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耳鼻咽喉科 B問題


耳鼻咽喉科 2008年度

p.305
A問題Ⅱ
2 神経障害の程度はどのようにして分類されるか。
ですが、顔面神経麻痺のプリントの神経障害の分類(Seddon)を書いたらよいのかなと思います。
「神経障害の分類」
1)神経無動作neuroapraxia →機能が回復する可逆性障害
2)軸索断裂 axonotmesis  →回復が可能
3)神経断裂 neurotmesis  →神経線維の障害、完全回復困難
2,3ではwaller変性があり、ここまで移行させないことが重要。

p.306
問AのⅣ
解答としては2006年度問Ⅲの訂正がより適切な気がしますが、どうでしょうか?
特に、3.の診断に関して。
1.の図1の画像の所見に関しても、所見の説明を文章で記述するよりは、2006年度解答訂正のように一側上顎洞陰影(副鼻腔一側性陰影)と名詞形で解答する方が、出題者の意図に沿っているような気がします。

文責者ではありませんが、補足です。
図1の画像を耳鼻科の先生に見てもらったところ、内部が不均一で骨破壊もみられ、これは上顎癌の所見だろうとのことでした。
なお、この問題を見てもらっているときにたまたま教授がこられて「この問題は今年は出ないよ」と言っておられました。
ただその時点では問題が完成してなかったらしいので、この情報をどう扱うかは各人の判断に任せます。

文責者です。
ご指摘の通り、2006年度・問Ⅲの訂正(2006年度卒試問題集巻末)がより適切と思われます。
ご指摘、補足ありがとうございます。

p.307
B問題
掲載されている図1と図2はp.306の問題AのⅣのものだと思います。
本来掲載されるべき図は、2006年度のB問題のものです。
気管切開術解答例の皮膚切開、気管切開線の項目で使用されている図がそれぞれB問題の図1と図2に対応します。

耳鼻咽喉科 2007年度


耳鼻咽喉科 2006年度

p.426
問題Ⅰ
解答:③簡易眼振検査で中枢障害を疑う所見
純回旋性眼振を解答からはずすように訂正されていますが、内科診断学(医学書院)には、純回旋性眼振(回旋の方向は注視により変化しない)は延髄の障害を示唆するとあります。

講義プリントのBPPVの項にも、純回旋性眼振が検査所見として挙げられています。2006年度分責者はこれに気付いて、解答からはずした可能性もあります。
内科診断学(医学書院)では、
①注視方向にかかわらず、時計回り方向の純回旋性眼振を認める場合、延髄の障害を考える。
②頭位の変化により方向の変化する眼振を回旋性交代性眼振と呼び、BPPVが代表的な疾患である。とあります。
つまり内科診断学的には、
純回旋性眼振=注視方向にかかわらず、時計回り方向の回旋性眼振
と考えられます。
しかし、新耳鼻咽喉科学や講義プリント的には、
純回旋性眼振=回旋性眼振(方向の変化とは無関係)
としているのではないでしょうか。
また、①は注視眼振検査、②は頭位変換眼振検査で見られ、出現状況が異なります。以上より、BPPVで見られる回旋性眼振を除外する意味でも、簡易眼振検査で中枢障害を疑う所見としては、純回旋性眼振という言葉は使わずに、
  • 注視方向性眼振(rebound nystagmus, Bruns-Cushing眼振)←プリントより
  • 垂直性眼振注視方向とは無関係の時計回り方向の回旋性眼振
とするのがよいのでは?他の出典がある方記載お願いします。

問題Ⅱ
「2.の解答は間違いで、2004年A問題Ⅱ-1-2)が正しい答えです。」と2007年度のwikiには書かれているようですが、2006年度問題集の差し込み訂正文には、この1文が抜けてますね。
記載されている文章を読む限り、この1文が漏れてしまった可能性が高いと思われます。
2004年の解答がどう書かれているか分からないので確実なことは分かりませんが。
日本耳科学会:伝音再建法の分類と名称について
によると、2006年の解答に描かれている図は、Ⅲ型-interposition(Ⅲ-i)であり、コルメラ型ではありません。
しかし、講義プリントを参照すると、2006年の解答に描かれている図が、Ⅲ型-columella(Ⅲ-c)であるように見えてしまいます・・・
ご意見あればお待ちしてます。

