私は確かに哭いていた────哭いていたのだッ!!

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私は確かに哭いていた────哭いていたのだッ!! - (2020/05/19 (火) 20:38:21) の1つ前との変更点

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発言者:[[アレクサンドル・ラスコーリニコフ]] 対象者:[[名も知らぬ二人の少女>秋月高嶺]] 自分は人間ではなく無謬の歯車であると、少数の嘆きを轢殺してでも、全体幸福に尽くすことを己に課して &bold(){泣くべきなのは、泣いていいのはそうして己に磨り潰された者達や助けを求めた人達}であり…… 自らは断じて泣いていいような人間ではないとし、己を救いようの無い愚物だとしていたアレクサンドルの &bold(){本当はそうして嘆く人々達をこそ自分が救いたかったこと}、&bold(){嘆く人々を救えぬことに自分が涙していたただの人間にすぎなかった} という己がイドへと向き合い、彼が[[真理>心装・真理]]の階へと至ったことを示す台詞。 &size(14){&color(dimgray){&bold(){「守りたかった……のだな」}}} &color(dimgray){&bold(){なるほど、理解が出来る。私も幾度となく、そう願いながら取りこぼしてきた男だから。}} &size(14){&color(dimgray){&bold(){「&ruby(・・・){あの時}、守れなかったものへの哀悼と慚愧に……その魂を焼かれ続けているというのだな、&ruby(・・・・・・){おまえもまた}」}}} アレクサンドルは、妹の涙を置き去りに暴れ狂う&ruby(ハインケル){[[アポルオン]]}を静かに見つめる。 &bold(){表情は依然変わらない。しかし、その昏い瞳の底では、荒れ狂う深海の潮流にも似た激情が渦巻いていた}。 &bold(){終わらない生き地獄。救いたいものばかりが救えない現実。} 何一つ変わらない現実に対し、せめて己を全うして職務に忠実たらんとしたこと。 そしてその果てが、軍属という秩序さえ喪失したものだったから。 &size(14){&color(dimgray){&bold(){「年端もいかぬ少女の涙、か……」}}} そして彼は、&ruby(いもうと){他者}の救済と&ruby(ハガネ){鋼鉄}の滅びを希う[[絶叫>暴蝕崩弾]]に曝されながらも、思う。 &bold(){いったい何時から自分は、救った相手を知ろうともしなくなったのだろうと}。 たとえそれが汚れ仕事だろうとも、一介の軍人として動けば当然ながらその対価として救われたはずの者がいる。 そういう存在へ見向きもせず、次なる戦火を目指し始めたのは何時からだろうか。 別に感謝が欲しかったわけでもない。笑顔を見たかったわけでもない。 &bold(){だからとにかく他者の痛みを砕こうと、それだけに腐心した日々は何を取り戻そうと足掻いたかを摩耗していく。} &bold(){つい先程、黒髪の小さな少女に言われなければ、自己の求めさえ忘れていたままだった。} &size(15){&color(dimgray){&bold(){「醜悪な鏡だ。愚かさばかりが映る。&italic(){───}哭いているのだな、お前は」}}} アレクサンドルが人類種に幸福を齎す組織として無謬と信じた組織である&ruby(ホロロギウム){[[時計機構]]}。 しかし、他ならないその機構によって犠牲となり、安息の眠りにつくことすら許されず弄ばれ続ける存在…… &bold(){&ruby(おのれ){歯車}自身が轢殺してきた少数の嘆き}の象徴とも言うべき、アポルオンの無残な姿と止まらぬ慟哭を前にして アレクサンドルは悟る、&bold(){これこそが自分が歩んできた道が生み出したものなのだと}。そうして寂びた苦笑と共に、自嘲の言葉を紡ぐ &sizex(5){&color(dimgray){&bold(){「&ruby(・・){今度}もまた、私は見誤ったのだな……救いようが無い愚か者だ」}}} &sizex(4){&color(dimgray){&bold(){「人が、人を救う}――}}&sizex(4){&color(dimgray){&bold(){たった&ruby(・・・・){それだけ}のことに&ruby(かみ){理想}だ&ruby(ちから){現実}だと題目ばかりを追い求め……」}}} &sizex(4){&color(dimgray){&bold(){「一体いくつの、助けを求める叫びを、嘆きを……}}}&sizex(4){&color(dimgray){&bold(){私は今まで聴き逃してしまったのだろう」}}} &bold(){神の道を見限り、秩序の歯車を回し続け……その果てに巡り合った&ruby(アポルオン){犠牲者}。