ヘヴィエッジ(アガット)
●PHASE 1
ア:ふう、この辺りで出されてる
依頼も大体は片付けたな。
依頼も大体は片付けたな。
えーと、あと残ってやがんのは……
荷物の配達に旅行者の護衛か……
まあ大した量じゃねえな。
まあ大した量じゃねえな。
…………後は………………
……『ギド・カーンを倒して欲しい』?
……『ギド・カーンを倒して欲しい』?
チッ……
誰だ、こんないい加減な
依頼を出してやがんのは……
誰だ、こんないい加減な
依頼を出してやがんのは……
遊撃士はくだらねえ冗談に
付き合ってるほどヒマじゃねえんだ。
付き合ってるほどヒマじゃねえんだ。
ったく、一度説教してやらねえと……
●PHASE 2
ア:ああ、来た来た。
あんたか?
《紫のメルレット》ってのはよ。
《紫のメルレット》ってのはよ。
メ:ええ、そうですが……
ア:いいか、遊撃士ってのはな、
基本的に民間人の生活をサポートする仕事だ。
基本的に民間人の生活をサポートする仕事だ。
どうしても困ってる奴が
遊撃士に依頼を出すもんなんだ。
遊撃士に依頼を出すもんなんだ。
『ギド・カーンを倒してくれ』なんて、
いい加減な依頼を出してんじゃねえ!
いい加減な依頼を出してんじゃねえ!
そもそもギド・カーンってのは、
英雄だか何だか言われてる奴だろ。
まず依頼の意味が分かんねえだろうが。
英雄だか何だか言われてる奴だろ。
まず依頼の意味が分かんねえだろうが。
メ:……ええ。
確かにそうですね。
確かにそうですね。
ア:チッ……
最近この手合いの話が多くて困るぜ。
最近この手合いの話が多くて困るぜ。
まあ今回はいい。
あんた、依頼を出すのは初めてみてえだからな。
あんた、依頼を出すのは初めてみてえだからな。
これからは遊撃士に何を頼むか、
注意して依頼しろよ。
注意して依頼しろよ。
メ:ネロ、あなたの仕業ね?
(猫、にゃーと鳴く)
メ:誤魔化しても駄目よ。
こんな悪戯をするのは、
あなたくらいのものでしょう。
こんな悪戯をするのは、
あなたくらいのものでしょう。
黒猫:いやぁ、最近ヒマだしさ。
熱血っぽい人間って、
何か面白いことをやってくれそうでしょ?
何か面白いことをやってくれそうでしょ?
メ:もう、本当に……
少しおいたが過ぎるわよ。
少しおいたが過ぎるわよ。
(猫、再びにゃーと鳴く)
●PHASE 3
ア:ここまでくれば十分だろ。
後は街道沿いに歩けば町に着く。
後は街道沿いに歩けば町に着く。
シスター:はい、ありがとうございました。
ア:さてと、これで
手持ちの依頼は済んじまったな。
手持ちの依頼は済んじまったな。
一度ギルドに戻るとするか。
ん……?
騎士:するとギド・カーンの軍が……
老騎士:ああ、信じられんことだが
軍備を強化し、他国への侵攻を目論んでおるようだ。
軍備を強化し、他国への侵攻を目論んでおるようだ。
また戦になるやもしれんな……
ア:ギド・カーンっていやあ……
あの意味分かんねえ依頼にあった奴だよな。
あの意味分かんねえ依頼にあった奴だよな。
……………………………………
ギルドに戻る前に、
少し様子を見てみるとするか。
少し様子を見てみるとするか。
噂話なんざ当てにならねえが……
ギルドも正確な情報が欲しいだろうからな。
ギルドも正確な情報が欲しいだろうからな。
●PHASE 4
ア:(獅子の軍旗……
やっぱギド・カーンの軍隊みてえだな。)
やっぱギド・カーンの軍隊みてえだな。)
(チッ、戦争なんざおっ始めやがって。
一体どうやってやがる……)
一体どうやってやがる……)
女性の声:あら、貴方は……?
メ:確か以前お会いした、遊撃士の方ですね。
その節は迷惑をかけてしまいましたね。
一度お詫びを、と思っていたのですが……
一度お詫びを、と思っていたのですが……
ア:い、いや……
あんたがデタラメを言ってたわけじゃ
ねえってことは分かったからな。
現に大事になっちまってるし……
ねえってことは分かったからな。
現に大事になっちまってるし……
まあ依頼の出し方は間違ってただろうが、
今はもう、とやかく言わねえぜ。
今はもう、とやかく言わねえぜ。
メ:……そうですか。
(猫、にゃーと鳴く)
メ:それで……
これからどうするおつもりなのですか?