p.430
問題Ⅴ
3.DICの診断上必要な検査に、解答として、D-dimerが挙げられています。しかし、D-dimerはDICの確認のための追加検査であり、診断に必要な検査として解答に入れてよいかは微妙な気がします。D-dimerの代わりに、血漿フィブリノーゲン濃度を入れるのが良いと思います。
また、厳密にはPT時間と、診断基準に含まれているPT時間比は異なるものです。
参考文献:2007年度卒試問題Ⅴ解説、yn2009 G-87


以下、2007年度のサイトにありました。(大部分2006年度問題集訂正文のようです。)

A問題
Ⅰ-①問診の項目で、不動→浮動に直してください。
  ③簡易眼振検査の項目で、純回旋性眼振を消してください。

Ⅱ-2 の解答は間違いで,2004年A問題Ⅱ-1-2)が正しい答えです。鼓室形成術Ⅲ型にはⅢ-c,Ⅲ-i,Ⅲ-rの3つがあります。(columella,interposition,reposition)
コルメラ法は,アブミ骨上部構造の上にコルメラをたてます。ツチ骨,キヌタ骨を経由せずに伝音させる方法です。詳しい図は,伝音再建法の分類と名称について をネットで検索して下さい。

Ⅲ-1 一側上顎洞陰影。プリントにある、副鼻腔一側性陰影でもいいと思います。(これが見られるとき、通常の副鼻腔炎ではなく、上顎洞癌の限局例、歯性上顎洞炎、上顎洞真菌症、粘液嚢胞、術後性頬部嚢腫などを疑う。)

Ⅲ-2 上顎洞に内部が不均一な腫瘤で辺縁不整、境界が不明瞭な骨破壊が見られ、鼻腔や眼窩に進展している。

Ⅲ-3 診断:上顎癌
症状の特徴:
初期→副鼻腔炎症状、悪臭ある鼻汁、血性鼻汁、鼻出血、鼻閉、顔面疼痛、歯痛、流涙
増大すると→顔面腫脹、眼球突出、視力障害、神経症状 

Ⅲ-4 (図1とは別の症例です。Ⅲ-2と対比させて、癌と嚢胞の違いがわかるように答えてください。辺縁を見て、骨破壊の仕方の違いを書く。)
左し骨洞を内部が均一で辺縁明瞭な嚢胞が占拠し、嚢胞内容の貯留による内圧のため、眼窩壁を押し出して眼窩内容物が外側に圧排されている。

Ⅴ-2. 嫌気性菌によるガス産生。起炎菌として、PeptostreptococcusとPeptococcusが考えられる。(いろいろ書きましたが、答えはシンプルに。余計なことを書いて間違いだと、減点されるので。)

Ⅴ-3. 診断は深頸部膿瘍です。(空洞形成されているので、蜂窩織炎というより、膿瘍。始めに扁桃炎、扁桃周囲膿瘍など好気性菌感染があって、そこに嫌気性菌が加わって、膿瘍を作ったパターンが多い。)
あとは、感染症11/7(耳鼻科)の授業プリントを探してください。

B-2補足 
 ネッターP24が分かりやすいです。皮膚→広頚筋→胸骨舌骨筋→胸骨甲状筋→甲状腺峡部→気管壁の順。胸骨甲状筋も見えるそうです。術者に聞きました。

気管切開,胸骨甲状筋で検索したら以下の記述がありました.
「皮下組織の解剖 皮下組織は皮膚の下から1 皮下脂肪 2 広頸筋 3 胸骨舌骨筋 4 胸骨甲状筋 5 甲状腺峡部 6 気管前壁」
「正中線上で左右の胸骨舌骨筋の筋膜を縦方向に切開し、筋腹を左右に圧排する。このときにも筋鉤を用いる。甲状腺との結合は剥離するが、気管側方にある胸骨甲状筋と気管との結合を剥離する必要はない。剥離は気管の前面のみで、側面を剥離してはならない。」
http://mykdc.at.infoseek.co.jp/basic/kisetu.htm
色々な本を見ると,胸骨甲状筋は確かに外側にあるので私も見えない気がしましたが,麻酔科の人がこう書いてるので入れたほうが無難ではないか,とも思います.
各人の判断でいいのではないでしょうか.