} &bold(){彼こそは、アレクサンドル・ラスコーリニコフが突き進んだ道の終わりに待つ、残酷なる鏡だった。} ……けれど。&bold(){耳にこびりついて離れない慟哭もまた、ずっと彼自身が助けたかったものだから───} &sizex(5){&color(gray){&bold(){「だからこそ」}}} &sizex(3){&color(gray){&bold(){アレクサンドルは全てを呑み込む無尽の闇へと、退路など考えず、一切躊躇いなく飛び込んで行く。}}} &sizex(3){&color(gray){&bold(){その胸中に木霊するは、少女らの声。}}} &bold(){&sizex(3){&color(lightskyblue){ねえ神父様――}}&sizex(3){&color(skyblue){ねえ軍人さん。}}} &bold(){&sizex(3){&color(lightskyblue){どうかお願い苦しまないで――}}&sizex(3){&color(skyblue){涙しながら叫びながら、助けに来なくていいのだから……}}と。} &size(20){&color(gray){&bold(){&italic(){「せめてその嘆き……この愚か者に止めさせてくれ」}}}} &size(24){&color(gray){&bold(){&italic(){「ああ、そうだな、名も知らぬ二人の少女よ。}}}} &size(25){&color(gray){&bold(){&italic(){私は確かに&ruby(な){哭}いていた──&size(26){&ruby(な){哭}いていたのだッ!!}」}}}} &sizex(4){―――自己の&ruby(イド){陰我}を認めた想いが、彼に更なる先への道を示した。} &sizex(3){&color(#06061D){……そして彼は、順当な結果として全てを消し去る黒い穴に墜ちていく。}} &sizex(3){&color(#06061D){アレクサンドルの拳が、腕が、宇宙の果てへと消滅した。}} &sizex(3){&color(#06061D){肩が、顔半面が、半身が、その生涯が、虚無の彼方へと吸い込まれ、貪り食い尽くされる。}} &sizex(4){&color(#06061D){&bold(){辿り着いた先は、天地も方位も概念すら存在しない、森羅万象の終着点たる真の虚無。}}} &sizex(4){&color(#3A0909){そこでアレクサンドルの意識もまた、儚く溶け落ようとしていたが………}} &sizex(4){&color(#00BFFF){………兄さん。}} &sizex(5){―――“彼”はその声を聴いた。} &sizex(4){&color(skyblue){―――兄さん。}} &sizex(3){&color(skyblue){&bold(){慈しむような、優しく柔らかい声。}}} &sizex(3){&color(skyblue){&bold(){ただ誰かが誰かを愛し案ずるという、その一つの想いだけが結晶したような呼び声が。}}} &sizex(4){&bold(){もはや自分が何者かすら判らない。}} &sizex(4){&bold(){それでも、その声を聴き逃してはならないという使命感だけは“彼”に残っていた。}} &size(20){&color(gray){&bold(){「}――&bold(){そこ}――&bold(){か}―――&bold(){」}}} &size(21){&color(gray){&bold(){「待って……いろ……今すぐ……助けに」}}} &sizex(4){&color(gray){故に、アレクサンドルは虚無の中で唯一確かなその声へと“手”を伸ばし―――}} ---- - 確かに厨二ゲーの方々って「人が人を救うだけのことに題目ばかりを追い求める」人が異様に多いと思う -- 名無しさん (2017-03-20 19:40:34) - くそ真面目な奴は極端な考えしてるって幽助も言ってたしな -- 名無しさん (2017-03-20 19:42:57) - 助けたいから助けるでいいのにね。 -- 名無しさん (2017-03-20 19:51:44) - 作中屈指の名シーン。不器用なおっさんマジかっこいい -- 名無しさん (2017-03-20 19:53:13) - 他社作品になるが昏式単独のMaggot baitの主人公もアレクサンドルのような男だったな。