なんて精巧な姿見。等身大で、嫌になるほど似通っている。これが、同属嫌悪というものなのね……

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なんて精巧な姿見。等身大で、嫌になるほど似通っている。これが、同属嫌悪というものなのね…… - (2017/07/02 (日) 19:20:49) の1つ前との変更点

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発言者:[[エリザベータ・イシュトヴァーン]] 対象者:[[青砥 美汐]] &bold(){互いが互いの在り方、言動を何故か認められず、それでいて相手を否定する言葉を吐く度に己の心も軋む。} そんな事を繰り返しながら戦う女二人の片方が、諦観とともに呟いた二人の事実。 ジュン√、天空の[[オルフィレウス]]が見降ろす中、[[凌駕>秋月 凌駕]]達は、同じく[[機構>時計機構]]の真実を知り、その上で任務を果たそうとする[[ギアーズ>戦闘実行部隊・ギアーズ]]の面々との決戦に挑む。 凌駕と[[ジュン>万里也 ジュン]]の二人が、ギアーズの指揮官・[[アレクサンドル>アレクサンドル・ラスコーリニコフ]]と支配者の猟犬・[[ネイムレス]]に立ち向かう一方、美汐が対峙したのはエリザベータであった。 練度の差から美汐は一方的に傷を受けるも、対するエリザベータも“兵士”としての自己の制御が乱れ、決定的な手を打てずにいた。彼女の一向に高まらぬ兵士としての戦意、その原因がどこにあるのかといえば…… &sizex(4){&color(darkviolet){「お互い端役であり脇役だもの。燃える舞台ではないでしょう?}}  &sizex(4){&color(darkviolet){&ruby(オードブル){前菜}とすら認識されてはいないのに、あなた昂ぶることができるのね。}}  &sizex(4){&color(darkviolet){なるほど、自慰が好きなのかしら」}} &sizex(4){&color(darkviolet){「図星でしょう? 分からないなんて言わせない。期待されていないのよ、私達は……}}  &sizex(5){&color(darkviolet){単刀直入に言うのなら、ええ、骨の髄から舐められている。}}  &sizex(5){&color(darkviolet){わざわざ訊ねないでちょうだい。私、改めて惨めになんて成りたくないの」}} その言葉に怒り、突っ込んでくる相手を、普段通りならば冷静にいなすことができたはずなのに、エリザベータも自分が先程吐いた現状認識のはずの言葉で、己の心を軋ませ、結果精彩を欠いた動きが続くばかりであった。 彼女の胸には時計機構の存在意義、そしてそれによって潰され、使い捨てられるのを待つだけの[[存在>アポルオン]]の姿が思い起こされ、&bold(){“私”と“兵士”の“切り替え”も迷いと躊躇いによって半端になってしまう。} エリザベータのそんな内心の戸惑いを見抜いたのか、今度は美汐がそれを嘲笑する。 &sizex(3){&color(navy){兵士だの、命令だの、機構がどうだの何だのと、}} &sizex(3){&color(navy){何もかも知った風な顔で、今までよくも口にできたものだと。}} &sizex(3){&color(navy){そんな貴様のキツい香水と厚化粧が、自分には癇に障って仕方がないんだ}}と。 &sizex(4){&color(navy){「当ててやろうか? あんた、本当は忠誠なんて誓ってないだろ」}} 沈黙するエリザベータに向けて、美汐はさらに言葉を続ける、 &sizex(4){&color(navy){「潰されるのが怖いから、大きな歯車に媚売ってるだけ。お願いどうか潰さないで、ねえ止めてよ支配者様。ほぅら見て、私何でもしますから……と。}}  &sizex(4){&color(navy){本心は大方そんなところ。ねえ違う、完璧で麗しい、完全無欠の兵士サマ?}}  &sizex(5){&color(navy){――臆病者が、逃げんじゃねえぞ&sizex(4){」}}} &sizex(4){&color(navy){「本音を言えずに我慢して、勝手に信じて裏切られて。}}&sizex(4){&color(navy){自分を出す勇気がないから&ruby(かめん){化粧}に頼って偉そうに……脳味噌ないの?