます。(月に違和感をさほど感じませんでした)
※真・魔神の金槌@
ドラゴンクエストⅦに死体の腕が張り付いています。
※遺体は凄惨な状態で海のクモ館@
ゼルダの伝説ムジュラの仮面入り口に放置されています。
※
ファニー・バレンタインは霊的な世界と現世を行き来する道具を持っている
もしくは赤い水の軍事利用を目的としていると推測しています
最終更新:2014年08月26日 22:42