と言うよりアレクサンドルが主人公のゲームだったというか -- 名無しさん (2017-03-20 20:42:41) - 大きな視野で人を救おうとすると否応なく直面する問題ではあるだろ。時計機構が文明を進めてそれの利益を受けて救われた人はごまんといる。目の前で困ってる人に手を差し伸べてるだけじゃ救えない命も山ほどある。その上で改めて「目の前の人へ手を差し伸べること」を選ぶからいいのであって、始めからそれしかしてないならそりゃただの気のいい兄ちゃんだ -- 名無しさん (2017-03-20 20:44:32) - よく大の為に小が犠牲になること、皆を救えないことに葛藤するキャラは厨二で語られるが、ぶっちゃけ現実の人間は真剣に考えず「まあ仕方ないか」という思考停止じみた薄情さであっさり流しちゃってそこまで悩まないよね?ってのはある -- 名無しさん (2017-03-20 21:44:03) - そんな人間はそも大を救おうとしないし、大を救おうとしてる時点で普通じゃない利他の人間なんだから、その指摘はちょっとあまりにも的外れなのでは? 銀メダルで泣いたオリンピック選手を見て「普通の人間は銀メダルとれたら嬉しいよね世界で二番目だし」とか言ってるような滑稽さがある -- 名無しさん (2017-03-20 21:46:36) - 漫画なら「大を救おうとする人は、利他の人間だから、葛藤して苦しむ」が成立するけど、現実の人間には大を救おうとしてる≠利他な人間≠葛藤して苦しむって感じで理屈通りに成立しないような気がする -- 名無しさん (2017-03-20 22:09:03) - とりあえず悩みすぎ、ヨクナイ -- 名無しさん (2017-03-21 01:16:21) - ゼファーさんなら当たり前の様に哭いているぞ?ゼファーさんなら当たり前の様に哭いているぞ?ゼファーさんなら当たり前の様に哭いているぞ? -- 名無しさん (2017-03-21 05:15:49) - いや、ゼファーさんは別の意味で哭いてるから -- 名無しさん (2017-03-21 07:52:39) - ↑まあ、理想的な存在になれないことに哭いている点では同じかなぁ? -- 名無しさん (2017-06-12 07:39:58) - こういう全を救うために犠牲が云々とか、「人間は手を取り合って生きていける -- 名無しさん (2017-06-12 14:02:49) - こういう全を救うために犠牲が云々とか、「人間は手を取り合って生きていける」的な理想論で〆る主人公とかを見ると、「あ~誰かがこう指パッチンしたらその瞬間に全人類が明るく優しく幸せに生きて何の不幸も不条理も起こらない世界になったらな~」とか思ってしまう今日この頃。途中送信失礼m(_ _)m -- 名無しさん (2017-06-12 14:06:27) - 格差、光と闇、正義と悪、聖人と屑。誰も彼もが善人ならば、心踊る英雄譚が見れないというジレンマがある。英雄譚を求め、楽しんでいる俺は塵屑だわ -- 名無しさん (2017-07-03 18:16:01) - 英雄なんて必要ない世界こそ理想だからな。 -- 名無しさん (2017-07-03 18:32:30) - ⬆ 英雄=危険を一手に受ける生け贄って見ることも出来るからな… -- 名無しさん (2017-07-03 20:14:52) - 善悪、倫理なんて者があるから人は嘆き苦しむのだ!全人類が生きても死んでも満足しそうな本気おじさんみたいになればいい(狂気) -- 名無しさん (2017-07-03 22:51:20) - やはり悲想天が最高か… -- 名無しさん (2017-07-04 09:09:57) - もっと言えば誰も苦しまない世界…つまり天狗道?(完成に至る過程は無視) -- 名無しさん (2017-07-14 14:05:05) - 世紀末救世主波旬か… -- 名無しさん (2017-07-14 15:50:02) - ↑×2楽ありゃ苦もある。逆に言えば苦がなきゃ楽もない。ほどほどな黄昏とか悲想天で我慢しろ -- 名無しさん (2017-07-14 17:46:03) - ↑悲想天最終状態は苦も楽もないただ生きて死ぬだけの世界だが宜しいか? -- 名無しさん (2019-04-02 19:59:44) - 苦も楽も同じこと。命の色でございます。 -- 名無しさん (2020-04-21 08:47:48) #comment()
