プリンセス(クローゼ)

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プリンセス(クローゼ)


●PHASE 1


ク:ふう、いい景色……

  ふふ、たまには
  一人で旅をしてみるのいいよね。

  いつもジークやユリアさんに
  助けてもらってばかりだし……

  それに、もうしばらくしたら
  こんな事もできなくなってしまうかもしれない。

  ……うん、今のうちに
  目一杯いろんな経験をしておかないと。

  ふふ、やっぱりちょっと寂しいけど
  これも慣れないといけないよね。

メ:おや……?

  どなたか、
  先にいらっしゃったようですね。


●PHASE 2


メ:そうですか、
  学園の休暇中に旅を……

  お若いのに
  しっかりしてらっしゃるのですね。

ク:あはは、そんなことはないんです。

  友人に遊撃士をしている方がいて、
  こうやっていろんな土地を旅するのに
  ちょっと憧れていたのもあるんです。

  (崖の方を向いて)
  ふふ、私って
  あまりそういった経験がないもので……

  あの、メルレットさんは
  どちらから……?

メ:ええ、そうですね……

  私は永く
  気ままな旅をしているものですから。

  どこからやってきた、ということを
  意識したことは無いのかもしれませんね。

  (クローゼの方を向いて)
  ですが、気に入っている
  国や場所はありますよ。

  人の手が入っていない自然や
  さまざまな形で生活を営む人々……
  それらを見て回るのは、とても面白いものですから。


●PHASE 3


ク:そうですか……
  そんな土地で暮らしている人々も
  いらっしゃるんですね。

  ふふ、メルレットさんのお話は
  とても勉強になります。

  (私も、もっともっと
   勉強しないといけないな……)

メ:クローゼさんは、政治や国のあり方に
  興味がおありなのですね。

ク:えっ……?

  (クローゼ焦る)
  あ、あはは……
  えっと、一応学園では
  社会科に所属しているので……

メ:なるほど、そうだったのですか。

  ふふ、道理で良くご存知だと思いました。
  こういった話題で
  話が合う方も珍しいものですから……

ク:?
  あの、メルレットさん?

メ:(これは闇の気配……)

  (どうやら、世界のどこかで
   不穏な動きがあるようですね……)


●PHASE 4


ク:あの炎は……
  軍隊が土地を焼いている……!?

  そんな、でもどうして……
  このあたりは、ただの
  穀倉地帯だったはずなのに……

メ:あれはギド・カーンの軍ですね。

  覇者と呼ばれる彼は、
  以前から、大陸の征服を
  企んでいるという噂がありましたが……

ク:大陸の征服……

  ……そんなこと、
  とても正しいとは思えません。

  その方の事情を知らない私が
  断言していいのかは分かりませんけど、
  そんなことって……

  ………………………………………

  (戦争を否定したい気持ち……
   政治や外交の立場から見れば、
   これが綺麗事だってことは分かってるけど……)

  (でも、こんな風に土地を焼き、
   そこで暮らしている人々を追い出して
   それで征服だなんて。)

  (こんなこと、見過ごすわけには……)

メ:クローゼさん……?

ク:あ、いえ……
  ………その…………

  (どうしよう。
   このまま放っておくわけにはいかない。)

  (でも、私に何が出来るんだろう。
   ただのクローゼである、今の私に……)


●PHASE 5


ク:(私の立場を使えば、
   この事態を止められるかもしれない。
   リーベル王国で、王位継承者にある私なら……)

  (でも私には、
   本当は王位を継ぐ自身も覚悟もない。)

  (王としての判断と責任の前では
   私個人の心なんて、切り捨てなければいけないもの。
   それが怖くて、ずっと逃げ続けてきた位なのに。)

  (……なのに都合のいいときだけ、
   この立場を利用しようなんて……)

メ:クローゼさん。
  随分とお悩みのようですね。

ク:あ、はい……

  ……すみません。
  まだお話しする決心がつかなくて……

メ:クローゼさん、
  無理に明かさなくても構いませんよ。

  ですが、そうですね。

  もしお困りで、力が必要だと感じているなら……
  私にそう仰ってください。

ク:あ、あのメルレットさん?
  それって……

メ:ふふ、私は≪紫のメルレット≫。
  世にネイティアルを伝える者……

  クローゼさん、貴女が望むなら
  私は貴女に力を授けましょう。

  ギド・カーン、彼を止めるための力を。


●PHASE 6


ク:メルレットさんが
  そんな高名な方だったなんて……

  すみません。今まで全然気づかなくって。

メ:ふふ、改まることはありません。

  私にはクローゼさんの事情は分かりませんが、
  今の貴女の想いは、とても根本的なもの……

  それはきっと、将来の貴女の心を
  強く支えてくれることでしょう。

  クローゼさんが、
  たとえどんな立場であっても。

ク:あはは……
  はい、ありがとうございます。

  (やっぱりメルレットさんは
   私のこと、気づいていらっしゃったみたいですね……)

  あの……メルレットさんには
  本当にお世話になってしまいました。
  私にはお礼を言うことしかできないけれど……

  今はクローゼとして
  自分の思いを貫いてみたいと思います。


●ENDING


ク:ふう……
  ただの旅行のつもりだったのに、
  結局大事になっちゃった。

  少しやりすぎちゃったかな……

  でも、たくさん勉強になったし
  本当にやりたいこともできた。

  ……メルレットさんには、またお会いしたいな。

  (?)

  ジーク……?

  どうしたの?
  今回はついてこないって言っていたのに……

ジ:ピュイピュイ、ピューイ!

ク:あっ、そういえば……
  もう休暇も終わりなんだ……

ジ:ピュイピュイ。(ゲーム内では「クローゼ」と誤記)

ク:そう、ユリアさんが……

  うん、そうね。
  早めに帰って、最後の一日は
  お城でゆっくりしようかな。

  お祖母さまにもご挨拶しなきゃいけないし、
  3人でお茶にするのもいいよね。

  ふふ、それじゃ
  帰りは2人で行こうか。

ジ:ピューイ!



クローゼは、深い夜空に一つ深呼吸をした。
いずれ国を継ぐ立場にある王太女……
白ハヤブサのジークを連れ、
クローゼは祖国リーベルへと帰っていった。

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