ア:そうだな……
●PHASE 5
メ:ギド・カーンの軍を
止める、というのですか?
止める、というのですか?
しかし、遊撃士は
国家権力への干渉はできないと
聞いたことがありますが……
国家権力への干渉はできないと
聞いたことがありますが……
ア:へっ、まあ規約上はな。
だが手がねえわけじゃねえんだ。
規約の解釈は、ある程度
個人に任せられているからな。
個人に任せられているからな。
それに、遊撃士の原則は民間人の保護だ。
こいつに背くようなら、
多少理屈つけて通すことができんだよ。
こいつに背くようなら、
多少理屈つけて通すことができんだよ。
そうだ、メルレットとかいったな。
あんた相当腕が立つだろ。
あんた相当腕が立つだろ。
へっ、丁度いい。
少し俺の稽古に付き合ってくれよ。
少し俺の稽古に付き合ってくれよ。
今回の仕事は、ちょいと肩慣らしが必要だからな。
●PHASE 6
メ:なるほど、乙宵ですね。
戦い方にも迷いが無いように思います。
戦い方にも迷いが無いように思います。
ア:へっ、まあ我流だがな。
俺には俺の、重剣の振るい方がある。
俺には俺の、重剣の振るい方がある。
ギド・カーンって奴は、
確か最強の男とか呼ばれてるんだろ・
確か最強の男とか呼ばれてるんだろ・
だったら、個人的に挑んじまえばいいのさ。
そのくらい、構やしねえだろ。
そのくらい、構やしねえだろ。
メ:しかし、それだけで
彼の軍隊を止められるものでしょうか。
彼の軍隊を止められるものでしょうか。
ア:フン……
そういう輩は、
一発ぶん殴ってやれば目が覚めるもんだ。
一発ぶん殴ってやれば目が覚めるもんだ。
自分がどうして負けちまったのかってな。
●ENDING
ア:へっ、どんな腑抜けかと思ったが……
あの野郎、中々すげえ腕前じゃねえか。
あの野郎、中々すげえ腕前じゃねえか。
今回は何とか凌いだが、
もう一度闘ったらどうなるか分からねえな……
もう一度闘ったらどうなるか分からねえな……
メ:どうやら、ギド・カーン軍は
撤退を始めたようですね。
撤退を始めたようですね。
各地の戦乱も収束に向かっているようです。
ア:フン、そうか……
まあ野郎にも骨があんなら
首洗ってまたやり直すだろうさ。
……俺みてえにな。
首洗ってまたやり直すだろうさ。
……俺みてえにな。
ああ、そうだ。
一応この件は、あんたの依頼になってたが……
一応この件は、あんたの依頼になってたが……
報酬はいらねえぜ。
俺は個人的に、奴に挑んだだけだからな。
俺は個人的に、奴に挑んだだけだからな。
メ:ええ、確かそういうお話でしたね。
ア:ああ、ってことで
依頼を出すときは気をつけやがれよ。
今回はノーカウントだからな。
依頼を出すときは気をつけやがれよ。
今回はノーカウントだからな。
で、何なんだよこの猫は。
さっきからまとわり付いてやがるが……
さっきからまとわり付いてやがるが……
黒猫:……ごろにゃーん!
(ふふ、やっぱり気に入っちゃったかも。
ついでえだし、ネロと遊んでかない?)
(ふふ、やっぱり気に入っちゃったかも。
ついでえだし、ネロと遊んでかない?)
メ:……どうやら、懐かれてしまったようですね。
ア:懐かれるったって、俺は別に何も……
へ、へんな猫を連れてやがんな……
妙なオーラを放ってやがる気もするが……
妙なオーラを放ってやがる気もするが……
ま、まあいい。
これでようやく、依頼も片付いたしな。
これでようやく、依頼も片付いたしな。
ギルドに戻って報告するか。
ようやく一仕事終えたアガットは
ギルドへ帰っていった。
久々の強敵との戦い
彼は今、心なしか充足を感じていた。
ギルドへ帰っていった。
久々の強敵との戦い
彼は今、心なしか充足を感じていた。