ジーニアス(レン)
●PHASE 1
メ:先日、妙な噂を耳にしました。
近隣の村人たちが、
このあたりに降りていく
巨大な謎の発光体を見た、というのです。
このあたりに降りていく
巨大な謎の発光体を見た、というのです。
ネイティアルでもなさそうですし、
特に邪悪な気は感じませんが……
特に邪悪な気は感じませんが……
念のため、調べておきましょうか。
●PHASE 2
メ:この高台からなら、
辺りも一望できるでしょう。
辺りも一望できるでしょう。
おや……?
レ:あら、お姉さんは……?
メ:私はメルレット……
《紫のメルレット》という者です。
《紫のメルレット》という者です。
普段は旅していることが多いのですが、
ここへはよく来るのですよ。
ここへはよく来るのですよ。
レ:ふーん、そうなんだ。
ふふ、いい眺め。
お姉さんもこの眺めを見に来てるのかしら。
お姉さんもこの眺めを見に来てるのかしら。
メ:ええ、お気に入りの場所の一つです。
静かだけに厳しい光景……
見ていると、とても落ち着きますから。
見ていると、とても落ち着きますから。
レ:ふーん……
ふふ、そうかもしれないわね。
レンもちょっと、気に入っちゃった。
レンもちょっと、気に入っちゃった。
●PHASE 3
レ:ふふ、いい子ね。
レン、このレキューって子が
気に入っちゃったわ。
気に入っちゃったわ。
だって、いつもこーんなお口をして
顔をしかめてるのよ。
顔をしかめてるのよ。
メ:召喚術も、あっという間に
使いこなしてしまいましたね。
使いこなしてしまいましたね。
やはり、レンさんには
天性の才能があるようです。
天性の才能があるようです。
レ:もう、お姉さんったら
そういうことじゃないわ。
そういうことじゃないわ。
遊んでくれる人がたくさんいるんだもの。
レンも少しは使えないと、
つまらないじゃない。
レンも少しは使えないと、
つまらないじゃない。
それにレン、こういう遊びは
得意なんだから。
得意なんだから。
えいっ♪
メ:(確かに能力的には非凡といえます。)
(しかし、どうして
このような場所に一人でいるのか……
少々疑問も残りますね。)
このような場所に一人でいるのか……
少々疑問も残りますね。)
●PHASE 4
レ:ふふ、ここもなかなかいい眺めね。
あら……
ふふ、あそこに流れている川って
何だか蛇さんみたいね。
何だか蛇さんみたいね。
ぐねぐね曲がって……
途中で滝もあるみたい。
途中で滝もあるみたい。
メ:ええ、あの川は
山脈の雪解け水を海まで運んでいるのです。
山脈の雪解け水を海まで運んでいるのです。
今の季節は滝が見られることもありますね。
あの辺りは街道が通っていますから、
間近で見ることもできるでしょう。
あの辺りは街道が通っていますから、
間近で見ることもできるでしょう。
レンさん、もう日も暮れます。
そろそろ行きましょうか。
そろそろ行きましょうか。
この先に、小さな村があります。
といっても宿くらいはありますから、
ゆっくり休息が取れるでしょう。
といっても宿くらいはありますから、
ゆっくり休息が取れるでしょう。
レ:あら、ほんと?
うふふ、それじゃあ今夜は
おいしいものを食べて
ベッドでぐっすり眠れそうね。
おいしいものを食べて
ベッドでぐっすり眠れそうね。
早く行きましょ、お姉さん!
●PHASE 5
レ:あら……?
ふーん、なんだか騒がしい感じね。
自警団風の女性:
あ、あれ?
まだこんなところに子供がいたの……?
あ、あれ?
まだこんなところに子供がいたの……?
早く避難しないと危ないよ。
ギド・カーンの軍勢が、迫ってきてるんだ。
ギド・カーンの軍勢が、迫ってきてるんだ。
レ:ギド・カーン……?
女:ああ、大陸の覇者って呼ばれてる男だよ。
ここのところ、
あちこちの国に攻め入っては
征服を繰り返しているんだ。
あちこちの国に攻め入っては
征服を繰り返しているんだ。
本当に危険な男だよ。
レ:ふーん、そうなんだ……
(ふふ、何だか面白そうね。
闇に憑かれちゃった
オジサンがいるみたいだし……)
闇に憑かれちゃった
オジサンがいるみたいだし……)
(……………………………………)
(クス……
こっそり様子だけ見てこようかしら?)