B 補足
☆注意!!2004、2005の解答は間違いです!!
 ポイント① 皮膚は横切開。
 ポイント② 中気管切開で、第2~3気管輪を切る。
 ポイント③ 逆U字切開。

 皮膚を横切開する理由は、美容面と、逆U字で切った気管壁を下の皮膚に縫合するためです。こうすると、カニューレ挿入時に気管以外の組織を傷つける危険性を減らすことができます。
 2006年の切開線は2つの気管輪を切りました。1つでは小さいです。2005、2004年の図はだめ。縦切開は小児で使います。教授は逆U字がこだわりなので、気をつけて下さい。
 第2気管軟骨より上では,輪状軟骨や第1気管輪を損傷すると瘢痕肉芽形成を起こし狭窄となることがあります。
第4気管軟骨より下では,腕頭動脈と気管との瘻孔を避けるため,切開口を作らないようにします。 
 最後の皮膚縫合は過度に密な縫合をすると皮下気腫を作るため、粗にします。


耳鼻咽喉科 追加情報

以下、2007年度・2008年度サイトより転載および一部改変・編集しました。

2008年耳鼻咽喉科学3M試験問題
Ⅰ。滲出性中耳炎の病因、診断に必要な検査及び所見、治療法について概説せよ。

Ⅱ。メニエール病と良性発作性頭位めまい症の病因、診断、必要な検査と所見、治療法について概説せよ。

Ⅲ。鼻出血の好発部位、出血部位による治療の難易、治療法の選択、全身疾患との関係について解説せよ。

Ⅳ。睡眠時無呼吸症候群の症候、検査、治療について概説せよ。

Ⅴ。喉頭腫瘍も治療をT分類との関係で述べよ。

Ⅵ。気管切開術の適応と気管カニューレ抜去困難症について述べよ。


耳鼻科卒試再試問題について
B問題は、一問でも間違うとアウト!でした。。。おとされた人の答案すべてに目を通してもらいながら、どこが間違っていたか、すべて挙げてもらいました。それを下に書くので、そのことに気をつけながらレポート作ってください。
(1)皮膚切開線:下過ぎる(正解は甲状腺の上) 一人
(2)見られる組織:
  ①胸骨甲状筋を書いていない 大部分の人  
  ②気管支壁と書いてある(正解は気管壁) 一人   
  ③輪状甲状筋とかいてある(軟骨甲状筋の間違い??) 一人 
  ④書く順番が違っている 一人  
(3)気切:何も書いていない人がいた(書き忘れと思われます) 一人
  ☆気管切開術の解答ポイント
  ポイント① 皮膚は横切開。
  ポイント② 中気管切開で、第2~3気管輪を切る
  ポイント③ 逆U字切開。
皮膚を横切開する理由は、美容面と、逆U字で切った気管壁を下の皮膚に縫合するためです。こうすると、カニューレ挿入時に気管以外の組織を傷つける危険性を減らすことができます。
縦切開は小児で使います。教授は逆U字がこだわりなので、気をつけて下さい。
第2気管軟骨より上では,輪状軟骨や第1気管輪を損傷すると瘢痕肉芽形成を起こし狭窄となることがあります。
第4気管軟骨より下では,腕頭動脈と気管との瘻孔を避けるため,切開口を作らないようにします。 
最後の皮膚縫合は過度に密な縫合をすると皮下気腫を作るため、粗にします。 
以上です。
S先生からは、漢字に気を付けてねと言われました。
個人的には「甲状腺部」、「頭」などに注意が必要だと思います。

以下2000年度~2003年度までの過去問です。
B問題は除く
【2003年度】
Ⅰ突発難聴(感音性難聴、伝音性難聴)が発生する可能性のある疾患をできる限り列記せよ(各自が主要と考えた疾患、疾患選択も採点対象とする)の鑑別について略記せよ。