}}&sizex(4){&color(navy){気持ち悪いわ、目障りなんだよ。あんたアレでしょ? 弱った時に優しくされたら、コロッと落ちる女の典型例。}}  &sizex(5){&color(navy){みすぼらしいのよ、悔しかったら素顔の自分に自信を持ちなさいよ――私みたいに&sizex(4){」}}} 表面上は相手を痛めつけるための侮蔑の言葉にも見えたが、既にエリザベータには、&bold(){彼女もまた自分と同じように、自分の吐いた言葉に傷ついているのだと理解できてしまっていた。} そうして&bold(){この組み合わせ}になってしまったことに、苦笑を浮かべながら――― &sizex(4){&color(darkviolet){&bold(){「ええ、本当によく分かったわ。}}}  &sizex(4){&color(darkviolet){&bold(){どうして私が、あなたのことが気に入らないのか。どうして私が、あなたを見ると悲しくなるのか。}}}  &sizex(5){&color(darkviolet){&bold(){なんて精巧な姿見。等身大で、嫌になるほど似通っている。}}}  &sizex(5){&color(darkviolet){&bold(){これが、同属嫌悪というものなのね……」}}} &bold(){先程から相手に向けて投げつけた言葉は、その実何よりも自分に言い聞かせるもの。} &bold(){これで納得してはどうだという行いを、どちらも現実に対しよくやってきた。} &bold(){その敵手の言葉が、先のどの言葉よりも認めたくない事実であったがために、} &sizex(4){&color(navy){&bold(){「――よりにも、よってッ」}}} &sizex(6){&color(navy){&bold(){「何を口走りやがったんだ、てめぇはァァアアアアアアーーッ!」}}} 迸る激情を乗せて美汐はエリザベータを追い込もうとするが、彼女は悲しい目を向けたまま言葉を発する…… &sizex(4){&color(darkviolet){「さっきの指摘を肯定するわ。ええそうよ、全てあなたの言う通り。}}  &sizex(4){&color(darkviolet){私は、忠実な歯車を上手く装っているに過ぎなかった。}}  &sizex(4){&color(darkviolet){用意された役割を演じることが、他人より少し得意だっただけ。}}  &sizex(5){&color(darkviolet){そして、&ruby(・・・・・・・){たったそれだけ}で……深みに嵌まった馬鹿な女」}} &bold(){似た者同士の少女を見つめながら、エリザベータは役柄を捨て、己が&ruby(イド){[[真実>https://www46.atwiki.jp/vermili/pages/112.html]]}をさらけ出す―――} &sizex(6){&color(darkviolet){&bold(){「だから望み通り、素顔を見せてあげるわ。&ruby(アオト・ミシオ){青砥美汐}。}}}    &sizex(6){&color(darkviolet){&bold(){そうよ。私だってこんな現実は嫌だものーーッ!」}}} ---- - 似てるけど2人の√の結末は………対極的だよね。 -- 名無しさん (2017-05-21 14:58:51) - 決して真理には到達できない二人だからこそ、人間味があっていいんじゃないか -- 名無しさん (2017-05-21 19:55:26) - マレーネとジュンが凌駕を良い神に方向修正させるのに対して、リーザと美汐は凌駕を人間の位階に下げる印象。どっちも素晴らしいことだけど、俺は後者が好き。 -- 名無しさん (2017-05-21 20:18:47) - 人を解する神にするか、人に堕とすか……ってところかねぇ -- 名無しさん (2017-05-21 20:21:24) - 形月でやったらどちらも至極のテーマになりそうだな。 -- 名無しさん (2017-05-22 09:57:38) - 何気に自分と似た負け犬や弱者に優しくて、同属嫌悪をしないゼファーさんの特異性を示してな、この台詞 -- 名無しさん (2017-05-22 22:24:55) - ゼファーさん同属にはむしろ同情・同調するからな。自分が嫌いで変わりたいと思ってるが、それを他者に押し付けない -- 名無しさん (2017-05-22 22:35:38) - まあ、受け入れることが滅奏者の答えだからね。 -- 名無しさん (2017-05-26 11:09:56) #comment
