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ストライダー(ヨシュア)
●PHASE 1
ヨ:……ギド・カーン、か。
先の大戦を収めたことで
英雄視されている人物みたいだけど……
英雄視されている人物みたいだけど……
そういった噂は、
完璧であるほど疑わしいと考えていい。
完璧であるほど疑わしいと考えていい。
世論に支持されて
強大な軍を保有し続けているギド・カーン……
どことなく、彼には闇の匂いがするな。
強大な軍を保有し続けているギド・カーン……
どことなく、彼には闇の匂いがするな。
少し、調べてみよう。
●PHASE 2
ヨ:想像以上に警戒が厳しい……
これだけ調べても
大した情報が出てこないなんて……
これだけ調べても
大した情報が出てこないなんて……
やはり、何かあるのかもしれないな。
女性の声:客人とは珍しいですね。
この辺りは、人の立ち入りも滅多に無いのですが。
この辺りは、人の立ち入りも滅多に無いのですが。
ヨ:………………………………
何者ですか?
僕に気配を悟らせないなんて……
僕に気配を悟らせないなんて……
メ:驚かせてしまったようですね。
私は《紫のメルレット》。
ネイティアルマスターと呼ばれる存在です。
ネイティアルマスターと呼ばれる存在です。
ヨ:《紫のメルレット》……?
そうでしたか、貴女が……
そうでしたか、貴女が……
噂は聞いたことがあります。
何人もの術士を育ててきた高名な方だとか。
何人もの術士を育ててきた高名な方だとか。
すみません、失礼な真似をしてしまって。
僕はヨシュア、
ヨシュア・ブライトといいます。
僕はヨシュア、
ヨシュア・ブライトといいます。
メ:ヨシュアさんですか。
こちらこそ、申し訳ありませんでしたね。
こちらこそ、申し訳ありませんでしたね。
しかし、ヨシュアさんは
何か深刻なものを抱えていらっしゃる様子……
悩み事でもおありなのですか?
何か深刻なものを抱えていらっしゃる様子……
悩み事でもおありなのですか?
ヨ:い、いえ。
大したことではないんです。
大したことではないんです。
ただ、少し調べていることがあって……
●PHASE 3
メ:《身喰らう蛇》……
ヨ:ええ、正体の掴めない謎の組織です。
少し事情があって追っているんですが、
中々尻尾が掴めなくて……
中々尻尾が掴めなくて……
メ:そうでしたか。
しかし、あのギド・カーンが
そのような組織に関わっていたというのは
驚きですね。
そのような組織に関わっていたというのは
驚きですね。
ヨ:……いえ、まだ断言はできません。
調査も始めたばかりですから。
調査も始めたばかりですから。
でも、《身喰らう蛇》は
心に闇を抱える者にそっと近づき、破滅をささやく。
心に闇を抱える者にそっと近づき、破滅をささやく。
目には見えなくても
必ずどこかに存在していて、
闇から世界を動かしているんです。
必ずどこかに存在していて、
闇から世界を動かしているんです。
ギド・カーン……
彼には疑わしい点が多すぎる。
僕はもう少し調べてみます。
彼には疑わしい点が多すぎる。
僕はもう少し調べてみます。
●PHASE 4
ヨ:戦争か……
見たところ、侵攻を行っているのは
ギド・カーン軍の先鋒隊みたいだな。
ギド・カーン軍の先鋒隊みたいだな。
この地方に、戦争の火種に
なりそうなものはなかったはずだけど……
なりそうなものはなかったはずだけど……
そういえば、メルレットさんも
闇の気配が強まっていると言っていた。
やはり彼には、裏があったということか……
闇の気配が強まっていると言っていた。
やはり彼には、裏があったということか……
《蛇》は表舞台には出てこない。
姿を現すのは、獲物を捕える一瞬だけだ。
姿を現すのは、獲物を捕える一瞬だけだ。
尻尾を掴むのなら、今しかない。
●PHASE 5
ヨ:ギド・カーンの側近は精鋭揃いだ。
やはり僕一人では厳しいな。
やはり僕一人では厳しいな。
何より、ギド・カーン自身の戦闘能力が問題だ。
今の僕では、まるで歯が立たない……
今の僕では、まるで歯が立たない……