Ⅱ画像検査設備(CT,MRI)が完備した病院で当直していた時に、急性発症のめまい患者が救急車で搬送されてきた。以下の設問に答えよ。
1.緊急画像検査が必要な急性血管障害の可能性がある症状、簡易検査所見を列記せよ。
2.この患者は中枢性障害の所見はなく、中等度の感音難聴を合併していた。考えられる疾患を列記し、難聴に対する対策とその際の注意点について述べよ。
3.急性一側性前庭障害が不可逆であっても、時日とともに眩暈が軽減し眼振が軽減する現象をなんと言うか。またこの過程が十分に機能しない場合どのような症状がおこるか。

Ⅲ頭頚部腫瘍について下記の設問に答えよ。
1.頭頚部腫瘍に分類される臓器を列記せよ。
2.頭頚部管腔臓器悪性腫瘍の病理学的特徴とこれに関連した臨床的特徴を答えよ。
3.頭頚部腫瘍に対する集学的治療とはなにか。
4.喉頭腫瘍のT分類別治療法選択を答えよ。

Ⅳ深頚部膿瘍の原因疾患、病態把握・経過観察のための注意すべき事項・検査所見、敗血症とDIC発生の注意すべき事項、深頚部膿瘍の保存的、手術的治療について概説せよ。

B問題は除く
【2002年度】
Ⅰめまい疾患の診断、治療に関して次の設問に答えよ。
(問1と3は2005Ⅲの問1と4に類してます)
1.めまい発作の随伴症状で、内耳障害では発現しない症状を列記せよ。
2.平衡機能検査の目的について述べよ。
3.良性発作性頭位めまい症(BPPV)の症状、眼振の特徴、治療法について簡単に述べよ。
4.外リンパ瘻とはどのような疾患か。
5.高齢者の末梢障害によるめまいの発作期後、特に重要な生活指導は何か。

Ⅱ中耳手術について次の設問に答えよ(2004Ⅱと同じ)
1.次の各手術の原理を簡明に図示せよ。(図に簡単な解剖名を付記せよ)
1)鼓室形成術 
2)鼓室形成術Ⅲ型変法
2.鼓室形成術と中耳根治術について、手術原理、適応疾患、手術法の各点を簡明に比較せよ。

Ⅲ顔面神経麻痺について次の設問に答えよ。
1.予後診断に有用な電気生理的検査法について簡単に解説せよ。
2.保存的治療と手術的治療について簡単に述べよ。

Ⅳ(2003Ⅳに類題)
深頚部膿瘍(蜂窩織炎)について次の問いに答えよ。
1.炎症の程度、進展範囲、嫌気性感染の有無、縦隔への波及、敗血症の発症などを評価するための観察事項(全身的、局所的)、主要な検査項目と、これらの特に注意すべき所見をあげよ。
2.予後不良因子である播種性血管内凝固症候群(DIC)の診断上必要な検査法と所見を述べよ。
3.治療の原則と病態の推移の評価に必要な検査項目を述べよ。

Ⅴ 頭頚部腫瘍に関する設問に答えよ。
1.化学療法の副障害を列記せよ。
2.safety marginとは何か。
3.喉頭全摘出後の音声再建について述べよ。

B問題は除く
【2001年度】

次のキーワードを使って、慢性化膿性中耳炎と真珠腫性中耳炎に対する手術法と選択につき解説せよ。
鼓室形成術 中耳根治術 聴力保存根治手術 病変除去 再建操作
canal up method canal down method

Ⅱ 2006Ⅰと同じ
Ⅲ 2004Ⅴと同じ
Ⅳ 2003Ⅲと同じ

B問題は除く
【2000年度】
Ⅰ 2002 Ⅰと同じ
Ⅱ 2004 Ⅱ 2002 Ⅱと同じ
Ⅲ 2002 Ⅲと同じ
Ⅳ 2002 Ⅳと同じ(1999Ⅳとも同じ模様)
Ⅴ 問2を除き2002 Ⅴと同じ

頭頚部腫瘍に関する設問に答えよ。
1.化学療法の副障害を列記せよ
2.pedicle flap とfree flapを簡単に説明せよ。
3.喉頭全摘出後の音声再建について述べよ。


最終更新:2009年10月18日 18:53