発言者:[[エリザベータ・イシュトヴァーン]] 対象者:[[青砥 美汐]] &bold(){互いが互いの在り方、言動を何故か認められず、それでいて相手を否定する言葉を吐く度に己の心も軋む。} そんな事を繰り返しながら戦う女二人の片方が、諦観とともに呟いた二人の事実。 ジュン√、天空の[[オルフィレウス]]が見降ろす中、[[凌駕>秋月 凌駕]]達は、同じく[[機構>時計機構]]の真実を知り、その上で任務を果たそうとする[[ギアーズ>戦闘実行部隊・ギアーズ]]の面々との決戦に挑む。 凌駕と[[ジュン>万里也 ジュン]]の二人が、ギアーズの指揮官・[[アレクサンドル>アレクサンドル・ラスコーリニコフ]]と支配者の猟犬・[[ネイムレス]]に立ち向かう一方、美汐が対峙したのはエリザベータであった。 練度の差から美汐は一方的に傷を受けるも、対するエリザベータも“兵士”としての自己の制御が乱れ、決定的な手を打てずにいた。彼女の一向に高まらぬ兵士としての戦意、その原因がどこにあるのかといえば…… &sizex(4){&color(darkviolet){「お互い端役であり脇役だもの。燃える舞台ではないでしょう?}}  &sizex(4){&color(darkviolet){&ruby(オードブル){前菜}とすら認識されてはいないのに、あなた昂ぶることができるのね。}}  &sizex(4){&color(darkviolet){なるほど、自慰が好きなのかしら」}} &sizex(4){&color(darkviolet){「図星でしょう? 分からないなんて言わせない。期待されていないのよ、私達は……}}  &sizex(5){&color(darkviolet){単刀直入に言うのなら、ええ、骨の髄から舐められている。}}  &sizex(5){&color(darkviolet){わざわざ訊ねないでちょうだい。私、改めて惨めになんて成りたくないの」}} その言葉に怒り、突っ込んでくる相手を、普段通りならば冷静にいなすことができたはずなのに、エリザベータも自分が先程吐いた現状認識のはずの言葉で、己の心を軋ませ、結果精彩を欠いた動きが続くばかりであった。 彼女の胸には時計機構の存在意義、そしてそれによって潰され、使い捨てられるのを待つだけの[[存在>アポルオン]]の姿が思い起こされ、&bold(){“私”と“兵士”の“切り替え”も迷いと躊躇いによって半端になってしまう。} エリザベータのそんな内心の戸惑いを見抜いたのか、今度は美汐がそれを嘲笑する。 &sizex(3){&color(navy){兵士だの、命令だの、機構がどうだの何だのと、}} &sizex(3){&color(navy){何もかも知った風な顔で、今までよくも口にできたものだと。}} &sizex(3){&color(navy){そんな貴様のキツい香水と厚化粧が、自分には癇に障って仕方がないんだ}}と。 &sizex(4){&color(navy){「当ててやろうか? あんた、本当は忠誠なんて誓ってないだろ」}} 沈黙するエリザベータに向けて、美汐はさらに言葉を続ける、 &sizex(4){&color(navy){「潰されるのが怖いから、大きな歯車に媚売ってるだけ。}}  &sizex(4){&color(navy){お願いどうか潰さないで、ねえ止めてよ支配者様。ほぅら見て、私何でもしますから……と。}}  &sizex(4){&color(navy){本心は大方そんなところ。ねえ違う、完璧で麗しい、完全無欠の兵士サマ?}}  &sizex(5){&color(navy){――臆病者が、逃げんじゃねえぞ&sizex(4){」}}} &sizex(4){&color(navy){「本音を言えずに我慢して、勝手に信じて裏切られて。}}  &sizex(4){&color(navy){自分を出す勇気がないから&ruby(かめん){化粧}に頼って偉そうに……脳味噌ないの?}}  &sizex(4){&color(navy){気持ち悪いわ、目障りなんだよ。}}  &sizex(4){&color(navy){あんたアレでしょ? 弱った時に優しくされたら、コロッと落ちる女の典型例。