発言者:[[アレクサンドル・ラスコーリニコフ]] 対象者:[[名も知らぬ二人の少女>秋月高嶺]] 自分は人間ではなく無謬の歯車であると、少数の嘆きを轢殺してでも、全体幸福に尽くすことを己に課して &bold(){泣くべきなのは、泣いていいのはそうして己に磨り潰された者達や助けを求めた人達}であり…… 自らは断じて泣いていいような人間ではないとし、己を救いようの無い愚物だとしていたアレクサンドルの &bold(){本当はそうして嘆く人々達をこそ自分が救いたかったこと}、&bold(){嘆く人々を救えぬことに自分が涙していたただの人間にすぎなかった} という己がイドへと向き合い、彼が[[真理>心装・真理]]の階へと至ったことを示す台詞。 &size(14){&color(dimgray){&bold(){「守りたかった……のだな」}}} &color(dimgray){&bold(){なるほど、理解が出来る。私も幾度となく、そう願いながら取りこぼしてきた男だから。}} &size(14){&color(dimgray){&bold(){「&ruby(・・・){あの時}、守れなかったものへの哀悼と慚愧に……その魂を焼かれ続けているというのだな、&ruby(・・・・・・){おまえもまた}」}}} アレクサンドルは、妹の涙を置き去りに暴れ狂う&ruby(ハインケル){[[アポルオン]]}を静かに見つめる。 &bold(){表情は依然変わらない。しかし、その昏い瞳の底では、荒れ狂う深海の潮流にも似た激情が渦巻いていた}。 &bold(){終わらない生き地獄。救いたいものばかりが救えない現実。} 何一つ変わらない現実に対し、せめて己を全うして職務に忠実たらんとしたこと。 そしてその果てが、軍属という秩序さえ喪失したものだったから。 &size(14){&color(dimgray){&bold(){「年端もいかぬ少女の涙、か……」}}} そして彼は、&ruby(いもうと){他者}の救済と&ruby(ハガネ){鋼鉄}の滅びを希う[[絶叫>暴蝕崩弾]]に曝されながらも、思う。 &bold(){いったい何時から自分は、救った相手を知ろうともしなくなったのだろうと}。 たとえそれが汚れ仕事だろうとも、一介の軍人として動けば当然ながらその対価として救われたはずの者がいる。 そういう存在へ見向きもせず、次なる戦火を目指し始めたのは何時からだろうか。 別に感謝が欲しかったわけでもない。笑顔を見たかったわけでもない。 &bold(){だからとにかく他者の痛みを砕こうと、それだけに腐心した日々は何を取り戻そうと足掻いたかを摩耗していく。} &bold(){つい先程、黒髪の小さな少女に言われなければ、自己の求めさえ忘れていたままだった。} &size(15){&color(dimgray){&bold(){「醜悪な鏡だ。愚かさばかりが映る。&italic(){───}哭いているのだな、お前は」}}} アレクサンドルが人類種に幸福を齎す組織として無謬と信じた組織である&ruby(ホロロギウム){[[時計機構]]}。 しかし、他ならないその機構によって犠牲となり、安息の眠りにつくことすら許されず弄ばれ続ける存在…… &bold(){&ruby(おのれ){歯車}自身が轢殺してきた少数の嘆き}の象徴とも言うべき、アポルオンの無残な姿と止まらぬ慟哭を前にして アレクサンドルは悟る、&bold(){これこそが自分が歩んできた道が生み出したものなのだと}。そうして寂びた苦笑と共に、自嘲の言葉を紡ぐ &sizex(5){&color(dimgray){&bold(){「&ruby(・・){今度}もまた、私は見誤ったのだな……救いようが無い愚か者だ」}}} &sizex(4){&color(dimgray){&bold(){「人が、人を救う}――}}&sizex(4){&color(dimgray){&bold(){たった&ruby(・・・・){それだけ}のことに&ruby(かみ){理想}だ&ruby(ちから){現実}だと題目ばかりを追い求め……」}}} &sizex(4){&color(dimgray){&bold(){「一体いくつの、助けを求める叫びを、嘆きを……}}}&sizex(4){&color(dimgray){&bold(){私は今まで聴き逃してしまったのだろう」}}} &bold(){神の道を見限り、秩序の歯車を回し続け……その果てに巡り合った&ruby(アポルオン){犠牲者}。} &bold(){彼こそは、アレクサンドル・ラスコーリニコフが突き進んだ道の終わりに待つ、残酷なる鏡だった。} ……けれど。