クインビュート(シェラザード)
●PHASE 1
シ:うう、頭痛い……
やっぱ昨日は飲みすぎたかしらねぇ……
やっぱ昨日は飲みすぎたかしらねぇ……
でもしばらく休暇をもらったからって、
特にすることもないし……
特にすることもないし……
いや、折角のアイナの好意なんだし、
ここはやはり有意義に飲んでおくべきか……
ここはやはり有意義に飲んでおくべきか……
メ:おや……?
どうしました?
気分でも悪いのですか?
気分でも悪いのですか?
シ:あー、大丈夫大丈夫。
この位、いつものことだから……
この位、いつものことだから……
あら、あなた誰_
何だか変わった格好ね。
何だか変わった格好ね。
メ:私は《紫のメルレット》。
ネイティアルマスターと呼ばれる存在です。
ネイティアルマスターと呼ばれる存在です。
シ:《紫のメルレット》……?
ああ、あの……
確かたくさん優秀な弟子を育ててるとか……
確かたくさん優秀な弟子を育ててるとか……
メ:ええ、まあ。
シ:(まあ、他に特にやることもないし。)
(しばらく、修行してみるのも悪くないか……)
●PHASE 2
シ:(レキューに対して)
こーら、アンタ遅れてるわよ!
シャキッとしなさい!
こーら、アンタ遅れてるわよ!
シャキッとしなさい!
(ムチで叩く)
ほらもう一周! もたもたしない!
ほらもう一周! もたもたしない!
(パ・ランセルが現れてレキューを追い抜いていく)
メ:シェラザードさん、これは一体……?
シ:ええ、ネイティアルの扱い方の練習よ。
こっちの方が、やる気出るでしょ?
(ヘピタスが走り抜ける)
メ:ええ、まあ……
練習方法も、人それぞれですからね。
練習方法も、人それぞれですからね。
●PHASE 3
(酒を飲み交わす二人)
シ:ふう、やっぱ
働いた後の一杯はたまんないわねぇ~。
シ:ふう、やっぱ
働いた後の一杯はたまんないわねぇ~。
それに、召喚術ってのも意外と大変だし。
メルレットさんくらいになるには、
一体何年くらい修行が必要なのかしら。
一体何年くらい修行が必要なのかしら。
メ:一概に何年、とは言えないと思いますよ。
召喚術の習得には、大きな個人差がありますから。
召喚術の習得には、大きな個人差がありますから。
ギド・カーンという男を知っていますか?
彼も以前、私の元で修行していたことがありますが
とても上達が早かったのを覚えています。
彼も以前、私の元で修行していたことがありますが
とても上達が早かったのを覚えています。
天性の素質があったのでしょう。
今では、最強のネイティアルマスターだとまで
呼ばれています。
今では、最強のネイティアルマスターだとまで
呼ばれています。
シ:へえ、ギド・カーンねえ……
(でも、最強ってことは
メルレットさんよりも強いのかしら。)
メルレットさんよりも強いのかしら。)
(弟子が師を超えた、ってことか……)
っていうか、メルレットさん
……実はお酒強いんじゃない?
もう相当入ってるハズなんだけど。
……実はお酒強いんじゃない?
もう相当入ってるハズなんだけど。
メ:ふふ、普段は嗜まないのですが。
シ:(うっ、思わぬところで強敵出現……
アイナと同じニオイを感じるわ……)
アイナと同じニオイを感じるわ……)
●PHASE 4
シ:(『愚者』のカード、か……)
(ふう、やっぱり
まだ見つからないみたいね……)
まだ見つからないみたいね……)
メ:おや、それは……
タロット占いですか?
タロット占いですか?