}}  &sizex(5){&color(navy){みすぼらしいのよ、悔しかったら素顔の自分に自信を持ちなさいよ――私みたいに&sizex(4){」}}} 表面上は相手を痛めつけるための侮蔑の言葉にも見えたが、 既にエリザベータには、&bold(){彼女もまた自分と同じように、自分の吐いた言葉に傷ついているのだと理解できてしまっていた。} そうして&bold(){この組み合わせ}になってしまったことに、苦笑を浮かべながら――― &sizex(4){&color(darkviolet){&bold(){「ええ、本当によく分かったわ。}}}  &sizex(4){&color(darkviolet){&bold(){どうして私が、あなたのことが気に入らないのか。どうして私が、あなたを見ると悲しくなるのか。}}}  &sizex(5){&color(darkviolet){&bold(){なんて精巧な姿見。等身大で、嫌になるほど似通っている。}}}  &sizex(5){&color(darkviolet){&bold(){これが、同属嫌悪というものなのね……」}}} &bold(){先程から相手に向けて投げつけた言葉は、その実何よりも自分に言い聞かせるもの。} &bold(){これで納得してはどうだという行いを、どちらも現実に対しよくやってきた。} &bold(){その敵手の言葉が、先のどの言葉よりも認めたくない事実であったがために、} &sizex(4){&color(navy){&bold(){「――よりにも、よってッ」}}} &sizex(6){&color(navy){&bold(){「何を口走りやがったんだ、てめぇはァァアアアアアアーーッ!」}}} 迸る激情を乗せて美汐はエリザベータを追い込もうとするが、彼女は悲しい目を向けたまま言葉を発する…… &sizex(4){&color(darkviolet){「さっきの指摘を肯定するわ。ええそうよ、全てあなたの言う通り。}}  &sizex(4){&color(darkviolet){私は、忠実な歯車を上手く装っているに過ぎなかった。}}  &sizex(4){&color(darkviolet){用意された役割を演じることが、他人より少し得意だっただけ。}}  &sizex(5){&color(darkviolet){そして、&ruby(・・・・・・・){たったそれだけ}で……深みに嵌まった馬鹿な女」}} &bold(){似た者同士の少女を見つめながら、エリザベータは役柄を捨て、己が&ruby(イド){[[真実>https://www46.atwiki.jp/vermili/pages/112.html]]}をさらけ出す―――} &sizex(6){&color(darkviolet){&bold(){「だから望み通り、素顔を見せてあげるわ。&ruby(アオト・ミシオ){青砥美汐}。}}}    &sizex(6){&color(darkviolet){&bold(){そうよ。私だってこんな現実は嫌だものーーッ!」}}} ---- - 似てるけど2人の√の結末は………対極的だよね。 -- 名無しさん (2017-05-21 14:58:51) - 決して真理には到達できない二人だからこそ、人間味があっていいんじゃないか -- 名無しさん (2017-05-21 19:55:26) - マレーネとジュンが凌駕を良い神に方向修正させるのに対して、リーザと美汐は凌駕を人間の位階に下げる印象。どっちも素晴らしいことだけど、俺は後者が好き。 -- 名無しさん (2017-05-21 20:18:47) - 人を解する神にするか、人に堕とすか……ってところかねぇ -- 名無しさん (2017-05-21 20:21:24) - 形月でやったらどちらも至極のテーマになりそうだな。 -- 名無しさん (2017-05-22 09:57:38) - 何気に自分と似た負け犬や弱者に優しくて、同属嫌悪をしないゼファーさんの特異性を示してな、この台詞 -- 名無しさん (2017-05-22 22:24:55) - ゼファーさん同属にはむしろ同情・同調するからな。自分が嫌いで変わりたいと思ってるが、それを他者に押し付けない -- 名無しさん (2017-05-22 22:35:38) - まあ、受け入れることが滅奏者の答えだからね。 -- 名無しさん (2017-05-26 11:09:56) #comment

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