女性の声:ヨシュアさん、お久しぶりですね。
ヨ:メルレットさん……
驚いたな。
今回は油断したつもりはなかったんですが……
今回は油断したつもりはなかったんですが……
メ:ふふ、これでも生粋の魔女ですから。
ギド・カーンは現在、
最強のネイティアルマスターと呼ばれています。
加えて彼は、強大な軍隊を率いている……
最強のネイティアルマスターと呼ばれています。
加えて彼は、強大な軍隊を率いている……
ヨシュアさんお一人で
潜入するのは、極めて危険だと思いますよ。
潜入するのは、極めて危険だと思いますよ。
ヨ:ええ、まともに
やり合っても勝機はない……
やり合っても勝機はない……
あの、メルレットさん。
一つお願いをしてもいいでしょうか。
厚かましい話かもしれませんけど……
一つお願いをしてもいいでしょうか。
厚かましい話かもしれませんけど……
●PHASE 6
ヨ:メルレットさん、ありがとうございました。
鍛錬に付き合ってくださって。
鍛錬に付き合ってくださって。
これで今回の作戦の成功率は
かなり上がったと思います。
かなり上がったと思います。
メ:……ヨシュアさん、
あなたは何故そこまで
その組織にこだわるのですか?
あなたは何故そこまで
その組織にこだわるのですか?
そこまでの危険を冒さずとも、
他の方法を探すこともできると思いますが。
他の方法を探すこともできると思いますが。
ヨ:僕はかつて、《見喰らう蛇》に
属していたことがあるんです。
属していたことがあるんです。
といっても、ただ命じられるままに動く存在――
いいように利用されて捨てられただけですけど……
いいように利用されて捨てられただけですけど……
僕は確かに《蛇》の一員で、
この手で数え切れない罪を重ねてきた。
この手で数え切れない罪を重ねてきた。
……だからこそ、どこかで
決着をつけなければいけないんです。
決着をつけなければいけないんです。
本当の意味で、
《見喰らう蛇》から自由になるために。
いつか、こんな自分自身を許せるようになるために。
《見喰らう蛇》から自由になるために。
いつか、こんな自分自身を許せるようになるために。
大丈夫、無茶はしません。
今の僕には、守りたいと思える約束がありますから。
今の僕には、守りたいと思える約束がありますから。
●ENDING
メ:無事に戻られたようですね。
いかがでしたか?
大分お疲れのようですが……
大分お疲れのようですが……
ヨ:はは、やっぱり
メルレットさんの後ろを取るのは
難しいみたいですね。
メルレットさんの後ろを取るのは
難しいみたいですね。
彼は……
ギド・カーンはやはり、
《身喰らう蛇》とは無関係だったようです。
ギド・カーンはやはり、
《身喰らう蛇》とは無関係だったようです。
彼からは強烈な闇を感じたけれど、
《見喰らう蛇》とは明らかに違う……
《見喰らう蛇》とは明らかに違う……
彼にはもっと、
個人的な目的があったようです。
個人的な目的があったようです。
メ:そうでしたか……
ヨシュアさんにとっては、残念な結果ですね。
ヨシュアさんにとっては、残念な結果ですね。
ヨ:いえ、本当はその方が良かったんです。
《蛇》との関わりがないのなら、
その方がずっといい……
《蛇》との関わりがないのなら、
その方がずっといい……
メ:ヨシュアさんは、これから
どうするおつもりなのですか?
どうするおつもりなのですか?
ヨ:ええ……
そろそろ、帰ろうかと思います。
《見喰らう蛇》の手がかりが
得られなかったのは残念ですけど、
一度戻らないとエステルが心配しますし。
得られなかったのは残念ですけど、
一度戻らないとエステルが心配しますし。
それにこれはもう、
僕一人の問題ではありませんから。
僕一人の問題ではありませんから。
メ:そうですか。
ヨ:はい。
メルレットさん、お世話になりました。
メルレットさん、お世話になりました。
《身喰らう蛇》の影を追い続けるヨシュア。
彼がその思いを果たし、
真の自由を手に入れるのはいつなのだろうか。
彼がその思いを果たし、
真の自由を手に入れるのはいつなのだろうか。