シェラザードさんは
本当に多趣味なのですね。
本当に多趣味なのですね。
シ:ああ、メルレットさんか……
ふふっ、別にあたしが
多趣味だったわけじゃないわ。
多趣味だったわけじゃないわ。
……全部ある人に教わったのよ。
まあその人が、割と何でも
できる人だったからね。
できる人だったからね。
勉強から鞭の扱いまで、
色んなことを叩き込まれちゃったわ。
色んなことを叩き込まれちゃったわ。
でも、タロットだけは、あたしの方から
ねだって教えてもらったのよ。
ねだって教えてもらったのよ。
子供心に、ちょっと憧れてたのかしらね。
メ:……そうでしたか。
(しかし、寂しそうなお顔ですね。
もしやその方は、もう……)
もしやその方は、もう……)
●PHASE 5
メ:ルシオラさん、ですか。
シ:……ええ。
血はつながってないけど、
あたしにとっては本物の姉さんだった。
血はつながってないけど、
あたしにとっては本物の姉さんだった。
優しかったけど、もの凄く厳しい所もあって……
ひねくれたガキだったあたしに、
色々と世話を焼いてくれたわよ。
ひねくれたガキだったあたしに、
色々と世話を焼いてくれたわよ。
悪さをすると姉さんに怒られる。
でも怒られるより嫌われる方が怖くて……
だから更正したのかしらね、あたしは。
でも怒られるより嫌われる方が怖くて……
だから更正したのかしらね、あたしは。
ふふっ、あれから何年にもなるけど、
今でも全然敵わないわ。
今でも全然敵わないわ。
鞭捌きだってタロットだって……
未だに姉さんには届かない。
未だに姉さんには届かない。
メ:(……だからこそ、
シェラザードさんは修行をするのですね。)
シェラザードさんは修行をするのですね。)
(方法は独特であっても、
一切手を抜かない修行を……)
一切手を抜かない修行を……)
シ:ふふ……
ま、よき思い出話ってとこね。
ま、よき思い出話ってとこね。
さてと、そろそろ戻って休みますか。
明日も朝は早いんだし。
明日も朝は早いんだし。
●PHASE 6
メ:シェラザードさん、お見事でした。
もう私が教えられることはありません。
もう私が教えられることはありません。
この短期間でここまで力を伸ばされたのは、
あなたの努力の賜物だと思います。
あなたの努力の賜物だと思います。
シ:ふふっ、ありがと。
あたしも意外と楽しかったわ。
真面目に修行するのなんて随分と久しぶりだし。
真面目に修行するのなんて随分と久しぶりだし。
まあ、飲み比べで負けたのはシャクだけどね。
じゃあね、メルレットさん。
また一緒に飲みましょ。
また一緒に飲みましょ。
メ:シェラザードさん。
これからどちらへ……?
これからどちらへ……?
シ:ん……
まあ折角だし、もうちょっと
腕を上げておこうかと思ってね。
腕を上げておこうかと思ってね。
ほら、前に言ってたじゃあに。
最強のネイティアルマスター、だっけ。
最強のネイティアルマスター、だっけ。
メ:それは、もしや……
シ:そっ♡
ギド・カーンってヤツの所。
ギド・カーンってヤツの所。
●ENDING
シ:ふう……
まあこんなとこかしらね。
まあこんなとこかしらね。
このくらい上達したなら、
ルシオラ姉さんにも笑われずに済むだろうし。
ルシオラ姉さんにも笑われずに済むだろうし。
(……多分あたしは、いつまで経っても
姉さんを超えることはできない。)
姉さんを超えることはできない。)
(あたしが覚えている姉さんは、
いつだって強く優しい……
それを否定することはできないから。)
いつだって強く優しい……
それを否定することはできないから。)
はあ、ってことはやっぱ、
アタシも何とか前に進むしかないか。
別に抱えたままでもいいんだし……
アタシも何とか前に進むしかないか。
別に抱えたままでもいいんだし……
ふふっ、一人じゃ何もできない
なんてのもイヤだしね。
なんてのもイヤだしね。
シェラザードは
遊撃士としての日常へ帰っていった。
彼女が髪を切ったのは、
それからしばらく後のことである。
遊撃士としての日常へ帰っていった。
彼女が髪を切ったのは、
それからしばらく後のことである。