妊娠論者のターンAガンダム

妄想小説、秋祭り

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turna

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以下は、http://anime3.2ch.net/test/read.cgi/x3/1174453388/から引用

 

 ディアナ・ソレルのよしなに日記 in2007

816 :通常の名無しさんの3倍  2008/07/04(金) 14:10:38 ID:???  
今日は地元の秋祭り、豊作を祝うお祭りだ
ディアナ様は朝からそわそわされていて、身重なのにどうしても行きたいと駄々をこねられる
仕方ないので少しだけ見るだけですよと連れ出したのだが
ディアナ「ロラン、ほらみて、あそこには綿菓子もありますよ」
ロラン「ディアナ様、また食べるんですか?太りますよ?」
ディアナ「まあロランったら、おなかの子供の分まで栄養を取らなくてはいけないのですからね」
そういうとディアナ様は綿菓子をペロリとたいらげてしまった
ついこの前まで何も食べられないくらいつわりが酷かったのが信じられないくらいだ

椅子に座ってコーヒーを飲んでいると近所の農家夫妻がいらっしゃった
農家奥様「あら、ロランさんところの奥様もかなり目立つようになったわね、元々細いから目立ちやすいのかしら?」
こちらの奥様にはいろいろと妊娠中の食事などでアドバイスをいただいている
そして奥様もまた妊娠中なのだ、その奥様の隣でまだ小さい男の子が飴をなめている
農家旦那「奥さん、はじめてのお子さんだと不安でしょう、うちのでよければいつでも相談してやってくださいね」
ディアナ「ありがとうございます、ご近所様に大先輩がいらっしゃって本当に安心できます」
そういうと妊娠話に花が咲いていた
ディアナ「でね、うちの人なんかね、もう私が重病にかかったって勘違いしてものすごく慌てたんですよ・・・」
そんな話、もう思い出したくもありませんからね

この付近では祭り会場の横に流れる川に人形を流す習慣がある
元々親を亡くしたばかりの子供が天国の親に元気ですよという意味で流していたのだが
戦災で多くの人が亡くなってしまったので子供を亡くした親や友人、知人、恋人などを亡くした人も流すようになったらしい
たくさんの人形が川一杯に流れていく
ディアナ様も人形を用意していたようでそれにメッセージを書いて流していらっしゃった
ディアナ「(天国のみのむしさんへ、竜宮城はいいところですよ)」
ロラン「ディアナ様、戦災で亡くなった方の供養ですか?」
ディアナ「そうですね、この前の戦災だけでなく、月というシステムの犠牲になった友人に」
しばらく沈黙があって
ディアナ「戦災で亡くなった方々の分まで人形を作ってこればよかったかしら?元々は私のせいで・・・」
僕は途中でさえぎるようにディアナ様の肩を叩き夕焼けの空に赤く染まる近所の山を指さした
ロラン「今ディアナ様のお腹の中にも、そして今晩あの山の上でも、戦災で亡くなった方の生まれ変わりが生まれるんですよ」
ディアナ「そ、そうでしたね、なくなった命は後悔しても戻らないですものね」

 

817 :通常の名無しさんの3倍  2008/07/04(金) 14:10:59 ID:???  
その夜、ビシニティで言う成人式がこの地方のやり方で行われていた
15歳の男女が山へ神輿を担いで行って宵越しで騒ぎまくりのだ
僕達は山へ登っていく神輿を見送った後、家に向かって歩いていた
ディアナ「ロランもあんな風に成人式をやったのですか?」
ロラン「まあ似たようなもんですね、こんなに近い町でもいろいろと風習が違うみたいで」
ふと自分の成人式のことを思い出してしまった、ソシエお嬢様と二人で聖痕を付ける儀式の途中にディアナカウンターが
降りてきてノックスの町を焼いたんだったなあ
でもそのことはディアナ様に言うとまた悲しい思いをさせてしまうのかもしれないとそっと胸にしまっておいた
ディアナ「ロラン?どうしました?成人式のお話を続けてくださいな」
ロラン「え、ええ、ソシエお嬢様と一緒にホワイトドールの前で聖痕を付け合うことになったんですけどね」
ディアナ「ソシエさんと一緒に成人式を行ったのですか、それは楽しそうでなによりでした」
ロラン「なんで怒るんですか、ディアナ様、でもその時は聖痕もつけれなかったんですって、本当ですよ」
ディアナ「なんでです?なんでそんな大切な儀式も終えられなかったのですか?嘘おっしゃい」
ロラン「えー、言えないんです、言えないんですけど本当なんですよー、なんにもなかったんですから」
ディアナ「ソシエさんと宵越しで何をなさっていたのやら」

自宅についてからもディアナ様はちょっとご機嫌斜めのご様子
お茶を入れて差し上げたのだけれど、ちょっとだけ目線をこちらに移しただけでまた窓から遠くを見てしまう
ご機嫌が悪いときには近寄らないのがいいのだけれど今日は散々歩いたしディアナ様のお体のことも心配で
ついつい近くにいないといけないような気がしていた
ディアナ「今あのお山でどれだけのカップルが誕生しているのでしょうねえ」
突然話しかけられてついついビクっとしてしまった、ディアナ様はその様子を横目で見ていらっしゃった
ディアナ「私は昔のことをいつまでもくどくどというような女ではありませんよ」
そういうとくすくす笑い出した
ディアナ「私だって昔話で言えばロランよりもたくさん恋の経験をしてきましたからねえ」
ロラン「たくさん、ですか?」
ディアナ「ええ、たくさん、です。でもどれひとつ成就しなくて、唯一成就したのがロラン、あなたとの恋だけなんですよ」
ディアナ様がテーブルの反対側から手を伸ばして僕の手をそっと握ってくださった
ディアナ「今はあなたとこうして居られてすごく幸せを感じているんです」
その時の笑顔がとてもステキでした

ディアナ様が近所の温泉を引いてきたお風呂から上がって来られた
ディアナ「今日は歩き疲れましたから温泉は本当にいいものですね」
今までの寝室着ではお腹がちょっときつくなっているみたいだった
ロラン「はしゃぎすぎるからですよ」
そういうとディアナ様の手を取って寝室へ
ディアナ様はベッドに横になり、僕はその脇に椅子を置いて手を握りながらお話をする
ディアナ「今日は本当に楽しかったですねえ」
ロラン「本当に楽しかったですね、来年もまた行きましょう、その時は3人で」
ディアナ「そうですね、3人で行きましょう、お父様と生まれてくる子と3人でね」
ディアナ様は幸せそうにうふふと小さく笑わった
ディアナ「生まれてくる子は幸せですね、ここで両親と一緒にすごせるのですから」
そういえば僕も両親の記憶はないし、ディアナ様に至ってはご両親が健在だったのはいつだったのかすら
ロラン「僕たちも幸せですね、こうして家庭を持つことができたのですから」
ディアナ様に僕の言葉は届いたのだろうか?すっかり寝息を立てていらっしゃった

ロラン「ディアナ様、おやすみなさい」
そういって僕は椅子をそっと立った、ディアナ様の枕元には最近妊娠されてからずっと手持ち無沙汰なのか
木を拾って来ては何かを作っているようだった気の人形が二つ置いてある
片方が女性のよう?片方が男性のようかな?そして最近それより小さい木を拾って来られてそれを一生懸命に
削っていらっしゃる
これはきっとこの二つの人形の子供なんだろうか?
僕はそっと部屋のドアを閉じるのだった

 

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