ゲーム性という言葉が正しいのかはよく分からない。楽しみ方という方が近い気もする。

まずはアンサガの性質について


普通のRPGではない

当たり前に言われていることではあるが、普通のRPGではない。
普通のRPGは、多くの場合、努力(プレイ時間)に応じて強くなっていく。
アンサガの恐ろしいところは、プレイ時間をかけるだけで強くなれるには限度がある、というところにある。
どれほど時間をかけようが、戦略がなければ特にラスボスには歯が立たないし、そもそも戦略がなければ、時間をかけても強くなれない。

ゲームのシナリオそのものがやり込みに近い

マイス編は顕著だが、シナリオごとに制約が何かしら課されている。
運びで無限の成長ができるヴェント編でさえ、実は術師を育てるには比較的不遇なシナリオである。
よって、各シナリオのキャラクターの能力と、対峙する敵の能力、シナリオ上の制約を考慮して、どのように戦えば勝てるかを考えながらシナリオを進めなければならない。

アンサガを楽しむために


ネタバレを受け入れる

受け入れるというか、ネタバレがあって、初めてゲームが成り立つ。
改造、パネル、術、重量などは、手探りするにはシステムが複雑すぎる。
解体真書が取扱説明書と言われる所以である。

育成方針を考える

どのキャラをどういう風に育てるかを考えて序盤から行動する。
技中心キャラなら、後からどうとでもなるが、術中心キャラが多ければ多いほど、後から取り返しがつかない。
ラスボスまでは、その育成方針の実践と検証だと考えるべきである。

主人公は正しく選択する

プレイして思ったが、ヴェント編とジュディ編は、それそのものがチュートリアルに近い。(そこまで親切なものでもないが)
特にパネルと装備品について試行錯誤するために、ヴェント編は一番最初にプレイすべきである。
難易度だけで言えば、ローラ編も高くはないのだろうが、システムが理解できないまま進めてしまうと、救済措置がなさすぎて詰む。
シナリオをどう進めていくかの俯瞰ができないうちに、ヴェントとジュディ以外の主人公を選んでしまうと、難易度など無関係である。
サッカーでは手を使ってはいけないことを知らないまま試合に出るようなもので、なぜ勝てないのか、なぜ詰むのかもわからない。

何を楽しむのか

人によりけりではあるが、私の場合は、ラスボスに挑むまでの戦略を考え実行するのが楽しい。
各キャラクターのパラメータは、明らかに技中心、もしくは術中心というキャラは意外に少ないため、どのキャラに何をやらせたいかを考えて、チームのバランスを構成することができる。
最初から武器担当と魔法担当が明確に決まっていることの多いFFやDQとは、この辺りが大きく違う。
そして、よほどの無茶なパーティーバランスでない限りは、きちんと準備さえすれば、クリアできるように見える。
そういう意味で、ゲームバランスは良くできていると思う。

他には、その乱数の理不尽さを楽しむ。やり込み要素が多い、など、人によってまちまち。




とはいえ。

少なくともヴェント編での試行錯誤はアンサガの楽しさを理解するために必須であることを考えれば、プレイ時間が100時間を過ぎてから楽しくなってくる、というのは誇張にしても、少なくとも20時間は必要ということになる。術まで含めればジュディ+術合成ということで、50時間かもしれない。その点で、スルメゲーであることに疑問の余地はない。

まとめ

このゲームはやり込み派の人が遊ぶには、とてもよいゲームだと思う。
けど、チュートリアル(ヴェント編とジュディ編)は最初にちゃんとやろうぜ!!
最終更新:2013年10月24日 14:03