こっそり様子だけ見てこようかしら?)
●PHASE 6
メ:レンさん、最近よく
一人で出かけていますね。
一人で出かけていますね。
一体どちらへ……
レ:ちょっと遊んでいるだけよ。
この辺りにいる人たち、
みんなレンを見ると驚くの。
ふふっ、とっても楽しいんだから♪
みんなレンを見ると驚くの。
ふふっ、とっても楽しいんだから♪
メ:………………………………………
ギド・カーン軍配下の者が、次々と
重傷を負って戦線を離脱していると聞きます。
重傷を負って戦線を離脱していると聞きます。
原因は明らかではありませんが、
手薄なところで待ち伏せを受けた、という噂もありますね。
手薄なところで待ち伏せを受けた、という噂もありますね。
しかし、ギド・カーンの部下は精鋭揃い……
彼らを倒せる者は、そういないはずです。
彼らを倒せる者は、そういないはずです。
レンさん、あなたは……
レ:クスクス……
ねえ、お姉さん、
レンって、すごいと思わない?
レンって、すごいと思わない?
あのお兄さんたちとだって
散々追いかけっこしたのよ。
散々追いかけっこしたのよ。
ふふ、でも誰もレンには敵わなかった。
まあみんなそこそこの術士だったから、
殺し損ねちゃったけど。
殺し損ねちゃったけど。
レンは普通じゃないのよ。
特別なんだから。
特別なんだから。
レンは、
レンの好きなようにするわ。
……邪魔しないでね?
レンの好きなようにするわ。
……邪魔しないでね?
●ENDING
レ:うふふ、中々しぶといオジサンだったけど。
まだまだレンの敵じゃないわね。
まだまだレンの敵じゃないわね。
でもとっても楽しかったし、
今度会ったら、また遊んであげようかしら。
今度会ったら、また遊んであげようかしら。
メ:……レンさん。
レ:あらお姉さん……
ついて来ていたの?
ついて来ていたの?
ふふ、もしかして
レンの邪魔をするつもりだったのかしら。
レンの邪魔をするつもりだったのかしら。
いいわよ、レンもまだ
全力じゃないし……
全力じゃないし……
本気のお姉さんとも、
一度戦ってみたかったんだから。
一度戦ってみたかったんだから。
メ:……確かにレンさんは
とても素晴らしい才能をお持ちですね。
とても素晴らしい才能をお持ちですね。
私もレンさんとは
もっと色々な話をしてみたかったと思います。
もっと色々な話をしてみたかったと思います。
ですが、もう
遊び足りたのではありませんか?
遊び足りたのではありませんか?
レン:?
メ:レンさんと旅をして、
いろんなことがありましたね。
いろんなことがありましたね。
山や森を歩いて景色を眺め、
様々な村や町を訪れました。
2人で露店を回ったこともありましたね。
様々な村や町を訪れました。
2人で露店を回ったこともありましたね。
……レンさんの胸の中の
もやもやも、少しは晴れたことでしょう。
もやもやも、少しは晴れたことでしょう。
レ:!
…………えっ………?
メ:ですから、旅は
ここで終わりにしましょう。
ここで終わりにしましょう。
レンさんが本当に会いたいのは、
私ではないようですから。
私ではないようですから。
レ:……
ふう、へんなお姉さんね。
レンは別に、そんなのじゃないんだけど。
レンは別に、そんなのじゃないんだけど。
……でもまあいいわ。
レンが少しすっきりしたのは本当だし。
お姉さんといるのも、結構楽しかったから。
レンが少しすっきりしたのは本当だし。
お姉さんといるのも、結構楽しかったから。
レン、そろそろ行くわね。
この辺りでも、一通り
遊び尽くしちゃったみたいだし……
この辺りでも、一通り
遊び尽くしちゃったみたいだし……
パテル=マテルのオードメンテナンスも
終わったころだから。
……レンはもう、行かないと。
終わったころだから。
……レンはもう、行かないと。
じゃあね、お姉さん。
メ:ええ。
レンさん、お体に気をつけて。
レ:ふふっ、本当にへんなお姉さん。
レンは特別なんだから……
そんな心配なんてしても、無駄なのに。
そんな心配なんてしても、無駄なのに。
謎の少女レンは去っていった。
今の彼女に必要なものは力ではなかったのかもしれない。
今の彼女に必要なものは力ではなかったのかもしれない。