&bold(){耳にこびりついて離れない慟哭もまた、ずっと彼自身が助けたかったものだから───} &sizex(5){&color(gray){&bold(){「だからこそ」}}} &sizex(3){&color(gray){&bold(){アレクサンドルは全てを呑み込む無尽の闇へと、退路など考えず、一切躊躇いなく飛び込んで行く。}}} &sizex(3){&color(gray){&bold(){その胸中に木霊するは、少女らの声。}}} &bold(){&sizex(3){&color(lightskyblue){ねえ神父様――}}&sizex(3){&color(skyblue){ねえ軍人さん。}}} &bold(){&sizex(3){&color(lightskyblue){どうかお願い苦しまないで――}}&sizex(3){&color(skyblue){涙しながら叫びながら、助けに来なくていいのだから……}}と。} &size(20){&color(gray){&bold(){&italic(){「せめてその嘆き……この愚か者に止めさせてくれ」}}}} &size(24){&color(gray){&bold(){&italic(){「ああ、そうだな、名も知らぬ二人の少女よ。}}}} &size(25){&color(gray){&bold(){&italic(){私は確かに&ruby(な){哭}いていた──&size(26){&ruby(な){哭}いていたのだッ!!}」}}}} &sizex(4){―――自己の&ruby(イド){陰我}を認めた想いが、彼に更なる先への道を示した。} &sizex(3){&color(#06061D){……そして彼は、順当な結果として全てを消し去る黒い穴に墜ちていく。}} &sizex(3){&color(#06061D){アレクサンドルの拳が、腕が、宇宙の果てへと消滅した。}} &sizex(3){&color(#06061D){肩が、顔半面が、半身が、その生涯が、虚無の彼方へと吸い込まれ、貪り食い尽くされる。}} &sizex(4){&color(#06061D){&bold(){辿り着いた先は、天地も方位も概念すら存在しない、森羅万象の終着点たる真の虚無。}}} &sizex(4){&color(#3A0909){そこでアレクサンドルの意識もまた、儚く溶け落ようとしていたが………}} &sizex(4){&color(#00BFFF){………兄さん。}} &sizex(5){―――“彼”はその声を聴いた。} &sizex(4){&color(skyblue){―――兄さん。}} &sizex(3){&color(skyblue){&bold(){慈しむような、優しく柔らかい声。}}} &sizex(3){&color(skyblue){&bold(){ただ誰かが誰かを愛し案ずるという、その一つの想いだけが結晶したような呼び声が。}}} &sizex(4){&bold(){もはや自分が何者かすら判らない。}} &sizex(4){&bold(){それでも、その声を聴き逃してはならないという使命感だけは“彼”に残っていた。}} &size(20){&color(gray){&bold(){「}――&bold(){そこ}――&bold(){か}―――&bold(){」}}} &size(21){&color(gray){&bold(){「待って……いろ……今すぐ……助けに」}}} &sizex(4){&color(gray){故に、アレクサンドルは虚無の中で唯一確かなその声へと“手”を伸ばし―――}} &size(20){&bold(){……突如、アポルオンの肉体に起きる爆発──。}} &size(20){&bold(){亡霊の背中を突き破り、もはや幾ばくもない命と傷つきながら……彼は、通常空間へと帰還した。}} &size(21){&bold(){その五指に、《預言者》の一部であった機械部品を握って。}} &italic(){&tt(){&font(23,b){&color(#6DAD8B){―――まるで、ようやく見つけ出せた……大切な宝物を愛おしむように。}}}} ---- - 確かに厨二ゲーの方々って「人が人を救うだけのことに題目ばかりを追い求める」人が異様に多いと思う -- 名無しさん (2017-03-20 19:40:34) - くそ真面目な奴は極端な考えしてるって幽助も言ってたしな -- 名無しさん (2017-03-20 19:42:57) - 助けたいから助けるでいいのにね。 -- 名無しさん (2017-03-20 19:51:44) - 作中屈指の名シーン。不器用なおっさんマジかっこいい -- 名無しさん (2017-03-20 19:53:13) - 他社作品になるが昏式単独のMaggot baitの主人公もアレクサンドルのような男だったな。と言うよりアレクサンドルが主人公のゲームだったというか -- 名無しさん (2017-03-20 20:42:41) - 大きな視野で人を救おうとすると否応なく直面する問題ではあるだろ。時計機構が文明を進めてそれの利益を受けて救われた人はごまんといる。目の前で困ってる人に手を差し伸べてるだけじゃ救えない命も山ほどある。その上で改めて「目の前の人へ手を差し伸べること」を選ぶからいいのであって、始めからそれしかしてないならそりゃただの気のいい兄ちゃんだ -- 名無しさん (2017-03-20 20:44:32) - よく大の為に小が犠牲になること、皆を救えないことに葛藤するキャラは厨二で語られるが、ぶっちゃけ現実の人間は真剣に考えず「まあ仕方ないか」という思考停止じみた薄情さであっさり流しちゃってそこまで悩まないよね?ってのはある -- 名無しさん (2017-03-20 21:44:03) - そんな人間はそも大を救おうとしないし、大を救おうとしてる時点で普通じゃない利他の人間なんだから、その指摘はちょっとあまりにも的外れなのでは? 銀メダルで泣いたオリンピック選手を見て「普通の人間は銀メダルとれたら嬉しいよね世界で二番目だし」とか言ってるような滑稽さがある -- 名無しさん (2017-03-20 21:46:36) - 漫画なら「大を救おうとする人は、利他の人間だから、葛藤して苦しむ」が成立するけど、現実の人間には大を救おうとしてる≠利他な人間≠葛藤して苦しむって感じで理屈通りに成立しないような気がする -- 名無しさん (2017-03-20 22:09:03) - とりあえず悩みすぎ、ヨクナイ -- 名無しさん (2017-03-21 01:16:21) - ゼファーさんなら当たり前の様に哭いているぞ?ゼファーさんなら当たり前の様に哭いているぞ?ゼファーさんなら当たり前の様に哭いているぞ? -- 名無しさん (2017-03-21 05:15:49) - いや、ゼファーさんは別の意味で哭いてるから -- 名無しさん (2017-03-21 07:52:39) - ↑まあ、理想的な存在になれないことに哭いている点では同じかなぁ? -- 名無しさん (2017-06-12 07:39:58) - こういう全を救うために犠牲が云々とか、「人間は手を取り合って生きていける -- 名無しさん (2017-06-12 14:02:49) - こういう全を救うために犠牲が云々とか、「人間は手を取り合って生きていける」的な理想論で〆る主人公とかを見ると、「あ~誰かがこう指パッチンしたらその瞬間に全人類が明るく優しく幸せに生きて何の不幸も不条理も起こらない世界になったらな~」とか思ってしまう今日この頃。途中送信失礼m(_ _)m -- 名無しさん (2017-06-12 14:06:27) - 格差、光と闇、正義と悪、聖人と屑。誰も彼もが善人ならば、心踊る英雄譚が見れないというジレンマがある。英雄譚を求め、楽しんでいる俺は塵屑だわ -- 名無しさん (2017-07-03 18:16:01) - 英雄なんて必要ない世界こそ理想だからな。 -- 名無しさん (2017-07-03 18:32:30) - ⬆ 英雄=危険を一手に受ける生け贄って見ることも出来るからな… -- 名無しさん (2017-07-03 20:14:52) - 善悪、倫理なんて者があるから人は嘆き苦しむのだ!全人類が生きても死んでも満足しそうな本気おじさんみたいになればいい(狂気) -- 名無しさん (2017-07-03 22:51:20) - やはり悲想天が最高か… -- 名無しさん (2017-07-04 09:09:57) - もっと言えば誰も苦しまない世界…つまり天狗道?(完成に至る過程は無視) -- 名無しさん (2017-07-14 14:05:05) - 世紀末救世主波旬か… -- 名無しさん (2017-07-14 15:50:02) - ↑×2楽ありゃ苦もある。逆に言えば苦がなきゃ楽もない。ほどほどな黄昏とか悲想天で我慢しろ -- 名無しさん (2017-07-14 17:46:03) - ↑悲想天最終状態は苦も楽もないただ生きて死ぬだけの世界だが宜しいか? -- 名無しさん (2019-04-02 19:59:44) - 苦も楽も同じこと。命の色でございます。 -- 名無しさん (2020-04-21 08:47:48) #comment()

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